平成 28 年度 前期 (春季)有機合成化学講習会 受講料(テキスト・送料/消費税含む) 参加費→ ↓会員資格 企業社員 主催・共催 33,000円 28,000円 16,000円 会員外 52,000円 42,000円 27,000円 学校・官公庁職員・研究生 学生 (研究生除く) 東京メトロ *主催のシニア会員価格:17,000円/*本会普通会員(法人)所属の社員は 会員扱いとします。 *テキスト発送後にキャンセルを申し出られても理由の如何を問わず参加費 返金ができませんのでご注意下さい。 ◆定員 ◆参加申込方法 下記の[1]or[2]でお申込み下さい。テキストは開催約1週間前に送付 予定です。 [1]ホームページよりhttp://www.ssocj.jp/ 受信後、直ちに受付済のe-mailを送信します(この受信メールが届 かない場合、お手数ですが再登録をお願いします) 。 [2]FAX・e-mail等にて ①氏名、②勤務先、 ③電話番号、 ④連絡先 (自宅・勤務先の区別を明記) 、 ⑤会員資格、⑥会員番号、⑦請求書・領収書希望の有無、以上を明記し て受講料を添えて下記あてお申込み下さい。 ◆問合せ先 101-0062 東京都千代田区神田駿河台1−5 (公社)有機合成化学協会「講習会係」 TEL:03−3292−7621,FAX:03−3292−7622, e-mail:[email protected] [1] [2] ともお申込みと同時に、現金書留・郵便振替 (00100−1−157690) または銀行振込(みずほ銀行神田支店/普通預金/NO.1620638/名義: 公益社団法人有機合成化学協会)にてご送金をお願いします。 〈キリトリ線〉 平成28年度 前期(春季)有機合成化学講習会参加申込書 受付番号 氏 名 員 資 格 ※該当箇所に□を入れて下さい □有機合成化学協会 会員NO. 所 在 地 絡 〒 ☎ 講 ※印をいれてください→自宅 ( ) 勤務先 ( ) 円 料 懇 親 会 いずれかに○印 請求書・領収書 の 発 行 参 加 不参加 送 金 方 法 備 現金書留・銀 行・郵便振替・その他 考 請求書発行 領収書発行 希望( ) 不要( ) 希望( ) 不要( ) 有機合成化学は、医・農薬等の生理活性物質、機能性材料等を生み出す「もの づくり」の根幹をなす重要な研究領域であり、産官学における幅広い分野で基礎 研究から実用化研究までが活発になされています。特に近年の有機合成化学の発 展は目覚ましく、従来困難とされていた反応が次々と実現されつつあると共に、 数多くの実用性の高い合成反応が開発されてきております。このような状況下、 今後の研究・開発をさらに有意義に進める上で「有機合成化学の最先端」を俯瞰 することは非常に有益であると考えます。 そこで今回の講習会では、 「有機合成化学が生みだす新世界」と題し、大学お よび企業の第一線の先生方より、最先端の研究成果について分かり易くご講義頂 くこととしました。反応開発から全合成及び創薬まで、最新のトピックスを加え ながら、その基本から実際の使い方、ノウハウを主眼に研究成果をご紹介いただ くことと致しました。 さらにご好評を頂いております企業からの事業紹介としてランチョンセミナー を今回も2社のご厚意により第1日目に開催致します。これまでと同様に会場での 最新の機器、試薬および材料の展示も予定しておりますので併せてご活用下さい。 本講習会は通常の学会やシンポジウムとは一線を画す「講習会」です。受講者 には事前(1週間ほど前)にテキストを受け取り予習して頂き、座席も指定席で 確保されるなど、じっくりと学べる環境・スタイルをとっています。さらに内容 習得をより深めるために、講師と参加者が直に質疑応答ができ、討論もしっかり できるかなり長めの時間(約2時間近く)のイブニングセッションを初日の講習 終了後に設けています。講師と直に十分なディスカションができることは、本講 習会ならでは大きな魅力の一面でもあります。また、参加者間での情報交換、人 脈・ネットワーク作りにもお役立て下さい。 是非この機会に本講習会にご参加し、有機合成化学の醍醐味を味わって頂き、 ご自身の今後の研究に役立てて頂けましたら幸甚です。多数のご参加をお待ちし ております。 