内定・入社前後のトラブルに関する調査

2016年5月31日
報道関係各位
内定・入社前後のトラブルに関する調査
日本労働組合総連合会(連合/会長:神津 里季生)は、連合「なんでも労働相談ダイヤル」に内定・入社前後の
トラブルに関する相談が寄せられていることや労働条件明示のあり方が問題になっていることを踏まえ、内定・入
社前後にどのようなトラブルがどのくらい発生しているのかを把握するため2016年4月4日~4月13日の10日間、
「内定・入社前後のトラブルに関する調査」を、インターネットリサーチにより実施しました。大学卒業後に新卒で正
社員として就職した全国の入社2年目~5年目の男女1,000名の有効サンプルを集計しました。(調査協力:上西充
子教授(法政大学キャリアデザイン学部)、ネットエイジア株式会社)
◆4人に3人が就職活動の中で対応に苦慮する要求を経験!
◆内定者研修や内定者アルバイト等を就職先の求めに応じて行った人が半数以上!
◆賃金など労働条件を「書面で渡された」のは3人中2人!
◆新卒入社した会社を辞めた理由において、労働条件の書面交付がなかった場合では、
「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」と半数強が回答。
INDEX
◆就活関連ハラスメント等の発生状況 (P.2)
◆内定後の研修やインターンシップ・アルバイトなどの状況 (P.3-5)
◆新卒入社した会社について (P.6-10)
今回の調査に関する見解(上西充子教授・法政大学キャリアデザイン学部)
学生の採用活動におけるハラスメント行為等については2015年に文部科学省が大学及
び短期大学を対象に調査を行ったが、今回、求職者側に詳細に尋ねることにより実態が明
らかになるとともに、採用側からの干渉が年々強まっている状況も把握することができた。
各企業の実際の採用スケジュールが不明瞭かつ分散していることとも相まって、就職活動
をめぐる混乱がより深刻化していることが懸念される。
内定後入社までの間に行われるインターンシップやアルバイト、研修、資格取得などについては、従来からその
広がりについて大学教員として懸念を持っていたため今回、学生生活を侵食する形で内定者アルバイトなどが行
われている実態と、業種による偏りを明らかにできたことの意義は大きい。内定者アルバイトは人手不足を補いた
い企業の都合から行われている場合もあり、学生は卒論執筆がままならなくなるケースもある。参加の強制はあっ
てはならない。研修も本来、入社後に給与を支払いながら行うべきものだ。資格取得についても、せめて募集の段
階からの周知が必要だろう。
入社後の状況では、労働条件の書面交付を行っていない企業で募集時と実際の労働条件の違いや賃金(残業
代)不払いなどの問題が目立ち、離職理由でも労働時間や賃金への不満の割合が高いことがわかった。入社時に
労働条件を書面で渡された者が3人に2人にとどまり、書面交付がなかった者の職場に問題がより集中しているこ
とは重要だ。本来は遅くとも正式内定日(10月1日)には労働条件の書面交付があってしかるべきではないか。労
働条件明示の時期と方法、実効性の確保のあり方などを改めて検討する必要があろう。
1
調査結果
≪就活関連ハラスメント等の発生状況≫
◆4 人に 3 人が就職活動の中で対応に苦慮する要求を経験
◆10 人に 1 人が「他社の選考辞退を求められた」と回答
大学卒業後に新卒で正社員として就職した全国の入社2年目~5年目の男女1,000名(全回答者)に、対応に苦
慮する要求を提示し、就職活動の中で経験したことを聞いたところ、「他の応募企業の選考状況を聞かれた」が最
も多く55.8%、続いて「他に応募している企業名を聞かれた」が48.1%となっており、対応に苦慮する要求を経験した
人の割合は74.3%でした。なかにはハラスメント行為を受けたと思われる人もおり、「内定時に、その企業に就職す
るという誓約書の提出を求められた」は18.4%、「内定を伝えられたあとで、他社の選考を辞退するように求められ
た」は10.8%、「他社の選考を辞退するなら、内定を出すと言われた」は7.4%でした。
「他の応募企業の選考状況を聞かれた」、「他に応募している企業名を聞かれた」は年々増加している傾向がみ
