資料(3~4) - 日本証券業協会

資料3
平成27年度のあっせん、苦情、相談業務の処理状況について
平成 2 8 年5月 1 3 日
日 本 証 券 業 協 会
※ 本協会は、あっせん、苦情、相談業務を特定非営利活動法人 証券・金融商品あっせん相談センター
(以下「FINMAC」という。
)に委託している。本報告は、当年度に FINMAC で取り扱った本協会協会
員に関する事案件数等をまとめたものである。
1.あっせん業務の状況
⑴ 概況
当年度におけるあっせんの新規申立件数は前年度比17件(16.8%)増加し、118件となった。申
立件数の増加要因は、8月下旬の日経平均の急落及び急激な円高による為替相場の乱高下以降、日
経平均株価が総じて軟調に推移したとともに、為替相場も円高傾向が続いたことによるものと考え
られる。
また、終結件数は前年度比16件(17.2%)増加し、109件となったほか、和解率は前年度比4.7
ポイント低下し、50.0%となった。
なお、平成 28 年3月末の係属件数は 32 件で、前年度比9件増であった。
(単位:件、%)
項目
27 年度
(参考)
対前年増減率
26 年度
25 年度
24 年度
118
16.8
101
128
208
23
53.3
15
48
79
109
17.2
93
161
239
和解成立
51
―
47
95
103
不調打切り
51
―
39
44
113
取下げ
5
―
5
11
9
その他
2
―
2
11
14
32
39.1
23
15
48
新規申立件数
前年度係属件数
終結件数
当期末係属件数
(27 年度 和解率)
50.0
(26 年度 和解率)
54.7
(注)
☑ 和解率 = 和解成立件数/(終結件数-取下げ等件数)
⑵ 分類別件数
当年度における分類別件数は、
「勧誘に関する紛争」が前年度に引き続き最も多く、85 件となっ
-1-
た。構成比で見ると、
「勧誘に関する紛争」が前年度比 8.2 ポイント低下し、72.0%となった一方、
「売買取引に関する紛争」が前年度比 8.5 ポイント上昇し、26.3%となった。
(単位:件、%)
27 年度
分類別
構成比
26 年度
構成比
勧誘に関する紛争
85
72.0
81
80.2
売買取引に関する紛争
31
26.3
18
17.8
事務処理に関する紛争
2
1.7
1
1.0
その他の紛争
0
―
1
1.0
118
100
101
100
(合計)
(注)顧客の主張する内容に応じて、次のとおり分類している。
☑ 「勧誘に関する紛争」とは、勧誘時における担当者の説明義務違反、適合性原則違反、誤認勧誘等
を内容とするもの。
☑ 「売買取引に関する紛争」とは、無断売買、売買執行ミス等を内容とするもの。
☑ 「事務処理に関する紛争」とは、入出金といった手続事務等のミスを内容とするもの。
⑶ あっせん申立の主な内訳
当年度におけるあっせん申立の主な内訳(割合)を見ると、前年度に比べ、
「勧誘時の説明義務
に関するもの」
が 4.5 ポイント上昇し 32.2%、
「無断売買に関するもの」が 6.3 ポイント上昇し 9.3%
となった一方、
「適合性に関するもの」が 11.8 ポイント低下の 22.9%となった。
(単位:件、%)
内
27 年度
訳
26 年度
① 勧誘に関する紛争
勧誘時の説明義務に関するもの
38(32.2)
28(27.7)
適合性に関するもの
27(22.9)
35(34.7)
誤った情報による勧誘に関するもの
13(11.0)
8( 7.9)
11( 9.3)
3( 3.0)
売買執行ミスに関するもの
8( 6.8)
5( 5.0)
過当売買に関するもの
2( 1.7)
3( 3.0)
② 売買取引に関する紛争
無断売買に関するもの
(注)
☑ 括弧内は、各年度のあっせん申立総件数に対する割合である。
⑷ 商品別件数
当年度における商品別件数は、
「株式」が 49 件で前年度に引き続き最も多く、
「投資信託」が 32
件、
「債券」が 29 件と続いた。構成比で見ると、前年度に比べ、
「株式」
、
「債券」がそれぞれ 3.1
ポイント低下の 41.5%、0.2 ポイント低下の 24.6%となった一方、
「投資信託」
、
「有価証券デリバ
ティブ」がそれぞれ 5.3 ポイント上昇の 27.1%、1.4 ポイント上昇の 3.4%となった。
-2-
