C 基金支援生と面談

今年もまたトリッツ神父さまはじめ、多くの支援生、エルダ財団スタッフに会ってまいりまし
た。
今年は教育改革により高校課程が 2 年加わったことで、B基金の高校生の状況確認、C基金の
大学生と卒業生との面談、そして視察直前に閉鎖を知らされたトクラサンセンターのこれまで
の経緯と現状、今後について協議することが視察の目的でした。
多くの問題はあるものの、幸いにもB基金の高校生は対応ができており安心いたしました。
C基金の大学生は厳しい毎日を過ごしながらも、ひたむきに努力している様子に尊敬の念すら
覚えました。勉強のかたわら様々な体験やボランティアをし成長している姿に力強さを感じ大
変嬉しく思いました。
今回偶然にも支援生の父母たちと会うことができました。父母たちの言葉から、子どもたちが
教育を受けられる喜びが伝わり、その想いが子どもたちを支えていると感じました。
トクラサンセンターは閉鎖の経緯と現況を確認し、子どもたちにも会ってまいりました。全員
の落ち着き先が決まるまで見届けたいと思います。
これからも、ご高齢ではありますが大きな存在である神父様や献身的に支援生を支えてくれる
エルダ財団スタッフと連携して子どもたちの支援を続けてまいります。
日比パガサの会
福田恵美子
C 基金支援生と面談 2 月 20 日~21 日 比日会館
14 名の C 基金支援生と面談。皆厳しい生活の中、将
来への夢を持ち、勉強に励んでいる姿に触れ、私た
ちも元気をもらいました。地元自治会の学生組織を
手伝う子、ボランティアでストリートチルドレンに
勉強を教える活動を行っている子も数名おり、プラ
スの方向への連鎖が期待できそうです。
クリス(18 才)は、病気の祖母と 2 人暮らし。マーケティング専攻の
大学 2 年生。課題のために、コンピューターとプロジェクターが必
要だが、借り賃が高くて困っている。この夏休みは船員として働く
予定。貧しい子どもたちに食事を与えるプログラム、ストリートチ
ルドレンに勉強を教えるプログラムに参加しています。
小1からパガサが継続支援しているマック・フレデリック(19 才)
は今年師範大学を卒業予定。教職資格試験のためのセミナー受講
費用が必要。教育実習、卒業論文のかたわら、ストリートチルド
レンに勉強を教えている。路上で子どもたちを集め、ゲームをし
たりして学校に行くことを促すのだが、路上であるが故に妨げも
多く、子どもたちが途中で帰ってしまったりと悪戦苦闘中。
ナオミ(20 才)はデラサール大学人材管理専攻の 2 年生。去年両親
が職を失い、父は半身不随に。政府の困窮者プログラムに加入でき、
なんとか生計を立てている。明るさを失わず、ボランティアでアエ
タに行き 100 人以上の子に数学を教えた話を生き生きとしてくれ
ました。大学の勉強が大変で体重が落ちたとのこと。
B 基金成績上位者と面談 2 月 20 日~21 日 比日会館
政府による教育改革の影響をもろに受けるのが B 基金支
援生。学校によってはシニアハイスクールの準備ができ
ていなくて、別の高校に行かなければならない子もいて、
しばらく混乱が続きそうです。貧困家庭にとって、高校
の 2 学年増加は死活問題です。
C 基金卒業生と面談
2 月 20~21 日
比日会館
・TUP を卒業したチェルシーは教師の卵。私立のクリスチャンス
クールで教えているものの、正式な資格を取るには後一歩。感謝
状を手作りして持って来てくれました。
→
・デラサール大学卒業のジャスティンは、アウトソーシングの会
社人事部アシスタントとして活躍中。
→
・エンジニアリング会社フルールで働くアーヴィンは、給料も少
しアップ、昨年のクリスマスに母に冷蔵庫をプレゼントしたとの
嬉しい報告がありました。
(一昨年は洗濯機でした!)→
エルダ財団との会議 2 月 22 日 エルダ財団会議室
フィリピンの貧困率は少しずつ改善されているものの、2014
年 25.8%
政府の教育改革により、小学校(G1~G6)、高校
はこれまでの 4 学年を中学校(G7~G10)とし、新たに高校 2
年(G11~G12)を加えて小中高 12 学年とするプロジェクトが
進行中。
これに伴いパガサでは、B 基金支援高校生をそのまま継続、
A 基金卒業生(G7)の 80 名を追加支援することを提案し、
了承されました。今後、高校教師の不足が懸念されます。
トクラサンセンター訪問
2 月 22 日
従来のトクラサンセンターの土地が転売されてしまい、トンドにセンターを移転。エルダ財
団としては、センター運営費用が多額であるため閉鎖を決定しました。2 月 22 日現在、セ
ンターに残っている子は 11 名、現場スタッフは子どもたちの落ち着き先を全力をあげて探
していました。
仮移転先センターを視察しましたが、騒音がひどく空気が汚染されていて、育ち盛りの子ど
もたちの生活の場としては問題が多く、閉鎖もやむをえないと感じました。
11 名中 2 人が養子に行き、3 人が『アイキャン』という日本の NGO 施設に入所できたことを
確認(4/13)。大学生のジェフリーはエルダの寮に入りました。知的障害のあるイレネ、モ
ンチンのその後が気がかりです。