認知症ケアパス一括.

知ってあんしん認知症
(函館市認知症ケアパス)
~認知症の相談から介護まで~
誰もが認知症になっても住み慣れた地域
で生き生きと暮らせるように,相談や介護
サービス等の活用についてまとめました。
別冊「函館市内介護保険事業所一覧」と
あわせてご覧ください。
函館市
目 次
1.認知症になっても安全・安心なまちを目指して・・・・・・・・・・・・・・・・1
2.認知症を理解しよう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
3.認知症についての相談先・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
4.状態に合わせた対応のために・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
5.認知症サポーターになりましょう!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
6.「自分でできる認知症の気づきチェックリスト」をやってみましょう!・・・・・16
・(巻末)認知症の症状とケアの流れ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
1.認知症になっても安全・安心なまち
を目指して
(1)認知症高齢者の現状と推計
厚生労働省によると,全国の認知症高齢者(※)は,2012年(平成24
年)には約462万人,2025年(平成37年)には約700万人にまで
増加すると推計されています。
これは,65歳以上高齢者の5人に1人が認知症になるという数字です。
函館市においては,平成26年の状況をもとに37年までの認知症高齢者
数を推計した結果,平成29年は10,815人,平成37年は12,135人
と,増加が続くと見込まれます。
※要介護(要支援)認定者のうち,日常生活自立度がⅡ以上(日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の
困難さが多少見られても,誰かが注意していれば自立できる状態)と判定された者
函館市における認知症高齢者の将来推計
15,000
65歳以上
人口の
65歳以上
人口の
12.0%
14.2%
10,000
9,959
5,000
10,294
10,552
10,815
11,549
12,135
H27
H28
H29
H32
H37
0
H26
認知症高齢者等(人)
資料)第7次函館市高齢者保健福祉計画・第6期函館市介護保険事業計画(H27~H29)
認知症は誰でもかかる可能性
のある身近な病気です。
市民一人ひとりが認知症を正
しく理解し,認知症の人と家
族が安心して生活できる地域
をつくることが大切です。
1
2.認知症を理解しよう
(1)認知症とは?
認知症とは,脳の細胞が壊れることにより,日常生活に支障をきたす身
近な病気です。
いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまい,神経のネットワークが壊れ
てしまうことによって脳の働きが悪くなり,記憶障害や理解・判断力の低
下など様々な症状が現れます。
認知症を正しく理解することにより,早期発見・早期診断につながり,
早期から適切な治療や介護サービスを受けることで,認知症の症状の進行
を遅らせることが期待できます。
○老化による物忘れと認知症の違い
老化による物忘れ
認知症の物忘れ
・ご飯のメニューなど体験の一部を忘れる。
・ご飯を食べたことなど体験したこと自体を
忘れる。
・物忘れを自覚している。
・物忘れの自覚に乏しい。
・時間,場所,人との関係がわかる。
・時間,場所,人との関係がわからなくなる。
・判断力の低下はみられない。
・判断力が低下する。
・日常生活に支障はない。
・日常生活に支障が出る。
○認知症のサイン(例)
・同じことを何度も言ったり聞いたりする。
・物の置き忘れ,紛失が多くなった。
・以前にはあった関心や興味が失われている。
(例:毎週見ていたドラマのストーリーが理解できず,見なくなった)
