固体ロケットを用いた有人飛行の可能性に関する研究 体ロケットを用いた

固体ロケットを用いた有人飛行の可能性に関する研究
甲斐早織,
北出知也,
高橋徹,
田下奈穂,
中村晶,
藤井彩紀子,
星野友芙,
松本有輝 (日大・学部)
佐藤堯,
城取健人,
土井里江子 (日大・院)
1. 背景
桑原卓雄(日大・理工)
項目から, それぞれに対応する条件を考えた.
1.1. ロケット研究会
日本大学理工学部未来博士工房の1つとしてロケット研
究会がある.学部 2 年次にロケットについて授業形式で基
3.1.
有人飛行の条件
訓練された乗員が耐えられる加速度として 4[G],
また
礎知識を勉強した.学部3年次では化学平衡計算ソフト
衛星が実際に地球を周回する軌道を持ち衛星として機能
「NASA-CEA」 を用いた推進性能の計算について勉強し
するのに必要な最低速度である第 1 宇宙速度 7.9[km/s]
た.目的の設定に当たって, 日本の宇宙開発ロケットは糸
を超えること, 最後に国際宇宙ステーション(ISS)が地球を
川先生のペンシルロケットから始まり, 代々多くの固体ロケ
周回する高度, 及びスペースシャトルが到達していた高度
ットを使用し衛星の打ち上げを行って来た.しかし, 固体ロ
約 200~400[km]を目標として以下の条件を設定する.
[1]
ケットのみを用いて人間を宇宙に到達させることはまだ実
・乗員 3 名, 質量 5[t]の衛星を打ち上げられる
現されていない.そこで私達は固体ロケットの有人宇宙飛
・機体の最大加速度 4[G]以下に抑える
行の可能性について検討した.
・最終速度が 7.9[km/s]以上,
最終高度 200~400[km]
に達する
1.2. 有人固体ロケットの問題点
固体ロケットは, 「燃焼を中断できない」という特徴があり,
これによって
3.2.
推力制御の条件
固体推進薬は燃焼の調整及び中断ができないため衛星
・衛星を予定の軌道に正確に投入することが困難
の正確な軌道投入にはノズル開口比を変化させ推力の調
・非常時の乗員の安全の確保が困難
整を行うことを考える. 従って以下の条件を設定する.
などの問題が挙げられる.これらの問題はどちらも乗員の
・3 段目にノズルの開口比を調節し, 主推力を制御可
命に関わる問題であるため, 有人飛行を行う際には必ず
能にする機構を設ける
対策を取る必要がある.そこで, 私達は以下の 2 つの解決
方法を考えた.
・推力制御を可能にする機構をつける
・非常時に乗員を安全に守れる機構をつける
3.3.
異常時の安全対策の条件
異常時の安全対策の条件
燃焼を制御できないため非常時の乗員の安全の確保が
困難である. 乗員の安全は有人宇宙飛行において最も重
要であるので以下の条件を設定する.
2. 目的
・固体ロケットの有人飛行が可能であるかを検討する
・ロケットの爆発時の衝撃波から乗員を保護する機構を
設置する
3. 有人飛行における条件の設定
有人飛行における条件の設定
私達は 3 人の乗員が 1 週間衛星軌道に滞在することの
可能性について考えた.これを実現するには以下の 3 つの
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4. 飛翔計算
4.1.
ロケット構成の
ロケット構成の詳細
構成の詳細
表 4.1 各段ロケットモータ
各段ロケットモータ諸元
ロケットモータ諸元
1 段目と 2 段目はイプシロンロケットを参考に一部仕様を
項目
変更したものを使用した.シミュレーションのもと, 推力及
び加速度を調節するため 1 段目はイプシロンロケットの 1
2 段目
1 段目
その 1
その 2
3 段目
燃料
段目より短くしたもの, 2 段目は端面燃焼, 内面燃焼の両方
Al : HTPB
の燃焼方式を用いたロケットモータを使用した.3 段目はロ
[mass%]
ケット研究会が設計したものを使用した.以上より, 設計し
酸化剤
た固体ロケットの全体図を図 4.1 に示す.
