Title ターミナル期にあるがん患者の苦痛の分析 : 看護記録に よる

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ターミナル期にあるがん患者の苦痛の分析 : 看護記録に
よるターミナル期初期と終末期の苦痛の比較
高橋, 育代; 杉田, 塩; 久米, 弥寿子; 小笠原, 知枝
大阪大学看護学雑誌. 5(1) P.25-P.31
1999-03
Text Version publisher
URL
http://hdl.handle.net/11094/56784
DOI
Rights
Osaka University
大 阪 大 学 看 護 学 雑 誌VoL5No1(1999)
ター ミナル期 にあるがん患者 の苦痛の分析
一看護記録 によるター ミナル期初期 と終末期 の苦痛の比較 一
高橋 育 代*杉
AN
ANALYSIS
OF TOTAL
AT
THE
—A COMPARISON
TERMINAL
田塩*久 米 弥 寿 子**小
PAIN
IN CANCER
TERMINAL
OF TOTAL
STAGE
AND
FROM
THE
笠原 知 枝**
STAGE
PAIN
LAST
NURSING
PATIENTS
AT
THE
FIRST
TERMINAL
RECORDS
STAGE
—
Ikuyo Takahashi, Shio Sugita, Yasuko Kume, Chie Ogasawara
Abstract
The purpose of this study was to clarify total pain of cancer patients at the terminal
viewpoint
of change from this point of view of change of total pain in terminal stage.
the investigation
recuperation
were
55 cancer
patients
under
the influences
who had died from cancer in a university
of narcotics
stage from the
The subjects of
during
6 months
of
hospital.
In this study we defined the first terminal stage as the 2 weeks from the start of narcotics use and the
last terminal
stage as the 2 weeks prior to comatose
pain used by checking lists from nursing
condition.
records and compared
the first terminal stage and the last terminal
We analyzed
expressions
of total
total pain of cancer patients
between
stage.
The following results were found.
1) Total pain in the last terminal
stage was more frequent
and varied than that in the first terminal
stage.
2) Content
of 4 aspects
significantly
3) Expressions
of total pain: physical,
psychological,
social and spiritual
different in both terminal stages.
of total pain showed a tendency
Key Words: terminal
to appear as physical pain.
stage, cancer patient, total pain, nursing
*大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻
record
牌大阪大学医学部保健学科基礎看護学講座
一25一
were found to be
大 阪 大 学 看 護 学 雑 誌VoL5No1(1999)
要
旨
本 研 究 は 、 タ ー ミナ ル の時 期 に よ る苦 痛 の 変 化 とい う観 点 か ら、 タ ー ミナ ル 期 に あ る が ん 患 者 の 苦 痛 を 明
らか にす る こ とを 目的 と した。
対 象 は、A大 学 病 院 に入 院 し悪 性 腫 瘍 で 死 亡 した 患 者 の うち 、予 後6ヶ
され て い た患 者55名
月 の 問 に麻 薬 系鎮 痛 剤 を持 続 投 与
で あ る。・
本研 究 で は、予 後6ヶ 月以 内 で 癌 性 疼痛 が 出 現 して い る と判 断 で き る麻 薬 系 鎮 痛 剤 投 与 開始 後2週 間 を 「タ