られました。また、就職活動の中で対応に苦慮する要求を経験した人の割合を卒業時期別にみると、2012年3月卒
は66.8%、2013年3月卒は73.2%、2014年3月卒は78.0%、2015年3月卒は79.2%と年々増加しており、他社の採用動向
を気にする採用側からの干渉が強くなっている様子が窺えました。
◆就職活動の中で経験した対応に苦慮する要求
[複数回答形式]
100%
対応に苦慮する要求を経験した人の割合
全体:74.3%
2012年3月卒:66.8%/2013年3月卒:73.2%
2014年3月卒:78.0%/2015年3月卒:79.2%
全体【n=1000】
75%
50%
55.8
48.1
25.7
18.4
25%
10.8
9.1
8.8
7.4
ら 同内
れ意定
た書時
のに
提、
出保
を護
求者
めの
働 ア時内
く ル期定
よ バ か後
う イら ま
に ト、も
求等内 な
めと定い
ら し先
れてで
た
内辞他
定退社
を すの
出る選
す な考
と ら を
言、
わ
れ
た
3.4
3.3
0%
選他
考の
状応
況募
を企
聞業
かの
れ
た
卒
業
時
期
n数
全体
1000
2012年3月 250
2013年3月 250
2014年3月 250
2015年3月 250
55.8
47.2
53.6
60.0
62.4
企他
業に
名応
を募
聞 し
かて
れい
たる
48.1
39.6
46.0
51.2
55.6
提就内
出職定
を す時
求る に
めと、
ら いそ
れ うの
た誓企
約業
書に
の
18.4
11.2
22.0
20.4
20.0
す で内
る、定
よ他を
う社伝
にのえ
求選 ら
め考 れ
ら を た
れ辞 あ
た退と
10.8
8.8
11.6
10.4
12.4
9.1
10.8
7.2
8.8
9.6
8.8
8.8
8.4
7.6
10.4
■全体比+10pt以上/■全体比+5pt以上/■全体比-5pt以下/■全体比-10pt以下
7.4
6.8
6.8
7.2
8.8
懇時採
親期用
会 に選
や、 考
研宿 が
修泊集
がを中
あ伴す
っ うる
た
3.4
4.4
3.6
3.2
2.4
提 か内
出ら定
を の時
薦求推 に
に め薦
、
よ
ら 書大
る
選 れ ・ 学
考 た同関
を
意係
除
書者
く
の
)
(
学
校
推
3.3
2.8
4.0
2.4
4.0
あ
て
は
ま
る
も
の
は
な
い
25.7
33.2
26.8
22.0
20.8
(%)
2
≪内定後の研修やインターンシップ・アルバイトなどの状況≫
◆内定者研修や内定者アルバイト等を就職先の求めに応じて行った人が半数以上!
◆“内定者は参加必須”のケースが約 3 割!内定者インターンシップ・アルバイトの実態とは?
◆内定者研修や内定者アルバイト等による影響
「かなりの費用の自己負担が必要であった」など悲痛な声や批判も
全回答者(1,000 名)に、内定者研修等について聞きました。
内定から実際に就職するまでの間に、就職先の求めに応じて行ったものを聞いたところ、「通信教育・資格勉強」
が最も多く 25.3%、次いで、「研修参加」が 21.2%、「内定者インターンシップ・アルバイト参加」が 17.2%、「読書感想文
やレポートなどの課題を提出した」が 15.1%で続き、内定者研修や内定者アルバイト等を就職先の求めに応じて行
った人の割合は 55.9%と半数以上でした。
内定者研修や内定者アルバイト等の実施状況、内容は業種によって特徴がみられ、「通信教育・資格勉強」は
金融業・保険業で最も高く 63.7%、「内定者インターンシップ・アルバイト参加」は教育・学習支援業(40.5%)、学術・開
発研究機関など(33.3%)、不動産業・物品賃貸業(32.4%)、小売業(30.9%)で他の業種に比べ高くなりました。
◆卒業後に最初に就職した会社で、内定から実際に就職するまでの間で、求めに応じて行ったもの [複数回答形式]
100%
全体【n=1000】
内定者研修や内定者アルバイト等を行った人の割合
55.9%
75%
44.1
50%
25.3
25%
21.2
17.2
15.1
2.6
0%
・ 通
資信
格教
勉育
強
研
修
参
加
参アシ イ内
加 ルッ ン 定
バプタ者
イ ・ ー
ト
ン
