SURE: Shizuoka University REpository http://ir.lib.shizuoka.ac.jp/ Title Author(s) Citation Issue Date URL Version 伊豆地域の貧困化と自治体財政への影響 : 伊東市と下田 市を中心に 川瀬, 憲子 地域研究. 1, p. 33-77 2010-03-30 http://doi.org/10.14945/00005072 publisher Rights This document is downloaded at: 2016-05-30T11:13:55Z 伊 豆地域の貧困化 と自治体財政 へ の影響 一 伊東市 と下 田市 を中心 に 一 川 瀬 憲 子 は じめに 本稿 は、2000年 代 に顕在化 した地域 間格差 の拡大 と貧困化 が地 方財政 にどの ような影響 を及 ぼ したのかについて、主 として静岡県内で も相対的に地域経済 の衰退 が著 しい伊豆地域 に焦点 をあてて分析 し、構造的要因 を明 らかにするこ とを目的 として い る。生活保護率 な どの指標 を取 ってみ ると、静岡県内では熱 海市、伊東市、下田市 の3市 が相対的 に高 い ことか ら、 これ まで この3市 を共同 研究 の対象 として取 り上 げて調査 を行 って きた 熱海市 については、すでに別 稿 で明 らかに して い るため、今 回 は伊東市 と下田市 を中心 に分析 を試み ること 1。 に した 2。 ところで、過去 10年 間 に地域経済 と地方財政 を取 り巻 く環境 は大 き く変化 し た。 グ ローバ ル化 の進行、サ ー ビス経済化、少子高齢化 の進 行 な どはめざまし い勢 いで進展 し、加 えて、新 自由主義的構造改革 によって地域間競争 が激化 し た。 この ことが、東京 一極集 中 と地域経済 の相対的衰退 に拍 車 をかけた といっ て もよい。 さ らに、国 と地方 の長期累積債務 が800兆 円を超 え、財政構造改革 の一環 として分権改革 が位置 づ けられ るようになった。 いわ ば分権改革 の受 け 1熱 海市、伊東市、下田市 に共通する点 として、温泉観光都市で地域経済 の衰退 と貧困化 とい う課 題 に直面 しつつ も、平成の大合併 にて単独 自治体 の道 を選択 した点 にある。下田市は合併協議会 を立 ち上 げたが、2009年 に解散 となっている。平成 の大合併 で合併 しない選択 をした小規模町 村の事例 としては、福島県矢祭町、岐阜県 白川村、宮崎県綾町などがある。いずれも地域固有財 を生か しつつ、少子高齢化対策 とい う点 での新 しい実践的試みで注 目されてい る。 なお、矢祭町につ いては根本良一・石 井一男 (2002)『 合併 しない宣言 の町・ 矢祭』 自治体研 究社、 自川村 については谷 口尚・ 鈴木誠 (2006)『 めざせ 日本 一美 しい村―世界遺産の村の自治 と自立の設計図 (岐 阜県 白川村 )』 自治体研究社、綾町 については浜 田倫紀 (2002)『「綾」 の共 育論一 自治公民館運動 を核 とした地域再生 への道』評言社 などを参照されたい。 2熱 海市の財政分析 につ いては、川瀬憲子・ 鳥畑与一 (2008)「 伊豆地域経済の面的再生 に向けた 『静岡大学経済研究 セ ンター研究叢書』第6号 を参照。 政策提言の試み」 -33- 皿 として推進 された平成 の大合併 による 自治体 の統合再編 によって、市町村数 は2000年 代初頭 の約 3200か ら、2010年 には1800弱 にまで減少 した。地域 の統合 再編 によって地域内での格 差 はさ らに拡大す ることとなった また、分権改革 の一 つ としてすすめ られた三位 一体 の改革 (2003年 -2006年 )に よって9兆 8000 3。 億 円もの国庫支出金 と地方交付税交付金 が削減 された。2007年 度 に3兆 円の税源 移譲 が完全実施 されたが、自治体財政の及 ぼされる影響 は多大 なもの となった 4。 