(単位:件、%)
27 年度
商品別
26 年度
構成比
構成比
株式
49
41.5
45
44.6
債券
29
24.6
25
24.8
投資信託
32
27.1
22
21.8
有価証券デリバティブ
4
3.4
2
2.0
CFD
3
2.5
6
5.9
その他のデリバティブ
1
0.8
1
1.0
その他
0
―
0
―
118
100
101
100
(合計)
(注)
☑ 構成比の合計は、端数処理(四捨五入)の関係で 100.0%にならない場合がある。以下同じ。
☑ 「有価証券デリバティブ」は株価指数先物取引等である。また、
「その他のデリバティブ」には通貨ス
ワップ取引や金利スワップ取引を含む。
【参考】
☑ 「債券」のうち、
「仕組債」は 13 件(前年度比4件減)であった。
☑ 「投資信託」のうち、
「通貨選択型投資信託」は8件(前年度は0件)であった。
⑸ 業態別件数
当年度における業態別件数は、
「会員」が前年度に引き続き多く、113 件となった。構成比で見
ると、前年度に比べ、
「特別会員」の割合が低下したことから、
「会員」が相対的に上昇した。
(単位:件、%)
業態別
27 年度
構成比
26 年度
構成比
員
113
95.8
96
95.0
特別会員
5
4.2
5
5.0
会員仲介業者
0
―
0
―
(合計)
118
100
101
100
会
⑹ 性別等件数
当年度における性別等件数は「個人」が前年度に引き続き多く、114 件となった。構成比で見ると、前年
度の傾向に引き続き、
「その他のデリバティブ」を巡る事案数減少で「法人」が低下したことから、相対的
に「個人」が上昇した。
(単位:件、%)
性別等
27 年度
構成比
26 年度
構成比
男
56
47.5
39
38.6
女
58
49.2
49
48.5
4
3.4
13
12.9
法人
-3-
性別等
(合計)
27 年度
26 年度
構成比
118
100
101
構成比
100
⑺ 申立人の年齢分布
当年度に終結した事案における申立人のうち、75 歳以上の高齢者の割合は 35.3%(36 名)であ
った。
(単位:名、%)
年代
人数
60 歳未満
構成比
27
26.5
60 歳-64 歳
7
6.9
65 歳-69 歳
14
13.7
70 歳-74 歳
18
17.6
75 歳-79 歳
18
17.6
80 歳-84 歳
15
14.7
85 歳-89 歳
2
2.0
90 歳以上
1
1.0
102
100
(合計)
(注)
☑ 上記の表は、個人の申立人 102 名における分布
⑻ 地区別件数
(単位:件、%)
地区別
27 年度
構成比
26 年度
構成比
北海道
4
3.4
1
1.0
東北
4
3.4
1
1.0
東京
46
39.0
43
42.6
名古屋
18
15.3
15
14.9
北陸
1
0.8
2
2.0
大阪
31
26.3
26
25.7
中国
1
0.8
7
6.9
四国
2
1.7
1
1.0
九州
11
9.3
5
5.0
118
100
101
100
(合計)
-4-
2.苦情解決業務の状況
⑴ 概況
当年度における苦情の新規受付件数は 1,190 件で、うち協会員に取り次いだ申出件数は 1,061 件
(前年度比 517 件(95.0%)増)となった。新規申出件数の増加要因は、当年度より、「苦情」の
統計上の計上方法について変更し、従来「相談」として処理していた「金融商品取引業者等へ取次
ぎをしない当該事業者に対する不満足の表明」についても、「苦情」に含めていること及び利用者
からの申出について、より深度あるヒアリングを実施していることから、その結果、従来「相談」
として処理していたものが、「苦情」として処理されるケースが含まれているためである。このた
め、新規申出件数の対前年同期増減率については、「協会員に取り次いだ申出」の件数で比較して
いる。
なお、終結件数は前年度比 603 件(107.7%)増加し、1,163 件となった。
(単位:件、%)
27 年度
項目
対前年増減率
26 年度
1,190
―
544
1,061
95.0
544
129
―
―
1,163
107.7
560
1,041
―
454
118
―
101
不調
2
―
4
その他
2
―
1
54
100
27
新規受付件数
協会員に取り次いだ申出
協会員に取り次がなかった申出