AP
18 : 14
20: 12
0 : 15*
68
68
85*
[mass%]
衛星部
本数
3*
代表径[m]
2.6
全長[m]
6.4*
7.5
5*
7.4*
質量[t]
51.3*
12.3
16.2*
8.0*
比推力[s]
284
燃焼時間[s]
116
22.6
3 段目
2*
1*
(2.6)
3.2*
272*
105
1*
270*
496
80
燃焼室内
2 段目
1 段目
11.4
5.88
3.0
開口比[-]
15.2
6.2*
50*
燃焼方式
内面
圧力[MPa]
内面
端面*
内面*
※イプシロンロケット仕様と異なる箇所を*で示した
単位 : m
表 4.2 その他
その他の項目
図 4.1 ロケット全体図
ロケット全体図
1 段目と 2 段目は各段のロケットモータを 3 本クラスタ化
し使用した.ただし, 2 段目の両端 (その 1 )は内面燃焼
方式, 中央 ( その 2 )は端面燃焼方式を採用した.また 1
項目
質量[t]
乗員体重(3 人)
0.21
衛星
5
耐爆発シールド
3
段目と 2 段目の推進薬には燃料としてアルミニウム ( Al )
と末端水酸基ポリブタジエン( HTPB ), そして酸化剤には
4.2.
各段の開口比はノズル断面積௘ , スロート断面積௧ ,
過塩素酸アンモニウム( AP )をイプシロンロケットと同様の
比率で使用し, 3 段目では AP/HTPB を使用した.
2 段目と 3 段目の間に耐爆発シールド, 衛星部と 3 段目
の間に水の入ったタンクをそれぞれ設置した.これは, 爆
計算方式
比熱比, 燃焼室内圧力଴ , ノズル出口圧力௘ を用いて
次式で求められる.は NASA-CEA の性能計算結果で得
られた値とする.
発時に発生する衝撃波に対し水を噴射することで機体に
かかる衝撃を和らげる役割を持つ.
表 4.1 に各段のロケットモータ諸元, 表 4.2 にロケット以
外の項目を示す.また表 4.1 では注意書きに示した通り,
参考にしたイプシロンロケット仕様とは異なる箇所を*で示
した.
ε=
Ae
At
γ-1
2
=
γ+1 Pe
γ+1
2
P0 γ
2
γ-1
1
γ-1 -1 2
Pe γ
1- P0
(1)
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1 段目では, 最適ノズル開口比となるようノズル出口圧力
௘ は海面上での大気圧 0.10[MPa]とし, 開口比を求めた.
このとき,
式(4)より計算し, 打ち上げから燃焼終了までの速度変
化及び高度のシミュレーションを行った.
1 段目燃焼終了時には高度は大気圏を突破し
図 4.2 時間対速度シミュレーション
時間対速度シミュレーション結果
シミュレーション結果
ているため 2~3 段目では気圧が低いと考えられる. そのた
め有効排気速度௘ が必要な速度を保ちながら加速度が
10
4[G]以下となる 2700[m/s]を選定し, 式(1)で௘ を求めた.
ス定数଴ , 分子量, 燃焼室内温度଴ を用いて式(2)で
求められる.
ue = 1
2
2γ R0
T 1- γ-1 M 0
P0
γ-1
Pe γ
9
8
速度, v [km/s]
式(1)と NASA-CEA の性能計算結果より, ௘ は, 一般ガ
(2)
100
200
300
400
時間, t [s]
開口比 5
開口比 50
500
(3)
NASA-CEA より算出する.求めた௧ を式(1)に代入すること
で௘ が求められる.
ロケットの速度変化は次式で表される.
図 4.2 より, 最終速度は 7.9 [km/s]に達し, また最終高度
が 200~400 [km]に到達することが可能であることがわかっ
た.
5. 実験
3 段目の推進薬には 3 段目のノズルの耐久性を考慮し,
(4)
推進薬燃焼時のノズル出口温度, そして生成物の有無の
観点から AP-HTPB コンポジット推進薬を AP/HTPB =
ここでは抗力係数, ロケットの総質量, 排出量 , 重
力加速度である.高度が常に変化する場合の重力加速
度()は次式で表せる.