・慣れているところで道に迷った。
・今までできていた仕事や家事がこなせなくなった。
2
(2)認知症を引き起こすおもな病気
認知症は,大きく分けて治るものと治らないものがあります。
治る認知症の代表例は,甲状腺機能低下症やビタミンB12の欠乏症,慢性硬
膜下血腫等による認知症があげられます。このような治療可能な認知症は1割
程度と言われています。
治らない認知症としては,アルツハイマー型認知症が一番多く,全体の約6
割,次に脳血管性認知症が約2割,続いてレビ-小体型認知症,前頭側頭葉型
認知症などがあります。
○アルツハイマー型認知症
・脳の神経細胞が少なくなり,脳全体が萎縮します。
・物忘れから始まり,進行していくうちに物事の判断が難しく
なり,ミスが重なったり,時間や人,場所がわからなくなる
など,生活で支障が出てくるようになります。
・比較的女性に多く見られます。
○レビー小体型認知症
・「レビー小体」と呼ばれる特殊なタンパク質により脳の神経
細胞が死んで脳全体が萎縮します。
・アルツハイマー型認知症やパーキンソン病に似た症状が見ら
れますが,初期には物忘れが目立たないほか,目に見えない
ものが見えたり(幻視),薬や環境の変化に非常に敏感であ
るという特徴があります。
○脳血管性認知症
・脳梗塞,脳出血,脳動脈硬化などにより脳の血管がダメージ
を受け,一部の神経細胞が死んだり,神経細胞のネットワー
クが破壊されたりします。
・一部の記憶が保たれる「まだら」の症状が特徴的ですが,麻
痺などの身体症状が見られることもあります。
・比較的男性に多く見られます。
○前頭側頭葉型認知症(ピック病)
・脳内で理性をつかさどる前頭葉と,記憶に重要な関わりを持つ海馬と結びつ
いている側頭葉に萎縮が見られます。
・初期には物忘れが目立ちませんが,隣家の花を盗んだり,店の食品をその
場で食べてしまうなどの驚くような行動のほか,急に性格が変わったと感
じられることもあります。
3
(3)認知症の症状
脳の細胞が壊れることによって起こるもので,程度の差はありますがすべ
ての認知症の人に出現する中核症状と,本人がもともと持っている性格や環
境など様々な要因が絡み合って出たり出なかったりする行動・心理症状
(BPSD)があります。
行動・心理症状(BPSD)
うつ
睡眠障害
・興味,関心が低下する
・夜眠れなくなり,昼夜が逆転する
異食
興奮・暴力
・食べられないものを食べようとする
・大声をあげたり暴力をふるう
中 核 症 状
理解・判断力の低下
記憶障害
・考えるスピードが遅くなる
・新しいことが覚えられない
・体験や出来事を忘れる
実行機能障害
見当識障害
・時間や場所がわから
ない
・近所で迷子になる
・段取りが立てられない
・言葉がうまく使えない
幻覚
徘徊
・見えないものが見えた
り,聞こえたりする
妄想
・目的もなく無意識に歩き
回る
・現実には起きていないこ
とを信じて疑わない
これも知っておこう! 軽度認知障害(MCI)
認知症ではない方と認知症の方の中間にあたる症状に,軽度認知障害があります。軽度認
知障害とは,認知機能(記憶,決定,理由づけ,実行など)のうち1つの機能に問題が生じては
いますが,日常生活には支障がない状態のことです。放置すると,認知機能の低下が続き,5
年間で約50%の人は認知症へ進行すると言われています。一方,この状態に長期間とどまっ
たり,正常に戻る人もいます。
この段階で脳の活性化を図ることや,運動習慣を身につけることは認知症の予防に非常に重
要です。
4
(4)認知症予防のために心がけて欲しいこと
いかに認知症発症のリスクを少なくするかが大事です。
生活習慣病の予防と改善
•
生活習慣病(高血圧・高脂血症・糖尿病など)
の予防・改善は日常生活を見直すことが重要で
す。
<例えば>
・野菜,魚介類,果物を中心に塩分を控えた栄養
バランスの良い食生活
・生活習慣病の予防のための適度な運動を継続的
に行う
適度な運動と休養
普段から1日に30分程度のウォ-キングや水泳
などの有酸素運動を行うこと,睡眠のリズムを整え
ることが効果的と言われています。
<例えば>
・昼寝をする場合は短く(午後1~3時の間に30