ー ミナ ル 期 初 期 」、 昏 睡 前2週 間 を 「
タ ー ミナ ル 期 終 末 期 」 と し、 独 自に 作 成 した チ ェ ッ ク リス トを 用 い て 、
看 護 経 過 記 録 に記 載 され て いる 苦 痛 表現 を抽 出 し分 析 した 。
対 象 患 者 の苦 痛 を ター ミナ ル 期 初 期 と終 末 期 で 比 較 した 結果 、 次 の3点 が 示 唆 され た。
1)タ ー ミナ ル 期 終 末 期 の 苦痛 は、 初 期 と比 べ て 苦痛 件 数 や 苦 痛 項 目が 増 加 して いた 。
2)両 時 期 にお い て 、 身体 的 ・精 神 的 ・社 会 的 ・霊 的4側
面 の苦 痛 構 成 内 容 には 差 異 が 見 られ た 。
3)苦 痛 表 現 は 、 両 時 期 と もに 身体 的苦 痛 と して 表 され る傾 向 に あ った 。
キ ー ワ ー ド:タ
1は
ー ミナ ル 期 、 が ん 患 者 、 苦 痛 、看 護 記録
じめ に
つ いて は、 ホ ス ピス や が ん専 門病 院 にお け る身 体 的 苦 痛 、
精 神 的 苦痛 、 霊 的 苦 痛 の実 態 調査11'13)、 ケ ー ス ・
ス タデ
ター ミナ ル 期 にあ る が ん患 者 は、 耐 え難 い様 々 な苦 痛
ィ8)14)、 手 記 の 分析13)等 に よ っ て 明 らか に され て きて
を経 験 す る と言 わ れ て い る1)。 患 者 の苦 痛 を アセ ス メ ン
い る。 また、そ れ ぞ れ の苦 痛 に対 す る アセ ス メ ン ト・ス ケ
トし、 患 者 の 苦痛 が で き る 限 り除去 あ る い は軽 減 す る よ
ー ル の 開発 も行 わ れ て い る15-18)。
う援 助 す る こ とは、 看 護 の重 要 な役 割 で あ る。
しか し、全 人 的 苦 痛 の4側
ホ ス ピ ス の創 始 者 で あ るSaunders,C.(1967)2)は
面 が どの よ う に関 連 して い
、進
るか 、 そ して タ ー ミナ ル 期 の時 期 に よ って 、 全 人 的 苦 痛
行 が ん の 患 者 が体 験 す る 苦痛 に、totalpain(全 人 的 苦痛)
が ど の よ う に変 化 す るか と い う こ とに関 す る調 査 研 究 は
とい う言 葉 を初 め て用 い た。この 全 人 的 苦痛 は 、身 体 的 ・
な され て いな い 。 死 亡 前1ヶ
情 動 的 ・社 会 的 ・霊 的 な 苦痛 か らな り、 相 互 に作 用 し相
現 頻 度 が増 加 す る こ と19)等 か ら、 タ ー ミナ ル 期 にお い
乗 的 に 苦 痛 を生 み 出す 。 そ の た め 、全 人 的苦 痛 の4つ
の
て 、 患 者 の 全 人 的 苦 痛 は 変 化 す る と予 想 され 、 これ らの
要 素 各 々 に 目が 向 け られ な けれ ば 、 全 人 的 苦 痛 の除 去 あ
実 態 を明 らか にす る こ と は、 ター ミナ ル 期 のが ん 患 者 の
る い は 軽 減 は 不 可 能 で あ る と述 べ て い る。
苦 痛 を緩 和 す る 上 で 重 要 で あ る と考 え る。
Ferrel1,B.R.(1991,1995)s-4)は
に 関 す る10年
、が ん 患 者 とそ の 家 族
間 の研 究 を も とに、痛 み によ るQOLの
ンパ ク ト(Theimpactofpainonqualityoflife)概
デ ル を 開発 した 。この モ デ ル は 、痛 み がQOLの
精 神 的 ・社 会 的 ・霊 的 な4つ
化 と い う観 点 か ら、 夕 一 ミナ ル 期 に あ るが ん 患 者 の苦 痛
念モ
を明 らか にす る こ とで あ る。 そ こで 本 研 究 で は 、 柏 木 の
身体的 ・
の側 面 に いか に影 響 して い
研 究5)・ 質 的 研 究6'7)か ら、 が ん 生 存 者 の 身 体 的 ・精 神
的 ・社 会 的 ・霊 的 側 面 を 明 らか に して い る。
全 人 的 苦 痛 の概 念8)に 基 づ い て、 ター ミナ ル 期 にあ るが
ん 患 者 の 苦痛 を 以 下 の よ う に4つ の側 面 か らな る も の と
して 捉 え る。
「
身 体 的 苦 痛 」:痛 み 、 息 苦 し い、 だ る い、 吐気 が あ る
等 の 身体 的症 状
理 念 に基 づ き、 我 が 国 に お
いて も、 患 者 の全 人 的 苦痛 の把 握 と全 人 的 ケ ア の重 要 性
「
精 神 的 苦 痛 」:不 安 、 怖 い、 イ ライ ラす る、 寂 しい 等
の感 情や 精 神 状 態
「
社 会 的 苦 痛 」:職 業 や 経 済 上 の 問 題 、 家 族 や 医 療 者 と
が 強 調 され 、 が ん 患者 の 全 人 的 苦痛 は様 々 な形 で モデ ル
化 さ れ て いる8-10)。さ らに、 が ん 患 者 の 苦 痛 の4側