し の レ読
た課ポ書
題ー 感
を ト想
提な文
出ど や
手採次
伝用 の
い選学
を 考年
しのの
た
もあ
のて
はは
なま
いる
◆卒業後に最初に就職した会社で、内定から実際に就職するまでの間で、求めに応じて行ったもの [複数回答形式]
≪業種別≫
通信教育
研修参加
内定者インター 読書感想文や
次の学年の
・資格勉強
ンシップ・
レポートなどの
採用選考の
n数
アルバイト参加 課題を提出した 手伝いをした
全体
1000
25.3
21.2
17.2
15.1
2.6
建設業
61
13.1
24.6
14.8
21.3
1.6
製造業
160
27.5
17.5
10.6
18.1
3.1
情報通信業
140
29.3
23.6
12.9
15.7
2.9
運輸業・郵便業
47
10.6
6.4
8.5
14.9 卸売業
58
24.1
20.7
17.2
8.6
5.2
小売業
68
13.2
20.6
30.9
16.2
2.9
業
金融業・保険業
102
63.7
28.4
14.7
21.6
2.9
種
不動産業・物品賃貸業
34
20.6
11.8
32.4
17.6
8.8
別
学術・開発研究機関など
51
11.8
21.6
33.3
13.7 宿泊業・飲食サービス業
34
11.8
29.4
8.8
8.8 生活関連サービス業など
55
14.5
25.5
20.0
9.1
3.6
教育・学習支援業
37
16.2
29.7
40.5
10.8
2.7
医療・福祉
107
19.6
13.1
15.9
9.3
0.9
その他
46
32.6
30.4
8.7
15.2
2.2
■全体比+10pt以上/■全体比+5pt以上
あてはまる
ものはない
44.1
42.6
49.4
42.1
72.3
46.6
39.7
19.6
38.2
43.1
52.9
47.3
35.1
54.2
41.3
(%)
3
内定者インターンシップ・アルバイトに参加した 172 名に、その位置づけを聞いたところ、「必ず参加することが求
められ、ほとんどの内定者が参加した」が 27.3%、「参加を強く求められ、ほとんどの内定者が参加した」が 26.2%とな
り、必ず参加することを求められたり、参加を強く求められたりして参加をした人が 53.5%と半数以上だったことが明
らかになりました。
◆参加した内定者インターンシップ・アルバイトの位置づけ [単一回答形式]
対象:求めに応じて内定者インターンシップ・アルバイトに参加した人
全体【n=172】
必ず
希望者だけが
参加することが
参加するもので、
求められ、
一部の内定者が
ほとんどの内定者が
参加した
参加した
23.3%
27.3%
参加は希望に
応じてだったが、
ほとんどの内定者が
参加した
23.3%
「必ず」+「強く」
53.5%
参加を
強く求められ、
ほとんどの内定者が
参加した
26.2%
同じく 172 名に、参加した内定者インターンシップ・アルバイトの延べ日数を聞いたところ、「1~5 日」が 22.7%、「6
~10 日」が 20.3%、「11~20 日」が 19.2%となりました。他方、「31~50 日」(7.6%)、「51~100 日」(14.0%)、「101 日以
上」(6.4%)といった回答もみられ、『31 日以上(計)』は 28.0%となり、参加者の 3 割近くが 1 ヶ月以上の長期間に渡っ
て内定者インターンシップ・アルバイトに参加したことがわかりました。
◆参加した内定者インターンシップ・アルバイトの延べ日数 [単一回答形式]
対象:求めに応じて内定者インターンシップ・アルバイトに参加した人
50%
全体【n=172】
31日以上(計)
28.0%
25%
22.7
20.3
19.2
14.0
9.9
7.6
6.4
0%
1~5日
6~10日
11~20日
21~30日
31~50日
51~100日
101日以上
4
内定から入社までの間に、内定者研修や通信教育・資格取得、課題提出、インターンシップ・アルバイトなどに
参加した559名に、それらの影響について聞いたところ、「時間的な拘束が大きかった」との回答が最も多く22.7%と
なりました。そのほか、「卒業論文・卒業研究に支障があった」(13.1%)や「授業・ゼミ活動に支障があった」(11.3%)