分程度)
・夕方の時間(午後4時前後)に適度な運動を行う
脳の活性化を図る
普段から日常の家事や自分の身の回りのことは,
できるだけ自分で行うことが大切です。
また,できる限り家族や友人と楽しい会話を毎日
できるように心がけることも大切です。
新しいことをしてみるのもよいとされています。
<例えば>
・計画を立てて行動する(旅行・散歩など)
・植物や動物の世話をする(園芸など)
・頭を使うゲームをする(囲碁・将棋・麻雀・トラ
ンプなど)
5
(5)認知症の治療
認知症は徐々に進行する病気ですが,早くから認知症に気づき,医療機
関を受診して薬による治療(薬物療法)を受けることにより,進行をゆる
やかにすることができる場合があります。
また,デイサービス等での他人とのコミュニケーションやゲームなどに
より,家庭生活にはない刺激を与え,頭や心の活性化を図る方法(非薬物
療法)もあります。
いずれにしても,早期から適切な治療を受けて病気の進行を遅らせるこ
とにより,ご家族と一緒に過ごす時間を長くすることや,介護者の負担を
軽減することが期待できます。
軽
時間の流れと認知症の症状
認
知
症
の
症
状
加齢による物忘
れ
治療した場合
治療しない場合
(アルツハイマー型認
知症)
重
時間の流れ
認知症は,早期診断・早期治療が大切です!
①治療すれば治る認知症があります。
②認知症発症後のことを本人の意思や希望により決めることができ
ます。
③家族の方が介護についての情報を集めるなど,早くから準備する
ことができるため,本人の生活の質を維持できます。
6
3.認知症についての相談先
(1)「まず身近なところで相談」とお考えの方
相
談
○市役所の相談先
あれ?と思ったら,お気軽にご相談ください。
・認知症についての相談
相 談 機 関 名
所 在 地
電 話
函館市保健福祉部高齢福祉課
介護予防・認知症担当
東雲町4-13
21-3081
市立函館保健所東部保健事務所
(東部4支所管内)
新浜町156-1
86-3033
・介護している家族のための相談
相 談 機 関 名
函館市保健福祉部高齢福祉課
家族介護支援担当
所 在 地
電 話
東雲町4-13
21-3065
・介護保険や福祉サービスについての相談
相 談 機 関 名
所 在 地
電 話
函館市保健福祉部高齢福祉課
高齢者・介護総合相談窓口
東雲町4-13
21-3025
函館市福祉事務所亀田福祉課
介護・高齢・障がい相談窓口
美原1-26-8
45-5482
7
○お住まいの地域の相談機関
・高齢者あんしん相談窓口 地域包括支援センター
高齢者の身近な相談窓口として,「高齢者あんしん相談窓口 地域包括
支援センター」を設置しています。
保健師・社会福祉士・主任ケアマネジャーが中心となり,高齢者が
住み慣れた地域で安心して暮らせるよう総合的な支援を行います。
地 区
包括支援センター名称
所 在 地
電 話
西部
あさひ
旭町4-12
27-8880
中央部第1
こん中央
松風町18-14
27-0777
中央部第2
ときとう
時任町35-24
33-0555
東央部第1
ゆのかわ
湯川町3-29-15
36-4300
東央部第2
たかおか
高丘町3-1
57-7740
北東部第1
西堀
中道2-6-11
52-0016
北東部第2
亀田
昭和1-23-8
40-7755
北東部第3
神山
神山1-25-9
76-0820
北部
よろこび
桔梗1-14-1
34-6868
東部
(4支所管
内)
社協
浜町538-2
82-4700
ブランチかやべ
川汲町1520
25-6034
※ブランチ:各種相談を受け付け,地域包括支援センターにつなぐ窓口です。
○その他の相談機関
相 談 機 関 名
所 在 地
函館市社会福祉総合相談センター
(函館市社会福祉協議会)
・認知症相談(第2,4木曜 10~15時)
函館認知症の人を支える会
(赤とんぼの会 毎週木曜 10~15時)
若松町33-6
(総合福祉セン
ター)
電 話
23-8969
27-4060
※「函館認知症の人を支える会」は,認知症の介護経験者やその理解者の会です。
8
