仕様書 - 京都府教育委員会

府立丹後歴史文化博物館(仮称)基本計画策定支援業務
仕様書
本仕様書は、発注者である京都府と受注者との間で締結する府立丹後歴史文化博物館(仮称)
基本計画策定支援業務委託契約の内容について、統一的な解釈及び運用を図るとともに、その
他必要な事項を定め、契約の適正な履行の確保を図るためのものである。
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業務名
府立丹後歴史文化博物館(仮称)基本計画策定支援業務
業務の目的
昭和45年に開館した府立丹後郷土資料館は、開館後45年が経過し、施設の老朽化に加え、
立地条件等により入館者数が微増にとどまるという状況であったことから、教育機関として
充実を図るため、平成25年度には、「京都府立郷土資料館の在り方に関する意見聴取会議」
を設置し、博物館法に基づく登録博物館として、その機能を更に充実させ、学校連携のほか、
他の資料館・大学等との連携や地域社会への貢献を含めて、府民の文化的向上に資するため、
市町村よりも広域な範囲を所管する府立の文化的歴史的な中核施設、教育機関として活用さ
れるべきとの意見をいただいた。また、平成27年度に設置した「丹後歴史文化博物館(仮称)
基本計画策定検討会議」での意見や提言、さらに専門家や地域の方からの意見を踏まえ、府
立丹後郷土資料館の全面リニューアルに向けて調査及び検討を進めてきた。
本業務は、(1)テーマ性のある本物の展示で訪れる度に新たな発見がある博物館、(2)京都
府への愛着と誇りを醸成する博物館、(3)府民の参画を通して幅広い人が交流する博物館と
なることを新博物館整備の目的として、施設の機能及び規模、構成や配置のほか、管理運営
の在り方、国内はもとより海外からも幅広く多数の集客を実現するための方策、建設経費及
び管理運営に要する経費など、具体的な施設像を「基本計画」として策定するとともに、外
部有識者等から意見を聴取する「丹後歴史文化博物館(仮称)基本計画策定検討会議」の円
滑な運営を図り、基本計画策定に向けた支援を行うことを目的とする。
3 建設予定場所等
(1) 建設予定場所 京都府宮津市字国分小字天王山 地内(現丹後郷土資料館の立地場所)
(2) 想定延床面積 最大約4,000㎡まで(今後精査)
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履行期間
契約締結日から平成29年3月31日まで
5 業務内容
(1) 受注者は、京都府が策定した「丹後歴史文化博物館(仮称)基本計画骨子案」(以下「骨
子案」という。)、及び本仕様書を基に、京都府が示した施設整備の基本方針、今後の「丹
後歴史文化博物館(仮称)基本計画策定検討会議」(以下「検討会議」という。)の意見
等を踏まえて、以下の検討項目について検討、整理し、具体的な施設像を基本計画として
まとめること。
(2) 地元、有識者等で構成される検討会議等の運営補助及び資料作成
6 検討項目
(1) 基本理念
ア 新博物館の整備目的
骨子案のほか、検討会議をはじめ丹後歴史文化博物館(仮称)整備に係る今後の検討結
果を踏まえて、次の項目に配慮し新博物館の整備目的について取りまとめる。
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(ア) テーマ性のある本物の展示で訪れる度に発見がある博物館
(イ) 京都府への愛着と誇りを醸成する博物館
(ウ) 府民の参画を通して幅広い人が交流する博物館
イ 新博物館の機能
新博物館が持つ機能として、次の項目に配慮した機能の考え方を整理し取りまとめる。
(ア) 大陸の玄関口である丹後から日本国内に伝播した歴史文化の情報を収集・発信する
ハブステーション
(イ) 博物館機能の強化充実(展示、調査、保存、普及等)
(ウ) 生涯学習の拠点として誰もが自由に学べる環境づくりに貢献
ウ 施設整備の方向性
国史跡の隣接地及び国選定重要文化的景観地域内の構成要素としての位置づけなど建設
予定地周辺との調和と活性化を図ることを施設整備の方向性とする。
エ 基本コンセプト
上記ア~ウの項目を踏まえ、新博物館の基本コンセプト(キャッチコピーを含む。)を
取りまとめる。
(2) 施設計画
各検討項目を踏まえ、施設の具体的な建築計画を取りまとめる。
ア 建設予定地
建設予定地の特性(敷地の全部又は一部が国選定重要文化的景観、国定公園、国史跡。)
について整理し取りまとめる。
イ 現況
(ア) 現況の敷地について確認し、敷地面積及び区分について整理する。
(イ) 建設予定地の建築関連諸法令について調査し、建築条件を定める。
ウ 建設予定施設規模等
(ア) 規制等詳細を調査の上、建設予定地に建物配置図を作成する。
(イ) 建物の活用計画を含めた施設機能の取りまとめを行う。
(ウ) 外観意匠をイメージ図などにまとめる。
(エ) 骨子案の整備方針、設計で配慮すべき事項、ゾーン構成を踏まえ、博物館の構成、
規模を計画し取りまとめる。
エ 中長期的な計画
(ア) 中長期的に貴重な資料を適切に保存・管理できる収蔵庫の在り方を検討する。
(イ) 関連する周辺施設の調査及び整備計画についての考え方を取りまとめる。
(3) 展示計画