日 時:平成 28 年 6 月 15 日(水)~ 16 日(木) FAX 先 e-mail: 受 □会員外 職 名 〒 連 □日本化学会 □日本薬学会 □日本農芸化学会 □個人会員 □法人会員 □学生会員 □シニア会員 勤 務 先 名 または学校名 同 主催 有機合成化学協会/共催 日本化学会、日本薬学会、日本農芸化学会 渋谷 ヒカリエ 定員120名になり次第(座席指定制・先着順) 会 有機合成化学が生みだす新世界 -反応開発からもの創りまで ※入金確認後の 発行となります 初日 10:00 〜 17:50 / 2 日目 9:30 〜 16:40 会 場:日本薬学会長井記念館長井記念ホール (東京都渋谷区渋谷 2-12-15 / TEL.03-3406-3326) 【交通】 ◎ JR 山手線、東急東横線・田園都市線、京王井の頭線、東京メトロ銀座線・ 半蔵門線・副都心線「渋谷駅」下車、JR 渋谷駅東口より高樹町方面へ高 速道に沿って徒歩約 8 分 第1日目 6 月 15 日 (水) 第 2 日目 (※講習時間には質疑応答の時間を含む) 1 10:00~11:00 「理論計算と合成化学の融合による反応開発・機能創出」 東京大学大学院薬学系研究科教授 / 理化学研究所内山機能元素化学研究室主任研究員 内山 7 真伸 6 月 16 日 (木) 9 :30~10:30「キラルブレンステッ ド酸触媒を用いた不斉合成:どこまで使いこなせるか?」 東北大学大学院理学研究科教授 寺田 眞浩 有機化学や物質科学には、「手に取り出すことのできないもの」 「目には見えないもの」が多数存在する。反応 における遷移構造・不安定活性種や、物質の性質、軌道間相互作用などもその一つである。これらをいかに合理 的にデザインするかが合成化学や物質創製にとってとても重要である。私たちの研究室では、 「実験化学」を縦 糸に、「理論計算」を横糸に組み合わせることによって、元素の特性を理解し、機能をデザインすることで、い くつかの合成反応、機能性分子を開発してきた。本講習では当研究室の最近の成果を中心に概説する。 2 11:10~12:10 「ニッケルと不飽和化合物だけで組み上げる有機合成」 大阪大学大学院工学研究科教授 生越 専介 ブレンステッド酸は汎用性の高い触媒として古くから用いられてきたが、その機能化による触媒的不斉合成が実現さ れたのは 10 年ほど前と比較的最近になってからである。そのきっかけとなった軸不斉ビナフトールを不斉源とするキラ ルリン酸触媒は現在、多くの研究者によって用いられており、多彩な反応系の不斉触媒化が実現されている。これま での反応適用例を概観するとともに、キラルリン酸触媒を用いた開発研究の動向とともに、キラルリン酸の共役塩基を 用いた立体化学制御など、最先端研究の一端を紹介する。 8 10:40~11:40 「安全・簡便・短工程有機合成を指向した Pd 触媒反応」 静岡県立大学薬学部教授 眞鍋 敬 ニッケルは、比較的安価な遷移金属であり広く有機合成反応に使われている。その大きな特徴の一つは、炭素 -ヘテロ原子不飽和結合が容易にニッケルへπ配位することであり、ヘテロ原子を含む多様な化合物を合成する 事が可能となる。本講習では、種々の遷移金属錯体触媒により可能となる不飽和化合物の変換反応を紹介すると ともに、演者らが最近開発したニッケル触媒を用いる合成反応について述べる。 ★12:15~13:00 ランチョンセミナー ※ 2 社のレクチャーを予定 ★13:00〜13:30 一酸化炭素ガスを用いる遷移金属触媒カルボニル化反応は、カルボニル基をもつ化合物の優れた合成法である。 一方、毒性の高い一酸化炭素ガスの代わりに、簡便に取り扱える等価体を用いる手法が開発されてきた。本講習 では、一酸化炭素等価体としてギ酸フェニルやギ酸 2,4,6 ‐ トリクロロフェニルを用いる Pd 触媒反応を中心に、 安全・簡便に実施可能な手法を紹介する。また、もう一つのトピックとして、位置選択的クロスカップリングを 実現するホスフィン配位子 DHTP による、インドール類等のワンポット簡便合成についても述べる。 ★11:40~13:00 お昼休憩 ※ 2 日目はランチョンセミナーの設定はありません。 