平成28年度新潟空港アクセス調査業務委託報告書

平成 28 年度
新潟空港アクセス調査業務委託
報 告 書
平成28年5月
新
潟
県
パシフィックコンサルタンツ株式会社
目 次
0 はじめに............................................................................................................................................
0.1 業務目的 ............................................................................................................................................
1.調査概要 .................................................................................................................................... 1
2.概算建設費の時点修正 ...................................................................................................... 2
3.採算可能性の検討 ................................................................................................................ 3
(1) 試算条件の設定 ............................................................................................................... 3
(2) 検討結果 ............................................................................................................................. 3
4.採算可能性出現のための課題 ........................................................................................ 5
0 はじめに
0.1 業務目的
本業務は、新潟空港アクセス改善の検討にあたって必要となる前提条件(鉄道建設費の
見直し、上越新幹線の根元利益等)及び事業スキーム(事業実施手法、資金調達、採算性
等)等について、あらゆる可能性を排除せずに、調査・検討を行うものである。
新潟空港アクセス調査
1.調査概要
首都圏空港(羽田・成田)の発着回数(国内線+国際線)は、現状では年間 71 万回が上限
であるが、早ければ 2022(平成 34)年度、遅い場合でも 2027(平成 39)年度に発着枠を超
過すると見込まれており、首都圏空港以外の空港の活用可能性が検討されている。
このような状況の中、首都圏空港を発着する欧州便は新潟上空を通過する必要があることか
ら、新潟空港から首都圏を結ぶアクセス改善により、国際線における首都圏空港の補完先とし
て新潟空港を活用する可能性はあると考えられる。
本調査は、新潟空港アクセスの実現に向け、新幹線延伸案及び白新線延伸案について、概算
建設費の時点修正及び採算可能性の検討を行った。
なお、採算可能性の検討については、現在の新潟空港利用者(年間約 100 万人、うち国際
線利用者約 13 万人※1)の他に、どの位の新たな需要(首都圏空港の超過分を補完するため
の需要)があれば採算可能性が出現するか試算を行った。
※1 平成 26 年度新潟空港利用状況
1,008,172 人(うち国際線 131,919 人)
2.概算建設費の時点修正
新幹線延伸案、白新線延伸案(平成 22 年度検討における支障物回避ルート)について、概
算建設費の時点修正を行った結果を表1に示す。それぞれの案のルートを図1、図2に示す。
表1.概算建設費を時点修正した結果
区分*
新幹線延伸案 案①
白新線延伸案 案②
ホーム長
12両編成対応
4両編成対応
編成
934人/編成
-
調査時点
H22年度調査
時点修正後
H22年度調査
時点修正後
概算建設費
405億円
422億円
295億円
308億円
* 概算建設費には、車両費などの運営に係る費用は含まない。
* 概算建設費は、現時点の想定ルートに基づくものであり、工事実施時の軟弱地盤対策や今後の土地
利用の変化、新潟空港駅(仮称)の地下化、連絡通路等の工事などの変更要因は考慮していない。
1
図1.全体ルート
図2.新潟空港駅(仮称)計画位置
2
3.採算可能性の検討
(1)試算条件
現状の新潟空港利用者に基づく基本需要を見込んだ上で、40 年以内に累積損益、累積資
金過不足の両方が黒字転換することを前提として、新たな航空需要がどの程度必要かを試
算した。
表2.試算条件
項目
開業年度
建 設 費
新幹線延伸案
白新線延伸案
2025年度(平成37年度)
同左
建設費合計
建設費合計
422億円
うち、工事費
うち、用地・補償費
364億円
58億円
308億円
うち、工事費
252億円
うち、用地・補償費
56億円
収支検討区間:新潟駅~新潟空港駅(仮称) 収支検討区間:新潟駅~新潟空港駅(仮称)
収
入
運賃設定
:440円(消費税込)
幹線普通運賃
240円+特急料金200円
固定費
地方交通線普通運賃
210円+特設料金200円
他経費
変動費
・線路保存費、電路保存費等
6.1円/人・キロ
費
:410円(消費税込)
人件費 6,197千円/人×38人
5,200万円/線路延長キロ
経
運賃設定
20.2百万円/キロ
*上記は平成11年度調査に基づき設定
・車両保存費
33百万円/百万車両キロ
・運転費
141百万円/百万列車キロ
・線路使用料:考慮しない
減価償却費
構造物45年総合償却 定率法
同左
(補助金分は圧縮記帳により対象外)
