山口 英 先生 業績概要

山口 英 先生
業績概要
1964 静岡生まれ。
1990 10 月、大阪大学大学院基礎工学研究科情報工学専攻博士後期課程を中退し、大阪大学 情報処理
教育センター・助手として着任。
1991 3 月、大阪大学大学院基礎工学研究科情報工学専攻にて、博士(工学)を取得。
4 月、奈良先端科学技術大学院大学 創設準備室にて同大学設⽴に携わる。
1992 10 月、奈良先端科学技術大学院大学情報科学センター・助教授。
1993 4 月より、同大学情報科学研究科・助教授。
2000 4 月より、同大学情報科学研究科・教授。
2002 4 月より 2004 年 3 月まで、同大学 附属図書館⻑を併任。
2013 4 月より 2015 年 3 月まで、同大学 総合情報基盤センター⻑ 兼 附属図書館⻑を併任。
大規模分散処理環境構築、ネットワークセキュリティなどの研究を⾏なう。
また、WIDE プロジェクトのメンバーとして、 広域コンピュータネットワークの構築・研究に従事す
る。インターネットと、そのセキュリティを中⼼とした実証研究と⼈材育成に25年以上にわたって携わ
り、120件以上の学術論⽂を共著し、また160名以上の修了生を輩出した。
⽇本のインターネット黎明期におけるインターネットの普及に尽⼒し、またアジア太平洋諸国を結ぶ衛
星ネットワーク Asian Internet Interconnection Initiatives (AI3) を構築し、アジア各国の大学との関
係構築と⼈材交流を先導した。
インターネットの普及後、その安全な利活⽤のため、我が国のコンピュータ緊急対応センター JPCERT
ならびにアジア太平洋の連携組織 APCERT の設⽴・運営に携わり、また内閣官房情報セキュリティセン
ター (NISC) 設⽴に関わり、初代の情報セキュリティ補佐官として我が国の情報セキュリティ政策⽴案
に深く寄与するなど、その傑出した指導⼒を発揮した。近年はアフリカ諸国を歴訪し、アフリカ諸国にお
けるコンピュータ緊急対応センター設⽴を⽀援し、グローバルな視点からインターネットの安全⽔準の向
上に努めていた。
学生時代から、UNIX システムを研究開発のプラットフォームとして使い、 UNIX Magazine に
「UNIX Communication Notes」を連載していたことでひろく知られていた。技術研究から実⽤化まで
を俯瞰した、⼭⼝流の実証研究で数多くの弟⼦をあつめ、その飾らない⼈柄から、学生からは「すぐる先
生」とファーストネームで呼ばれていた。
世界各地を飛び回る多忙なスケジュールの合間を縫って、休⽇にはハーフマラソンやフルマラソンに挑
戦し完走するなど、活発な毎⽇を送っていたが、2013 年頃から⾜の不調を訴え、2014 年春には治療法
のない難病である多系統委縮症と診断される。2 年間にわたる闘病生活の末、2016 年 5 月 9 ⽇ 午前 11
時 38 分、家族に⾒守られる中、永眠。