IoT(Internet of Things)は、直訳して

JS技術開発情報メール№175 号掲載
◇ 「よく見かける下水道用語」 ◇
禁無断転載
「下水道IoT」
IoT(Internet of Things)は、直訳して「モノのインターネット」と呼ばれています。
JSでは、このIoTの活用が年々多様化する下水道の課題解決に効果を発揮すると考えており、先
日、共同研究のテーマとして「下水道IoT(Internet of Things)導入に向けた調査研究」を公募し
たところです。
最近、私たちの生活の中でも耳にするようになったワードですが、少しイメージしにくいという方も
おられるかもしれません。
そこで今回は、
IoTと下水道におけるIoTの活用についてご説明します。
(1)IoTとは
「あらゆるモノがインターネットに接続し、モノから得たデータを収集、分析することで、革新的な
サービスや製品を生み出そうとするもの」というのが基本的なコンセプトです。
パソコンやスマートフォン、タブレット等も従来からあるIoTの1つの形ですが、近年のICT活
用の多様化と、機器の高機能化・低コスト化が進み、従来通信機能を備えていなかったモノ(生活品、
家電、自動車、工場の製造設備等)がインターネットにつながり、便利なサービスを提供していくのが
IoTの新たな姿と言えます。
総務省から出された平成27年版情報通信白書によると、2013年時点でIoT機器は約158億
個あったものが、東京オリンピックが開催される2020年には約530億個まで増大すると言われて
おり、世界的にIoTへの期待が高まっています。
身近なモノでは、時計等のウェアラブルデバイスを用いてメールや地図情報をリアルタイムで見たり、
自動車のカギのかけ忘れや、自宅の訪問者を遠方からスマホで確認できるなど、生活の中に様々なIo
Tの利用が生まれています。
(2)下水道におけるIoTの活用
IoTは特に製造分野において適応範囲が広く、大きな効果を発揮すると言われています。
その理由として、工場の生産ラインでは、高品質な製品を安全かつ安定的に低コストで製造すること
が求められます。IoTを活用すれば、受注量、工程、製造機器の稼働率、効率運転、維持管理、運輸、
労働者の確保…といった膨大なデータを収集し、人工知能が自律的に生産ラインの全体最適化を図るこ
とで、生産効率をさらに向上していくことが可能になります。
このように、製造分野で求められているIoT技術は、下水の処理工程にも共通する観点が多く、下
水道分野において活用できる環境が大いに存在すると考えられます。
例えば、各種センサーやカメラ、タブレット端末により、流入水量や水質、電力使用量、薬品量、各
種設備の稼働率、気象情報等を収集・分析し、自動制御による効率的運転を実現したり、複数処理場を
広域化するといった全体最適化により、より一層のコスト縮減や健全な運営につなげていくことで、下
水道が抱える課題を劇的に解決する可能性を持っています。一方で、セキュリティの問題や新たなシス
テムの導入コスト、ソフトウェア更新といった新たな対応課題を見据えることも重要となります。
JSでは、今回取り組みを始めた共同研究により、下水道におけるIoTの効果を最大限に引き出す
とともに、さらに発展、加速化し、率先して普及していくことを目指しています。
(技術開発企画課)
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