といった学業に支障があったとする回答や、「かなりの費用の自己負担が必要であった」(11.1%)といった回答、ま
た、「身体的・精神的な負担が大きく、体調を崩した」(8.1%)といった回答も挙げられており、内定者研修等の問題
点が明らかになりました。
卒業時期別にみると、2015年3月卒では「授業・ゼミ活動に支障があった」(16.3%)、「かなりの費用の自己負担が
必要であった」(16.3%)において、他の卒業時期に比べ高い傾向がみられました。
◆内定から入社までの間の研修や資格取得、課題提出、インターンシップ・アルバイトなどの影響 [複数回答形式]
対象:内定から入社までの間に、求めに応じて研修や資格取得、課題提出、インターンシップ・アルバイトなどに参加した人
100%
全体【n=559】
75%
52.1
50%
25%
0%
卒
業
時
期
全体
2012年3月
2013年3月
2014年3月
2015年3月
n数
559
127
145
140
147
22.7
大時
き間
か的
っな
た拘
束
が
22.7
20.5
20.0
26.4
23.8
13.1
支 ・ 卒
障卒業
が業論
あ研文
っ究
たに
13.1
12.6
11.0
14.3
14.3
12.2
支
障
が
あ
っ
た
ア
ル
バ
イ
ト
に
12.2
9.4
11.7
14.3
12.9
11.3
11.1
9.1
8.1
支 ・ 授
障ゼ業
がミ
あ活
っ動
たに
必自 か
要己 な
で負 り
あ担の
っ が費
た
用
の
支卒
障業
が旅
あ行
っに
た
体負 ・ 身
調担精体
を が神的
崩大的
しき な
た く
、
11.3
8.7
9.7
10.0
16.3
11.1
10.2
9.0
8.6
16.3
9.1
7.1
9.0
11.4
8.8
も
の
は
な
い
あ
て
は
ま
る
8.1
7.1
6.9
7.9
10.2
■全体比+10pt以上/■全体比+5pt以上/■全体比-5pt以下/■全体比-10pt以下
52.1
55.1
55.9
49.3
48.3
(%)
同じく559名に、内定者研修や通信教育・資格取得、課題提出、インターンシップ・アルバイトなどについての感想
を自由回答形式で聞いたところ、「人手が足りない中で労働力として就労を求められた」ケースや「遠方での研修の
ために時間と費用の重い負担を強いられた」ケース、「睡眠時間も少なくパワハラ的な泊まり込み研修に参加させ
られた」ケースなどがみられました。また、「入社前に無給での参加を求められることへの不満」や「資格取得等に
費用負担を強いられることへの疑問」、「資格取得が必要なら募集要項に記載してもらいたいという要望」も挙げら
れていました。
◆内定から入社までの間の研修や資格取得、課題提出、インターンシップ・アルバイトなどの感想[自由回答形式]
※一部の回答を抜粋して表示
感 想
業 種
強制のアルバイトは本当にやめてほしかった。学生時代の貴重な時間を費やしてしまった。
卸売業
研修という名目だったが、繁忙期の人手不足を補うためのアルバイトだった。
小売業
アルバイトに2週間以上入ることを強要されました。遠くから来る人も関係なしで、交通費が
製造業
出ても宿泊費はなし。理系学生にとっては実験が滞り最悪でした。
入社前の4日間の泊まりの研修が寝る時間も短く、厳しかった。
小売業
研修はかなり厳しいものだった。 泊まりでやるのは、ちょっと今考えてもないなと思う。
医療・福祉
拘束時間に応じた時給を出すべき。
金融業・保険業
必須資格だった為、特に取得に関しては違和感は覚えませんでした。しかし、高額な費用の
小売業
自腹負担については疑問に感じました。
取得する必要のある資格があるのなら募集要項に記載してもらいたい。
運輸業・郵便業
5
≪新卒入社した会社について≫
◆賃金など労働条件の明示 「書面で渡された」は3人に2人の割合にとどまる
◆入社後の新入社員研修や業務についての指導 「なかった」2割半
◆新卒入社した会社は「時間外労働が恒常的」4割半、「有給休暇が取得できない人が多い」3割半、「仕事に見合
わない低賃金」3割、「賃金不払い残業がある」2割半、「セクハラ・パワハラが横行している」1割強
◆賃金など労働条件の明示方法と新卒入社した会社を離職した割合の関係性は?
