平成23年度交通局実施プラン

札幌市営企業調査審議会
平成 23 年度第1回交通部会
【資料1-2】
平成 23 年(2011 年)4月
平 成 23 年 度 交 通 局 実 施 プ ラ ン
1
ページ
交通局の経営理念と運営方針・・・・・・・・・・・ 1
2
地下鉄事業の重点取組項目・・・・・・・・・・・・
3
路面電車事業の重点取組項目・・・・・・・・・・・12
路面電車事業の重点取組項目・・・・・・・・・・・12
4
「環境首都・札幌」宣言・自治基本条例の
具体化に向けた取組み・・16
具体化に向けた取組み・・
16
5
職員の不祥事防止に向けた取組み・・・・・・・・・17
職員の不祥事防止に向けた取組み・・・・・・・・・17
6
職場内コミュニケーションの活性化・・・・・・・・19
職場内コミュニケーションの活性化・・・・・・・・19
7
経営体制と進行管理・・・・・・・・・・・・・・・20
経営体制と進行管理・・・・・・・・・・・・・・・20
2
1
1 交
交通
通局
局の
の経
経営
営理
理念
念と
と運
運営
営方
方針
針
◆ 交通局の使命
効率的な事業運営を行い、公共交通ネットワークの中核として、“「市民の足」を守る”とい
う社会的使命を果たします。
◆ 経営目標
将来にわたって安全で安定した輸送サービスを提供することで、都市機能の維持と地域社会
の発展に寄与します。
◆ 運営方針
安全で安心な運行、そして利用者の立場に立ったサービスの提供に向けて、歩み続ける組織
であること。
札幌市交通局の行動宣言<平成16年4月>
安全で安心な運行をお約束します。
○
乗り心地の良いスムーズな運転を心がけます。
○
安全確認はきびきびとした態度で指差呼称します。
○
車両や施設の小さな異常も見逃さず、確実な点検・整備に努めます。
便利で快適な時間をお約束します。
○
お客さまの時間を大切にし、定時運行に努めます。
○
正確で聞き取りやすい車内アナウンスを行います。
○
駅や車内をきれいに保ちます。
親切で思いやりあふれるサービスをお約束します。
○
あいさつを大切にし、お困りの方には進んで声を掛けます。
○
ていねいに分りやすくスピーディーにご案内します。
○
清潔な身だしなみで礼儀正しく接します。
○
お客さまの声に耳を傾けます。
札幌市交通局安全方針<平成 22 年4月>
私たちは、輸送の生命である「安全」を確保するため、法令及び規程を遵守すると共に、安
全最優先の原則を基盤とした厳正な職務の遂行と不断の努力により、確固たる安全管理体制の
維持・発展に向け、一丸となって全力で取り組みます。
-1-
2
2 地
地下
下鉄
鉄事
事業
業の
の重
重点
点取
取組
組項
項目
目
◆ 安全対策
ホーム柵の設置
地下鉄駅ホームでの転落事故や列車との接触事故防止のため、全線に可動式ホーム柵を設置し
ます。
平成 20 年度には、東西線全駅(19 駅)に可動式ホーム柵の設置が完了しました。
引き続き、南北線は平成 25 年、東豊線は 30 年度までの設置を目指して、計画的に車両・設備
等の整備を進めていきます。
火災対策(車両間仕切り扉の設置)
平成 15 年に韓国で発生した地下鉄火災事故を踏まえて改正された新しい火災対策基準に適合
した車両構造とし、車内で火災が発生した際の延焼を防止するため、車両と車両の間の連結部に
仕切り扉を設置して、火災に対する更なる安全性の向上を図ります。
平成 23 年度は、3000 形車両の更新のために導入する 5000 形新製車両1編成に、車両間の仕
切り扉を設置する計画です。
地震対策
地震による被害を防ぎ、建築物の耐震化を図るため、平成 21 年度から交通局関係施設全 52
棟の耐震診断を順次実施し、平成 25 年度から計画的に改修工事を進めます。
平成 23 年度は、東車両基地の耐震診断を実施して耐震状況を把握するとともに、今後、耐震
改修が必要な澄川駅の基本設計及び自衛隊前駅、南平岸駅の実施設計に取り組みます。
信号保安設備の更新
昭和 51 年開業(白石駅~琴似駅間)及び昭和 57 年延長部開業(白石駅~新さっぽろ駅間)の
