トピック展示「日本地質学会が選んだ滋賀県の石」の実施

資料提供
(県政・南部同時)
提 供 日:平成 28 年(2016 年)5 月 27 日(金)
部
局:琵琶湖環境部
所
属:滋賀県立琵琶湖博物館
担
当:里口保文
電
話:077-568-4811
E - m a i l :[email protected]
トピック展示「日本地質学会が選んだ滋賀県の石」の実施
5 月 10 日に、地盤や地層など地質に関する研究学会である日本地質学会が、各都
道府県の特徴的な石を選定する「県の石」を発表しました。県の石は、岩石部門、
鉱物部門、化石部門のそれぞれ一つが選ばれています。滋賀県については、岩石部
門が「湖東流紋岩」、鉱物部門が「トパーズ」、化石部門が「古琵琶湖層群の足跡
化石」が選ばれました。
このことを記念して、トピック展示「日本地質学会が選んだ滋賀県の石」を実施
します。選定された石は、琵琶湖博物館の常設展示室にも展示されていますが、ト
ピック展示では、これまで展示されていない新たな標本も展示いたします。とくに、
田上山で採取された約 2.6kg の赤いトパーズは、長く光にあたると色がなくなって
しまうことから、常設として展示することができなかったものです(この展示は 6
月 12 日まで)。この機会に、多くの方に滋賀県の石をご覧いただき、自分たちが
すんでいる地盤について想いを巡らしていただければ幸いです。
記
【展示期間】
平成 28 年 5 月 27 日(金)〜7 月 6 日(水)
(ただし、赤いトパーズは資料保護のために、6 月 12 日
(日)までの展示です)
【展示場所】 琵琶湖博物館A展示室 コレクションギャラリー
【展示内容】 日本地質学会が選んだ滋賀県の石
・岩石:湖東流紋岩(ことうりゅうもんがん)
・鉱物:トパーズ
・化石:古琵琶湖層群の足跡化石(あしあとかせき)
【みどころ】 7000 万年前の火山噴火でできた湖東流紋岩には見かけの
違ういくつかの種類があることがわかります。
田上山から見つけられた約 2.6kg もある赤いトパーズ
(6/12 まで)が見られるのは今だけ。
太古の琵琶湖周辺にいたツルの足跡化石(足跡の凹みを
かたどってとった凸標本)など
【岩石:湖東流紋岩】
湖東流紋岩(ことうりゅうもんがん)は、滋賀
県東部に分布する、おおよそ 7000 万年前の火山噴
火によってできました。岩石の分類名は「溶結凝
灰岩」といいますが、この時期の火山噴火ででき
たこの地域に分布しているものの総称として「湖
東流紋岩」と呼ばれています。そのため、地域に
よって色など見かけが違います。安土城の付近や
永源寺周辺などは、湖東流紋岩がその風景の一部
を担っていますが、それぞれに見かけが違ってい
ます(安土は赤っぽい色で、永源寺は濃い緑っぽ
い色)。
また、この岩石が、古琵琶湖の時代に礫となって流れていった先に地層としてたまった
ことによって、当時から現在までの琵琶湖水系の変化を理解する手助けとなっています。
【鉱物:トパーズ】
トパーズ(黄玉)は、滋賀県南部の田上山が産地とし
て、明治の頃から有名でした。現在では、あまりとれな
くなりましたが、過去には海外へ輸出されるほどの産出
量があったようです。そのため、トパーズは滋賀県内で
は、田上山以外にも、比良山や旧マキノ町付近の山でも
産出していますが、田上山のものが有名です。今回展示
する標本は、田上山で採取された、約 2.6kg もある赤い
トパーズ(6/12 まで展示)のほか、川の流れで角が取れ
て丸くなったものや、高島市のトパーズなども展示しま
す。
【化石:古琵琶湖層群の足跡化石】
古琵琶湖層群とは、昔の琵琶湖やその周辺でたまっ
た土砂が地層となったものの総称で、その地層から、
過去の琵琶湖環境を知ることができます。琵琶湖の生
い立ちが約 400 万年前から続いているということも、
古琵琶湖層群の研究からわかりました。そのため、過
去の琵琶湖周辺にいた生き物の情報は、古琵琶湖層群
から産出する化石から知ることができます。常設展示
では、ゾウやシカの足跡化石(複製)が展示されてい
ますが、今回の展示では、実際の地層の凹みを型どお
りにはがしてきたもので、より化石の生々しさが伝わ
るでしょう。ただし、凹みをはがしてきたので、足跡
のイメージとしてある凹みではなく、出っ張り(凸面)となっています。