「丹後王国」の栄光や宗教と芸術の源泉である天橋立から創造された丹後、ひいては京都
府の歴史的・文化的遺産を広く情報発信する博物館として、その魅力で多様な人びとをひき
つける手法を検討し計画を策定する。
ア 展示コンセプト
骨子案のほか、検討会議をはじめ、新博物館整備に係る今後の検討結果を踏まえて、展
示コンセプトを取りまとめる。
イ 展示テーマ及び展示ストーリー
(ア) 展示計画の展開方針の策定
(イ) 展示構成の策定
(ウ) 展示手法の検討
(エ) 展示資料の検討
(オ) 展示室のイメージの検討(パースやスケッチなど)
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(4) 事業活動計画
ア 基本的な考え方
博物館で実施する事業、博物館を活かした地域での事業展開等について、長期的な視
野に立った事業メニュー、活動について検討する。
イ 展示事業
展示物の方針や解説、最新の展示手法の活用について検討する。
ウ 体験学習事業
博物館で実施する体験学習プログラムについて検討する。
エ 学習支援事業
(ア) 学校のカリキュラムに合わせた体験活動、出前授業及び教員研修プログラムについ
て検討する。
(イ) 博物館が担う生涯学習活動の支援や人材育成の考え方を取りまとめる。
オ 調査研究事業
博物館で実施する考古・歴史資料等に関する調査、研究及び情報公開などの活動につ
いての考え方を検討する。
カ 収集保存事業
貴重な資料の適切な保存・管理を行う収集保存の手法について検討する。
キ 圏内資料館等ネットワーク事業
連携する個人や団体とのネットワーク及び活動の考え方を取りまとめる。
ク 広報・情報発信事業
博物館の情報発信としての広報計画(実施内容・方策)、集客戦略の取組について検
討する。
ケ 史跡等活用事業
国史跡丹後国分寺跡や旧永島家住宅を活用した事業計画や民俗資料のサテライト保管
展示について検討を行う。
コ ボランティア活動
博物館の運営等を支援するボランティアの組織、運営方法等を検討する。
(5) 情報システム計画
博物館運営における各種データの管理及び活用の計画について検討する。
ア データ管理方針
イ 公開事業
(6) 管理運営計画
京都府の基本方針と整合を図るほか、新博物館の設置目的及び事業活動に最適な管理運営
手法とするため、次の事項について検討する。
ア 基本方針
イ 運営形態
ウ 運営組織
エ 組織体制
(7) 事業スケジュール及び概算事業費
ア 新博物館開館までのスケジュール(案)の作成
イ 年度ごとの実施内容と概算事業費の算出(建築・展示設計費、建築工事費、展示製作
費)
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7 関連調査、データ分析
(1) 過去10年ほどに公開承認施設として登録を受けた施設及び全国的に特色ある整備、運営
を実施した施設を中心に行うものとする。
ア 施設規模
イ 整備概要
ウ 運営概要
エ 事業概要
(2) 建設予定地周辺の観光動向調査
(3) 調査結果の傾向分析
8 成果物
(1) 成果物
ア 丹後歴史文化博物館(仮称)基本計画書(最終案)カラー刷
イ 丹後歴史文化博物館(仮称)基本計画書(概要版)カラー刷
ウ 概算事業費及び関連調査、データ分析報告書
※いずれも製本版2部(A4版)及び電子データ一式(CD-ROM又はDVD)
(2) 成果物の提出期限
平成29年3月の京都府が指定する日
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委託料の支払
発注者において成果品の検収が完了した後、受注者からの請求に基づき委託料を支払う。
なお、部分払は行わない。
10 業務実施にあたっての注意事項
(1) 本業務は、本仕様書に基づき実施すること。また、業務内容が多岐にわたるため、同種
業務の経験を有する技術者を配置させること。
(2) 受注者は、関係諸機関の法令等を遵守し、かつその指示に従い慎重に業務を行うこと。
(3) 受注者は、業務の詳細及び作業範囲について発注者と連絡を密にとり、その意図や目的
を十分に理解した上で業務を実施すること。また、業務の実施に当たり疑義が生じた場合
は、速やかに発注者と協議を行い、指示を仰ぐこと。
(4) 受注者は、業務の進捗に関して、発注者に対して定期的に報告を行うこと。
(5) 原則として本業務の再委託は認めない。ただし、契約業務の一部を委託する場合につい
ては、事前に発注者の承諾を得ること。
(6) 受注者は、業務の実施過程で知り得た秘密を第三者に漏らしてはならない。
(7) 成果物の著作権は発注者に帰属するものとする。
(8) 成果物の電子データ(素案含む。)は、Microsoft Excel、P owerPoin t等で編集可能な
ファイル形式とすること。
(9) 成果物納入後にあっても、成果物に不備又は不完全が認められる場合は、受注者の責任
と負担で直ちに補正しなければならない。ただし、不備又は不完全の原因が発注者の責任
による場合はこの限りではない。
(10) その他、本仕様書に定めのない事項については、発注者と協議して定めることとする。
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