(2)「医療機関の受診」をお考えの方
○かかりつけ医
日頃お世話になっているかかりつけの先生に,
気軽にご相談ください。場合によっては,専門の
医療機関を紹介していただくことも必要でしょう。
○認知症疾患医療センター
かかりつけ医や地域包括支援センターなどと連携を図りながら,認知
症の鑑別診断,急性治療,医療相談等の認知症専門医療を提供します。
医 療 機 関 名
所 在 地
電 話
亀田北病院
認知症疾患医療センター
石川町191-4
0120-
010-701
富田病院
認知症総合医療センター
駒場町9-18
52-1101
函館渡辺病院
認知症疾患医療センター
湯川町1-31-1
0120-
596-676
・ 受診の際は,予約が必要な場合がありますのであらかじめ
各医療機関にご確認ください。
・ 医療機関によって検査の種類や内容が異なります。
(医療機関は五十音順に掲載しています。)
認知症を正しく理解し,
認知症の人や家族を温かく見守る
「認知症サポーター」
を養成しています。
詳しくは市役所(P. 15)へ
お問い合わせください。
9
○その他認知症について相談できる医療機関
精神神経科,神経内科,脳神経外科等を標榜して
いる医療機関のうち,認知症の相談ができる医療機
関として了承を得た医療機関を掲載しています。
医療機関名
標榜診療科
所 在 地
電 話
伊藤メンタルクリニック
精神神経科
駒場町6-10
54-6600
かとうメンタルクリニック
精神神経科
日吉町1-14-1
33-7000
五稜郭メンタルクリニック
精神神経科
杉並町23-15
31-7771
中島内科循環器科
メンタルクリニック
精神神経科
大森町19-13
22-4357
函館市医師会病院
神経内科
富岡町2-10-10
43-6000
函館新都市病院
脳神経内科
石川町331-1
46-1321
函館西部脳神経クリニック
神経内科
脳神経外科
豊川町2-4
26-1029
函館脳神経外科病院
脳神経外科
神山1-4-12
53-6111
ピュアこころのクリニック
心療内科
精神科
大川町8-24
83-8668
みなと内科脳外科医院
脳神経外科
亀田港町38-15
62-3385
ゆのかわメンタルクリニック
精神神経科
湯川町1-29-11
59-3331
・ 受診の際は,予約が必要な場合がありますのであらかじめ
各医療機関にご確認ください。
・ 医療機関によって検査の種類や内容が異なります。
(医療機関は五十音順に掲載しています。)
10
4.状態に合わせた対応のために
ご本人の状態が,認知症の疑いから,認知症を発症し日常生活に支障を
きたすようなときに,その進行状況に応じて,いつ,どこで,どのような
医療および介護などのサービスを利用したらよいか,また,認知症の人や
その家族に対し,どういう支援体制があるかをお知らせするものです。
(1)正常~認知症の疑いのとき
ご本人の様子(例)
・人の名前など物忘れが増えたり,捜し物が多くなる。
・新しいことが覚えにくくなる。
・買い物や預貯金の管理,書類の作成や各種手続などができる。
・食事の支度や入浴など,日常生活は自立している。
心がけておきたいこと
・ご家族の対応
・認知症に対する正しい知識や理解を深めておきましょう。
・認知機能の低下を防ぐため,運動をするほか,規則正しい生
活を心がけましょう。
・介護予防教室やボランティアなど,地域活動に参加しましょう。
・今後の生活(財産管理や介護など)について,話し合いましょう。
・ただの物忘れと思わず,積極的に相談したり検査を受けましょ
う。家族の気づきが早期診断,早期治療につながります。
主な相談先
主なサービス
・支援体制
・市役所(P.7)
・高齢者あんしん相談窓口 地域包括支援センター(P. 8)
・かかりつけ医等医療機関(P. 9)
・各種教室,老人クラブ,サークル活動など
・「だれでも認知症カフェ」「物忘れカフェ」(どなたでも参加できる
集いの場です)
・高齢者向け住宅(サービス付高齢者住宅,高齢者下宿など)
有酸素運動など,
認知症の予防によいとされて
いることが,テレビ等で
たくさん紹介されています。
チャレンジしてみましょう!
