平成 28 年 5 月 26 日 関係各位 国立大学法人福岡教育大学長 櫻井

平成 28 年 5 月 26 日
関係各位
国立大学法人福岡教育大学長
櫻井
孝俊
研究不正告発に関する調査結果について(報告)
平成 28 年 4 月 26 日付及び 5 月 6 日付文書にて「教員の研究不正に係る告発状」が提出されたため,
本学においては,国立大学法人福岡教育大学研究活動不正防止規程(以下,
「規程」という。)に基づき,
国立大学法人福岡教育大学研究活動不正調査委員会(以下,「委員会」という。)を設置し調査を実施し
ました。委員会の調査報告を受け,研究不正の事実は認められないと判断し,5 月 25 日付文書にて告発
者に通知したところです。
本事案については,本学に設置された福岡教育大学教職員組合の掲示板や,一部SNSによって被告
発者の氏名が記されています。規程第 30 条によれば,不正行為の事実がないと認定した場合は,原則と
して調査結果を公表しないものと規定されていますが,既に調査事案が外部の知るところとなっている
ことから,調査結果を公表することとしました。よって,不正行為の事実がないと認定したときの措置
を定めた規程第 30 条第 2 項による「被告発者の不利益発生防止策の実施及び名誉回復に係る措置」とし
て,本事案について下記のとおり報告します。
記
1.告発内容及び調査方法について
① 告発内容
二つの告発状を通して合計4件,いずれも「修士論文抄録」がそのまま「福岡教育大学体育研究
センター紀要」に本学教員を共著者として掲載されていることが盗用に当たる,というものである。
② 調査方法
4件のうち1件は,告発状に指摘されている年度の修士論文抄録に該当する論文がなく,告発の内
容が確認できないため,委員会では調査を行っていない。
その他の3件については,当該の「修士論文抄録集」及び「福岡教育大学体育研究センター紀要」
を入手して,その内容を点検するとともに,執筆した大学院生本人への聞き取り調査を行った。ま
た,論文発表当時の適用規程の確認も行った。
2.調査結果について
① 結果
委員会の調査結果報告を受け,研究不正の事実は認められないと判断した。
②
理由
以下のとおり研究不正の事実が認められなかった。
(1)
筆頭著者として当該院生の氏名が論文に明記されており,かつ当該大学教員が共著者とし
ての資格を有していることについて筆頭著者の認識が得られている。さらには,修士論文抄
録と同様の内容の論文を紀要等に投稿することは,二重投稿にも当てはまらない。
(2)
不適切なオーサーシップに該当するか否かを検討したが,当該論文発表時においては,研
究不正に該当する旨の規程がないばかりか,現行規程を適用したとしても,当該大学教員の
論文作成への貢献が認められることは筆頭著者の認めるところであり,問題があるとは言え
ない。
以上