◆新卒入社した会社を辞めた理由
労働条件の書面交付がなかった場合では「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」が半数強
全回答者(1,000名)に、新卒入社した会社についても聞きました。
新卒入社した会社では、入社時に、賃金などの労働条件を明示されたかを聞いたところ、「書面で渡された」は
66.0%と3人に2人の割合にとどまり、「社内イントラネットなどに掲示されているので自分で確認するように指示され
た」が5.2%、「見せられただけで渡されず回収された」が3.0%、「口頭で説明された」が7.9%となりました。また、「書面
の明示がないだけでなく、なにも説明はなかった」との回答も5.0%でした。労働基準法では、賃金や労働時間などの
労働条件を明確に記載した書面を作成し、交付しなければならないことになっていますが、口頭で説明が済まされ
ているケースや説明すらされていないケースがあるようです。
「書面で渡された」と回答した割合を従業員規模別にみると、従業員規模が小さい会社ほど低くなり、1~10人規
模の会社では47.2%と半数を下回る結果となりました。また、労働組合有無別にみると、労働組合があった会社で
は75.4%、労働組合がなかった会社では59.6%となり、労働組合がなかった会社のほうが低くなりました。
◆入社時に、賃金などの労働条件を明示されたか [単一回答形式]
0%
25%
全体【n=1000】
1~10人【n=36】
従
11~50人【n=126】
51~100人【n=129】
規
101~300人【n=197】
労
働
組
合
有
無
別
5.2
2.8
2.8
47.2
58.9
301~1000人【n=201】
72.1
1000人以上【n=311】
71.4
18.3
59.6
わからない【n=229】
59.4
13.9
7.1
11.9
7.0
12.4
8.1 5.1 5.12.5 12.7
5.0 7.5
4.5 10.0
1.0
3.2 3.5
1.9 4.5
15.4
5.4 4.2
1.2 3.2 10.6
75.4
なかった【n=364】
12.9
11.1
8.5 3.9 9.3
66.5
あった【n=407】
100%
3.0 7.9 5.0
22.2
3.2
4.8
54.8
模
別
75%
66.0
業
員
50%
6.3 5.2
12.9
3.1 6.6
2.6
5.2
6.9
9.1
23.1
書面で渡された
社内イントラネットなどに掲示されているので自分で確認するように指示された
見せられただけで渡されず回収された
口頭で説明された
書面の明示がないだけでなく、なにも説明はなかった
覚えていない
6
入社後、新入社員研修や上司・先輩から業務についての指導・アドバイスはあったかを聞いたところ、「十分に
あった」が32.8%、「ある程度はあった」が44.1%で、合計した『あった(計)』は76.9%となりました。一方、「あまりなかっ
た」が16.9%、「まったくなかった」が6.2%で、合計した『なかった(計)』は23.1%でした。
研修、指導・アドバイスが「十分にあった」と回答した割合を従業員規模別にみると、従業員規模が大きい会社ほ
ど高く、1000人以上の規模の会社では48.2%でした。従業員規模が大きい会社ほど新入社員研修や業務について
の指導・アドバイスがしっかり行われているようです。
また、労働組合有無別にみると、労働組合があった会社のほうが、研修、指導・アドバイスが「十分にあった」と
回答した割合が47.2%と高くなりました。
◆入社後、新入社員研修や上司・先輩から業務についての指導・アドバイスはあったか [単一回答形式]
0%
25%
50%
75%
100%
全体【n=1000】
1~10人【n=36】
従
32.8
11.1
44.1
36.1
11~50人【n=126】
23.0
員
51~100人【n=129】
24.0
規
101~300人【n=197】
23.9
あった
(計)
なかった
(計)
76.9
23.1
13.9
47.2
52.8
12.7
64.3
35.7
11.6
66.6
33.3
16.9
38.9
41.3
23.0
6.2
業
42.6
21.7
54.3
17.3
4.6
78.2
21.9
15.4
3.5
81.1
18.9
模
別
労
働
組
合
有
無
別
301~1000人【n=201】
33.3
47.8
1000人以上【n=311】
48.2
37.9
10.6 3.2
86.1
13.8
あった【n=407】
47.2
39.8
11.1 2.0
87.0
13.1
72.2
27.7
66.3
33.6
なかった【n=364】
23.6
わからない【n=229】
21.8
十分にあった
48.6
44.5
ある程度はあった
20.6
21.4
あまりなかった
7.1
12.2
まったくなかった
7
卒業後に最初に就職した会社について、職場の労務管理上の問題を提示し、あてはまるものを聞いたところ、
「時間外労働(残業)が恒常的である」が最も多く46.0%、次いで、「有給休暇が取得できない人が多い」35.4%、「仕事
に見合わない低賃金である」30.1%、「精神的に不調になり辞める人が多い」26.3%、「賃金不払い残業(サービス残
業)がある」25.2%が続き、「セクハラ・パワハラが横行している」は11.0%でした。また、「あてはまるものはない」は
