高崎量子応用研究所 東海量子ビーム応用研究センター プロジェクト「生物分子機能解析」 生物の40億年の分子進化に挑戦 ◇研究のねらい 中性子ビームを中心とする量子ビームを活用し、生物分子機能を解明する 中性子および放射光、レーザー等の量子 ビームを活用することで、生物分子のもつユ ニークな機能を解明し、そこから得られる知 見を基に有用な新物質の創製を目指す。 有用性の高い新機能分子の創製 生物由来の分子そのもの、あるいは天然に存在する分子より高機能な分子を利用 (例) 医薬品や診断薬 酵素・分子認識を利用 自己集合機能性材料 ・薬(阻害剤) ・抗体 ・バイオマス(植物)の分解 ・光をエネルギーに変換 ・自分で組織化して 機能を発揮する材料 ユニークな知見を取得 産業的に利用価値が高い分子 タンパク質の構造と機能の関係を解明 中性子ビームを用いたタンパク質結晶構 造解析のための技術開発研究 (中性子を使って水素原子を観測) ◇成果のアウトカム(目標) 私たちの取り組み 新規有用物質の創製を目的としたタンパク 質の構造機能解析研究 (精密構造解析からの分子設計) ・急性放射線障害に対する治療薬の創製 ・懸念される感染症の世界流行や薬剤耐性ウイルスの出現に対応した薬の完備 ・ナノレベルの分子を集合単位とした自己集合性バイオ素材による新技術の創出 ◇これまでの研究結果 ◇研究計画の1例 「セシウムイオンを選択して 吸着するタンパク質を発見」 「中性子によるHIV-1プロテアーゼの 全原子構造決定に成功」 エイズウイルス由来プロテアーゼの薬剤耐性に係る分子機構の解明 研究テーマ: HIVプロテアーゼの薬剤耐性機構の詳細を解明 W189 水 Cs+ 水 2量体 阻害剤 T188 水 Q186 分子量2万 プレス発表(2009年) プレス発表(2015年) PNAS,106,4641 (2009) Acta Crystallogr D,71,541 (2015) RI、抗体 植物 QST 放射線医学 総合研究所 放射線 抵抗性細菌 関西光科学 研究所 (木津,播磨地区) 量子生物学 プロジェクト: 生物分子機能解析研究 DNA修復 急性放射線治療 機能解析 産業応用 外部機関 大学 研究機関 産業界 中性子 (小角散乱、結晶、 非弾性散乱)、 γ線、レーザー 東海量子 ビーム 応用研究 センター QST(高崎研東海地区) 耐性機構を詳細に解明し薬剤耐性ウイルスに対する創薬を支援 なぞ:基質に対する作用は変わらない一方で、基質をまねて作製した阻害剤が結合しなくなる(薬剤耐性) (1)X線結晶構造解析と物理化学的解析 (2) 中性子結晶構造解析 ---阻害剤および基質との複合体の構造--- ---水素原子の観測--- 次は、 薬剤耐性HIVプロテアーゼ QST 計算科学 分子設計 レーザー 量子コヒーレント (小型タンパク質) 野生型HIVプロテアーゼと 基質との複合体の 高精度解析に成功 ◇連携研究のネットワーク 高崎量子 応用研究所 (高崎地区) HIVの増殖に必須のタンパク質 阻害剤 耐性変異 創薬標的タンパク質 SBDDによって薬が開発された代表例 約10種の阻害剤が薬として上市されている 薬剤耐性ウイルスへの対応が課題 HIVプロテアーゼ O O QST HIVプロテアーゼタンパク質 HIV:ヒト免疫不全ウイルス(エイズウイルス) SBDD:Structure Based Drug Design 両者を比較することで 薬剤耐性機構を解明 (これまでは、阻害剤複合体しか 解析できなかった) 薬剤耐性HIVプロテアーゼの 水素原子の構造を決定 試料調製を実施中 構成メンバー 安達 新井 柴崎 平山 清水 篭谷 基泰 栄揮 千枝 裕士 瑠美 勇児
© Copyright 2024 ExpyDoc