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全国在宅療養支援診療所連絡会 第4回全国大会 プログラム別詳細
プログラム
ランチョンセミナー C
在宅医療における多職種の関わりと服薬に対する改善の取り組み
タイトル
~高齢者糖尿病におけるCureからCareへ~
共催
MSD株式会社
日時
平成28年7月3日 12:20-13:20
会場
第3会場(小ホール2)
座長
野田正治(野田内科小児科医院 院長)
演者
渡邊源市 (わたなべ内科クリニック 院長)
我が国では国民皆保険のもと、女性の平均寿命86歳(世界2位)、男性79歳(同8位)を実現するな
ど、世界でも類を見ない高水準の医療・介護制度を確立し、65歳以上の高齢者数は、2025年に
は3,657万人、2042年には3,878万人とピークを迎える予測である。その結果、世帯主が65歳以
上の単独世帯や夫婦のみの世帯が増加していく事になり、首都圏を中心に75歳以上の人口が急
速に増える事が見込まれている。
このような背景から厚生労働省においては、2025年(平成37年)を目途に、高齢者の尊厳の保
持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生
の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケア
システム)の構築を推進している。これはすなわち、その地域にある保健・医療・介護・福祉
の関係者が連携してサービスを提供するものであり、そのために必要な施設が整備され、地域
の保健・医療・介護・福祉の資源が連携、統合されて運営されることを目指している。
2006年4月から施行された改正介護保険では「地域包括支援センター」が新たに設置され、そ
の役割は、地域包括医療・ケアを推進することにある。今後は在宅医療・介護の環境整備がさ
企画趣旨・概要
らに推進され、地域における医療・介護の連携がますます重要視されていくと考えている。現
状では、訪問診療を提供している医療機関やそれに携わるスタッフの数も不足しており、連携
体制も十分とは言えない。
今回、名古屋市昭和区における在宅医療の取り組みと医師会員に行った【在宅医療に関するア
ンケート結果】から見えてきた多職種における連携の重要性について、事例をまじえてふれて
みたい。
また在宅患者では高齢者の割合が圧倒的に多く、
様々な疾患を治療、
管理していく必要がある。
とりわけ糖尿病の合併率は 15%程度であるとの報告がある。近年、糖尿病にともなう合併症と
して脳卒中や認知症が取りざたされており、高齢者における血糖管理の重要性がますます高ま
っている。多くの在宅患者で自分自身による注射や投薬に課題があり、血糖コントロールがう
まくいかないケースが多い。そのような患者に対する血糖コントロール目標の在り方や家族を
含む患者をとりまく関係者への負担の改善、年間 500 億円にも及ぶ残薬の改善への取り組みに
ついてもふれてみたい。
(敬称略)