際に設置した、東西線の信号保安装置は、老朽化が著しいため、運転保安設備としての信頼性の
再構築を図るべく、西(琴似駅)の方から順次機器の更新を行っています。
平成 23 年2月には、車両基地を除く本線では最後となる、ひばりが丘駅信号保安設備(南郷
18 丁目駅~新札幌駅間)(稼動後 27 年経過)の更新工事を発注し、現在、新機器の製作と準備
工事を行っています。
平成 23 年 12 月には現地へ機器を搬入し、およそ9か月間の試験調整を行い営業運転に導入す
る予定です。
また、本工事のしゅん功は平成 25 年9月を予定しています。
-2-
安全対策のソフト面施策
≪ヒューマンエラーマネジメント(HEM)の取組み≫
ヒューマンエラーを起こしにくい職場環境づくりの視点から安全管理活動を管理・推進する
「ヒューマンエラーマネジメント(HEM)」に、昨年度に引き続き取り組みます。
この取組みについては、駅業務を委託している(財)札幌市交通事業振興公社は地下鉄事業の
運営に必要不可欠なパートナーであるとの認識のもと、同公社も参加し、関係職員が一体となっ
て、この取組みを推進していきます。
平成 23 年度は、過去2回実施した全職員を対象としたアンケートの分析結果をもとに、それ
ぞれの職場の特性に応じた効果的な改善策を実施することにより働きやすい職場づくりとお客
様満足の向上に取り組み、一層の輸送の安全確保に努めます。
≪地下鉄駅構内火災訓練≫
地下鉄駅構内における火災に備えるため、駅構内火災を
想定した訓練を実施します。
平成 23 年度は、警備員や清掃員・売店従業員の方々にも
参加いただく訓練想定とし、駅の防災器具の取扱いなどを
加えた実践的な訓練を実施します。
≪浸水対策訓練≫
河川の氾濫及び内水氾濫を想定し、土のう等を使用した浸水対策訓練を実施します。
≪地下鉄列車火災訓練≫
列車内での異常事態に備えるため、列車内で火災発生を
想定した訓練を実施します。
平成 23 年度は、駅間走行中での火災発生を想定し、関係
職員間の連携による救援活動やお客さまの退避誘導など実
践的な訓練をします。
≪地下鉄列車併結・推進運転訓練≫
故障等により列車が単独走行できない場合を想定した、
列車併結・推進運転訓練を実施します。
-3-
≪車両故障等を想定した異常時対応訓練の実施≫
異常事態の発生に備えるため、車両故障等を想定した訓練を実施します。
平成 23 年度は、本線上で発生したトラブルに迅速な対応ができるようにより実践的な訓練を
目指します。
◆ サービス向上
バリアフリー化
平成 23 年度は、視覚障がい者誘導用タイルの追加整備を進めていきます。
・麻生駅1番、2番出口の地上歩道部に誘導タイルの整備がされたため、その敷設に合わせた
誘導と盲導鈴を設置します。
・駅事務室前までの誘導タイルは、平成 21 年度から整備(14 駅設置)を開始していますが、
全駅整備とするため、残り 35 駅の敷設整備をします。
平成 24 年度以降のバリアフリー整備計画については、国(総務省)から示される基本方針な
ども踏まえ、引き続き検討を進めていきます。
【麻生駅構内図】※誘導タイル等設置場所
【駅事務室前までの誘導タイルの敷設イメージ】
-4-
駅トイレの改良工事
経年劣化による配管等の老朽化が進んでいる駅構内のトイレについて、順次改良工事を実施
します。
≪平成 23 年度改良実施駅≫
東豊線:大通駅
東豊線:さっぽろ駅
【改良後トイレ】
新型車両の導入
南北線では、3000 形車両と 5000 形車両の2種類の車両を使用していますが、3000 形車両は老
朽化が進むとともに、新型車両である 5000 形車両とはドアの配置が異なるため可動式ホーム柵
への対応ができません。
このため、3000 形車両3編成を、お客さまへの利便性・サービス向上に配慮した 5000 形車両
に更新します。
新しい 5000 形車両は、平成 21 年度と平成 22 年度に各1編成を導入していますが、平成 23
年度についても1編成を導入することで、3000 形車両から 5000 形への更新計画が完了します。