21.4%と2割にとどまり、多くの会社で労務管理上の問題が存在している様子が窺えました。
入社時の労働条件明示方法別にみると、社内イントラネットなどに掲示した会社や回収された・口頭で説明・説
明なしの会社では「仕事に見合わない低賃金である」(社内イントラネットなどに掲示した会社42.3%、回収された・
口頭で説明・説明なしの会社39.6%)が全体に比べ10ポイント前後高くなり、また、回収された・口頭で説明・説明な
しの会社では「賃金不払い残業(サービス残業)がある」(36.5%)、「募集要項や採用時の説明と実際の雇用条件・
待遇が異なっている」(25.2%)も全体に比べ高い結果となりました。労働条件の書面交付がなかった会社において、
低賃金、不払い残業、募集要項と実際の労働条件の違いという問題が大きいようです。
◆卒業後に最初に就職した会社における、職場の労務管理上の問題としてあてはまるもの [複数回答形式]
60%
全体【n=1000】
46.0
35.4
40%
30.1
26.3
25.2
21.4
16.7
20%
14.3
14.2
12.6
11.0
9.3
9.2
7.7
7.5
横セ
行ク
しハ
てラ
い ・
るパ
ワ
ハ
ラ
が
の販
自促
己や
負売
担り
が上
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◆卒業後に最初に就職した会社における、職場の労務管理上の問題としてあてはまるもの
※全体の上位10項目を抜粋
恒時
で有
低仕
辞精
繰大
≪労働条件明示方法別≫
(賃
常間
き給
賃事
め神
サ金
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n数
全体
1000
46.0
35.4
30.1
26.3
25.2
16.7
労
働
条
件
明
示
方
法
別
書面で渡された
あ
て
は
ま
る
も
の
は
な
い
[複数回答形式]
厳ノ
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・ 説募
待明集
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14.3
14.2
比同
べ一
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賃種
金の
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ベ企
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低
い
12.6
横
行
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い
る
セ
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ハ
ラ
・
パ
ワ
ハ
ラ
が
11.0
660
48.9
35.6
28.9
26.1
24.4
17.9
15.5
13.5
12.0
11.4
52
38.5
36.5
42.3
25.0
11.5
15.4
9.6
9.6
3.8
3.8
回収された・口頭で
159
説明・説明なし
44.0
40.9
39.6
29.6
36.5
19.5
12.6
25.2
20.1
14.5
覚えていない
36.4
27.1
19.4
24.0
20.9
7.8
12.4
6.2
10.1
7.8
社内イントラネット
などに掲示
129
■全体比+10pt以上/■全体比+5pt以上
(%)
8
多くの会社で労務管理上の問題が存在している様子が窺えましたが、新卒入社した会社での就業継続状況は、
どのようになっているのでしょうか。
全回答者(1,000名)に、卒業後に最初に就職した会社で、現在も働いているか聞いたところ、「最初の会社で働
き続けている(育児休業中・休職中を含む)」は59.1%、一方、『離職した(計)』は40.9%でした。
入社後の新入社員研修や先輩・上司からの指導有無別にみると、離職割合(=離職した(計))は、新入社員研
修や指導があった層では35.8%でしたが、なかった層では58.1%と6割近くになり、入社後の研修や指導の状況が離
職割合に影響している様子が窺えました。
また、労働条件明示方法別に離職割合をみると、書面で渡された層では39.9%でしたが、書面交付がなかった層
では、社内イントラネットなどに掲示された層で44.2%、回収された・口頭で説明された・説明がなかった層で47.3%と
なりました。入社2年目~5年目の若手社員の離職発生率は、労働条件を書面で渡された会社よりも書面交付がな
かった会社のほうが高い傾向が窺えました。
◆卒業後に最初に就職した会社で、現在も働いているか [単一回答形式]
0%
25%
全体【n=1000】
指
導
有
無
別
59.1
あった【n=769】
なかった【n=231】
労 書面で渡された【n=660】
働
条 社内イントラネットなどに
件
掲示【n=52】
明
示 回収された・口頭で説明
方
・説明なし【n=159】
法
別
覚えていない【n=129】
50%
75%
13.6
64.2
42.0
60.2
10.3 6.6
40.9
9.0
10.0 6.1
35.8
55.8
52.8
62.8
15.2
12.3
15.4
18.9
11.3
10.5
8.2
58.1
10.3 6.8
39.9
17.3
10.1
