平成28年度「戦世の記憶」 平和発信強化事業 (戦争体験証言

平成28年度「戦世の記憶」 平和発信強化事業
(戦争体験証言映像収録編集及び資料のデジタル化) 業務仕様書
1.事業名
「戦世の記憶」平和発信強化事業(戦争体験証言映像収録編集及び資料のデジタル化)
2.委託事業の目的
沖縄戦の記憶を次世代に継承するため、また、平和を希求する「沖縄のこころ」を世界に強く
発信するために戦争体験証言の収録・発信並びに当館所蔵の沖縄戦関連資料のデジタル化を行
う。具体的には、戦争体験証言の収録・編集及び反訳、当館所蔵の沖縄戦証言ビデオテープ等
のデジタル化、米軍沖縄戦フィルム等のデジタル化、沖縄県遺族連合会資料のデジタル化を行
う。
3.委託事業の概要
3.1.事業の期間
契約締結の日~平成29年2月28日(月)
3.2.業務委託する事業
(1)
「戦争体験証言の収録・編集及び反訳」
(2)
「沖縄戦証言ビデオ等のデジタル化」
(3)
「米軍沖縄戦フィルム等のデジタル化」
(4)
「沖縄県遺族連合会資料のデジタル化」
4.委託条件
4.1.沖縄県内に事業所を設置していること。
4.2.本委託事業の仕様に合致した業務を確実に履行できる者であること。
4.3.公共機関が最近5年間に行った、映像収録業務又はデジタル化業務を実施した実績を有
していること。
5.諸報告
5.1.受託者は契約締結後、7日以内に本業務に関する業務計画書を作成し、委託者の確認を
得ること。
5.2.受託者は、作業の進捗状況を定期的に委託者に報告するものとする。報告様式や、報告
時期については、委託者と協議の上で決定する。
5.3.受託者は、業務完了後、成果物とともに本業務に係る実績報告書と合わせて業務報告書
を作成し、委託者の指示する期限までに提出する。
-1-
6.作業条件等
6.1.「戦争体験証言の収録・編集及び反訳」、「沖縄戦証言ビデオ等のデジタル化」、「米軍沖縄
戦フィルム等のデジタル化」の作業場所については、受託者の責任において準備するこ
と。
「沖縄県遺族連合会資料のデジタル化」についての業務は、沖縄県平和祈念資料館内の指
定された場所で行うこと。
6.2.沖縄県平和祈念資料館内での作業時間は、午前9時00分から午後4時30分までの間
で受託者で設定すること。
6.3.沖縄県平和祈念資料館の休館日においては、業務を行わないものとする。
6.4.沖縄県平和祈念資料館内での作業において、受託者は作業場に入る者の氏名と所属、顔
写真、通勤手段(車の場合は型式と車両番号)のリストを事前に委託者に提出すること。
6.5.受託者は、平和祈念資料館内で作業をする場合には、ID カードネックストラップ等を着
用し、所属が分かるようにすること。
6.6.受託者は、作業の上で不明な点が生じた時には、速やかに委託者に相談し、両者協議の
上で問題の解決を図る。
6.7.業務の実施にあたり、必要な機材、要員、設備の設置・撤去費用、資料の搬出・搬入、
その他作業に必要な備品・消耗品等は受託者が準備する。なお、委託料で備品、機材の
購入は認めない。
6.8.本仕様書に記載されていない事項は、必要に応じて委託者と受託者双方による協議の上
で対処する。また、本仕様書の記載事項に疑義が生じた場合も同様とする。
7.原資料の取り扱い
7.1.本業務で取り扱う資料は紛失や破損、損傷が起こらないよう、保護には万全を期すこと。
7.2.沖縄県平和祈念資料館から提供される資料については、委託担当者と受託者の両者で確
認し、チェックリストに記載する等、管理には万全を期すこと。
8.守秘義務について
8.1.受託者は、本業務で知り得た情報に関して秘密を厳守するとともに、その取り扱いにつ
いては委託者の指示に従うものとする。
8.2.受託者は作成したデータを本業務目的以外で使用してはならない。また、受託者は、業
務上知り得た情報を第三者に開示又は漏洩してはならない。
9.委託業務の内容