ICカード乗車券「SAPICA」の導入
平成 25 年度第一四半期を目途とした路面電車及びバスへの SAPICA の導入及び平成 25 年度中
を目途とした Kitaca 及び Suica 等の利用サービスの開始に向けて、そのサービス内容及びシス
テム開発の詳細について関係事業者と協議を進めていきます。
ICカード乗車券「SAPICA」の利便性向上
SAPICA の利用状況などを勘案しつつ、引き続き、老朽化した機器の更新に併せて、SAPICA 入
金専用機を導入します。
また、平成 25 年度を目途とした路面電車及びバスにおける SAPICA の導入及び SAPICA エリア
における Kitaca 及び Suica 等の利用サービスの開始に向けて、サービス内容などについて関係
事業者と検討するとともに、所要のシステム開発を進めていきます。
なお、Kitaca エリアにおける SAPICA の利用サービスの実施についても、引き続き、JR北海
道と協議を進めていきます。
ホーム清掃の実施
ご利用されるお客さまに快適な時間を提供するため、地下鉄の職員が深夜にホーム清掃(ホー
ムの壁面・中柱清掃・側溝に溜まった汚泥の除去)を行い、駅舎の美化に努めます。
-5-
マナー向上への取組み
乗車マナー向上のため、マナー向上キャンペーンを年3回実施するほか、職員が直接沿線の学
校へ出向き「出張マナー講座」を開催するなど、積極的にマナー向上をPRし、お客さまが利用
しやすい市営交通を目指します。
また、(財)札幌市交通事業振興公社が実施している「子ども市営交通教室」や「マナーポス
ター」等のマナー啓発事業にも積極的に協力していきます。
◆ 利用促進
駅の個性化
○「移動の通過点」から「人が集まる駅」、
「利用される駅」に転換することで利用を促進します。
○地域に愛される駅づくりにより、市民共有の財産であるとの認識を深め、利用を促進します。
○自分たちのまちに愛着をもって、まちづくりに参画するきっかけづくりを行います。
≪取組例≫
■地域や学校との連携
・宮の沢駅で地域の作品を展示
・発寒南駅で小学生の作品を展示
・南郷 13 丁目駅でペットボトルキャップアートを掲出
■札幌市との連携
・円山公園駅ホーム柵等に動物の装飾
・バスセンター前駅で 500m美術館を設置
・琴似駅でジャズライブを開催
【メトロライブ】
・大通駅、栄町駅等の雪まつり会場付近の駅で雪まつりにちなんだ絵画等を掲出
■スポーツチームとの連携
・福住駅で日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌の試合開催日にチームの装飾
・大谷地駅でコンサドーレ札幌の試合開催日にチームの装飾
・南郷 13 丁目駅で北海道バスケットボールクラブの試合開始日にチームの装飾
■イベントとの連携
・大通駅でメトロライブを開催
・円山公園駅、西 28 丁目駅のバスターミナルで野菜市を開催
・南平岸駅の高架下で、フリーマーケットを開催
-6-
利用促進キャンペーン等の実施
平成 21 年9月から開始した「のって eco!プロジェクト」に基づいて、年間を通じ、様々な
広告媒体を利用した PR やイベント等を継続的・計画的に実施することにより、利用促進及び IC
カード乗車券「SAPICA」への転換促進を図るとともに、本年 12 月に地下鉄開業 40 周年を迎える
ことから、記念イベントの実施を予定しています。
また、昨年度に引き続き、平成 21 年度に設置した「利用促進戦略会議」を十分に活用し、新
たな取組みの検討を進めるとともに、バス事業者等と連携した取組みについても検討します。
≪プロスポーツチームや商業施設との連携≫
・試合会場でのイベント実施
・商業施設等と連携し、キャンペーン等のイベントの実施
【北海道日本ハムファイターズとのタイアップ(平成 22 年度実施)】
地域、札幌市の施策との連携
≪メトロギャラリーの運営≫
地下鉄駅施設を有効活用し、一般市民・団体・アーティストなど誰もが作品を気軽に発表でき
る場を提供することで、文化芸術活動の振興を図るとともに、地域との連携を深め、市営交通の