13.2
離職した
(計)
10.4
10.7
23.4
100%
7.8
10.1
7.7 3.8
44.2
8.2
47.3
11.6 4.7
37.3
最初の会社で働き続けている(育児休業中・休職中を含む)
離職した(半年以内)
離職した(半年を超え、1年以内)
離職した(1年を超え、2年以内)
離職した(2年を超えてから)
9
卒業後に最初に働いた会社を離職した409名に、会社を辞めた理由を聞いたところ、「仕事が自分に合わない」
が最も多く37.4%、次いで、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」34.0%、「人間関係がよくなかった」33.7%が
続きました。仕事内容に対する入社後のギャップや労働時間・休日・休暇の条件、職場の人間関係が理由で退職
している人が多いようです。
労働条件明示方法別にみると、回収された・口頭で説明・説明がなかった層では、「労働時間・休日・休暇の条
件がよくなかった」が53.3%で全体に比べて高く、「賃金の条件がよくなかった」44.0%も全体に比べて高くなりました。
労働条件を書面で交付しないことが、労働時間・休日・休暇の条件や賃金の条件を理由とした離職につながってい
るケースも多いのではないでしょうか。
◆卒業後に最初に働いた会社を辞めた理由 [複数回答形式] 対象:卒業後に最初に働いた会社を離職した人
※上位15項目を抜粋
100%
全体【n=409】
75%
50%
37.4
34.0
33.7
24.0
25%
22.2
22.2
19.3
14.4
13.0
8.3
5.9
3.4
2.4
1.2
1.2
な希
か望
っす
たる
た会
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で
は
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務つ
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、
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◆卒業後に最初に働いた会社を辞めた理由 [複数回答形式] 対象:卒業後に最初に働いた会社を離職した人
※全体の上位10項目を抜粋
≪労働条件明示方法別≫
仕
よ休労 よ人
よ賃
会
健
重ノ
結
活自
で希
事
く 日働 く 間
く 金
社
康
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婚
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な ・ 時 な関
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上
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理
責
育
か能
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条
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n数
全体
1000
37.4
34.0
33.7
24.0
22.2
22.2
19.3
14.4
13.0
8.3
労
働
条
件
明
示
方
法
別
書面で渡された
660
34.6
30.0
30.4
20.9
52
26.1
21.7
17.4
8.7
回収された・口頭で
159
説明・説明なし
36.0
53.3
48.0
44.0
25.3
覚えていない
60.4
31.3
37.5
16.7
27.1
社内イントラネット
などに掲示
129
■全体比+10pt以上/■全体比+5pt以上
20.2
22.1
19.4
18.6
13.3
8.7
17.4
8.7
17.4
4.3
25.3
16.0
8.0
10.7
6.7
29.2
25.0
4.2
12.5
10.4
26.1 -
(%)
10
■■調査概要■■
◆調査タイトル:内定・入社前後のトラブルに関する調査
◆調査対象
:
大学卒業後に新卒で正社員として就職した全国の入社2年目~5年目の男女
◆調査期間
:2016年4月4日~4月13日
◆調査方法
:インターネット調査
◆調査地域
:全国
◆有効回答数 :1,000サンプル(性別×卒業時期が均等になるように割付)
◆実施機関
:ネットエイジア株式会社(担当:吉田)
■■報道関係の皆様へ■■
本ニュースレターの内容の転載にあたりましては、「連合調べ」と
付記のうえご使用くださいますよう、お願い申し上げます。
■■本調査に関するお問合せ窓口■■
連合(日本労働組合総連合会)
非正規労働センター 担当:岩城、藤川
TEL
:03-5295-0555
E メール
:[email protected]
総合企画局 企画局 担当:山根
TEL
:03-5295-0510
E メール
:[email protected]
受付時間
:10 時 00 分~17 時 30 分(月~金)
■■日本労働組合総連合会(連合)■■
組織名
代表者名
結成
所在地
活動目的
:日本労働組合総連合会(連合)
:会長 神津 里季生
:1989 年 11 月
:東京都千代田区神田駿河台 3-2-11 連合会館
:すべての働く人たちのために、希望と安心の社会をつくる
11