こ うした状況下 で、2007年 6月 に夕張市 が財政再建団体 に陥 ったのを受 けて、 2008年 度 には 自治体財政健 全化法 が制定 され、実質公債費比率、連結実質赤字 比率 な どの新 たな指標 が用 い られ ることとなった。特 に、国民健康保険事業会 計、介護保険事業会計、公営病院事業会計、上下水道事業会計 な どの見直 しを 含 む財政健全化計画 が多 くの 自治体 で進 め られて いる。貧困化 が進 む一 方 で、 これ ら特別会計 の見直 しによって、国保料 (税 )な どの公共料金 が引 き上 げら れ、公営病 院 の統廃合 が加速 化すれ ば、 さらに貧困化 がすすむ とい う悪循環 に 陥 ることとなる。伊豆地域 では国保加入率 が高 く、公営病院 の依存度 も高 い た め、医療 0福 祉 な どの市民 ニ ーズヘの対応 を迫 られて い るのである。 地域再生 を考 える上で重 要 なのは、単 なる雇用創 出 とい う産業政策 のみ な ら ず、地域 のセ ー フティネ ッ トをいかに形成 しつつ、内発的発展 をすすめてい く のか といった視点 である 5。 地域経済、地域金融、地方財政 の動 向や地域再生 の 3平 成 の大合併 と自治体財政 の関係 に関 しては、拙著 (2001)『 市町村合併 と自治体 の財政』 自治 体研究社、拙稿 (2002)、 「地方交付税改革 と市町村合併一 『昭和 の大合併 』 と『平成の合併』の 『経済研究』静岡大学、7巻 1号 、2002年 7月 、拙稿 (2004)「 地方 自治制度 の 比較 を中心 として」 再編 と地方財政」重森暁・ 田中重博編『構造改革 と地方財政』自治体研究社、拙稿 (2005)「 1999 年合併特例法改正以降の大規模市町村合併 と地方財政一静岡市・清水市合併 の事例研究一」日本 地方財政学会編 『地方財政のパ ラダイ ム転換』勁草書房 な どを参照 されたい。 4拙 稿 (2008)「『三位 一体 の改革』 と政府間財政関係一 『平成 の大合併』 か ら地方財政健全化法制 『経済研究』静岡大学、2008年 1月 号、同 (2008)「 地方財政健全化 定 までの動 きを中心 として」 『経済研究』静岡大学、2008年 2月 号 な 法 と自治体財政 へ の影響―北海道市町村 の事例 を中心 に」 どを参照されたい。 域共同研究 としては、宮本憲一・ 川瀬光義編 (2010)『 沖縄論一平和・ 環境・ 自治 の島へ』岩 波書店、遠藤宏一編 (2008)『 環境再生 のまちづ くリー 四 日市か ら考 える政策提言』 ミネル ヴァ 書房、碇山洋・佐無田光・ 菊本舞編著 (2007)『 北陸地域経済学― 歴史 と社会 か ら理解 す る地域 経済』 日本経済評論社、宮本憲一・ 佐 々木雅幸編 (2006)『 沖縄21世 紀 へ の挑戦』岩波書店 など が参考 になる。北陸地域の共同研究 では、歴史 と産業集積 に着 目した内発的発展論、沖縄地域の 共同研究 では基地依存経済か らの脱 却 を目指 した内発的発展論、 さらにかつて4大 公害 で深亥Jな 影響 を受 けた四 日市の共同研究では、環境再生 をキーワー ドに地域再生論 が展開 されてい る。 伊豆地域共同研究 では、歴史文化・ 観光 とセ 早 フティネ ットをいかに発展 させて行 くのかが地域 再生 の課題 となる。格差・貧困 に関わ る研究 は数多 く出されているが、地域 セーフティネ ットに 関す る学際的地域共同研究 はほとん どな く、研究面 での意義 は大 きい。 5地 - 34 - 取 り組み について多面的 に検証 し、 自治体、企業、市民 t NPO共 同参画 による 政策 ビジ ョンを提示 す る必要 がある。量 か ら質 へ の転換 が求 め られ る時代 に基 礎 自治体 の果 たす役割 は どうあるべ きか、サ ス アイナブル 0シ ティヘ の転換 に むけて地域再生 はいかにあるべ きか、 その具体的な方策 を提示 して、新 たな提 言 を行 うことが求 め られて い るとい えよう。 