11
(2)認知症の初期段階(軽度)のとき
ご本人の様子(例)
※認知症の種類により
症状は異なるため,
すべてがあてはまる
わけではありません
心がけておきたいこと
・ご家族の対応
主な相談先
主なサービス
・支援体制
・同じことを何度も言ったり聞いたりする。
・いつもの場所にしまえない。また,しまった場所を忘れる。
・元気ややる気がない。うつ状態。
・レジで小銭の計算ができず札で支払うため,小銭がたまる。
・料理の味付けが変わる。鍋をよく焦がす。
・車の運転が下手になったり,携帯などの操作が苦手になる。
・これまでできたことにミスが見られるが,日常生活はほぼ自立
している。
・医療や介護について学びましょう。特に,早期診断のため,
認知症専門の医療機関に相談したり,迅速に介護保険サービ
スを利用できるよう,要介護認定を受けましょう。
・認知症の症状に対する正しい対応を知りましょう。
・本人が失敗によって自信を失わないよう,手助けしましょう。
・介護保険サービスの利用を検討しましょう。デイサービス等で
入浴介助が受けられるほか,他利用者との交流がよい刺激と
なることがあります。また,自宅での生活を手助けするヘル
パーなどを利用し,家族の負担を軽減しましょう。
・同じ悩みを持つ家族などの集まりの場で,話を聞いたり聞いて
もらったりしましょう。
・市役所(P.7)
・高齢者あんしん相談窓口 地域包括支援センター(P. 8)
・函館認知症の人を支える会(P. 8)
・認知症疾患医療センター等医療機関(P. 9)
・居宅介護支援事業所※1(別紙介護保険事業所一覧より)
・訪問介護,訪問看護,訪問リハビリ等の訪問系サービス
・デイサービス等の通所系サービス
・配食サービス,寝具乾燥サービス
・緊急通報システム
・「だれでも認知症カフェ」「物忘れカフェ」
※1 ご本人が適切な介護保険サービスを利用できるよう,
相談に応じて調整を行う「ケアマネジャー」がいるところです。
認知症の進行を遅らせる薬は,早く投与
するほど,効果が期待できます。
おかしいなと思ったら,できるだけ早く
医療機関を受診することが大切です!
12
(3)認知症の中期段階(中等度)のとき
ご本人の様子(例)
心がけておきたいこと
・ご家族の対応
主な相談先
主なサービス
・支援体制
・5分前のことを忘れる。
・服薬管理ができない。
・電話や訪問者の対応が一人では難しい。
・時間や季節の感覚が薄れる。自分の年齢がわからない。
・道に迷う。徘徊が多くなる。
・「物を盗られた」など妄想が多くなる。
・着替えやトイレがうまくできない。
・すぐ興奮し,怒りやすい。暴言,暴力も。
・誰かの見守りや手助けにより日常生活をおくることができる。
・介護保険サービスを複数組み合わせるなど,上手に利用して,
家族の負担を軽減しましょう。
・同じ悩みを持つ家族などの集まりの場で,話を聞いたり聞いて
もらったりしましょう。
・できないことが増えてきて,ご本人も失敗を自覚しています。
プライドを傷つけない対応を心がけましょう。
・在宅での見守りが難しくなってきたら,施設も検討しましょう。
・市役所(P.7)
・高齢者あんしん相談窓口 地域包括支援センター(P. 8)
・認知症の人を支える会(P. 8)
・認知症疾患医療センター等医療機関(P. 9)
・居宅介護支援事業所(別紙介護保険事業所一覧より)
・訪問介護,訪問看護,訪問リハビリ等の訪問系サービス
・デイサービス等の通所系サービス
・ショートステイ等の宿泊系サービス
・福祉用具貸与サービス
・グループホーム,介護付有料老人ホーム等の施設系サービス
・「だれでも認知症カフェ」「物忘れカフェ」
見守りや手助けなど,介護する方
の負担が増えてくる時です。
負担や悩みを抱え込まず,小さな
ことでもケアマネジャーや,上記
相談先に相談しましょう!