9.1.「戦争体験証言の収録・編集及び反訳」
(1)
ア
証言映像の収録について
証言者の選定に関する業務
受託者は各市町村や公民館、その他の団体・個人等から推薦や情報を得て、「証言映像
収録予定者リスト」(40人程度)を作成する。そのリストから委託者が今年度の収録
対象者30人を決定する。
-2-
※収録対象者は沖縄戦、第二次世界大戦の実相を知る上で必要と判断した方。
イ
収録に関する業務
アで決定した30人の収録対象者の収録及び編集は2月上旬までに終える。
ウ
収録者の対象地域
沖縄本島及び離島とする。 (離島は宮古島市、久米島町)
エ
収録の内訳
沖縄本島内20人、離島10人。
※当館が今までに行った戦争体験収録に含まれない者とする。
※南洋群島や満州等の沖縄以外の地での戦争体験も可とする。
オ
収録交渉及び収録方法
収録予定者の収録交渉・調査・日程調整は受託者が行う。収録方法は個別方式で行い、
撮影場所は証言者の希望を優先する。また収録内容については収録業務の事前に委託者
と協議し決定する、収録においては、インタビュアーが証言者に質問を行い、スムーズ
に 聞き取りが行えるようにする。(事前調整で質問内容等を伝え、収録が円滑に行える
ように配慮する。)
a インタビュアーは沖縄戦等に一定の見識を有し、かつ、インタビュー経験のある者とす
る。
b 収録は、インタビュアー1人、カメラマン1人、照明兼音声1人を撮影スタッフとして
行う。
c 基本的に1日あたり2人の収録とする。
カ
(2)
証言取材協力者に対するお礼として謝礼金(7,000 円× 30 人)を支払う。
各証言の編集について
ア
収録時間は1時間程度とし、最終的には5~10分程度の映像に編集する。
イ
映像収録後、反訳文(編集前版)を作成する。
ウ
反訳文(編集前版)をもとに平和祈念資料館が指定する専門員の点検を受ける。
専門員の点検に対するお礼として謝礼金(5,000 円× 30 人分)を支払う。
エ
点検後の指示に基づき、編集作業を行う。編集が完了した映像の反訳文(編集版)を
順次、委託者に提出する。
オ
証言映像冒頭にタイトルを入れ、氏名、生年月日、出身地、当時の職業、年齢、証言
年月日等を表示する。
-3-
カ
内容の理解を助けるため、必要に応じて見出し(テロップ)を表示する。
キ
各証言者の証言映像には字幕をつける。また証言の中で使われている方言は標準語に直
したうえで字幕にする。
用語等については、必要に応じて理解を助けるための表示を
する。また、漢字等にはルビをつける。
(3)
納品について
ア
貸与を受けた資料及び情報は速やかに沖縄県平和祈念資料館に返却する。
イ
収録に使用した記録媒体一式を納品する。
ウ
証言者及び協力団体への贈呈用として収録編集映像 DVD-R(4.7GB)を納品する。
a 証言者には当事者の収録分、協力団体には紹介して頂いた人数をまとめた収録編集映像
DVD-R を贈呈する。
b 証言者及び協力団体への贈呈用 DVD-R の郵送は受託者が行う 。
エ
沖縄県平和祈念資料館内映像証言管理システムへのインストール用として証言収録編集
DVD-R を1枚に10人分収納し(mpg 1に変換したもの)納品する。
オ
証言収録映像を本島編20人分を2枚に分けて、離島編を1枚にまとめて収納し、
DVD-R(貸し出し用)と BD-R(25GB)
(保存用)で納品する。
(DVD-R を貸し出し用、BD-R
を保存用と明記する)
※いずれもディスクやケースにはインデックスを表示すること。
カ
反訳文(編集前版および編集版の反訳テキストデータと紙資料)を納品する。
キ
収録者リスト(郵便番号、住所、連絡先を記載)をデータと紙資料で納品する。
ク
証言収録記録及び承諾書、収録活動内容写真データを納品する。
ケ
収録・編集した映像のデータを HDD(3TB*2 RAID)に収納し納品する。
9.2.「沖縄戦証言ビデオのデジタル化」