イメージアップと利用促進を図ることを目的として、平成 19 年 11 月から 10 駅に設置していま
す。
どなたでもご応募いただける一般公募を平成 23 年度も実施することで、多くの方の作品発表
の場を提供します。
≪札幌市の施策との連携≫
都心部のにぎわいの創出や商業活性化に寄与するとともに、札幌市で活動支援している市民・
地域主体のイベントや、常設化が予定されている「500m 美術館」等、引き続き、札幌市の施策
と連携することにより、地下鉄の利用促進及び交通局のイメージアップを図っていきます。
-7-
新たな需要の開拓
タイアップカード、記念カードなど、話題性のある魅力的なカード等を作成します。
平成 22 年度発売【雪ミク共通ウィズユーカード】【北海道日本ハムファイターズ共通ウィズユーカード】
◆ 増収対策
駅コンコースその他資産の活用
駅コンコースや庁舎空きスペースの積極的な活用を進めるため、平成 21 年度からホームペー
ジ上で公募による出店希望者を募集しています。また、公募において事業者の選定に至らなかっ
た場所については、随時募集も行っています。
平成 23 年度についても、第3回目となる公募を行い、ホームページやその他の媒体を通して、
駅構内等の遊休スペースを積極的に周知し、出店を促進していきます。
また、広告料収入の増収を図るため、新規広告媒体の開発及び既存の広告媒体の充実等につい
て積極的に推進します。
-8-
◆ 収支見込み
平成 23 年度予算(経常収支)
(消費税を含む)
営業外収入
営業収入 386
広告 補助金等
等
74
乗車料 359
収入
27
経常収入 460
営業外支出
営業支出 326
人件費
60
支出
減価償却費
138
経費 128
企業債利息等
100
黒字 34
(※)
経常支出 426
0
100
200
300
※
400
億円
500
消費税を除く純利益は、31 億円
平成 23 年度予算のポイント
≪営業収支≫
60 億円の営業黒字
平成 22 年度当初予算から 10 億円悪化
≪経常収支≫
34 億円の経常黒字
平成 22 年度当初予算から3億円悪化
(※消費税を除く純利益は 31 億円)
≪年度末の資金不足≫
6億 1,000 万円
平成 22 年度見込みから3億円改善
平成 23 年度予算は、札幌駅前通地下歩行空間の開通の影響等により、乗車料収入の大幅な落
ち込みを見込むため、人件費や経費の縮減に努めるものの、営業収支の大幅な悪化が見込まれま
す。また、経常収支についても、企業債利息の負担の減少等の好転要素はあるものの、乗車料の
落ち込みをまかないきれず、悪化することが見込まれます。
-9-
◆ <高速電車事業会計>
平 成 23 年 度 予 算 の 状 況
(単位:百万円)
(消費税を含む)
区 分
乗 車 料 収 入
収
営
入
収業
支
収出
益
そ
の
計
他
2,738
38,601
人
件
費
6,014
経
費
減 価 償 却 費
12,768
13,803
計
営 業 収 支
支
(A)
( 償却 前 営 業 収 支)
的
他会計 補 助金
営収
そ
業入
外
支
収収出
支
の
計
企 業 債 利 息
7,398
9,030
そ
他
930
9,960
(B)
▲ 2,562
40
備
費
(C)
特 別 損 益 (E)
収 益 的 収 支 (D)+(E)=(F)
資収
積
入
庫
建
支
出
金
補
助
金
他 会 計 補 助 金
受 託 工 事 収 益
的
収支
損
企
業
債
出
資
金
固定 資産売却 代金
国
本
欠
設
計
改
良
費
企 業 債 償 還 金
受 託 工 事 費
予
備
計
資 本 的 収 支
計
3,414
3,414
▲ 328,193
10,870
3,284
7
28
3,407
広告料 15億円 賃貸料 12億円
ワンマン化による乗務員の削減の前倒し等
施設設備の老朽化等に対応
現金支出を伴わない費用。対前年2億円減
22年度予算から9.7億円悪化
高金利の企業債の借換により減 対前年▲5.9億円
消費税納付額 9億円