3 13:30~14:30 「ペプチド化学を基盤とする中分子創薬への展開 ―低分子薬Plinabulinから抗体薬物複合体 (ADC)創薬への展開―」 東京薬科大学薬学部教授 林 良雄 9 13:00~13:30 「フッ素化学基幹原料を用いる新しい分子変換反応」 旭硝子㈱技術本部先端技術研究所特別研究員 森澤 義富 従来の低分子医薬品に加え、抗体医薬のような高分子が創薬における重要な位置を占める時代となっているが、 最近さらに両者の利点を兼ね備えた新たな創薬プラットフォームとして「中分子」が注目されている。本講習で は、ペプチド基盤の中分子創薬を概説し、更に我々の進める中分子創薬研究例を述べる。中でも腫瘍血管遮断剤 (VDA)として独自開発したチューブリン重合阻害剤 Plinabulin(Phase Ⅲ)を利用した中分子ペプチド−抗が ん剤架橋体の創製に基づく、抗体薬物複合体(ADC)への展開について解説する。 4 14:40~15:10 「新規カリウム競合型アシッドブロッカー ボノブラザンフマル酸(タケキャブ ®)の創製―究極の酸分泌抑制薬を目指して―」 武田薬品工業㈱医薬研究本部化学研究所主席研究員 西田 晴行 消化器疾患の一つである酸関連疾患の治療にはプロトンポンプ阻害薬(PPI)が主に使われているが、十分な 治療効果が得られない患者も少なくない。そこで、我々は PPI による治療の課題を解析し、治療向上を目指し てカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)と呼ばれる新しいタイプの酸分泌抑制薬に着目した。 社内ライブラリー化合物より見出したヒット化合物を基に最適化の検討を鋭意進めた結果、強い酸分泌抑制作用 と優れた化合物特性を併せ持つボノプラザンフマル酸塩(TAK-438)を 2005 年に発見し、2015 年 2 月にタケキャ ブ ® 錠として上市に至った。 15:10〜15:40 ブレイク 5 15:40~16:40 「含中員環天然物の合成化学」 テトラフルオロエチレン(TFE)などをモノマーとして用いる含フッ素高分子はフッ素化学工業の中心であり、 その特異な機能がさまざまな分野で活用されているが、医薬品や農薬、また液晶材料のような低分子系機能性材 料においても、近年フッ素原子の役割に対する期待がますます大きくなってきている。本講習では、含フッ素低 分子化合物の合成法に関し、従来から用いられてきたフッ素化学基幹原料の活用例を紹介すると共に、最近発表 された TFE などポリフルオロアルケン化合物を用いた新しい分子変換手法の開発についても概説する。 10 13:40~14:10 「FGFR(Fibroblast Growth Factor Receptor)阻害剤 CH5183284/Debio 1347の創製」 中外製薬㈱研究本部創薬化学研究部 海老池啓達 FGFR は受容体型チロシンキナーゼの一種であり,癌細胞の増殖や転移などへの関与が示唆されている。我々 は,自社化合物ライブラリーのハイスループットスクリーニング(HTS)により既存のキナーゼ阻害剤と異な るアミノピラゾール骨格を持つヒット化合物を得た。FGFR1 と化合物の3次元構造の解析を元に構造最適化を 行い,開発候補品を得た。本講習では,Hit-to-lead と構造最適化について詳述する。 14:10〜14:30 ブレイク 11 14:30~15:30 「生細胞有機化学によるタンパク質その場解析の分子技術」 京都大学大学院工学研究科教授 浜地 格 早稲田大学先進理工学部教授 中田 雅久 中員環( 8-11 員環)はひずみが大きいため、特有の反応性、物性を示し、また合成困難であることが知られて いる。そして、その傾向は中員炭素環で顕著である。したがって、中員炭素環を含む天然物の合成は難題とされ てきた。実際、8員炭素環を含むタキソールの全合成は、1971 年の単離構造決定から 20 年以上の歳月を要した。 しかし、有機合成化学の進歩に伴い、中員環形成に有効な反応も増え、中員環を含む天然物の合成はさほど困難 ではなくなってきた。本講習では、中員環の化学と含中員環天然物の合成について述べる。 6 16:50~17:50 「不斉触媒酸化反応」 お昼休憩 中部大学総合工学研究所分子性触媒研究センター長/教授 山本 尚 タンパク質は創薬標的として最も重要な分子の一つである。その構造や機能はこれまで単離精製された系で行 われてきた。一方タンパク質が本来存在するいきた細胞系での解析は、その手法が限られてきたため、十分では ない場合が多い。