(1)
沖縄県平和祈念資料館が所蔵する証言ビデオテープ約430本、690人分のデジタ
ル化を行う。
(2)
専門員による画像検査を行い画像データに不備がある場合は作成し直すこと。
(3)
目録データベースを作成し、紙資料とデータで納品する。
-4-
デジタル化した映像を、それぞれ DVD-R と BD-R に収納し、保存用、貸し出し用と
(4)
して納品する。(DVD-R、BD-R ともに1枚に10人分づつ収納し、DVD-R を貸し出
し用、BD-R を保存用と明記する)
※いずれもケースにはインデックスを表示すること。
デジタル化した映像データおよび目録データベースを HDD(3TB*2 RAID)に収納し
納品する。
(5)
提供を受けた資料及び情報は沖縄県平和祈念資料館に返却する。
9.3.「米軍沖縄戦フィルムのデジタル化」
(1)
沖縄県平和祈念資料館が所蔵するフィルム(約266本)、およびマイクロフィルム
(75本、47344 コマ)のデジタル化を行う。
(2)
専門員による画像検査を行い画像データに不備がある場合は作成し直すこと。
(3)
フィルム目録データベースを作成し、紙資料とデータで納品する。
(4)
デジタル化した映像及びマイクロフィルム画像は、それぞれフィルム1本をディスク
1枚に収納する形態とし、DVD-R(貸し出し用)と BD-R(保存用)で納品する。
(DVD-R
を貸し出し用、BD-R を保存用と明記する)
※いずれもケースにはインデックスを表示すること。
デジタル化した映像データ及び、目録データベースを HDD(3TB*2 RAID)に収納し、
納品する。
(5)
提供を受けた資料及び情報は沖縄県平和祈念資料館に返却する。
9.4.「沖縄県遺族連合会資料のデジタル化」
(1)
内容
沖縄県平和祈念資料館が保管する県遺族連合会資料をデジタル撮影し、TIFF 又は
JPEG2000 でデータを作成する。
撮影コマ数の目安 :48,000 コマ(600 簿冊程度)
※参考:1簿冊 B5 平均80ページ程度、又は B4 平均80ページ程度。(目安)
(2)
目録データベースを作成し、紙資料とデータで納品する。
(3)
原本版と個人情報マスキング版を作成する。
マスキング版については個人名、住所等のマスキング箇所の範囲は別に明記する。
(4)
デジタルデータを作成する資料について
-5-
ア
デジタル化する資料
a 沖縄県平和祈念資料館が所蔵する沖縄県遺族連合会資料のうちデジタル化リストに基
づく、約600簿冊。
b 撮影資料については、契約後に提示するものとする。
イ
文書の引き渡しと返却について
a
資料の紛失、盗難を防止するために、適切に記録を残し、取り扱には配慮すること。
b 作業中に資料を損傷した場合は、委託者へ連絡し、指示に従うこと。
c 作業上、不明な点が生じた場合は、委託者へ確認すること。
ウ
原資料の事前調査
a スキャニングを始める前に、原資料の形状や劣化状態を調査し、規程のスキャニング
サイズに収まらない資料等はスキャニング方法を検討し、また、解綴、簡易補修が必
要な資料を調査する。
b
破損、劣化が激しく、スキャニング作業に耐えれないと想定される資料は、スキャニ
ング対象外リストに記録し、スキャニングを行わない。
エ
原資料の解綴、綴じ直し
製本された資料で文字情報が多く、判別しにくいと判断された資料は綴じを外し、撮
影後に、綴じる。
(5)
画像データの作成
ア
スキャニングの要件
a 常時稼働可能なスキャナーを複数台準備(設置)すること。
b 階調:24ビットフルカラー(1千6百万色以上)
c 解像度:原資料に対して300 dpi
イ
スキャニング仕様
a 表表紙を1ページ目とし、順次2ページ目以降を撮影する。
b 見開き状態で左右両ページを撮影できる場合は、両ページを撮影する。
c
見開きの状態で片面しか撮影できない場合には、片面づつ撮影する。白紙のページが