22年度予算から2.7億円悪化
(消費税を除いた純利益は31.4億円)
(税抜)
建設債 53億円 特例債 18億円 平準化債 37億円
建設出資 14億円 健全化対策出資 19億円
土地売却代金
地下高速鉄道整備事業費補助金
資本費負担軽減補助金等
324
17,920
エレベーター整備等
7,060
29,499
ホーム柵設置関連工事、ICカード対応機器導入等
324
20
36,903
(G)
▲ 18,983
13,957
(F)+(G)+(H)+(I)+(J)
定期 73億円 定期外一般 263億円 福祉分 23億円
(17,217) (減価償却費を除いた収支)
0
費
損 益 勘 定 留 保 資 金 (H)
過年度分資金 過不足額 (I)
資本費負担緩和分企業債(J)
主 な 内 容
(19,819) (減価償却費を除いた収支)
7,109 特例債元利補助金等
289
支 経 常 収 支 (A)+(B)-(C)=(D)
(償却前経常収支)
累
32,585
6,016
他
の
計
営 業 外 収 支
予
予算額
35,863
建設債 180億円 特例債 51億円 緩和債 64億円
エレベーター整備等
減価償却費など現金支出を伴わない費用を再掲
▲ 915
1,917
22年度見込み
▲ 610
資金不足額は経営健全化計画に基づき計画的に解消
資金手当を目的とする企業債
- 10 -
◆ 10 か年経営計画の進捗状況(税抜き)
札幌市営地下鉄事業 10 か年経営計画は、策定から7年が経過し、計画期間も残り3か年
となりました。交通局では、平成 20 年度に社会情勢の変化等を踏まえ、新たな経営課題を
確認し、今後取り組むべき施策と事業の洗い出しを行うため、計画の中間検証と見直しを行
っています。(詳しい内容は、交通局のホームページをご覧ください)。
平成 23 年度予算では、乗車料収入の大幅な減収等厳しい経営状況を見込むため、5つの
収支改善目標のうち3つの収支改善目標については、計画を達成することが困難であると見
込んでいます。
今後は、最終年度の目標達成も厳しいことが想定されますが、計画を達成できるよう、経
営の健全化に努めます。
収支改善目標
参考
( 1 0年 目 = 2 5 年 度 )
8年 目 = 23年 度
(1 0か 年 計 画 ( 見 直 し 後 ) の 指 標 )
10か 年 計 画
(見 直 し後 )
23予 算
10 か 年 計 画
(見 直 し 後 )
善
57
49
8億 円
悪化
66
償 却 前 営 業 収 支 の 改 善
1 96
187
9億 円
悪化
20 3
35
31
4億 円
悪化
48
▲ 6
▲6
計 画 どお り
0
2 08
208
計 画 どお り
275
営
業
収
支
の
改
( 1 0年 間 で 16 4% 改 善 )
( 10 年 間 で 1 5% 改 善 )
経
常
収
支
の
改
善
( 平 成 18 年 度 決 算 か ら 黒 字 維 持 )
不
良
債
務
の
解
消
( 平 成 25 年 度 ま で に 全 額 解 消 )
効 率 化 ・ 増 収 策 の 展 開
(10年間 の 総額 で 約270億円 の 収支 改善 )
- 11 -
3
3 路
路面
面電
電車
車事
事業
業の
の重
重点
点取
取組
組項
項目
目
◆ 安全対策
車両機器更新
昭和 60 年から昭和 63 年にかけて新造した 8500 形車両6両は、新造後約 25 年を経過しており、
主要な電子機器類が老朽化し、補修部品も供給されない状況であるため、経年劣化による故障の
発生が懸念されます。
このため、VVVF インバータ制御装置などを更新することにより、安全運行の確保を図ります。
平成 23 年度は、8501、8502 号車の2両について、機器を更新するための改修を実施します。
軌道改良
軌道についてはレール、枕木、道床砕石等の老朽化により、車両走行時に騒音・動揺のほか、
冬季間には道床の凍上などが発生することから、安全運行を確保するため計画的に概ね 25 年周
期を目途に順次改良を行っています。