終結件数
解決
あっせんへの移行
期末未済件数
【参考:新規受付件数の推移】
平成 25 年度
平成 24 年度
平成 23 年度
843
904
1,205
⑵ 分類別件数
当年度における分類別件数は、「勧誘に関する苦情」が前年度に引き続き最も多く、467 件とな
った。構成比で見ると、「勧誘に関する苦情」、「売買取引に関する苦情」がそれぞれ前年度比
1.0 ポイント上昇の 39.2%、1.5 ポイント上昇の 35.7%となった一方、「事務処理に関する苦情」
については、前年度比 3.6 ポイント低下し、15.5%となった。
-5-
(単位:件、%)
27 年度
分類別
26 年度
構成比
構成比
勧誘に関する苦情
467
39.2
208
38.2
売買取引に関する苦情
425
35.7
186
34.2
事務処理に関する苦情
184
15.5
104
19.1
その他
114
9.6
46
8.5
1,190
100
544
100
(合計)
⑶ 苦情の主な内訳
当年度における苦情の主な内訳(割合)を見ると、
「勧誘時の説明義務に関する苦情」が 17.7%
(前年度比 2.6 ポイント上昇)で最も多く、
「売買一般に関する苦情」が 17.1%(同 1.5 ポイント
上昇)と続いた。
(単位:件、%)
内
平成 27 年度
訳
平成 26 年度
① 勧誘に関する苦情
211(17.7)
82(15.1)
強引な勧誘に関する苦情
71( 6.0)
21( 3.9)
適合性に関する苦情
64( 5.4)
46( 8.5)
売買一般に関する苦情
203(17.1)
85(15.6)
無断売買に関する苦情
101( 8.5)
52( 9.6)
38( 3.2)
26( 4.8)
口座開設等に関する苦情
48( 4.0)
24( 4.4)
入出金に関する苦情
39( 3.3)
22( 4.0)
株式事務に関する苦情
17( 1.4)
5( 0.9)
111( 9.3)
41( 7.5)
勧誘時の説明義務に関する苦情
② 売買取引に関する苦情
扱者主導売買に関する苦情
③ 事務処理に関する苦情
④ その他に関する苦情
会社不満に関する苦情
(注)
☑ 括弧内は、各年度の苦情総件数に対する割合である。
☑ 「売買一般に関する苦情」とは、「売買取引に関する苦情」のうち、無断売買、過当売買、扱者主導売買、
売買執行ミス、システム障害等に分類されない苦情を言う。
【参考】
☑ 当年度は、以下の事例が見られた。
・ 証券会社の担当者から勧められ投資信託を購入したが、購入後から基準価額が下がり始め大きな損失
を被った。証券会社に補償してもらう事は出来るか。
・ 銀行から仕組債を 5,000 万円購入したが、ノックインし 4,000 万円以上の損失が出ている。購入時に
リスクについての説明が無かったので、責任を取って欲しい。
-6-
・ 担当者から為替リスクの説明などを受けないまま、ブラジルレアル建債券を購入したが、大きな損失
を被った。責任を取ってもらいたい。
・ 定期預金に代わるようなもので運用したいと意向を示したにもかかわらず、担当者が替わると外国株
や信用取引を勧められて頻繁に取引させられ、資産をほとんど失った。損害賠償を考えている。
・ 投資信託の解約を申出たが売却してくれなかった結果、値下がりして損害が発生した。
・ 外国債券を売却し、指定の銀行口座に振り込むよう指示したところ、担当者は外国債券の売却を失念
していた。
⑷ 商品別件数
当年度における商品別件数は、
「株式」
が 479 件で前年度に引き続き最も多く、
「投資信託」
が 328 件、
「債券」が 279 件と続いた。構成比で見ると、前年度に比べ、「株式」が 6.6 ポイント低下の 40.3%、
「投資信託」が 0.6 ポイント上昇の 27.6%、「債券」が 4.5 ポイント上昇の 23.4%となった。
(単位:件、%)
商品別
27 年度
構成比
26 年度
構成比
株式
479
40.3
255
46.9
債券
279
23.4
103
18.9
投資信託
328
27.6
147
27.0
有価証券デリバティブ
31
2.6
11
2.0
CFD
11
0.9
12
2.2
2
0.2
1
0.2
60
5.0
15
2.8
1,190
100
544
100
その他のデリバティブ
その他
(合計)
【参考】
☑ 「債券」のうち、
