2016年 5月20日号 Vol.304 資源国通貨、「めったにない状況」 原油価格、急反転! 年初まで軟調に推移してきた原油価格。今 年、2月11日にはリーマン・ショック後の最安 値1バレル=26.21ドルをつけ、株式相場の 不安定要因の一つにもなっていました。その 後流れは一転し、5月18日には48.19ドルを 付け、最安値から84%近く上昇しています。 資源価格が反転するなか、ブラジルレアル など資源国通貨は、過去15年の平均を大き く下回り、さらに過去の実績では対米ドルで 最も割安な水準です。資源国分散通貨※は、 2標準偏差以上乖離しています。統計学の 考え方では、リターンの分布が正規分布に 従うと仮定するならば、過去15年間の平均 値を中心に1標準偏差の範囲で動く確率が 約68%、2標準偏差なら約95%とされ、この 範囲を下回っている今は「めったにない状 況」といえます。 このように、①資源価格に反転の兆しがみら れること ②対米ドルでめったにないほど割 安な状況にあることなど を背景に、資源国 通貨には上昇余地がありそうです。 ■WTI原油価格の推移 (日次、期間:2011年4月末∼2016年5月18日) 米ドル 120.00 110.00 100.00 90.00 80.00 70.00 60.00 50.00 40.00 30.00 20.00 11年04月 12年04月 13年04月 14年04月 15年04月 16年04月 ※WTI原油価格:ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で取引される 原油先物(軽質スイート原油先物)の期近物価格で構成 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 資源国通貨、「めったにない状況」 ■資源国分散通貨(対米ドル)の推移 (月次、期間:2001年4月末∼2016年4月末) 2001年4月末=100として指数化 反転の理由とは? 140 この原油価格の反転の主な背景は、足元ナ イジェリアやリビアなど産油国の地政学リス クの高まりや米国での生産量が減少傾向に あること、世界的な需要見通しの改善などが 挙げられます。 このように、最近では需給環境が改善してお り、日本のほか多くの政府・その他の機関が 原油価格の上昇を予測しています。 120 130 平均+2標準偏差 平均+1標準偏差 110 過去15年平均 100 90 平均-1標準偏差 80 平均-2標準偏差 70 60 01年4月 05年4月 09年4月 13年4月 ※資源国分散通貨:豪ドル・ニュージーランドドル・カナダドル・ノルウェークロ ーネ・ブラジルレアル・チリぺソ・メキシコペソ・インドネシアルピア・マレーシア リンギ・タイバーツ・ロシアルーブルを合成 出所:ブルームバーグのデータを 使用しピクテ投信投資顧問作成 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市 場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績 は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全 性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることが あります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護 機構の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかな る情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。
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