本講習では、有機化学を基軸としてタンパク質を選択的にラベル化する手法の最近の進歩を概 説し、タンパク質イメージングや創薬、new discovery への展開に関して述べたい。 12 15:40~16:40 「分子世界と実世界を結ぶ化学」 東京大学総括プロジェクト機構/大学院理学系研究科教授 中村 栄一 複雑な分子構築を指向した医薬品設計は、多くの官能基を備え、しかも、不斉である場合が多い。こうした分 子を最も効率的に合成するには、触媒的不斉酸化反応が効果的である。カルボニル基を起点とするニトロソ化合 物を用いた窒素、酸素の不斉導入が出来るニトロソ・アルドール合成や、ニトロソ・ディールス・アルダー反応に ついて紹介する。また、アルコールを起点とする触媒的不斉エポキシ化反応と、生成するエポキシドを開裂、さら に複数官能基の位置と立体化学を制御した反応について述べ、最後に、触媒支配の化学反応への展望を議論する。 「分子をいくら精密に設計しても望み通りの物性や機能を実現できることは稀」 。大学、企業を問わず分子を 取り扱う研究者の共通の悩みである。分子科学と分子技術の間に横たわるボトルネック、つまり量子の世界から 実世界をつなぐナノ・メゾスコピック領域で生じる分子集合体の性質に関する理解の欠如に起因する。この領域 の化学研究では、単一分子の解析と制御だけでは十分ではなく、多種多様な分子からなる分子のシステム、すな わち溶液、膜や固体の非平衡 ・ 非周期性システムの解析と制御が必須である。 本講習では高分解能電顕と既存の構造解析法および有機合成手法とを組み合わせて演者が取り組んでいる研究 について述べる。 18:00~19:45ころ ミキサー&アフターディスカッション 同所にて 1 日目の講師、2 日目の講師の先生方を交えてゆっくりディスカッションができるように設定したもの で、本講習会ならではの恒例企画です。 (自由参加) 展示コーナー 講演に関連する材料や機器 (情報集積・表示関連材料・機器、分子モデルソフト、 コンビ関連機器、新試薬など) の展示を行います。 第1日目 6 月 15 日 (水) 第 2 日目 (※講習時間には質疑応答の時間を含む) 1 10:00~11:00 「理論計算と合成化学の融合による反応開発・機能創出」 東京大学大学院薬学系研究科教授 / 理化学研究所内山機能元素化学研究室主任研究員 内山 7 真伸 6 月 16 日 (木) 9 :30~10:30「キラルブレンステッ ド酸触媒を用いた不斉合成:どこまで使いこなせるか?」 東北大学大学院理学研究科教授 寺田 眞浩 有機化学や物質科学には、「手に取り出すことのできないもの」 「目には見えないもの」が多数存在する。反応 における遷移構造・不安定活性種や、物質の性質、軌道間相互作用などもその一つである。これらをいかに合理 的にデザインするかが合成化学や物質創製にとってとても重要である。私たちの研究室では、 「実験化学」を縦 糸に、「理論計算」を横糸に組み合わせることによって、元素の特性を理解し、機能をデザインすることで、い くつかの合成反応、機能性分子を開発してきた。本講習では当研究室の最近の成果を中心に概説する。 2 11:10~12:10 「ニッケルと不飽和化合物だけで組み上げる有機合成」 大阪大学大学院工学研究科教授 生越 専介 ブレンステッド酸は汎用性の高い触媒として古くから用いられてきたが、その機能化による触媒的不斉合成が実現さ れたのは 10 年ほど前と比較的最近になってからである。そのきっかけとなった軸不斉ビナフトールを不斉源とするキラ ルリン酸触媒は現在、多くの研究者によって用いられており、多彩な反応系の不斉触媒化が実現されている。これま での反応適用例を概観するとともに、キラルリン酸触媒を用いた開発研究の動向とともに、キラルリン酸の共役塩基を 用いた立体化学制御など、最先端研究の一端を紹介する。 8 10:40~11:40 「安全・簡便・短工程有機合成を指向した Pd 触媒反応」 静岡県立大学薬学部教授 眞鍋 敬 ニッケルは、比較的安価な遷移金属であり広く有機合成反応に使われている。その大きな特徴の一つは、炭素 -ヘテロ原子不飽和結合が容易にニッケルへπ配位することであり、ヘテロ原子を含む多様な化合物を合成する 事が可能となる。