医療機関 の 未収金対策 - 札幌 弁護士 前田尚一法律事務所

医療機関の未収金対策
第
回
前田 患者自身が全額負担する
自由診療は、延滞・焦げ付きの対
もその 倍、2000万円を売り
焦げ付きが発生した場合、最低で
利益率5%の会社で100万円の
前田 病院に限らず社会全般で
未収金が増えています。例えば、
ります。もっともこの場合、不
ら、延滞・焦げ付きの対象とな
また、保険料の滞納者は、診
療報酬を全額自己負担しますか
まう場面が実は多いのです。
う場合など、未収金を作ってし
費の延納や救急搬送で後日支払
低いと思われがちですが、入院
りも延滞・焦げ付きの可能性が
己負担分で、社会一般の債権よ
延滞・焦げ付きの対象は一部自
の未収金です。保険診療の場合、
3年と短いため、消滅しないよう
――そのほかの留意点は。
前田 法的対抗措置をとろうと
する場合、診療報酬は時効期間が
を間違えると大きな紛争に発展し
結果に不満がある場合には、対応
置をとる価値はありますが、治療
がって、費用をかけてでも回収措
ないというケースでしょう。した
すれば支払能力があるのに支払わ
れ、延滞・焦げ付きが発生すると
相対的に支払能力が高いと推察さ
いよう早い時期に専門家に相談さ
ないよう、また、手遅れにならな
を事前にきちんと確認すべきです。 解説した本を読むのもよいですが、
かねませんので、支払わない理由
れることをお勧めします。
債権回収の法的手段を一般向けに
練したスキルが必要な分野です。
げ付きの解決は、専門的知識と熟
このように、医療費の延滞・焦
の精算も考えなければいけません。
( 損 金 処 理 ) し、 払 い す ぎ た 税 金
見込みがない場合は税務上償却
うがよいでしょう。加えて回収の
切な方法とプロセスを検討したほ
美容外科や審美歯科などの患者は、 コンプライアンスの観点からも適
象となりやすいように思えますが、 う視点で非難を受けないために、
上げなければなりません。額面ど
し、支払能力がないこともある
専 門 的 な 手 続 き が 必 要 で す。
『請
(前田尚一法律事務所では、医療
はなく、社会的批判の対象となら
http://www.smaedalaw.com/
――医療機関においても、未収
繰りは悪くなる一方です。
金により経営が圧迫されています。
医療機関の場合、公的・私的
を問わず問題となるのが医療費
おり100万円稼ぐだけでは資金
ため、未収金の回収のために費
求書を送り続ければ時効が完成し
0120・48・1744へ)
機関の債権回収相談に応じている。
単に回収すればよいということで
用をかけるのは得策ではない場
ない』と誤解している人も多いよ
況の影響などで生活状態が悪化
合が多いでしょう。
うです。また、医療の公共性とい
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前田尚一法律事務所
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――保険外の自由診療部分は、
患者の支払能力によりますね。
まえだ ・ しょういち/
1959年 1月 22日岩見沢
市生まれ。北大法学部卒。
93年前田尚一法律事務
所開設。UHB「のりゆ
きのトークDE北海道 」、
STV「 どさんこワイ
ド 」 出演。JR札幌病院
倫理委員・臨床研究審査
委員。元・ 北海道大学法
科大学院実務家教員
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前田 尚一
弁護士