本 研 究 の 目的 は 、 タ ー ミナ ル 期 の時 期 に よ る苦 痛 の変
イ
るか を説 明 し て い る 。Ferrellは この モ デ ル に基 づ く量 的
上 記 に挙 げ たSaundersの
月 にな る と、 身体 症 状 の 出
面に
一26一
の 人 間 関係 の 問題
大 阪 大 学 看 護 学 雑 誌VoL5Nol(1999)
「
霊 的 苦 痛 」:生 き る意 味 、 苦 難 の意 味 と い った 自 己存
在 や価 値 に関 す る 問 題
21項
目、 社 会 的 苦痛6項
目、 霊 的 苦 痛12項
目の 合 計
68項 目で構 成 した。
身体 的苦 痛 は、KSAS(KitasatoSymptomAssessment
II研 究 方 法
Scale)9)か
ら28項
目 を挙 げ た。 ペ イ ン コ ン トロー ル の
状 態 を把 握す る た め に、 身体 的 苦 痛 の 痛 み は癌 性 疼 痛 と
1.研 究 対 象 者
そ れ 以外 とに分 け、 計29項
A大 学 病 院 にお いて 、1993年9月
か ら1997年11月
精 神 的 苦痛 は、KSAS9)か
目 と した。
ら8項 目、 淀 川 キ リス ト教
の 問 に悪 性 腫 瘍 で 死 亡 した患 者 の う ち 、入 院 中、 一 般 に
病 院 ホ ス ピ ス の精 神 症 状 の調 査 結 果11)か ら13項
タ ー ミナ ル 期 と され る 予後6ヶ
げ 、 計21項
月20)の 間 に、 昏 睡 前1
目 を挙
目 と した 。
ヶ月 以 上 麻 薬 系 鎮 痛 剤 が 持続 投 与 され て い た患 者 と した。
社会 的 苦痛 は、 柏 木 の 「
末 期 患 者 の 痛 み 」8)から5項
麻 薬 が 持 続 投 与 され て い た患 者 と した の は、 そ れ に よ
目を挙 げ た。 ま た、 社 会 的 苦 痛 に は家 族 が 深 く関 わ っ て
っ て 患 者 に明 らか に強 い 癌性 疼痛 が あ る と判 断 で き る た
め で あ る。 タ ー ミナ ル 期 で は、 お よそ7割
以 上 の患 者 に
くる た め22)、 家 族 関 係 を加 え 、 計6項
目と した 。
霊 的 苦痛 は、 淀 川 キ リス ト教 病 院 ホ ス ピ ス の ス ピ リチ
癌 性 疼 痛 が 出 現 して お り19)、癌 性 疼 痛 は、 怒 りや 不安 、
ュ ア ル ペ イ ン調 査 結 果11)か ら8項
目、 柏 木 の 「
末 期患
うつ状 態 といっ た心 理的 因子 と相 互作 用 が あ る10)と いわ
者 の痛 み」8)か ら4項 目 を挙 げ 、 計12項
目 と した 。
れ て い る。 そ のた め 、 強 い癌 性 疼 痛 の 存在 は、 タ ー ミ ナ
な お、 が ん患 者 の症 状 コ ン トロー ル で は 数 多 くの 薬 剤
ル 期 にあ るが ん 患 者 の 全 人 的 苦痛 を 明 らか にす る 上 で重
の 投 与 が な され 、 薬 に対 して ス トレス を感 じて い る 患 者
要 で あ る と考 えた 。
が 多 い こ とか ら9)、そ れ らも患 者 の苦 痛 に な り うる と考
え 、KSASの
2.デ ー タ の 収 集 方 法
薬 に関 す る4項
目 を身体 的、 精神 的 苦痛 に
含 ん で い る。
患 者 の タ ー ミナ ル 期 が 特 定 で き、 経 時 的 に状 態 を 把握
で き る こ とか ら、 情 報 収 集 は、 患 者 の 入 院 時デ ー タ ベ ー
ス 記 録 及 び 看 護 経 過 記 録 か ら行 っ た。 タ ー ミナ ル期 の病
4.分 類 の留 意 点
具体 的 に患 者 の訴 え を分 類 して い く上 で 、以 下 の4点
期 分 類 は さ まざ ま にな され て い る が21-23)、本研 究 で は、
に 注意 した。
強 い癌 性 疼 痛 が 出 現 し始 め た2週
間を 「
タ ー ミナ ル 期初
1)「 い つ 激 痛 が くる か 不 安」 とい うよ うな い くつか の 苦
間を 「
タ ー ミ ナ ル期 終 末期 」 と した。
痛 が混 ざ りあ っ て表 出 され て い る場 合 は 、 「
激 痛 」は 身体
期」、 昏 睡 前2週
そ の期 間 内 で 、看 護 経 過 記 録 の主 に主 観 的 デ ー タ(SOAP
的 苦痛 の 『疼 痛 』の項 目、 「
不 安 」は 精神 的苦 痛 の 『不 安 』
で 記 録 さ れ たSデ ー タ)か
の 項 目 とい う よ う に 苦痛 部 分 を一 つ ず つ 分 割 して分 類 し
た 。 ま た、1期
ら、 患 者 の 苦痛 表 現 を抽 出 し
間 を2週 間 と した の は 、 予 備 調 査 によ り
た。
看 護 経 過 記 録 か らある 程 度 の 苦痛 表 現 を抽 出す る の に必
2)「 ど う して こん な 病気 にな らな くて は な らな い の か」