本講習では、種々の遷移金属錯体触媒により可能となる不飽和化合物の変換反応を紹介すると ともに、演者らが最近開発したニッケル触媒を用いる合成反応について述べる。 ★12:15~13:00 ランチョンセミナー ※ 2 社のレクチャーを予定 ★13:00〜13:30 一酸化炭素ガスを用いる遷移金属触媒カルボニル化反応は、カルボニル基をもつ化合物の優れた合成法である。 一方、毒性の高い一酸化炭素ガスの代わりに、簡便に取り扱える等価体を用いる手法が開発されてきた。本講習 では、一酸化炭素等価体としてギ酸フェニルやギ酸 2,4,6 ‐ トリクロロフェニルを用いる Pd 触媒反応を中心に、 安全・簡便に実施可能な手法を紹介する。また、もう一つのトピックとして、位置選択的クロスカップリングを 実現するホスフィン配位子 DHTP による、インドール類等のワンポット簡便合成についても述べる。 ★11:40~13:00 お昼休憩 ※ 2 日目はランチョンセミナーの設定はありません。 3 13:30~14:30 「ペプチド化学を基盤とする中分子創薬への展開 ―低分子薬Plinabulinから抗体薬物複合体 (ADC)創薬への展開―」 東京薬科大学薬学部教授 林 良雄 9 13:00~13:30 「フッ素化学基幹原料を用いる新しい分子変換反応」 旭硝子㈱技術本部先端技術研究所特別研究員 森澤 義富 従来の低分子医薬品に加え、抗体医薬のような高分子が創薬における重要な位置を占める時代となっているが、 最近さらに両者の利点を兼ね備えた新たな創薬プラットフォームとして「中分子」が注目されている。本講習で は、ペプチド基盤の中分子創薬を概説し、更に我々の進める中分子創薬研究例を述べる。中でも腫瘍血管遮断剤 (VDA)として独自開発したチューブリン重合阻害剤 Plinabulin(Phase Ⅲ)を利用した中分子ペプチド−抗が ん剤架橋体の創製に基づく、抗体薬物複合体(ADC)への展開について解説する。 4 14:40~15:10 「新規カリウム競合型アシッドブロッカー ボノブラザンフマル酸(タケキャブ ®)の創製―究極の酸分泌抑制薬を目指して―」 武田薬品工業㈱医薬研究本部化学研究所主席研究員 西田 晴行 消化器疾患の一つである酸関連疾患の治療にはプロトンポンプ阻害薬(PPI)が主に使われているが、十分な 治療効果が得られない患者も少なくない。そこで、我々は PPI による治療の課題を解析し、治療向上を目指し てカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)と呼ばれる新しいタイプの酸分泌抑制薬に着目した。 社内ライブラリー化合物より見出したヒット化合物を基に最適化の検討を鋭意進めた結果、強い酸分泌抑制作用 と優れた化合物特性を併せ持つボノプラザンフマル酸塩(TAK-438)を 2005 年に発見し、2015 年 2 月にタケキャ ブ ® 錠として上市に至った。 15:10〜15:40 ブレイク 5 15:40~16:40 「含中員環天然物の合成化学」 テトラフルオロエチレン(TFE)などをモノマーとして用いる含フッ素高分子はフッ素化学工業の中心であり、 その特異な機能がさまざまな分野で活用されているが、医薬品や農薬、また液晶材料のような低分子系機能性材 料においても、近年フッ素原子の役割に対する期待がますます大きくなってきている。本講習では、含フッ素低 分子化合物の合成法に関し、従来から用いられてきたフッ素化学基幹原料の活用例を紹介すると共に、最近発表 された TFE などポリフルオロアルケン化合物を用いた新しい分子変換手法の開発についても概説する。 10 13:40~14:10 「FGFR(Fibroblast Growth Factor Receptor)阻害剤 CH5183284/Debio 1347の創製」 中外製薬㈱研究本部創薬化学研究部 海老池啓達 FGFR は受容体型チロシンキナーゼの一種であり,癌細胞の増殖や転移などへの関与が示唆されている。我々 は,自社化合物ライブラリーのハイスループットスクリーニング(HTS)により既存のキナーゼ阻害剤と異な るアミノピラゾール骨格を持つヒット化合物を得た。FGFR1 と化合物の3次元構造の解析を元に構造最適化を 行い,開発候補品を得た。本講習では,Hit-to-lead と構造最適化について詳述する。 