平成 23 年度は、1条線(南1条西5丁目~西7丁目間)のガードレール設置と南 22 条の曲線
部(幌南小学校前)、西線 11 条渡り線の改良工事を行います。
安全対策のソフト面対策
≪滑走対応訓練≫
晩秋から冬季にかけて、軌道上の落ち葉や融雪剤による滑走が憂慮されることから、滑走発生
時に対応できる運転技術の習得訓練を経験5年未満の運転手を対象に行います。
≪接触限界目視訓練》
滑走発生時における運転技術の習得訓練及び車両形式により異なる曲線部での接触限界の見
極め訓練を行い、運転技術の向上を図ります。
≪単線運転時の対応訓練≫
事故等で片側の線路が不通となった場合に備え、単線運転の訓練を行い安全運行の確保を図り
ます。
【滑走対応訓練】
【接触限界目視訓練】
- 12 -
◆ サービス向上
傘の無料貸出し
忘れ物傘を利用した傘の無料貸し出しサービスは、実施当初から好評で、返却も順調なこと
から、平成23年度も実施します。
・平成22年度返却率:49%
・実施期間:4 月 1 日から 11 月 20 日(夏ダイヤ期間)
【電車内の傘の設置状況】
◆ 利用促進
地域との連携
≪もいわ山ロープウェイとの連携≫
平成 23 年度秋にもいわ山ロープウェイがリニューアルオープンすることから、ロープウェイ
を運営する株式会社札幌振興公社及び観光文化局と連携し、タイアップ事業を実施します。
≪地域住民、沿線施設等との連携≫
地域住民・近隣商業者・中央区役所とともに、市電フェスティバルを実施します。
また、沿線施設と連携して、企画電車の運行に向けて検討します。
新たな需要の開拓
≪魅力ある企画乗車券の検討≫
市電沿線の観光施設や商業者とタイアップした企画乗車券の発行について、検討を行います。
≪イルミネーション電車の運行≫
平成 18 年度から実施しているイルミネーション電車について、路面電車沿線活性化協議会と
協力し、平成 23 年度の運行に向けて検討を行います。
広告媒体の充実
広告料収入の増収を図るため、新規広告媒体の開発及び既存の広告媒体の充実等について積極
的に推進します。
PR 活動の強化
「環境首都・札幌」宣言に結びつけ、「人と環境に優しい路面電車」をテーマとした利用促進
キャンペーンを実施します。
また、貸切電車の活用方法の検討や、沿線企業や地域住民への貸切電車の利用促進を行います。
- 13 -
◆ 収支見込み
平成 23 年度予算(経常収支)
(消費税を含む)
営業収入 10.9
営業外収入
広告
等
0.5
乗車料 10.4
収入
補助金等
2.0
赤字
1.5
経常収入 12.9
営業外支出
営業支出 13.9
支出
人件費 7.8
経費 4.4
減価
償却費
1.7
他
0.5
経常支出 14.4
0
5
10
※
15
消費税を除く純損失は、1.6 億円
平成 23 年度予算のポイント
≪営業収支≫
3.0 億円の営業赤字
平成 22 年度当初予算から 0.5 億円改善
≪経常収支≫
1.5 億円の経常赤字
平成 22 年度当初予算から 0.5 億円改善
≪年度末の資金残≫
3億 5,600 万円
平成 22 年度見込みから 7,400 万円悪化
平成 23 年度予算では、乗継割引分を地下鉄で負担することなどによって、乗車料収入の増加
が見込まれ、また人件費・減価償却費の減などの好転要素もあるため、平成 22 年度と比べて、
経常収支が改善することが見込まれます。
- 14 -
◆ <軌道事業会計>
平 成 23 年 度 予 算 の 状 況
(単位:百万円)
(消費税を含む)
区 分
乗 車 料 収 入
収
営
そ
入
の
他
計
収業
人
支
件
費
443
軌道設備・車両等の老朽化に対応
減 価 償 却 費
168
現金支出を伴わない費用。対前年 1,900万円減
1,394
(A)
他会計 補 助金
そ
業入
外
支
収収出
支
の
他
▲ 305
200
企 業 債 利 息
15
そ
25
他
費
(B)
163
(C)
10
支 経 常 収 支 (A)+(B)-(C)=(D)
(償却前経常収支)
▲ 152
特 別 損 益 (E)
収 益 的 収 支 (D)+(E)=(F)