要 と判 断 した た め で あ る。得 られ たデ ー タ は、 全 人 的 苦
とい う言 葉 は、 「
苦難 に対 す る 問 い」の 項 目に分 類 す る と
痛 の概 念 に基 づ き、 身 体 的 苦痛 ・精 神 的 苦痛 ・社 会 的 苦
い うよ うに、 類 似 す る項 目 に分 類 した 。
痛 ・霊 的 苦 痛 の4つ
3)ど の項 目に も当て はま らな い項 目は、 「
そ の他 」と した 。
に分類 した。
これ らは 、 独 自 に作 成 した チ ェ ック リス トを 用 い て情
4)分 類 した 苦 痛 表 現 を1件 と して カ ウ ン ト した 。
報 を 収 集 した。 な お、 このデ ー タ の収 集 に 際 して は 、A
皿 研究結果
大 学病 院看 護 部 及 び 病 棟 の 了承 を得 て行 っ た。
3.チ ェ ッ ク リス トの 作成
1.分 析 対 象 者 の 背 景
チ ェ ック リス トの 項 目は、 患 者 の年 齢 、 性 別 、 家族 構
分 析 対 象 者 は 、 平 均 年 齢54.3±11.1(22~72)歳
であっ
成 等 の 属性 、 診 断 名 、 告 知状 況 、 治 療 状 況 、 麻 薬 投 与状
た 。性 別 は 男 性32名
況 、 看 護 診 断 、 さ らに 患 者 の苦 痛 を4側 面 に分 類 す る た
の 種 類 は 、 胃 癌 や 大 腸 癌 と い っ た 消 化 器 系 の 癌 が22名
め の項 目 リス ト(苦 痛 項 目 リス ト)な どで構 成 した。
苦 痛 項 目 リス トは 、 身体 的苦 痛29項
(40%)と
目、精 神 的 苦痛
一27一
名(23.6%)、
、 女 性23名
で あ っ た 。癌 の 原 発 巣
最 も 多 く 、乳 癌 や 前 立 腺 癌 等 の 生 殖 器 系 が13
肺 癌 等 の 呼 吸 器 系 が12名(21.8%)で
あ
大阪 大 学看 護 学 雑 誌VoL5No1(1999)
っ た 。 化 学 療 法 の 実 施 状 況 は 、 ター ミナ ル 初 期 で は13
名(23.6%)、
終 末期 で は12名(21.8%)で
移 の あ る患 者 は54名(98.2%)で
2.抽 出 され た 苦 痛 内容
あ っ た。 転
ター ミナ ル 期 初 期 ・終 末 期 を通 して 、 苦 痛表 出 が あ っ
、そ の 内31名(56.4%)
た患 者 は 、 身体 的 苦 痛55名(100%)、
精 神 的 苦痛54名
で骨 転移 が 見 られ た。 使 用 して い た主 な麻 薬 は塩 酸 モル
(98.8%)、 社 会 的 苦 痛20名(36,6%)、
霊 的 苦痛26名
ヒネ 、MSコ
(47.2%)で あ っ た。
ン チ ン、 ア ンペ ッ ク坐 薬 で あ っ た。 麻 薬 使
用 開 始 時期 か ら死 亡 ま で の期 間 は平 均73日
日、 最長184日
で 、最短16
表2に 示 した 苦 痛 の4側 面 に関 して 、記 録 か ら抽 出 さ
で あ っ た。
れ た具 体 的 な苦 痛 表 現 を挙 げ る と、身体 的 苦痛 の 『痛 み』
ま た 、A大 学 病 院 で は 、看 護診 断 の も とに ケ ア計 画 が
の 内容 に は 、 「
は ち き れ そ う に痛 い」、『呼 吸 苦 』 に は 、
立案 さ れ、 ケ ア が 行 わ れ て い る。 した が っ て、 看 護 経 過
「
息 苦 し い、 誰 か に首 を絞 め れ らて い るみ た い 」 等 が あ
記 録 は、 看 護 診 断 に基 づ い た も の に な って い る。 分 析 対
っ た。
精 神 的 苦 痛 の 『恐 れ 』は、 「
夜 に な る の が怖 い」、『本
象 者 に挙 げ られ て いた 主 な看 護診 断 を表1に
示 す 。対 象
来 の 自分 で は な い 』 に は 、 「自分 で で き な い の が 情 け な
者 に 使 用 さ れ て いた 看 護 診 断 は、 身体 的苦 痛 に 関す る も
い」等 が見 られ た。社 会 的苦 痛 の 『家 族 関 係 』で は、 「
家
の27項
目、 社 会 的 苦
族 が来 な い」 「
付 き添 って欲 しい」とい う患者 の思 いや い ら
目で あ り、 霊 的 苦 痛 に 関 す る もの は
だ ち のは け 口 を家 族 に 向 け る も のが あ った 。 『人 間 関 係』
目、 精 神 的 苦 痛 に関 す る もの4項
痛 に 関 す る も の1項
で は、 「先 生 は 自分 を ほ っ た らか しに して い る」 「
私、実
挙 げ られ て いな か った 。
表1対
象 者 の看 護診 断上 位10項
順位 初期看護診断名
%
1
安 楽 の変 調
78.2
1
2
不安
58.2
2
3
34.5
3
34.5
4
25.5
5
5
排 便 の変 調
栄 養 状 態の 変調
感 染 の危 険 性
セ ル フ ケ ア不 足