GME
gt=
r+ht2
3
2
0
抗 力 係 数 ௗ は 特 性 排 気 速 度 ∗ の 逆 数 で あ り ,
-D+Mgcosθ∆t+m V+m ue
∆V=
M
5
4
1
0
次に, 質量流率の(3)式より௧ を求める.
m =Cd At P0
7
6
85/15[mass%]を用いて実験を行った.
5.1.
ストランド燃焼実験
ノズル開口比 ε と推力 F の関係を出すために必要となる
燃焼速度と燃焼圧力の関係をストランド燃焼実験によって
(5)
重力定数 G (6.67 × 10ିଵଵ [ଷ / ∙ ଶ ]), 地球質量
ா (5.97 × 10ଶସ [kg]), 地球半径 (6.38 × 10଺ [m]), ある
時間における高度ℎ()である.
式(5)より, = 1[s]のときの速度変化つまり加速度を算
求めた.表 5.1 に燃焼実験条件を示し, また図 5.1 に実験
装置概略図を示す.
表 5.1 ストランド燃焼実験
ストランド燃焼実験条件
燃焼実験条件
大気温度 [℃]
初期圧力 [MPa]
23
0.1
0.5
1.0
出 し , あ る 時 間 の 速 度 に 足 し 合 わ せ る こ と で
雰囲気ガス
窒素 ( N2 )
燃料組成 [mass%]
AP/HTPB=85/15
同様に燃焼終了まで計算を行うことで全行程での
撮影速度 [fps]
600
実験回数 [回]
3
+ , ℎ + , + を算出することができる.
, ℎ, が得られる.
4.3.
シミュレーション結果
シミュレーション結果
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55
推力, F [kN]
50
45
40
35
0
5
10 15 20 25 30 35 40 45 50 55
開口比, ε [-]
図 5.1 ストランド燃焼実験概略図
ストランド燃焼実験概略図
図 5.3 ノズル開口比 ε と推力 F の関係
N2 ガスによって窒素置換すると同時に初期圧力を設定
した.変圧器を用いてニクロム線を電気的に加熱し推進剤
ロケットモータ燃焼実験
表 5.2 小型ロケットモータ
燃焼実験条件
してカメラで撮影
に着火し, 燃焼の様子は石英ガラスを通してカメラで撮影
大気温度 [℃]
13
ストランド燃焼実験
燃焼実験のデータ解析はカメラの映像
を行った.ストランド
ノズルスロート径 [mm]
3.2
センサーによる燃焼器内
燃焼器内の圧力履歴を元に行 っ
及び圧力センサーによる
推進薬組成 [mass%]
AP/HTPB=85/15
た.初期圧力は 0.1, 0.5, そして 1.0 [MPa]に設定し, それ
設計燃焼圧力 [MPa]
1.0
撮影速度 [fps]
600
ぞれの初期圧力について 3 回ずつ実験を行った.図 5.2 に
実験結果のグラフを
実験結果のグラフを示す.
燃焼速度, rb [mm/s]
10
r = 4.86P0.50
1
0.1
1
10
燃焼圧力, P [MPa]
図 5.2 ストランド燃焼実験結果
ストランド燃焼実験結果
計算 で必要 となった
となった燃焼速度
燃焼速度 ௕ mm/s
の定数 及 び
圧力指数は 4.86 と 0.50 となり, ノズル開口比
ノズル開口比 ε と
推力 F の関係は図 5.3 に示した通りになった.
5.2.
トモータ実験装置
実験装置概略図
図 5.4 小型ロケットモータ
推進薬の着火はニクロム線 を用いて行った.設計燃焼
圧力は 1.0[MPa]で, ノズルスロート 径は直径 3.2[mm]を使
用し, 輝炎及び黒煙の 有無 の確認をカメラ で撮影 した映
像によって行った.図 5.5 に実際 の燃焼の様子を示す.