0
累
資収
本
入
的支
収
出
22年度予算から4,600万円改善
(16) (減価償却費を除いた収支)
▲ 152
(消費税を除いた純損失は1億6,100万円)
金
▲ 333
(税抜)
債
178
建設改良事業の財源
他 会 計 補 助 金
199
軌道舗装補修費補助金等
計
377
積
欠
企
建
損
業
設
改
良
費
377
企 業 債 償 還 金
96
予
10
備
費
計
支
消費税納付額 2,300万円
40
営 業 外 収 支
備
積雪寒冷対策費補助金等
3
203
の
22年度予算から4,500万円改善
(▲ 137) (減価償却費を除いた収支)
計
計
予
広告料 4,100万円 賃貸料 1,100万円
退職者の減による減少
( 償却 前 営 業 収 支)
的
52
定 期 9,000万 円 定 期外 一般 8億0,200万 円 福 祉分 1億4,500万 円
783
営 業 収 支
営収
1,037
費
計
支
主 な 内 容
1,089
経
収出
益
予算額
軌道改良、車両機器更新等
483
(G)
▲ 106
損 益 勘 定 留 保 資 金 (H)
184
減価償却費など現金支出を伴わない費用を再掲
過年度分資金 過不足額 (I)
430
22年度見込み
(F)+(G)+(H)+(I)
356
23年度末資金残
資 本 的 収 支
計
- 15 -
4
4 「
「環
環境
境首
首都
都・
・札
札幌
幌」
」宣
宣言
言・
・自
自治
治基
基本
本条
条例
例の
の具
具体
体化
化に
に向
向け
けた
た取
取組
組み
み
◆ 「環境首都・札幌」宣言の具体化に向けた取組み
札幌市交通局 eco!宣言
交通局では、平成 21 年9月に環境問題への取組みをより一層進めていくため、
「環境首都・
札幌」宣言に基づき、「札幌市交通局 eco!宣言」をしました。
「のって eco!プロジェクト」に基づいて、商業施設等とのタイアップ企画を実施することに
より、一人でも多くのお客様に環境に優しい市営交通をご利用いただくとともに、SAPICA への
利用転換を進めていきます。
ホーム駅名標識(1駅予定)
・シンボルマーク(5駅 10 か所予定)
電照広告枠の LED 化(1駅予定)
経年劣化に伴うホーム駅名電照標識及びシンボルマーク(屋外電照駅名標識)の改修に併せて、
環境面に配慮し(CO2 排出削減)、消費電力の削減による効率化対策として、電照方式を「蛍光
灯照明器具」から「LED 照明器具」に改修します。
また、地下鉄駅の電照広告枠についても、LED 化を進めていきます。
環境マネジメントシステムの活用
環境マネジメントシステム(EMS)を積極的に活用し、通常業務と環境活動を一体化させつつ
PDCA サイクルを確実に回すことで、庁舎や駅舎などの施設におけるエネルギー使用量や廃棄物
排出量等の環境負荷の低減を図ります。
◆ 自治基本条例の具体化に向けた取組み
市民との情報共有の推進
局ホームページのほか、市の広報誌、報道機関等を活用し、交通局のイベント等の情報を積極
的に提供していきます。
市民によるまちづくり活動の促進
沿線住民や企業、札幌市と連携したイベントを実施し、市営交通に対する理解を深めていただ
くとともに、まちづくり活動の促進につなげていきます。
また、平成 21 年度に増設した情報発信ボード等を活用し沿線地域の情報を提供することによ
り、今後も市民によるまちづくり活動を促進するほか、市営交通の新たな需要拡大を図ります。
- 16 -
5
5 職
職員
員の
の不
不祥
祥事
事防
防止
止に
に向
向け
けた
た取
取組
組み
み
職務上の不祥事および私生活上の不祥事の根絶に向け、以下の項目について重点的に取組む
ことにより、局職員が一丸となって不祥事防止への意識を高めます。
◆ 職務上の不祥事に対する取組み
チェック体制の構築
課ごとに、自らの課で起こり得る不祥事を想定し、その防止策を検討します。そして、防止策
に沿ったチェック項目を策定し、各課長が定期的に業務の執行状況を確認します。また、年に2