14:10〜14:30 ブレイク 11 14:30~15:30 「生細胞有機化学によるタンパク質その場解析の分子技術」 京都大学大学院工学研究科教授 浜地 格 早稲田大学先進理工学部教授 中田 雅久 中員環( 8-11 員環)はひずみが大きいため、特有の反応性、物性を示し、また合成困難であることが知られて いる。そして、その傾向は中員炭素環で顕著である。したがって、中員炭素環を含む天然物の合成は難題とされ てきた。実際、8員炭素環を含むタキソールの全合成は、1971 年の単離構造決定から 20 年以上の歳月を要した。 しかし、有機合成化学の進歩に伴い、中員環形成に有効な反応も増え、中員環を含む天然物の合成はさほど困難 ではなくなってきた。本講習では、中員環の化学と含中員環天然物の合成について述べる。 6 16:50~17:50 「不斉触媒酸化反応」 お昼休憩 中部大学総合工学研究所分子性触媒研究センター長/教授 山本 尚 タンパク質は創薬標的として最も重要な分子の一つである。その構造や機能はこれまで単離精製された系で行 われてきた。一方タンパク質が本来存在するいきた細胞系での解析は、その手法が限られてきたため、十分では ない場合が多い。本講習では、有機化学を基軸としてタンパク質を選択的にラベル化する手法の最近の進歩を概 説し、タンパク質イメージングや創薬、new discovery への展開に関して述べたい。 12 15:40~16:40 「分子世界と実世界を結ぶ化学」 東京大学総括プロジェクト機構/大学院理学系研究科教授 中村 栄一 複雑な分子構築を指向した医薬品設計は、多くの官能基を備え、しかも、不斉である場合が多い。こうした分 子を最も効率的に合成するには、触媒的不斉酸化反応が効果的である。カルボニル基を起点とするニトロソ化合 物を用いた窒素、酸素の不斉導入が出来るニトロソ・アルドール合成や、ニトロソ・ディールス・アルダー反応に ついて紹介する。また、アルコールを起点とする触媒的不斉エポキシ化反応と、生成するエポキシドを開裂、さら に複数官能基の位置と立体化学を制御した反応について述べ、最後に、触媒支配の化学反応への展望を議論する。 「分子をいくら精密に設計しても望み通りの物性や機能を実現できることは稀」 。大学、企業を問わず分子を 取り扱う研究者の共通の悩みである。分子科学と分子技術の間に横たわるボトルネック、つまり量子の世界から 実世界をつなぐナノ・メゾスコピック領域で生じる分子集合体の性質に関する理解の欠如に起因する。この領域 の化学研究では、単一分子の解析と制御だけでは十分ではなく、多種多様な分子からなる分子のシステム、すな わち溶液、膜や固体の非平衡 ・ 非周期性システムの解析と制御が必須である。 本講習では高分解能電顕と既存の構造解析法および有機合成手法とを組み合わせて演者が取り組んでいる研究 について述べる。 18:00~19:45ころ ミキサー&アフターディスカッション 同所にて 1 日目の講師、2 日目の講師の先生方を交えてゆっくりディスカッションができるように設定したもの で、本講習会ならではの恒例企画です。 (自由参加) 展示コーナー 講演に関連する材料や機器 (情報集積・表示関連材料・機器、分子モデルソフト、 コンビ関連機器、新試薬など) の展示を行います。 平成 28 年度 前期 (春季)有機合成化学講習会 受講料(テキスト・送料/消費税含む) 参加費→ ↓会員資格 企業社員 主催・共催 33,000円 28,000円 16,000円 会員外 52,000円 42,000円 27,000円 学校・官公庁職員・研究生 学生 (研究生除く) 東京メトロ *主催のシニア会員価格:17,000円/*本会普通会員(法人)所属の社員は 会員扱いとします。 *テキスト発送後にキャンセルを申し出られても理由の如何を問わず参加費 返金ができませんのでご注意下さい。 ◆定員 ◆参加申込方法 下記の[1]or[2]でお申込み下さい。テキストは開催約1週間前に送付 予定です。 [1]ホームページよりhttp://www.ssocj.jp/ 受信後、直ちに受付済のe-mailを送信します(この受信メールが届 かない場合、お手数ですが再登録をお願いします) 。 [2]FAX・e-mail等にて ①氏名、②勤務先、 ③電話番号、 ④連絡先 (自宅・勤務先の区別を明記) 、 ⑤会員資格、⑥会員番号、⑦請求書・領収書希望の有無、以上を明記し て受講料を添えて下記あてお申込み下さい。 ◆問合せ先 101-0062 東京都千代田区神田駿河台1−5 (公社)有機合成化学協会「講習会係」 TEL:03−3292−7621,FAX:03−3292−7622, e-mail:[email protected] [1] [2] ともお申込みと同時に、現金書留・郵便振替 (00100−1−157690) または銀行振込(みずほ銀行神田支店/普通預金/NO.1620638/名義: 公益社団法人有機合成化学協会)にてご送金をお願いします。 〈キリトリ線〉 平成28年度 前期(春季)有機合成化学講習会参加申込書 受付番号 氏 名 員 資 格 ※該当箇所に□を入れて下さい □有機合成化学協会 会員NO. 所 在 地 絡 〒 ☎ 講 ※印をいれてください→自宅 ( ) 勤務先 ( ) 円 料 懇 親 会 いずれかに○印 請求書・領収書 の 発 行 参 加 不参加 送 金 方 法 備 現金書留・銀 行・郵便振替・その他 考 請求書発行 領収書発行 希望( ) 不要( ) 希望( ) 不要( ) 有機合成化学は、医・農薬等の生理活性物質、機能性材料等を生み出す「もの づくり」の根幹をなす重要な研究領域であり、産官学における幅広い分野で基礎 研究から実用化研究までが活発になされています。特に近年の有機合成化学の発 展は目覚ましく、従来困難とされていた反応が次々と実現されつつあると共に、 数多くの実用性の高い合成反応が開発されてきております。このような状況下、 今後の研究・開発をさらに有意義に進める上で「有機合成化学の最先端」を俯瞰 することは非常に有益であると考えます。 そこで今回の講習会では、 「有機合成化学が生みだす新世界」と題し、大学お よび企業の第一線の先生方より、最先端の研究成果について分かり易くご講義頂 くこととしました。反応開発から全合成及び創薬まで、最新のトピックスを加え ながら、その基本から実際の使い方、ノウハウを主眼に研究成果をご紹介いただ くことと致しました。 さらにご好評を頂いております企業からの事業紹介としてランチョンセミナー を今回も2社のご厚意により第1日目に開催致します。これまでと同様に会場での 最新の機器、試薬および材料の展示も予定しておりますので併せてご活用下さい。 本講習会は通常の学会やシンポジウムとは一線を画す「講習会」です。受講者 には事前(1週間ほど前)にテキストを受け取り予習して頂き、座席も指定席で 確保されるなど、じっくりと学べる環境・スタイルをとっています。さらに内容 習得をより深めるために、講師と参加者が直に質疑応答ができ、討論もしっかり できるかなり長めの時間(約2時間近く)のイブニングセッションを初日の講習 終了後に設けています。講師と直に十分なディスカションができることは、本講 習会ならでは大きな魅力の一面でもあります。また、参加者間での情報交換、人 脈・ネットワーク作りにもお役立て下さい。 是非この機会に本講習会にご参加し、有機合成化学の醍醐味を味わって頂き、 ご自身の今後の研究に役立てて頂けましたら幸甚です。多数のご参加をお待ちし ております。 日 時:平成 28 年 6 月 15 日(水)~ 16 日(木) FAX 先 e-mail: 受 □会員外 職 名 〒 連 □日本化学会 □日本薬学会 □日本農芸化学会 □個人会員 □法人会員 □学生会員 □シニア会員 勤 務 先 名 または学校名 同 主催 有機合成化学協会/共催 日本化学会、日本薬学会、日本農芸化学会 渋谷 ヒカリエ 定員120名になり次第(座席指定制・先着順) 会 有機合成化学が生みだす新世界 -反応開発からもの創りまで ※入金確認後の 発行となります 初日 10:00 〜 17:50 / 2 日目 9:30 〜 16:40 会 場:日本薬学会長井記念館長井記念ホール (東京都渋谷区渋谷 2-12-15 / TEL.03-3406-3326) 【交通】 ◎ JR 山手線、東急東横線・田園都市線、京王井の頭線、東京メトロ銀座線・ 半蔵門線・副都心線「渋谷駅」下車、JR 渋谷駅東口より高樹町方面へ高 速道に沿って徒歩約 8 分
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