「仕組債」は 123 件(前年度比 84 件増)であった。
☑ 「投資信託」のうち、
「通貨選択型投資信託」は 22 件(前年度比 17 件増)であった。
⑸ 業態別件数
当年度における業態別件数は、
「会員」が引き続き多く、1,138 件であった。構成比で見ると、
前年度に比べ、
「特別会員」の割合が上昇したため、相対的に「会員」の割合が低下した。
(単位:件、%)
業態別
27 年度
構成比
26 年度
構成比
員
1,138
95.6
523
96.1
特別会員
52
4.4
21
3.9
1,190
100
544
100
会
(合計)
-7-
⑹ 性別等件数
当年度における性別等件数の割合は、前年度に引き続き、個人の割合が高くなっている。
(単位:件、%)
性別等
27 年度
構成比
26 年度
構成比
男
657
55.2
306
56.3
女
515
43.3
229
42.1
18
1.5
9
1.7
1,190
100
544
100
法人
(合計)
⑺ 申出人の年齢分布
当年度における申出人のうち、75 歳以上の高齢者の割合は 39.6%(266 名)であった。
(単位:名、%)
年代
人数
60 歳未満
構成比
160
23.8
60 歳-64 歳
58
8.6
65 歳-69 歳
91
13.6
70 歳-74 歳
96
14.3
75 歳-79 歳
109
16.2
80 歳-84 歳
97
14.5
85 歳-89 歳
43
6.4
90 歳以上
17
2.5
671
100
(合計)
(注)
☑ 上記の表は、年齢が判明している申出人 671 名における分布
⑻ 地区別件数
(単位:件、%)
地区別
27 年度
構成比
26 年度
構成比
北海道
18
1.5
11
2.0
東北
20
1.7
15
2.8
東京
504
42.4
285
52.4
名古屋
141
11.8
80
14.7
北陸
28
2.4
4
0.7
大阪
319
26.8
80
14.7
-8-
地区別
27 年度
構成比
26 年度
構成比
中国
59
5.0
11
2.0
四国
27
2.3
14
2.6
九州
68
5.7
44
8.1
6
0.5
0
―
1,190
100
544
100
その他
(合計)
※ 「その他」は、携帯電話からのもの
-9-
3.相談業務の状況
⑴ 概況
当年度における相談の受付件数は前年度比 1,122 件(15.8%)減少し、5,970 件となった。この
要因は、契約締結前交付書面に関する相談が減少したこと及び当年度より、「苦情」の統計上の計
上方法について変更し、従来「相談」として処理していた「事業者へ取次ぎをしない不満足の表明」
についても、「苦情」に含めていること、また、利用者からの申出について、より深度あるヒアリ
ングを実施していることから、その結果、従来「相談」として処理していたものが、「苦情」とし
て処理されたことで、「相談」件数が減少したものである。
(参考)
平成 27 年度
5,970
(単位:件)
平成 26 年度
平成 25 年度
平成 24 年度
7,092
5,161
4,496
(注)
☑ 「相談」とは、有価証券関連業務に関するもの、個別協会員に係る事案で、問合せ、意見、対処方法等に
関する相談といったもの。個別協会員に係る事案については、当該協会員に取り次いだ以外の事案を集計し
ている。
⑵ 分類別件数
当年度における分類別件数は、「取引制度等に関する相談」が 3,008 件で前年度に引き続き最も多
く、「売買取引に関する相談」が 1,050 件、「事務処理に関する相談」が 944 件と続いた。構成比
で見ると、「取引制度等に関する相談」が 50.4%、「売買取引に関する相談」が 17.6%、「勧誘に
関する相談」が 11.2%となり、前年度に比べそれぞれ 0.7 ポイント、1.5 ポイント、3.0 ポイント上
昇した。一方、「事務処理に関する相談」が 15.8%となり、前年度に比べ 2.8 ポイント低下した。
(単位:件、%)
分類別
27 年度
構成比
26 年度
構成比
3,008
50.4
3,525
49.7
670
11.2
580
8.2
売買取引に関する相談
1,050
17.6
1,143
16.1
事務処理に関する相談
944
15.8
1,317
18.6
その他
298
5.0
527
7.4
