三菱アルミニウム株式会社 Oracle Customer Snapshot 業務ごとに運用していた6つのデータベースを統合。 現場作業とシステム運用の大幅な効率化を実現し災害時の 事業継続性も強化 「Oracle Database 12cのマルチテナント機能を活用し、複数のデータベースをOracle Database Applianceに統合した結果、高速なデータ処理により 業務効率が格段に向上し、従来に比べ低コストで運用できるシステムが実現しました。2台のOracle Database Applianceを導入し、それぞれ別の拠点 に配置することで、災害時などの事業継続性も確保できました」― 三菱アルミニウム株式会社 生産技術本部 情報システム部長 合家正之氏 三菱アルミニウムは、1962年に設立され た、三菱グループのアルミニウム総合圧延 メーカーである。創業以来、半世紀以上にわ たって飲料用缶材、自動車部材、コンデンサ用 箔などの板製品、押出製品、箔製品を開発・製 造・販売している。同社の強みは、鋳造、板圧 延、箔圧延、押出といったアルミのあらゆる加 工形態に対応できる体制であり、アルミニウ ム素材に加えて、グループ会社との連携によ り、産業機器、外装品、食品・医薬品用加工箔 などの加工製品も提供している。静岡県裾野 市にある富士製作所は、規模・内容ともに国 内有数の総合圧延工場である。この富士製作 所を中核に、米国、タイ、中国に設けた海外拠 点を通じて、世界各国に製品を供給している。 2013年には、インドに熱交換器用アルミニウ ム押出チューブの製造・販売をおこなうため の現地法人を設立。経済成長が著しい同国内 での市場開拓に取り組むなど、グローバル市 場への事業拡大を積極的に進めている。 課題 導入効果 • 販売管理や生産管理、バックアップなど、目 的ごとに構築、運用していた6つのデータ ベース・システムを1台のハードウェアに統 • 高可用性データベースとハードウェアを 合することで、バックアップやパッチ適用な どの日常的なシステム運用作業を効率化す ると同時に、システム構築・運用コストも削 減する • 事業の発展に伴いデータ量が飛躍的に増大 するなか、ハードウェアやパフォーマンス、 リソースを含めた既存システムの正確な運 用状況を把握したうえで、システム全体のパ フォーマンスを高め、レスポンスを高速化す ることで、現場における業務の効率を向上さ せる • 影響は軽微なレベルにとどまったものの、東 日本大震災によって、災害時などの事業継続 計画 (以下、BCP) に対する社内の意識が高ま るなか、従来よりも簡単かつ確実にディザス タリカバリ (以下、DR)がおこなえる体制を 確立する 一体化したエンジニアド・システムである Oracle Database Applianceを導入し、Oracle Database 12cのマルチテナント機能を活用 することで、分散していたデータベース・シ ステムの統合が実現した • Oracle Multitenantの機能を活用した新環境 では、一つのコンテナ・データベースに多数 のプラガブル・データベースの独立性を担 保し統合することで、これまで個別のデータ ベースごとに行っていたバックアップ、パッ チ適用などの運用を一括実行することで作 業が効率化され、運用・保守費用の工数が削 減可能となった • 従前のシステムでは約4時間かかっていた夜 間バッチ処理時間が40%以上短縮され、以前 から運用している汎用機とデータベース間 のデータのやりとりが高速化された • 従来のように、ハードウェアとソフトウェア を個別調達していた場合に比べて低コスト ■ マルチテナントを活用した DB 統合基盤と DR 体制による事業継続性の確保 Before 本番環境 三菱アルミニウム内 販売・生産管理システムなどが社内に散在、それぞれ保守・管理 統合 After 本番環境 三菱アルミニウム内 Active Standby DRサイト TISデータセンター Active D2D Backup (Data Guard) Standby D2T Backup Oracle Database 12c マルチテナント機能 StorageTek SL150 テープ装置 Oracle Database Appliance 統合による運用効率向上 Oracle Database Appliance DRサイトとテープバックアップによるBCP強化 三菱アルミニウム株式会社 生産技術本部 情報システム部長 三菱アルミニウム株式会社 生産技術本部 情報システム部 運用グループ 副主査 合家 正之氏 篠原 靖氏 かつ短期間でシステムを構築でき、バッチ処 理性能が算定基準となる汎用機の運用コス トの削減にもつながった • Oracle Database Enterprise Editionの導入 でレスポンスがより高速化したことで、従来 は15分かかっていた帳票の作成作業が約30 倍に高速化された結果、30秒程度にまで短 縮され、 現場の作業効率が著しく向上した • 2台 導 入 し たOracle Database Applianceの うち1台は富士製作所内に配置し、もう1台は 名古屋のデータセンター内に配置すること で、従来のシステムでは2 ~ 3日必要だった 災害時のデータの復旧が、数分で完了するこ とがテストによって確認され、きわめて有効 なBCP対策を講じることでRTO(Recovery Time Objective)の指標が大幅に改善された • 従来のシステムでも冗長構成やリカバリ手 