誰にも真似できない存在感を 見せつけた20周年記念ライブ

S
01. アジアの純真
02. これが私の生きる道
03. サーキットの娘
04. 渚にまつわるエトセトラ
05. MOTHER
06. 愛のしるし
07. たららん
08. 日曜日の娘
09. 夢のために
10. 海へと
11. ブギウギ No.5
12. あたらしい日々
13. 青い涙
14. 赤いブランコ
04 24
E
T
L
I
S
15. SUNRISE
16. はじまりのうた
17. モグラライク
18. boom boom beat
19. オリエンタル・ダイヤモンド
20. くちびるモーション
21. All Because Of You
22. マイストーリー
23. 日和姫
24. 誰かが
25. ハッピーバースデイ
26. トモダチのわお!
27. 脱ディストピア
28. my journal
T
29. 秘密のギミーキャット
~うふふ 本当よ~
30. パフィピポ山
31. COLORFUL WAVE SURFERS
32. COCO Hawaii
33. 涙を探して
ENCORE
01. 抱きたきゃ抱けばEじゃNIGHT☆
02. とくするからだ
sun. 大阪梅田クラブクアトロ
ます」と、ヒネリの効いた本人自らのカ
PUFFY
ゲアナでフロアの笑いを誘い、実にユル
い雰囲気に包まれながらライブはスター
誰にも真似できない存在感を
見せつけた20周年記念ライブ
トした。レーザーが飛び交う中始まった
1 曲目は『アジアの純真』
。
『これが私の
生きる道』
『サーキットの娘』と続き、6
今年 5 月にデビュー 20 周年を迎えた PUFFY。
曲目『愛のしるし』までノンストップで
20 年と言えば産声をあげた子が成人し、ティー
珠玉のポップチューンを惜しげもなく連
ンが親になろうかというくらい、大きな変化を遂
発していく。それにしても、何と知って
げる長い時間でもあるのだが、PUFFY こと大貫
いる曲の多いことか! しかも、サビだ
亜美と吉村由美に関してはどうだ。まず、ルック
けでなく最初から最後まで歌えてしまう
スからして 40 代とは思えない可愛らしさとファ
し、デビュー当時の楽曲であっても懐メ
ッションリーダーぶりをキープし、浮き沈みの激
ロ感がないのには驚かされる。
しい芸能界と音楽界を上手に行き来しながら、 コ
先述のベストアルバムと全く同じ順番
ンスタンスに作品を発表していることは周知の通
で楽曲を披露していきながら、時折 MC
り。現役感が全く色褪せていないのだ。しかもロ
を挟みつつライブは進んでいくわけだ
ック系野外フェス出演やアイドルとの対バン、さ
が、この MC が気取らず構えずユルユル
らには北米やアジアなどでもデビューを果たして
のまったりで、まるで 2 人の楽屋トーク
いる。変わらない部分を備えながらも進化し続け、
を聴いているかのよう。PUFFY =脱力
ここまで多彩な活動フィールドを持つ日本のミュ
系と言われる所以がその佇まいからも伝
ージシャンは、PUFFY 以外に見当たらないと言
わるのだが、プレイ中は一転、脱力どこ
っても過言ではないだろう。と、サラッと文字に
ろか熱血で時にクールかつ攻撃的な姿を
してみたが、こんな経歴はそう簡単に得られるも
見せつける。特に中盤の『boom boom
のではないと思う。現に '96 年にデビューした彼
beat』から『誰かが』の流れは、オルタ
女たちの同期で、一体何組が今でも第一線で活躍
ナロックやガレージロックのテイストが
しているのだろうか…。そう考えると、2 人の衰
満載で、アンダーグラウンド系のライブ
え知らずの底力に改めて、震えずにはいられない
ハウスでキッズたちを熱狂させているかのような
みんなずっとそう思ってんだろうなって。自然体
のだ。
光景が繰り広げられていく。フロアを見据え、モ
って言われても、人様の前に出ているときに自然
さて、今回足を運んだ大阪・梅田クラブクアト
ニターに足を掛けんばかりの前のめりな勢いで熱
体だったことは 1 回もないです」( 吉村 )。
「頑張
ロのステージは、4 月にリリースされたベストア
唱する吉村。一方の大貫は、バンドサウンドに身
ってないより頑張った方が絶対いい。ユルく生き
ルバム『非脱力派宣言』を携えた 20 周年記念全
を委ね前後左右と自在に動きながら歌声を放つ。
ても、いいことねえぞって。頑張ってきてよかっ
国ツアーのセミファイナル。いわゆる節目の周年
オーディエンスも拳を掲げ、 歌い、大いに床を揺
たって思うのは、20 年も同じ仕事を続けられて
記念ツアーだというのに、必要以上にド派手に展
らし応戦する。ポップス、ロック、テクノと実に
ること」( 大貫 )。ベスト盤リリース時に語ってい
開するわけでもなく、敢えてキャパ 1000 人前
様々なジャンルの楽曲を歌い上げ、本編ラストは
た 2 人のこの言葉が、そのまま体現された爽快な
後のライブハウスを舞台に選ぶところが何ともら
フラワーカンパニーズの鈴木圭介氏が手がけた泥
ライブだったことは言うまでもない。
しい。いや、むしろ、ごまかしの効かない距離感
臭いナンバー『涙を探して』
。アンコールは最新
で 2 人のプレイを味わえることのほうがレア感大
曲『抱きたきゃ抱けば E じゃ NIGHT ☆』と「一
で、
周年ツアーには相応しいのかも知れない。
「機
番初めにレコーディングした」という『とくする
長の大貫です。約 2 時間のフライト、始まってす
からだ』の 2 曲を聴かせ、記念すべき空の旅は無
ぐにピークを迎えますが、最後までモチベーショ
事、終了したのだった。
ンを高くお持ちいただきますようお願いいたし
「脱力してませんよって口に出して言わないと、
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text_ 森川和美
photo @豊洲 PIT
2016 JUN.
Best
Album
『非脱力派宣言』
out now!!
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