5,970
100
7,092
100
取引制度等に関する相談
勧誘に関する相談
(合計)
⑶ 相談の主な内訳
当年度における相談の主な内訳(割合)を見ると、
「証券会社に関する問合せ等」が 16.9%(前
年度比 8.3 ポイント上昇)で最も多く、
「売買一般に関する問合せ等」が 12.4%(1.4 ポイント上昇)
、
「当センターの業務に関する問合せ等」が 10.2%(3.4 ポイント低下)と続いた。また、前年度に
- 10 -
比べ、
「勧誘時の説明義務に関する問合せ等」
(4.9%)が 1.6 ポイント上昇した一方、
「口座開設等
に関する問合せ等」
(6.2%)が 3.9 ポイント低下した。
(単位:件、%)
内
平成 27 年度
訳
平成 26 年度
① 取引制度等に関する相談
1,011(16.9)
613( 8.6)
当センターの業務に関する問合せ等
610(10.2)
964(13.6)
商品性に関する問合せ等
453( 7.6)
484( 6.8)
勧誘時の説明義務に関する問合せ等
292( 4.9)
231( 3.3)
強引な勧誘への対処方法等に関する問合せ等
160( 2.7)
146( 2.1)
適合性に関する問合せ等
135( 2.3)
115( 1.6)
売買一般に関する問合せ等
739(12.4)
778(11.0)
無断売買に関する問合せ等
78( 1.3)
98( 1.4)
扱者主導売買への対処方法等に関する問合せ等
75( 1.3)
124( 1.7)
口座開設等に関する問合せ等
371( 6.2)
719(10.1)
入出金、入出庫に関する問合せ等
206( 3.4)
219( 3.1)
99( 1.7)
114( 1.6)
260( 4.4)
476( 6.7)
証券会社に関する問合せ等
② 勧誘に関する相談
③ 売買取引に関する相談
④ 事務処理に関する相談
証券会社に関する問合せ等
⑤ その他に関する相談
会社不満に関する意見等
(注)
☑ 括弧内の割合は、各年度の相談総件数に対する割合である。
【参考】
☑ 当年度は、以下の事例が見られた。
・ 保有している投資信託が急落している。今後の見通しを知りたい。保有し続けるべきか教えて欲しい。
・ 新規上場株を買いたい。どのような手続きをしたら良いか。
・ 取引証券会社からマイナンバーの提示を求められているが、提示しないといけないのだろうか。
・ 取引証券会社のシステムが変更されて取引方法が分からない。問い合わせ窓口を教えて欲しい。
・ 1週間前に仕組債の購入申込みをしたが、相場が悪いのでキャンセルしたいと申し出たところ、出来な
いと言われた。入金前なのに何故か。
⑷ 商品別件数
当年度における商品別件数は、「株式」が 2,845 件で最も多く、「投資信託」が 1,238 件、「債
券」が 816 件と続いた。構成比で見ると、「株式」が 47.7%(前年度比 1.7 ポイント上昇)、「投
資信託」が 20.7%(同 0.6 ポイント低下)、「債券」が 13.7%(同 4.8 ポイント上昇)となった。
- 11 -
(単位:件、%)
27 年度
商品別
26 年度
構成比
構成比
株式
2,845
47.7
3,261
46.0
債券
816
13.7
634
8.9
1,238
20.7
1,510
21.3
有価証券デリバティブ
50
0.8
35
0.5
CFD
40
0.7
29
0.4
5
0.1
6
0.1
976
16.3
1,617
22.8
5,970
100
7,092
100
投資信託
その他のデリバティブ
その他
(合計)
⑸ 性別等件数
(単位:件、%)
性別等
27 年度
構成比
26 年度
構成比
男
3,293
55.2
3,784
53.4
女
2,511
42.1
3,122
44.0
166
2.8
186
2.6
5,970
100
7,092
100
法人
(合計)
⑹ 地区別件数
(単位:件、%)
地区別
27 年度
構成比
26 年度
構成比
北海道
105
1.8
142
2.0
東北
131
2.2
186
2.6
東京
2,204
36.9
2,575
36.3
617
10.3
735
10.4
北陸
92
1.5
91
1.3
大阪
725
12.1
933
13.2
中国
139
2.3
206
2.9
四国
102
1.7
128
1.8
九州