続く場合は、最初の1ページを撮影し、以降のページ数等を記録すること。
d
資料が多少波打っている状態で撮影した場合においても、判読可能であれば取り直す
必要はない。
e 折り込みは広げて撮影する。
f 個人情報保護措置として袋閉じされているものは、袋を外して撮影する。袋は適宜戻
すこと。
g 個人情報判定のための付箋紙等は外して撮影し、付箋は廃棄する。
h 作業が難しかった簿冊は、どのように難しかったかを記録簿に記入すること。
i 沖縄県平和祈念資料館が整理用に挟んでいる番号符は撮影後、元に戻すこと。
-6-
(6)
ア
撮影手順
「作業整理票」の指示に従って、デジタル化作業を行う。
「作業管理票」は受託者が、委託者の提供する資料をもとに作成する。
イ
綴じを外した資料は、撮影後閉じ直す。
ウ
撮影時等に資料を破損した場合は、委託担当者に報告し、平和祈念資料館と措置方法を
協議して補修するなど、対応を検討する。
(7)
ア
撮影後の検査内容
目視による画像検査
全簿冊の画像データについては、全ページの確認検査を行い、「品質保証管理表」に記
入する。
イ
品質検査の結果、ページ欠けや乱丁、落丁等の画像データに不備がある場合は、作成し
直すこと。
(8)
デジタルデータの編集
ア
デジタル化したデータを図-1のように編集した上で、1簿冊分のデータを作成する。
イ
デジタルデータの左下に、資料コード(ファイル名)、ページ(ノンブル)を入れ、右
下に沖縄県平和祈念資料館
て
Okinawa Prefectural Peace Memorial Museum と 2 行に分け
入れる。
画像は、図-1のように余白を作り、その部分に文言を付加する。
(図-1)
実線が、トリミング後の画像の範囲
破線部分を画像作成の際に追記
右下に、2 行使って入れる
T123456789-0008
沖縄県平和祈念資料館
Okinawa Prefectural Peace Memorial Museum
左下に、資料コード、ハイフン、マルチページ(ノンブル)
-7-
ウ
カラーチャート・スケール等、原資料の色・サイズがわかるもの簿冊表紙に入れること。
(9)
納品について
ア
最終検査合格後、簿冊単位でデータを納品すること。
イ
デジタル化したデータを原本版として、BD-R 1枚に10簿冊分収納、DVD-R 1枚に
1簿冊分を収納し、マスキング版として、BD-R 1枚に10簿冊分収納、DVD-R 1枚
に1簿冊分を収納して納品すること。(BD-R を保存用、DVD-R を貸し出し用と明記す
る)※ケースにはインデックスを表示すること。
ウ
原本版、マスキング版、目録データベースを HDD(3TB*2 RAID)に収納し、納品する。
10.その他
10.1.平成28年度の成果品の著作権はすべて沖縄県平和祈念資料館に帰属する。
10.2.成果品として納入する、DVD-R、BD-R、HDD は国産メーカーとする。
尚、ディスクの容量に関しては、DVD-R は 4.7GB、BD-R に関しては 25GB とし、傷、
誇り、汚れ等に強い、ハードコート等の保護コート仕様とする。
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《別表》
~個人情報に関するマスキングの取り扱い~
この別表は、沖縄県平和祈念資料館における、平成28年度「戦世の記憶」 平和発信 強化事業、
沖縄県遺族連合会資料のデジタル化に適用する。
Ⅰ
個人を特定できる情報をマスキングする。
(1) 氏名
(2) 住所(地番よりマスキング)
(3) 電話番号
Ⅱ
(4)
所属
(5)
その他、個人を特定できる情報
その他、資料によってマスキングの要、不要が不明な箇所は沖縄県平和祈念資料館に確認する
こと。
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- 10 -