固定資産税
検討ケース毎に設定
同左
(2)検討ケース
整備方式を上下一体・上下分離の2ケース、公的負担等の負担率を0%、50%、
100%とした3ケースと設定して、表3に示すケースについて検討を行った。
なお、上下分離の場合は固定資産税及び減価償却費を考慮していない。
また、白新線については最も採算可能性の高いケースのみ検討している。
3
表3.検討ケース一覧
上下一体
・
上下分離
公的負担等
負担率
(%)
CASE1-1
一体
0
鉄道事業者
CASE1-2
一体
50
鉄道事業者
CASE1-3
一体
100
鉄道事業者
CASE1-4
分離
100
鉄道事業者
公的主体等
・固定資産税は考慮せず
・減価償却費は考慮せず
CASE2-4
分離
100
鉄道事業者
公的主体等
・固定資産税は考慮せず
・減価償却費は考慮せず
検討ケース
新幹線
延伸案
白新線
延伸案
*
*
運営主体
整備主体
備考
・固定資産税は一定
・減価償却費は公的等
負担率に応じて変動
・減価償却費は圧縮記帳
を考慮
公的負担等:鉄道事業者以外の国、地方自治体、民間企業等の負担を想定している。
上下一体の場合には、公的負担等の可能性がある費目として、建設費、固定資産税、線路保存費等を
想定した。
(3)採算可能性の検討結果
上述の試算条件に基づき、①新幹線延伸案(CASE1)、②白新線延伸案(CASE2)について
試算を行い、鉄道事業者の採算可能性が出現するための条件を鉄道利用者数、現在の利用者
に加えて新たに必要な航空利用者数、現在の航空便数に加えて新たに追加が必要な航空便数
に換算した結果を表4に示す。
表4.採算可能性の検討結果
鉄道事業者の採算可能性が出現する条件
公的負担等
検討ケース
新幹線
上下一体
・
上下分離
CASE1-1
上下一体
CASE1-2
必要鉄道
負担率
負担額
(%)
(億円)
新たに必要な
利用者数
航空利用者数※2
(万人/年)
(万人/年)
新たに必要な
航空便数※3
(便/週)
0%
0
718
957
995
〃
50%
211
469
625
650
CASE1-3
〃
100%
422
224
299
311
CASE1-4
上下分離
100%
422
176
235
244
CASE2-4
上下分離
100%
308
134
179
186
延伸案
※4
白新線
延伸案
※2
新たに必要な航空利用者数は、航空利用者のうち 75%が鉄道を利用すると仮定して算出
(白新線延伸案については乗換抵抗を加味していない。
)
3
※
新たに必要な航空便数は、機材 B787-8(264 席)、搭乗率 70%と仮定し、1 便当り搭乗者数
185 人/便として算出
※
4
新幹線延伸案の場合、東京駅-新潟空港駅(仮称)間の直通運行となるため、航空路線の誘致に際
して優位になることが期待できる。
4
4.課題
(1)財源の確保
・ 建設及び運営に係る財源の確保が課題である。
(2)輸送ボリューム
・ 一運行当りの輸送人員や運行ダイヤなど、鉄道事業としての諸条件の検討が必要である。
採算可能性の検討結果(表4)から、
新幹線延伸案の必要鉄道利用者数 176 万人(CASE1-4)~718 万人(CASE1-1)
(日平均利用者数に換算すると、4,822 人(CASE1-4)~19,671 人(CASE1-1))
白新線延伸案の必要鉄道利用者数 134 万人(CASE2-4)
(日平均利用者数に換算すると、3,671 人 (CASE2-4))
*JR東日本の公表資料による平均通過人員(平成 26 年度)
上越新幹線(越後湯沢~新潟)22,411 人/日、白新線(新発田~新潟)16,464 人/日
(3)首都圏空港の補完需要の取り込み
・ 訪日外国人旅行者の増加に伴い、容量不足が見込まれる首都圏空港の役割を補完するこ
とで生じる需要を取り込む必要がある(既存需要だけでは事業実施は困難)。
採算可能性の検討結果(表4)より、
新たに必要な航空利用者数(国際線) 179 万人(CASE2-4)~957 万人(CASE1-1)
* 新潟空港国際線利用者数(平成 26 年度)約 13 万人。
・
首都圏空港に一極集中するのではなく、地方創生の観点から地方空港に訪日外国人旅行
者等を分散させるような国家的政策の転換が必要である。
(4)その他
・ 将来的には、新潟空港の更なる利用促進に向け、新潟県内の上越新幹線沿線地域の魅力
向上や、日本海縦貫高速鉄道等による広域ネットワークの充実が望まれる。
5
【参考】
延伸部分が整備されることに伴って、既存部分(新潟駅-東京駅)に生じる需要増加分※5 の
利益を含めて、採算可能性を検討した。
※5 新潟空港駅(仮称)~東京駅間の収入を 8,500 円(JR EAST PASS 17,000 円の半額相当)と仮定
鉄道事業者の採算可能性が出現する条件
公的負担等
検討ケース
新幹線
上下一体
・
上下分離
CASE1-1
上下一体
CASE1-2
負担率
負担額
(%)
(億円)
必要鉄道
利用者数
(万人/年)
新たに必要な
航空利用者数※6
(万人/年)
新たに必要な
航空便数※7
(便/週)
0%
0
42
56
58
〃
50%
211
28
37
38
CASE1-3
〃
100%
422
14
19
20
CASE1-4
上下分離
100%
422
11
15
16
CASE2-4
上下分離
100%
308
9
12
12
延伸案
※8
白新線
延伸案
※6
新たに必要な航空利用者数は、航空利用者のうち 75%が鉄道を利用すると仮定して算出
(白新線延伸案については乗換抵抗を加味していない。
)
7
※
新たに必要な航空便数は、機材 B787-8(264 席)、搭乗率 70%と仮定(1 便当り搭乗者数
185 人/便)して算出
8
※
新幹線延伸案の場合、東京駅-新潟空港駅(仮称)間の直通運行となるため、航空路線の誘致に際し
て優位になることが期待できる。
〔輸送ボリューム〕
新幹線延伸案では、必要鉄道利用者数 11 万人(CASE1-4)~42 万人(CASE1-1)
(日平均利用者数に換算すると、301 人(CASE1-4)~1,151 人(CASE1-1))
白新線延伸案では、必要鉄道利用者数 9 万人(CASE2-4)
(日平均利用者数に換算すると、247 人(CASE2-4))
6