325
5.4
404
5.7
1,530
25.6
1,692
23.9
5,970
100
7,092
100
名古屋
その他
(合計)
※ 「その他」は、携帯電話等からのもの
以
- 12 -
上
「社債市場の活性化に向けたフォーラム」の
模様について
平成28年5月30日
日本証券業協会
資料4
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1.開催概要
① 開催日
平成28年5月12日(木) 15時30分~18時30分
② 開催場所
東京証券会館ホール
【東京証券会館8階】
③ 主催 日本証券業協会
協賛 一般社団法人 金融財政事情研究会
後援 金融庁、一般社団法人 投資信託協会、一般社団法人 日本経済団体連合会、
一般社団法人 日本投資顧問業協会、株式会社 日本取引所グループ、
ブルームバーグ (五十音順)
④ 当日参加者数
254名
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1
2.フォーラムの模様
1.主催者挨拶
(日本証券業協会 会長 稲野 和利)
 我が国社債市場の活性化の重要性及び社債市場に対する問題意識、並びに本フォーラムを通じ各市場関係者の知見や
問題意識が共有され、社債市場の活性化に向けた取組みが促進することへの期待を述べた。
2.基調講演
(金融庁 総務企画局 審議官 長谷川 靖 氏)
 我が国の社債市場の現状及び課題を総括した後、社債市場の活性化は、企業の資金調達手段の多様化や投資家の投資
運用の拡充・多様化に資するのみならず、我が国の金融システムの安定性確保、市場の規律を通じた企業のガバナンスの
強化さらには我が国資本市場の機能強化と我が国経済の活性化にも資するという意味で大変意義があるとの見解を述べた。
 社債市場活性化に係るこれまでの取組みである「社債管理人制度の構築」、「コベナンツモデルの策定」、「価格情報のイン
フラ整備」及び「東京プロボンド市場」について、制度の活用や更なる検討を期待する旨述べた。
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2
2.フォーラムの模様
3.社債市場の活性化に向けてのプレゼンテーション
① 我が国社債市場の現状と課題
(みずほ証券 金融市場調査部 チーフクレジットストラテジスト 大橋 英敏 氏)
 内外の市場環境とクレジット市場の動向並びにマイナス金利導入後の一般債利回り・スプレッドの推移やマイナス金
利導入の市場に与える影響について解説を行った。また、これらの現状を踏まえた今後のクレジット市場の課題と展
望について説明を行った。
② 海外社債市場の現状と我が国へのインプリケーション
(BNPパリバ証券 投資調査本部長 中空 麻奈 氏 )
 米国クレジット市場に関し、トリプルB格市場の注目点並びに投資適格市場及びハイイールド市場の動向について解
説を行った。欧州クレジット市場に関し、マイナス金利と社債発行市場の関係性や金融セクターの劣後債の発行状況
並びに低金利政策やECBの社債購入プログラムがクレジット市場に与える影響について解説を行ったのち、我が国
クレジット市場の今後の動向について示唆を述べた。
③ 住宅金融支援機構MBSの現状と課題
(住宅金融支援機構 市場資金部長 浪波 哲史 氏)
 住宅金融支援機構MBSについて、発行規模や売買高の現状を踏まえた債券市場における立ち位置やその特徴につ
いて解説を行った。また、機構MBSの現状及び特徴を踏まえ、市場活性化に向けた取組みや現状の課題等につい
て説明を行った。
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3
2.フォーラムの模様
4.社債市場の活性化に向けた取組み
① 社債の取引情報の発表
(中央大学法科大学院教授 野村 修也 氏 )
 平成27年11月に開始された社債の取引情報の発表制度の導入の趣旨及び
制度概要、発表制度導入後の公社債市場の動向並びに社債取引情報の発
表状況について説明を行った。
② 社債権者保護に向けた取組み (社債管理人制度の概要)
(日本証券業協会 政策本部 共同本部長 石黑淳史)
 「社債市場の活性化に向けたインフラ整備に関するワーキング・グループ」に
おいて検討されている社債権者保護の方策である「社債管理人制度」の概