順は確立されていたものの、ストレージ製品 などの処理が複雑で難解な手順書を頼りに していた状況が改善され、復旧作業が円滑に おこなえるようになった • 本サイトとDRサイトとの同期がリアルタイ ムでおこなわれるため、従来のシステムでは 最大で1日分のデータ喪失の恐れがあったも のを最小限に抑える体制が実現した • 従来のシステムでは、不測の事態が発生して 製造ラインが1日停止した場合、一日あたりに 2億円以上の損失が発生すると予想されてい たが、Oracle Data GuardなどによるOracle Maximum Availability Architectureの ベ ス ト・プラクティスを採用することでシステ ムの停止を最小限留めることが可能となり、 高い可用性と業務継続性を確保した オラクル選定理由 「Oracleデ ー タ ベ ー ス は1990年 代 前 半 か ら 利用しており、そのパフォーマンスと信頼性 の高さは熟知しています。一方、ハードウェ アは運用するデータベースごとにベンダー、 構成ともにバラバラで、インストールも自分 たちでおこなってきました。そこで 今回、 Oracle Database Applianceを導入し、信頼あ るオラクル製品に一本化することを決断しま した」― 三菱アルミニウム株式会社 生産技 術本部 情報システム部長 合家正之氏 導入プロセス 2014年 夏 に シ ス テ ム 更 改 の 検 討 を 開 始 し、同年12月にオラクルがOracle Database Applianceを 提 案。2015年6月、 パ ー ト ナ ー SIerのTISによる具体的なプランをもとにプロ ジェクトがスタート。同年12月に、第1弾とし て6つのデータベースを統合。 Oracle Database Applianceの 導 入 検 討 に あ たっては、オラクルから無償で提供された 「サーバー統合アセスメントサービス」 「パ フォーマンス・クリニック」 などを活用し、従 前のシステムのパフォーマンスやリソースの 活用状況などを正確に把握することで、新た なシステムを選定、 構築することができた。 「Oracle Database Applianceの導入にあたり 試用版で検証をおこなったところ、想像以上 のレスポンスの速さに目を見張りました。さ らに、今後はシステムの運用コストも大きく 削減できると期待しています」― 三菱アルミ ニウム株式会社 生産技術本部 情報システム 部 運用グループ 副主査 篠原靖氏 しOracle Data Guardのシステムを構築する場 合、コンテナ・データベースを構築しておくこ とで構築工数が格段に削減されました」―TIS 株式会社 ITソリューションサービス本部 エン タープライズソリューション事業部 エンター プライズソリューション第2部主査 寺本寛氏 「お客様がオラクル製品に精通していること、 事前検証をおこなったうえでプロジェクトを 精 緻に 進められたことが、Oracle Database Applianceの高いポテンシャルをこれまでに ないほど引き出し、短期間でのシステム導入・ 移行の成功につながっています」―TIS株式会 社 ITソリューションサービス本部 エンタープ ライズソリューション事業部 エンタープライ ズソリューション営業部主査 野口完司氏 オラクル製品とサービス •Oracle Database Appliance •Oracle Database 12c •Oracle Multitenant (本事例は2016年2月のものです。) 「今後3年計画で、汎用機で稼働しているシス テムも、今回構築した統合基盤への一元化を 進めていく計画です」― 三菱アルミニウム株 式会社 生産技術本部 情報システム部長 合 家正之氏 パートナー Oracle Database Applianceの導入を検討す る過程で、オラクルのパートナー SIerのなか から、提案力や積極性を評価してTISを選定。 三菱アルミニウムのイメージどおりのシステ ムを具体的に提示し、構築から運用開始まで を円滑に遂行した。 「Oracle Database Applianceの導入実績が豊 富な当社にとっても、Oracle Database12cの Oracle Multitenantをはじめ、あらゆる機能を 1つのソリューションとして提供する今回のプ ロジェクトを通じて、 大変使いやすいシステム が構築できることがあらためてわかりました。 とくに、個々のデータベース毎にDR環境を構 築する場合と比較して、マルチテナントを活用 Oracle Customer 三菱アルミニウム株式会社 ・URL:www.malco.co.jp/ ・業種:Industrial Manufacturing ・年間売上:1,038億95百万円(2015年3月期) ・従業員数:2,399人 (連結、出資50%超:2015年3月末現在) Oracle Partner TIS株式会社 ・URL:www.tis.jp/ Copyright © 2016, Oracle. All rights reserved. *Oracle と Java は、Oracle Corporation およびその子会社、関連会社の米国およびその他の国における登録商標です。 文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。 Published May 2016
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