25.5
6
5
活動耐性 の低下
25.5
7
8
身 体損 傷 の危 険 性 20.0
9
io
呼吸機能の変調
皮 膚統合性の障書
10
体 液量 の 変 調
3
5
表2タ
初期
i
z
3
4
5
fi
7
8
9
to
72.7
排便 の変 調
栄養 状 態 の 変調
41.8
活動耐性の低下
感染 の危 険 性
29.1
zo.o
7
呼吸機能の変調
身体損傷の危険性
14.5
9
体液 量 の 変 調
18.2
10.9
10
皮膚統合性の障害
16.4
10.9
io
セ ル フ ケ ア不足
16.4
io
思考過程の変調
16.4
身体的苦痛
精神的苦痛
28項
目
15項
目
i
い らだ ち
5
癌性疼痛
倦怠感
呼吸苦
癌性 以外の疼痛
吐き気
6
口渇
怒り
T
嘔吐
腹満感
食欲不 振
眠気
薬 の こ とで 不 安
8
9
10
計
社会的苦痛
癌性疼痛
不安
人 間関係
倦怠感
薬 の こ とで 不 安
家族 関係
吐き気
本 来の自分でない
癌性以外 の疼 痛 い ら だ ち
食欲不振
痴呆
嘔吐
幻 覚幻想
腹満感
孤独感
呼吸苦
不穏
便秘
恐れ
手足の浮腫
くよ くよ悩 む
身体的苦 痛
4
%
50.9
30.9
27.3
20.0
ー ミナ ル 期 初 期 と終 末 期 の 全人 的苦 痛 内容 上 位10項
計
3
n=55
安楽 の変調
不安
終末期
z
目
順位 終末期看護診断名
27項 目
精神的 苦痛
不安
霊的 苦痛
希望が もてない
苦難 に対する問い
死の恐怖
2項 目
3項 目
社会的苦 痛
霊的苦痛
人間関係
希望が もてない
家族関係
死の恐怖
経 済上の問題 生 き る意味への問 い
苦 難に対す る問い
不穏
幻覚幻想
恐れ
死 生 観 に た い す る問 い
家族に迷惑をかけ る
別離
本 来 の 自分 で な い
孤独感
寂 しい
18項
目
n=55
目
一28一
3項 目
7項 目
大 阪 大学 看 護 学 雑 誌Vo1.5Nol(1999)
験 台 じゃ な い の よ」 と い う よ う に、 医 療 者 や 治 療 に対 す
苦 痛 で は 、 『自殺 念 慮 ・退 行 ・拒 絶』、社 会 的 苦 痛 は 、 『経
る不 信 感 が見 られ た。霊 的 苦 痛 の 『生 き る意 味へ の 問 い』
済 上 の問 題 』、霊 的 苦 痛 で は、 『生 き る 意 味 へ の 問 い 、 死
で は 、 「生 き て いて も し ょ うが な い」、 『苦 難 に対 す る 問
生 観 に対す る悩 み、家族 に迷 惑 をか け る、別 離 』で あった 。
い 』に は、 「ど う して こん な に な っ て し ま っ た のか 」等 が
ま た、 同 じ 『不 安 』で も初 期 で は 、 「これ か ら ど うな る
の か」 「自分 の 病 気 は 何 な の か 」 「
症 状 や検 査値 が 悪 い の
あ っ た。
苦 痛 表 現 の 仕 方 に は 、 「いつ 激 痛 が く る か 不 安 だ 」、
で は な い か」 とい っ た病 状 や 治 療 、 今 後 に関 す る不 安 で
「
呼 吸 が 苦 しい 、 この ま ま窒 息 しな いか 」 と い う よ う に
あ っ た の に対 し、終 末 期 で は 、 「いつ 激 痛 が 襲 っ て くる の
い くつ か の苦 痛 が 混 ざ りあ っ て い る も の が多 か っ た。
か」 「こ の薬 で も効 か な か った ら ど うな る の か」と い う よ
さ ら に、 痛 み が 消 失 した場 合 に 「自信 が つ い て走 り出
うな 自覚 症状 や 生 命 の危 機 に 関す る不 安 が 見 られ た。
した い気分 」 「
気分 的 に明 る くな った」等 の表現 が見 られ た。
図1で
は、表2の
同 項 目 をタ ー ミナ ル 期 初 期 と終 末 期
で 比 較 して、 有 意 差 の 見 られ た もの を挙 げ た 。 身 体 的 苦
3.タ ー ミ ナル 期 初 期 と終 末 期 に お け る が ん 患 者 の 苦痛
痛 で は 、 『倦 怠 感 ・呼 吸 苦 ・下 痢 』、精神 的苦 痛 で は 、『不
項 目の 比 較
安 ・不 穏 ・恐 れ 』、社 会 的 苦 痛 で は、 『家 族 関 係 』、霊 的 苦
表2は
痛 で は 、 『希 望 が も て な い』に有 意差 が見 られ た。 これ ら
、 タ ー ミナ ル期 初期 と終 末 期 の 苦痛 の 上位10
は 『下 痢 』 の 項 目 を除 いて 、 終 末期 に増 加 して い た。
項 目 を示 した も ので あ る。
ター ミ ナル 期 初 期 で は 、 身 体 的 苦 痛28項
苦 痛15項
目、 社 会 的 苦 痛2項
目、 精 神 的
目、 霊 的 苦 痛3項
っ た。 タ ー ミナル 期 終 末 期 で は 、 身 体 的 苦 痛27項
精 神 的 苦痛18項
目、 社 会 的 苦痛3項
4.タ ー ミ ナ ル 期 初 期 と終 末 期 に お け るが ん 患 者 の 苦 痛