小型ロケットモータ燃焼実験
推進薬燃焼時 のノズル 後方 の輝炎及び 黒煙が 発生 し
ないことを確認するため,
燃焼実験を小型ロケットモータ
小型ロケットモータ
小型ロケットモータ燃焼実験条
を用いて行った.表 5.2 に小型ロケットモータ
に実験装置概略図
実験装置概略図を示す.
件, また図 5.4 に
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図 6.1 開口比 ε = 5 の時のロケット形状
図 5.5 着火後 0.25 秒後の
秒後の燃焼の様子
燃焼時間は 1.21[s]で図 5.5 のような輝炎を確認でき , ま
た黒煙は発生しなかった.
6. 3 段目ノズル
段目ノズル
6.1. ロケット形状
3 段目では, ノズル出口を変化させ, 開口比を変えること
図 6.2 開口比 ε = 50 の時のロケット形状
によって推力を制御する.開口比は 5 から 50 の間で変化 さ
せ, 燃焼時間は加速度が 4[G]を越えないようにするため ,
80[s] とする.また, 推力は最終速度を 7.9[km/s]にするた
7.9[km/s]にするた
とする.この条件から式(6)を用いて質量流量
め, 51.8[kN]とする
6.2. ノズル形状
推力制御に用いるノズル開口比 εの変化構造はジェット
変化構造はジェット
エンジンの可変
エンジンの可変ノズル[2]を参考 にした.これは複数枚
これは複数枚の板
を求める.
重なりあうことによってノズルを 形成し, それぞれの板を
が重なりあうことによってノズルを
m ue
F=m
(6)
ずらすことによって出口側の直径 を変化させるというもので
ある .この板の移動 には 油圧式
油圧式アクチュエーターを
アクチュエーターを 用い
次に, 式(7) を 用いて燃焼表面積を決定する.ここで 推
進薬密度 ρp は AP/HTPB = 85/15 [mass%]として計算する
と ρp 1.67 10ଷ /ଷ である.
る.
開口比ε=5 のとき, ノズルスカート
ノズルスカート部分
部分の入口直径と出
口直径が等しくなる.これを開口比 ε=50 にすると, 入口
直径は変わらないが出口直径
わらないが 出口直径は大きくなる.それぞれの開
Ab rb ρp =m
(7)
口比の時のノズル形状を図 6. 3, 6.4 に示す.
燃焼表面積௕ から燃焼室直径・モータ
燃焼室直径・モータ長を, 推力 から
スロート断面積を決定する.
それぞれの開口比
それぞれの開口比の時の 3 段目のロケット形状を図 6.1,
6.2 に示す.
図 6.3 推力制御用ノズルの
推力制御用ノズルの 形状(
形状(開口比 ε = 5)
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その 1)
表 7.2 衛星の質量詳細 その他
その他の内訳(その
推力制御用ノズルの
ノズルの形状(
図 6.4 推力制御用
)
形状(開口比 ε = 50)
また, 今回は推進薬に Al を入れていないため断熱火炎
れていないため断熱火炎
温度は 1800[K]となる.そのため, ノズルはこの温度に耐 え
ることができる材料及
ることができる材料及び冷却方法を用いる.
項目
質量 [kg]
太陽光パネル
65
太陽光バッテリー
30
燃料電池
64
水
15
浮輪
41
エアバッグ
8
空気(エアバッグ用)
2
シートベルト
6
宇宙服
129
電灯
2
収納棚
50
窓
30
7. 衛星構造
ロケットの衛星構造
ロケットの衛星構造について
について検討した.表 7.1 に衛星 及
び搭載する物質の質量を示す.全質量は 5000[kg]に設計
表 7.3 衛星の質量詳細 その他
その他の内訳(その
その 2)
項目
質量 [kg]
に地球に帰還するため, 1 日分の余裕を持たせ 8 日分で 計
空気調整器
30
算している.表 7.2, 7.3 に衛星の質量詳細その他の内訳 を
制御装置
180
示す.その他には太陽光バッテリー, 寝袋, 運動器具など
パラシュート
115
トイレ
33
空気タンク
50
姿勢制御装置
122
アンテナ
25
タンク(窒素, 酸素用)
100
運動器具
30
消火器
4
服
9
寝袋
6
備品
9
した.酸素, 窒素, 食糧, 飲料水は 3 人分である.7 日目
が含まれている.