要について説明を行った。
③ 東京プロボンド市場の育成に向けた取組み
(東京証券取引所 上場推進部 上席企画役 伊東 孝二 氏 )
 東京プロボンド市場(TOKYO PRO-BOND Market)制度概要、上場実績及
びASEAN+3債券共通発⾏フレームワーク(AMBIF)等について説明を行っ
た。
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4
2.フォーラムの模様
5.パネルディスカッション「日本の社債市場の展望」
モデレーター 日本総合研究所 副理事長 翁 百合 氏
パネリスト
野村證券 デット・キャピタル・マーケット部長 石田 輝彦 氏
オリックス 財務部部長 高田 十光 氏
日本生命保険 クレジット投資部長 高田 保豊 氏
日本格付研究所 格付企画部長 水口 啓子 氏
テーマ ① 社債市場における最近の動向
マイナス金利政策導入後の社債市場の動きや今後の展望について意見交換が行われた。
石田氏(野村證券)
 プライシング方法は従来の対国債スプレッドプライシングから利率絶対値でのマーケティングが主流となり、商品のトレンドと
しては、金融機関及び事業会社によるハイブリッド債の需要があり、今後も増加が見込まれる。
水口氏(日本格付研究所)
 マーケットではハイブリッド債に注目が集まっているが、クレジットスプレッドの動向と展望を踏まえると、分散投資を可能とす
る市場の厚みが非常に重要である。
高田氏(オリックス)
 発行体としてマイナス金利政策導入後の国債に対する社債スプレッドのテクニカルな拡大を問題視している。金利のゼロフロ
ア問題の不確実性が社債市場の参加者減や調達面での魅力低下を引き起こしている。
高田氏(日本生命)
 利回りを求めて投資する結果、外債への投資が増えてきている。ただし、スプレッドの利回りに占める割合が上昇する等、我
が国社債市場のマーケット拡大に向けたチャンスとも言えるのではないか。
翁氏(日本総合研究所)
 マイナス金利政策の導入は、ハイブリット債等のすそ野拡大といったメリットがある。一方、発行体にとってはゼロフロア問題
の影響を与え、運用会社にとっては投資対象が海外に向くといった、金融緩和の意図が直接伝わらないという現状もある。
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5
2.フォーラムの模様
5.パネルディスカッション「日本の社債市場の展望」
テーマ ② 社債市場活性化に向けた課題と処方箋(各市場参加者の役割)
社債市場の活性化に向けた課題と各市場参加者の果たす役割について意見交換が行われた。
石田氏(野村證券)
 低格付社債も含めた市場活性化には、市場環境を踏まえた適正なプライシングが行われること、社債の流動性のさらなる
向上を目指すことが必要であり、仲介業者としてこの点に留意しマーケットメイクを行っていきたい。
水口氏(日本格付研究所)
 投資家のリスク管理の高度化を可能とする情報開示が重要である。米国ではローンのコベナンツ等も開示されており、相
対的に信用リスクが高い企業でも債券発行が可能になるための枠組みの整備は非常に意味がある。
高田氏(オリックス)
 流動性を回復しフェアなプライシングができる発行・流通市場の改善を目指すために、①適切な金融政策、②社債・ローン
市場のプライシング改善、③社債流通市場のインフラ整備、④低金利を利用した社債市場利用者の拡大のサポートが必
要である。
高田氏(日本生命)
 発行体のすそ野拡大(低格付発行体、海外発行体、外貨建債券発行等)が重要であり、国内で外貨建て債券の DVP決
済が可能となれば投資対象が拡大する。また、テーマ性ボンド等の多様化を図っていただきたい。
翁氏(日本総合研究所)
 社債市場の流動性を回復させ、フェアなプライシングができる発行・流通市場を目指していくという観点からは、現状の金
融政策にも課題がある一方で、インフラについても引き続き整備を続けていく必要がある。
 それぞれの市場参加者が取り組んでいくべき課題があることが改めて明らかになった。時間のかかる課題ではあるが、こ
れらの問題解決を通して日本の社債市場の活性化を推し進めていくべきである。
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