目で あ
件数の比較
目、
表3は
目、 霊 的 苦 痛7項
、Wilcoxonの
順 位 検 定 よ り、 タ ー ミナ ル 期 初
期 と終 末 期 にお け る苦 痛 件 数 の 比 較 をお こな っ た もの で
目で あ っ た。
あ る。 苦 痛 の 総 和 とは 、苦 痛 の4側 面 の 件 数 を合 計 した
終 末 期 にお い て、 初 期 に比 べ 増 加 した 項 目 は、 精 神 的
も の で あ る。
250
200
苦
150
痛
数
件
ioo
50
0
身
だ体
蘇
息
苦
口
乾や
く緊
下
痢
不
安
不
穏
恐
れ
怒
り
苦痛項目
寂
し
家
族
い
潔 袤が
図1タ
ー ミナ ル 期 初 期 ・終 末 期 で 有 意 差 の 見 られ た 項 目
表3タ
ー ミナ ル 期 初 期 と終 末 期 にお け る 苦 痛件 数 の 比 較
n=55
初期
終末期
身体的苦痛
精神的苦痛
社会的苦痛
霊的苦痛
1666
1947
*
192
491
**
9
34
*
7
58
**
苦痛の総和
1874
2530
*P〈
一29一
.05,*鮮P〈.01
**
希
持望
大 阪 大 学 看 護 学 雑 誌VoL5No1(1999)
苦痛 の4側
面 の な か で は)タ ー ミナ ル 期 初 期 ・終 末期
しい」 と い う言 葉 の 背景 に あ る気 持 ち をあ か ら さま に示
と もに 身体 的 苦 痛 の 件 数 が 最 も多 か っ た。 ま た、 両 時期
す こ と を嫌 い、 外 に 向 か って 言 語 化 しな い 傾 向 が あ る こ
の 比較 で は、 精 神 的 ・霊 的 苦 痛 お よ び 苦痛 の総 和 に お い
と を指 摘 して い る。
て有 意 差(p〈.01)があ り、身 体 的 苦痛 ・社 会 的 苦痛 で は、
本 研 究 にお い て、 ター ミナ ル 期 初期 ・終 末期 を通 して
有 意差(p〈.05)が見 られ た 。 これ らは、 いず れ もター ミ ナ
苦 痛 表 出 が あ っ た患 者 は、 身 体 的 苦痛100%、
ル 期終 末期 に 苦痛 件 数 が 増加 して い た。
痛98.8%、
ま た、 両 時 期 に お け る 身体 的 ・
・精 神 的 ・社 会 的 ・霊 的
4側 面 の苦 痛 表 出傾 向 を 明 らか にす る た め にカ イ2乗
検
定 を お こな っ た 結果 、 有 意 差(p〈.01)が認 め られ た 。
社 会 的 苦痛36.6%、
精神 的苦
霊 的 苦痛47.2%で
あっ
た 。 社 会 的 苦 痛 と い う人 間 関 係 の 問題 は、 病 院 とい う施
設 の 中で 治 療 を受 けて い る末 期 患 者 に とっ て表 出 し に く
い こ とが 推 察 で き る。ま た、 ホス ピ ス の 患 者200名
を対
象 に した ス ピ リチ ュ アル ペ イ ンの 調査 結 果11)で は 、霊 的
IV考
察
苦 痛 を表 出 し た患 者 は 全 体 の35.5%で
あ っ た と報 告 し
て いる 。 こ の こ とか ら、'社会 的 ・霊 的 苦 痛 は、 身体 的 ・
ター ミナ ル 期 に あ るが ん患 者 の苦 痛 を明 らか にす る こ
と を 目的 と して、 看 護 記 録 に記 述 され て い る対 象 患 者 の
精 神 的 苦 痛 に比 べ て 表 出 しに くい、 あ る い は把 握 さ れ に
く い と考 え られ る。
苦 痛 表 現 を収 集 し分 析 した結 果 、 苦 痛 表 現 のな か で は タ
以 上 よ り、 表 出 され た 苦痛 だ け でな く、 言 葉 に あ らわ
ー ミナ ル 期 初 期 ・終 末 期 と も に身 体 的 苦 痛 に関 す る もの
れ な い 患 者 の 苦 痛 に 気 づ き、 言語 的表 出 を助 け、 苦 痛 の
が 非 常 に多 か っ た。 これ よ り、 患 者 の 苦 痛 は 、 主 に 身体
訴 え に 全 面 的 に 応 え る援 助 が必 要 で あ る と い え る。
的 苦 痛 を 中心 に して 言 葉 に表 出 され る傾 向 が あ る とい え
次 に、 タ ー ミナル 期 初 期 と終 末 期 の苦 痛 を比 較 した結
る。 そ して 、 精 神 的 ・社 会 的 ・霊 的 苦 痛 は 、 身 体 的 苦痛
果 、 両 時 期 に お け る 身体 的 ・精 神 的 ・社 会 的 ・霊 的4側
に比 べ て 表 出 され に く い と も いえ るだ ろ う。
面 の苦 痛 表 出傾 向 に は差 異 が認 め られ 、 苦 痛 項 目 の順 位
しか しな が ら、A大 学 病 院 の看 護 記録 は看 護 診 断 に基 づ
いた も ので あ り、看 護 診 断 の上 位10項
や 同 じ苦痛 項 目で もそ の 苦痛 表 現 の内 容 に違 いが 見 られ
目のほ とん どが 身
た。 ま た、 ター ミナ ル 期 終 末 期 で は、 苦 痛 の4側 面 お よ