表 7.1 衛星に
衛星に搭載する物質
する物質の質量
項目
質量 [kg]
衛星構造質量
3000
人間
(3 人)
210
酸素
(8 日分)
96
窒素
(8 日分)
384
飲料水
(8 日分)
48
食料
(8 日分)
17
椅子
(3 人分)
60
その他
1185
合計
5000
寸法は外壁の厚さを含めたもので , 外壁の厚さは探査機
のはやぶさとアポロ宇宙船を 参考[3]に考えた.直径 3[m]の
下面は断熱材が 60[mm], 炭素繊維強化
炭素繊維強化プラスチック
プラスチック
図 7.1 に衛星内部構造
衛星内部構造断面図
断面図, 図 7.2 に上から見た衛星
(CFRP)が 45[mm]で, 側面は 断熱材が 31[mm], CFRP が
内部構造断面図を示す.
CFRP は 高加熱環境下における
高加熱環境下における熱を
13[mm]となっている.CFRP
防御するアブレータとして
防御するアブレータとして使用
使用する.椅子がレールで動くよ
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うになっており, 打ち上げ時は壁に付き, 制御装置などの
制御装置などの
計器を操作する際は図 7.1 のように壁から離れる仕組みに
なっている.椅子は 3 人分真横に並んでおり, リクライニン
寝ることができる
ることができる.また, 爆発時の衝撃対
グ可能でそこで寝
破裂板
側面にエアバッグを
にエアバッグを内蔵する.衛星内 部
策として, 椅子と側面
図 8.1 水の 発射機構
にエアバッグ内の気体が漏れても人体に影響がないよう
影響がないよう,
エアバックは圧縮
エアバックは圧縮した空気を用いて膨らます.
表 8.1 タンク 1 本 あたりの質量内容
上側
項目
質量 [kg]
水
1508
タンク
627
合計
2135
また質量 3[t]の耐爆発シールドを 2 段目と 3 段目の間に
取り付ける.
図 7.1 衛星内部構造断面図
9. 結論
シミュレーション結果では加速度 を常に 4[G]以下に保ち,
最終到達速度が
最終到達速度が 7.9[km/s]以上 に達し, 最終高度も目標
である 200~400[km]に到達することができた .
また, 固体ロケットはノズル 開口比 ε を変化させることで
推力制御ができ
推力制御ができ, 正確に衛星軌道 に投入できる.
最後に複数の安全装置を 用いることで乗員の安全は十
固体ロケットの
ロケットの有人飛行は可能
分に確保できる.従って, 固体
側面
である.
図 7.2 上から見
から見た衛星内部構造断面図
参考文献
[1] Gordon S. and McBridge B . :
8. 非常時の衝撃波対策
1, 2 段目が爆発した場合に生じるであろう衝撃波から 衛
星を守るために, ピストン状の機構を考えた.図 8.1 に示 す
タンク 4 本がフェアリングの外側に装着されている.爆薬 で
“Computer Program
for Calculation of Complex Equilibrium Combustions
and Applicants”,
NASA RP -1331, 1994.
[2] J ウイング編集部: 世界 の名機シリーズ F-15 イーグ
ル, イカロス出版 ,
2 008.
ピストンを押し出し, タンク内に入っている水を瞬時に噴射
[3] David Baker: APOLLO 13, Zenith Press, 2013.
させ, 衛星にかかる衝撃波の影響を軽減する.表 8.1 にタ
[4] 中冨 信夫: クイズ 宇宙旅行 , 講談社, 2007.
ンク 1 本あたりの質量構成を示す.タンクの材質はステン
[5] 高 山 和 喜 : 衝 撃波 ハ ン ドブ ック ,
レスとした.
三 松 堂印 刷 ,
1995.
[6] 杉山 弘: 圧縮性流体力学 , 森北出版,
[7] 久保田 浪之介,
2014.
火薬学 の基礎, 日刊工業新聞社,
2013.
[8] 桑原 卓雄: ロケットエンジン 概論, 産業図書, 2009.
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