13
(4)認知症の後期段階(重度)のとき
ご本人の様子(例)
心がけておきたいこと
・ご家族の対応
主な相談先
主なサービス
・支援体制
・着替えや入浴が一人でできなくなる。
・箸が使えないなど食事が一人でできなくなる。
・食べ物でないものを口に入れる。(異食)
・自宅内のトイレの場所がわからなくなる。
・尿意や便意を感じなくなる。排泄の失敗。
・痛みや体調の悪さを感じにくくなり,病気を訴えられない。
・まわりとの人間関係がわからなくなる。
・表情が乏しい。言葉でのコミュニケーションが難しくなる。
・(終末期)ほぼ寝たきりとなり,意思の疎通が難しい。
・日常生活で常に介護が必要となる。
・家族だけでの介護が難しくなってきます。介護保険サービスを
利用するほか,施設入所も視野に入れ,ケアマネジャーとよく相
談しましょう。
・同じ悩みを持つ家族などの集まりの場で,話を聞いたり聞いて
もらったりしましょう。
・ご本人にとってどのような終末期を迎えるのがよいか,家族や
まわりの方と話し合いましょう。
・市役所(P.7)
・高齢者あんしん相談窓口 地域包括支援センター(P. 8)
・認知症の人を支える会(P. 8)
・認知症疾患医療センター等医療機関(P. 9)
・居宅介護支援事業所(別紙介護保険事業所一覧より)
・訪問介護,訪問看護,訪問リハビリ等の訪問系サービス
・デイサービス等の通所系サービス
・ショートステイ等の宿泊系サービス
・福祉用具貸与サービス
・グループホーム,介護付有料老人ホーム等の施設系サービス
・「だれでも認知症カフェ」「物忘れカフェ」
身体の機能が弱くなり,
体調をくずしやすくなります。
終末期の医療についても,
経験者のお話を聞くことで
参考になることがあるでしょう。
14
5.認知症サポーターになりましょう!
ご近所の人や商店街,郵便局,銀行,交番など地域で働く人たちが,
認知症について正しく理解し,認知症の人や家族が困ったときに手助け
してくれると,認知症になっても住み慣れた地域で安心して暮らしてい
くことができます。
認知症サポーターとは?
認知症について正しい知識をもち,認知
症の人や家族を温かく見守る応援者のこと
です。
認知症サポーターになるには?
「認知症サポーター養成講座」を受講してくださ
い。
10名程度の人が集まる,町内会や会社,サーク
ルなどの集まりにあわせて講座を無料で開催してい
ます。認知症に興味のある方であればどなたでも申
し込みができます。
講義時間は60分から90分程度です。
受講者には,認知症の証である「オレンジリン
グ」が配付されます。
函館市では約9千人(平成28年3月末現在)の方
が認知症サポーターになっています。
お申込方法・開催日程等は,函館市保健福祉部高
齢福祉課(℡21-3081)までお気軽にお問い
合わせください。
ひとりでも多くの人が認知症の人や家族の応
援者になることが,認知症になっても安心して
暮らしていけるまちづくりの第一歩です。
15
6.「自分でできる認知症
の気づきチェックリスト」を
やってみましょう!