体 的苦 痛 に関 す る も ので あ った こ と も、身体 的 苦痛 が 多 か
び そ の総 和 に お い て 明 らか な 苦 痛 件 数 の 増 加 を認 め 、
っ た要 因 と して挙 げ られ る。身体 的 苦痛 に関 す る看 護 診 断
『自殺 念 慮 ・経 済 上 の 問題 ・生 き る意 味 へ の問 い』 な ど、
が挙 げ られ た場 合 、心 理 的側 面 の 記述 は除 外 さ れ る傾 向 に
精 神 的 ・社 会 的 ・霊 的 苦痛 の 計8項
あ る。これ は看 護記 録 上 の 問題 で あ る と 同時 に、ナ ー ス が
さ らに、 同 じ苦 痛 項 目の 比較 では 、 身 体 的 苦 痛 の 『身体
患 者 の 苦痛 の 身 体 的側 面 に注 目す る 傾 向 に あ る こ とを示
が だ る い ・息 苦 しい 』、精 神 的 苦 痛 の 『不 安 ・不 穏 ・恐 れ 』、
唆 して いる。ま た、癌性 疼 痛 が対 象患 者 に とっ て主 要 な 問
社 会 的 苦 痛 の 『家 族 関係 』、霊 的 苦痛 の 『希 望 が も て な い 』
題 で あ っ た こと も要 因 の一 つ とい え るだ ろ う。
の項 目 にお いて 明 らか な増 加 が 見 られ た。
目が 新 た に加 わ っ た。
あ る い は、本 研 究 で は、 「呼 吸 が苦 しい 、この ま ま窒 息
これ よ り、ター ミナル 期 にあ るが ん患 者 が 持 っ て い る苦
しな い か」 に見 られ る よ うに、 身体 的 苦痛 が精 神 的 苦 痛
痛 は、タ ー ミナ ル 期 初期 と終 末期 にお い て苦 痛 の構 成 内容
や そ の他 の苦 痛 を喚 起 させ て い る と思 われ る表 現 が あ っ
に差 異 が あ り、タ ー ミナル 期終 末 期 は初 期 に比 べ て、患 者
た 。 そ の反 対 に 「
痛 みが な くな って 気 分 的 に明 る くな っ
の苦痛 が 増 加 し多様 化 す る こ とが 推 察で きる。が ん患 者 の
た 」 と い う よ う に、 身体 的 苦 痛 の消 失 に伴 い他 の苦 痛 も
痛 み が単 に身 体 的 な も ので は な く、精 神 的 、社 会 的 、霊 的
消 失 した と思 わ れ る表 現 が 見 られ た 。 「
痛 い」と い う身 体
な 要 因 と密 接 な 関係 を もつtotalpainで
的 苦 痛 の1つ
前1カ 月、 狭 義 の意 味 で の 終末 期 で あ る26)と い わ れ てお
の訴 え には 、 寂 し さな ど の心 理 的 な 問 題 が
あ る の は、 死 亡
含 ま れ て い る8)こ とが 指 摘 され て い る。 した が っ て、 「
痛
り、 ター ミナ ル期 終 末 期 で は、 初期 に比 べ て 苦痛 の4側
い」 とい っ た 身 体 的 苦痛 の言 葉 に精 神 的 ・社 会 的 ・霊 的
面 が よ り表 出 され る傾 向 に あ る とい え る。また、 この点 に
苦 痛 が含 まれ て い る と も解 釈 で き る。
関 して 日本 人 の特 性 か ら考 え る と、患者 の中 に あ る苦 痛 が 、
さ らに、 この 結果 は、 日本 人 の 苦痛 表現 の特 徴 を示 し
て い る と思 わ れ る。 苦痛 に対 す る態 度 は、 文化 的背 景 に
よ って 異 な り17)、患 者 の性 格 や 生 育 歴 に よ っ て も変 わ っ
て く る24)。 水 口(1989)25)は
、 日本 人 は 「
つ らい 」 「
苦
一30一
自分 の 中 で対 処 しき れ な いほ ど大 き く多 様 に な っ た た め
に、 苦痛 と して表 面 化 され た と も考 え られ る。
以 上 よ り、 同 じタ ー ミナ ル 期 に あ っ て も、 そ の 時期 に
応 じて が ん患 者 の 苦痛 を 理解 しケ アす る こ との必 要 性 が
大阪大学看護学雑誌VoL5Nol(1999)
示 唆 され た。
6)Ferrell.BR(1997).Qualityoflifeinbreastcancerpart
今 回 は 、看 護記 録 に 記載 され た患 者 の訴 え か ら、 デ ー
I:Physicalandsocialwellbeing.CancerNursing,20(6),
タ を収 集 した 。 しか し、 患 者 の気 持 ちが 全 て 看 護 記 録 に
反 映 され て い る とは 言 い 難 く、 看 護 記 録 だ けで 患 者 の 苦
398-408.
7)Ferrell.BR(1998).Qualityoflifeinbreastcancerpart
II:Psychologicalandspiritualwell-being.Cancer
痛 を把 握 す る こ と には 限 界 が あ っ た。 今 後 は、 参 加 観 察
Nursing,21(1),1-9.