回実施している定期内部監査の時期に、他課の課長が確認を行います。
各課で策定された防止策、チェックの実施状況及び実施結果等については、部長会議で報告し、
局全体で情報共有を図ります。
なお、起こり得る不祥事の想定及び防止策の検討にあたっては、係ごとに職員全員で話し合う
こととし、職員一人一人が自らの職場の不祥事について考える機会を設けます。
さらに、駅関連業務を委託している(財)札幌市交通事業振興公社に対しても業務遂行にお
ける不祥事防止の観点から、コンプライアンスの徹底とその取組みについて、適宜、実施を促し
ていきます。
部長会議
実施状況、実施
結果の報告
・防止策等の見直し
・改善の指示等
情報共有
不祥事
防止策
チェック
を想定
の策定
項目の策定
課
係
係
課
係
係
- 17 -
係
係
◆ 私生活上の不祥事に対する取組み
職場研修の実施
各課などにおいて、職場研修を実施することや、管理監督者が不祥事の代償について直接職員
に語りかけることなどにより、職員の不祥事防止に対する意識向上を図り、服務規律の確保を徹
底していきます。
活発なコミュニケーション
管理監督者は、定期的に職員との面談を実施し、職員一人一人の職場での勤務態度だけではな
く、私生活の実態把握にも努め、悩み等があれば、適宜アドバイスを行います。
また、日頃から、積極的に声掛けをするなど職場内のコミュニケーションを大切にし、職員の
ちょっとした異変を見逃さないよう心がけるとともに、どんなことでも気軽に相談できる職場風
土づくりに努めます。
- 18 -
6
6 職
職場
場内
内コ
コミ
ミュ
ュニ
ニケ
ケー
ーシ
ショ
ョン
ンの
の活
活性
性化
化
◆ 行動宣言に基づく職場横断的な取組
交通局では、職員の意識改革を図るための行動指針である「札幌市交通局の行動宣言」に基づ
き、局全職員が一体となった取組みを進めています。今後も、この取組みを推進することで、職
員間の円滑なコミュニケーションを図り、より一層のお客さまサービスの向上に繋げていきます。
行動宣言推進チーム
行動宣言の取組を推進するために設置された「行動宣言推進チーム」は、平成 23 年度も部門
間の垣根を越えた率直な意見交換や、具体的な実践活動を展開します。
【行動宣言推進チーム会議】
行動宣言に基づく実践活動
各課がそれぞれ策定した行動宣言の実践メニューに、他部署の職員が積極的に参加することで、
職員同士の連帯感が生まれています。
【実践活動(ホーム清掃)の様子】
◆ 朝礼、レクリエーション活動等
各職場では、朝礼を通しての情報共有、局内でのレクリエーション活動等を通して職員の連携
を深め、職場内のコミュニケーションの活性化を図ります。
- 19 -
7
7 経
経営
営体
体制
制と
と進
進行
行管
管理
理
◆ 経営体制
交通局では、「交通局経営会議」が設置されており、交通事業の経営の根幹に関わる事項を決
定するために、随時開催されています。また、局内における連絡調整並びに情報の共有化等の円
滑化を図るため、毎週、定期的に「交通局部長会議」を開催しています。
また、安全運行の確保やサービスの向上のために、初動体制、指揮命令系統、情報共有などを
体系的にシステム化することで、機動力のある組織を目指しています。
◆ 進行管理
交通局経営会議が中核となり、交通局実施プランの進行管理を行い、プランを確実に達成
するとともに、お客さまニーズ、社会・経済の状況、国の法制度等の動向を十分に見極め、
的確なプランの見直しも行っていきます。
お
客
さ
ま
お客さまの声
情 報 提 供
サービスアップ
交通事業管理者
安全統括管理者
経
意見具申等
営
会
議
報告
指示
部 長 会 議
安全管理体制
報告
指示
宣
言
交 通 局
実 施 プ ラ ン
各職場が連携して
プランを推進
指
調
現場の声
情報・周知
各
職
場
示
整
・
- 20 -
現場の声
情報・周知
職
員
サービス向上・意識改革
動
行 動 宣 言 推進 チ ー ム
行
苦情要望処理システム
安全運行管理室
安 全 運 行
事 故 防止 検 討 委 員
進捗状況
報
告