最もあてはまるところに○をつけてください。
自分でできる
認知症の気づきチェックリスト
チェック①
財布や鍵など,物を置いた場所がわからなくなること
がありますか
チェック②
5分前に聞いた話を思い出せないことがありますか
チェック③
周りの人から「いつも同じ話を聞く」などのもの忘れが
あると言われますか
チェック④
今日が何月何日かわからないときがありますか
チェック⑤
言おうとしている言葉が,すぐに出てこないことがあり
ますか
まったく
ない
ときどき
ある
頻繁に
ある
いつも
そうだ
1点
2点
3点
4点
1点
2点
3点
4点
1点
2点
3点
4点
1点
2点
3点
4点
1点
2点
3点
4点
※このチェックリストの結果はあくまでもおお
よその目安で医学的判断に代わるものではあり
ません。認知症の診断には医療機関での受診が
必要です。
※身体機能が低下している場合は点数が高くな
る可能性があります。
16
「ひょっとして認知症かな?」気になり始
めたら自分でチェックしてみましょう。
※ご家族や身近な方がチェックすることもできます。
最もあてはまるところに○をつけてください。
問題なく
だいたい
あまりで
できる
できる
きない
チェック⑥
貯金の出し入れや,家賃や公共料金の支払いは
一人でできますか
1点
2点
3点
4点
チェック⑦
一人で買い物に行けますか
1点
2点
3点
4点
チェック⑧
バスや電車,自家用車などを使って一人で外出で
きますか
1点
2点
3点
4点
チェック⑨
自分で掃除機やほうきを使って掃除ができますか
1点
2点
3点
4点
チェック⑩
電話番号を調べて,電話をかけることができます
か
1点
2点
3点
4点
(出典:東京都福祉保健局高齢社会対策部在宅支援課認知症支援係「知って安心認知症」より)
チェックしたら,
①から⑩の合計を計算
合計点
20点以上の場合は,認知機能や社会生活に
支障が出ている可能性があります。
7ページに紹介している医療機関や相談機関に
相談してみましょう。
17
点
できない
認知症の症状とケアの流れ
認知症の症状とケアの流れ 認知症は少しづつ進行し,症状が変化していきます。家族や周囲が認知症を理解して,上手にご本人に対応していくことが大切です。
(原因疾患や身体状況によって経過が異なりますので,この通りの経過をたどるわけではありませんが,今後の介護や対応の目安として下さい。)
認知症の段階
正常な状態
軽度認知障害(MCI)
・人の名前など物忘れが増えたり,捜し物が多くなる。
・新しいことが覚えにくくなる。
・買い物や預貯金の管理,書類の作成や各種手続などが
できる。
本人の様子 ・食事の支度や入浴など,日常生活は自立している。
【MCIとは】
正常と認知症の中間の状態
ご家族の心
構えや準備
・認知症に対する正しい知識や理解を深めておきましょう。
・認知機能の低下を防ぐため,運動をするほか,規則正し
い生活を心がけましょう。
・介護予防教室やボランティアなど,地域活動に参加しま
しょう。
・今後の生活(財産管理や介護など)について話し合いま
しょう。
・ただの物忘れと思わず,積極的に相談したり検査を受け
ましょう。家族の気づきが早期診断,早期治療につながりま
す。
初 期
中 期
後 期
認知症を有するが日常生活は自立
誰かの見守りがあれば日常生活は自立
常に介護が必要
・同じことを何度も言ったり聞いたりする。
・いつもの場所にしまえない。また,しまった場所を忘れる。
・元気ややる気がない。うつ状態。
・レジで小銭の計算ができず札で支払うため,小銭がたまる。
・料理の味付けが変わる。鍋をよく焦がす。