方 や 面 接 法 な ど を用 い た デ ー タ の収 集 の方 法 に つ い て も
8)柏
検 討 しで いき た い。
木 哲 夫(1997).死
間 理 解.中
Vお
わ りに
9)田
にゆ く患 者 の 心 に聴 く一 末 期 医 療 と 人
山 書 店.
村 恵 子(1998).痛
み を も つ が ん患 者 の 特 徴
が ん 看 護,
3(2),91-93.
ター ミ ナル 期 に あ るが ん患 者 の苦 痛 を 明 らか にす る こ
10)世
と を 目的 と して、 看 護 記 録 に記 述 され て い る 対 象 患者 の
苦痛 表 現 を収 集 し分 析 した。 患 者 の 苦痛 をタ ー ミナ ル 期
界保健機 関
解 放.金
11)池
編,武
田文和
訳(1987).が
ん の痛 み か らの
原 出 版.
永 昌之
他(1996).痛
み の ケ ア とホ ス ピ ス の 役 割 一 ス ピ
初期 と終 末期 の苦 痛 表 出件 数 お よび 苦痛 項 目内 容 の比 較
リチ ュ ア ル ペ イ ン を 中 心 に し て 一.CURRENTTHERAPY
か ら考 察 した 結果 、 以 下 の ことが 示 唆 され た 。
14(2),114.
1)苦痛表 現 の な かで は、 初 期 ・終末 期 とも に身体 的 苦痛 に
12)関
関す る も のが 非常 に多 く、 ター ミナ ル期 にあ るが ん患 者 の
苦痛 は、 主 に 身体 的苦痛 としてあ らわ され る傾 向が ある。
14)柏
痛 表 現 に違 いが 見 られ た こ とか ら、 ター ミナ ル 期 の時 期
にお い て 患 者 の苦 痛 は 変 化 す る とい え る。
面およびその総
目 に明 らか な 増 加 が 認 め ら
木 哲 夫(198融
状 マ ネ ジ メ ン トの た め の ア セ ス メ ン
の 検 討 を 通 し て 一.看
16)今
井 俊 子(1998).心
護 学 雑 誌60(3),214-221.
理 ・社 会 的 痛 み と ケ ア.臨 床 看 護,24(4),
523-527.
17)MargoMcCaffery,中
辞
18)窪
西睦 子
訳(1983).痛
み を もつ 患 者 の
学 書 院.
寺 俊 之(1996).ス
ピ リ チ ュ ア ル ペ イ ン を 見 分 け る 法.タ
ー ミ ナ ル ケ ア ,6(3),192-198.
今 回 の研 究 を 進 め る に あ た り、 御 協 力 い た だ き ま した
A大 学 病 院看 護 職 員 及 び 病 院 関係 者 の 皆 様 に心 か ら感 謝
19)恒
藤暁
他(1996).末
期 が ん 患 者 の 現 状 に 関 す る 研 究.タ
ー
ミ ナ ル ケ ア,6(8),482-490.
申 し上 げ ます 。
20)日
野 原 重 明(1982).死
の 臨 床 と ホ ス ピ ス.ラ
イ フ プ ラ ンニ
ン グ セ ン タ ー.
文 献
1)尾
日 総 研 出 版,63-76.
藤 ま ゆ み(1996).症
看 護.医
謝
臨 死 患者 ケ アの 理 論 と実 際 一死 に ゆ く患
ト 用 紙 の 開 発 一MemorialSymptomAssessmentScale
れ た こ とか ら、 ター ミナ ル 期 終 末 期 は初 期 に 比 べ て 、 患
者 の苦 痛 が 増 加 し多 様 化 す る こ とが 示 唆 さ れ た 。
ん 看 護3(4),334-339.
ん 患 者 の 心 理 一手 記 を分 析 し
崎 医 療 福 祉 学 会 誌.
者 の看 護
15)近
和 にお いて 明 らか に苦 痛 件 数 お よ び 苦痛 項 目数 が 増 加 し、
同 じ苦 痛 項 目の比 較 で は7項
戸 啓 子 ・内 海 滉(1997).が
て 一,川
面 の 苦痛 表 出 傾 向 や 苦 痛 項 目の順 位 、 お よび 同項 目 の 苦
ん 専 門 病 院 の 臨 死 患 者 が 体 験 す る感 情
の 分 析 一 看 護 記 録 か ら の 考 察.が
13)關
2)両 時 期 にお いて 、 身 体 的 ・精 神 的 ・社 会 的 ・霊 的4側
3)タ ー ミ ナル 期 終 末 期 で は 、 苦 痛 の4側
本 翌 子(1998).が
山 力(1990》
21)柏
痛 み と の た た か い 一 現 代 医 療 の 到 達 点 一.
木 哲 夫(1988》
臨 死 患者 ケ ア の 理 論 と実 際 一死 に ゆ く患
者 の 看 護.日 総 研 出 版,63-76.
岩 波 新 書,198-240.
22)清
2)Saunders.C(1967).TheManagementofTerminal
水 久 和(1991).タ
ー ミ ナ ル ス テ ー ジ にお け る 意 識 行 動 に
よ る 病 期 分 類 の 提 唱.タ
Illness.HospitalMedicinePublications.
23)中
3)Ferrell.BR(1991).Experienceofpainandperceptions
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床 看 護,