・車の運転が下手になったり,携帯などの操作が苦手になる。
・これまでできたことにミスが見られるが,日常生活はほぼ自立している。
・5分前のことを忘れる。
・服薬管理ができない。
・電話の応対や訪問者の対応等が1人では難しい。
・時間や季節の感覚が薄れる。自分の年がわからない。
・道に迷う。徘徊が多くなる。
・「物を盗られた」など妄想が多くなる。
・着替えやトイレがうまくできない。
・すぐ興奮し,怒りやすい。暴言,暴力も。
・誰かの見守りや手助けにより日常生活をおくることができる。
・着替えや入浴が一人でできなくなる。
・箸が使えないなど食事が一人でできなくなる。
・食べ物でないものを口に入れる(異食)。
・自宅内のトイレの場所がわからなくなる。
・尿意や便意を感じなくなる。排泄の失敗。
・痛みや体調の悪さを感じにくくなり,病気を訴えられない。
・まわりとの人間関係がわからなくなる。
・表情が乏しい。言葉でのコミュニケーションが難しくなる。
・ほぼ寝たきりとなり,意思の疎通が難しい。
・医療や介護について学びましょう。特に,早期診断のため,認知症専門の医療機関
に相談したり,迅速に介護保険サービスを利用できるよう,要介護認定を受けましょ
う。
・認知症の症状に対する正しい対応を知りましょう。
・本人が失敗によって自信を失わないよう,手助けしましょう。
・介護保険サービスの利用を検討しましょう。デイサービス等で入浴介助が受けられる
ほか,他利用者との交流がよい刺激となることがあります。また,自宅での生活を手
助けするヘルパーなどを利用し,家族の負担を軽減しましょう。
・同じ悩みを持つ家族などの集まりの場で,話を聞いたり聞いてもらったりしましょう。
・介護保険サービスを複数組み合わせるなど,上手に利用して,家族の負担を軽減し
ましょう。
・同じ悩みを持つ家族などの集まりの場で,話を聞いたり聞いてもらったりしましょう。
・できないことが増えてきて,ご本人も失敗を自覚しています。プライドを傷つけない対
応を心がけましょう。
・在宅での見守りが厳しくなってきたら,施設も検討しましょう。
・家族だけでの介護が難しくなってきます。介護保険サービスを利用するほか,施
設入所も視野に入れ,ケアマネジャーとよく相談しましょう。
・同じ悩みを持つ家族などの集まりの場で,話を聞いたり聞いてもらったりしましょ
う。
・ご本人にとってどのような終末期を迎えるのがよいか,家族やまわりの方と話し
合いましょう。
高齢者あんしん相談窓口函館市地域包括支援センター
相談
市の認知症相談など
認知症ガイド
(要介護認定後)ケアマネジャー
健康増進・介護予防教室・ボランティア活動.
生涯学習活動
予防
老人クラブ等活動
かかりつけ医
医療
健診
訪問診療・訪問看護
認知症を診断できる医療機関
認知症疾患医療センター
通所系介護サービス
訪問系介護サービス
ショートステイ
身体介護
小規模多機能型・複合型サービス
福祉用具貸与
訪問入浴介護
食の自立支援サービス
生活支援
寝具乾燥サービス
在宅福祉ふれあい事業(訪問安否確認サービス,家事援助サービス,訪問理容美容サービス,会食・茶話会の開催)
高齢者向け住宅(サ高住,下宿等)
グループホーム,介護付き有料老人ホーム
住まい
介護老人保健施設,特別養護老人ホーム
日常生活自立支援事業
権利擁護
成年後見制度
認知症サポーター養成講座
ぬくもりネットワーク(徘徊捜索)
その他
函館認知症の人を支える会(家族会)
認知症カフェ
18
知ってあんしん認知症
(函館市認知症ケアパス)
平成28年4月発行
発行/函館市保健福祉部高齢福祉課
〒040-8666 函館市東雲町4番13号
電話 0138-21-3081(介護予防・認知症担当)