そこで本稿 では、 こ うした一連 の研究 の一端 として、地域 セーフティネ ット の現状 について財政分析 を通 じて明 らかにして い くことに したい。 1 伊東市 と下田市の人 口 と産業構造 (1)伊 東市 の人 口 と産業構造の特質 伊東市 は、伊豆地域 の東 に位置 し、富士箱根国立公園 に市域 の半分 が含 まれ る豊 かな 自然 と温泉 を中心 とす る温泉観光都市 である。熱海市 と同様、 国際観 光温泉文化都市 としての特徴 を有 して い る。 ホテルや旅館 な どが数 多 く建 ち並 び、市南部 の伊豆高原 にはペ ンシ ョンや保養所 な どが多 く林立 し、美術館 な ど の文化施設 も豊富 である。歴史や文化遺産 にも恵 まれ、豊 かな地域固有財 を有 して い る。革新 自治体 の経験 もあ り、地域福祉や医療面 で も比較的充実 してい る といった特徴 を持 つ。 しか し、伊東市駅前 を中心 に市街地 の衰退 がすすみ、 生活保護率が静岡県内で第2位 であることか らもわかるように、貧困化 が進行 し て い る。 まず、基本的 な地域経済構造 を示す指標 として、伊 東市 の人 口 と産業別人口 の推移 についてみてお きたい。表 1は 、 1990年 か ら2006年 までの人 口の推移 を 示 したものである。2006年 現在 の伊東市人 口は約 7万 5000人 だが、 1990年 以降 漸増傾向を辿 っている。人 口動態 は大 き く自然動態 と社会動態 に分 けられるが、 自然動態 でみれば少子高齢化 の影響 を受 けて、 1993年 以降減少傾 向を示 し減少 幅 も徐 々に拡大 して い る。 しか し、社会動態 でみれば2000年 を除 いては プラス に転 じてお り、 その結果。人 口全体 では1990年 の7万 3000人 か ら2000人 程度増 加 して い る。 一 方、世帯数 でみ ると1世 帯 当た りの人 口が、 1990年 の2.6人 か ら2006年 には 2.2人 となってい る。高齢化 も着実 に進展 してお り、2000年 の65歳 以上の老年人 口比率 は2000年 に22。 5%で あったのが、2005年 には27。 2%に まで5ポ イ ン ト増加 している。熱海市 の場合 には、人 口全体 が減少傾 向を辿 り、高齢化率 が静岡県 内で最 も高 い31.8%(2005年 度 )と なって い ることと比 べ ると、比較的高齢化 - 35 - の進展 も緩やかである。2005年 現在 の静岡県 内市部 の順位 でみれ ば、熱海市、 下田市、伊豆市 に次 いで4位 となって い る。 表 1 伊東市人 口の推移 (1990-2006年 度 ) 単位 ;人 年度 1990 世帯数 世帯 当た り人 口 自然動態 2。 6 38 73,923 2。 6 95 74,070 2。 6 人口 27,905 73,443 1991 28,405 1992 28,851 社会動態 増減数 189 480 140 147 334 1993 29,252 74,338 2.5 35 1994 29,276 74,672 2.5 -45 379 92 103 -84 -16 31,847 74,821 2.3 -64 -70 -94 -153 -187 -137 2001 32,069 74,721 2.3 -171 71 -153 -100 2002 32,535 74,949 2.3 -171 399 228 2003 32,907 75,029 2.3 271 68 2004 33,347 75,348 2.3 2005 33,701 75,292 2.2 33,971 75,140 2.2 -203 -216 -290 -423 1995 30,100 74,700 2.5 1996 30,590 74,947 2.5 1997 30,923 75,090 2.4 1998 31,227 75,058 2.4 1999 31,600 74,974 2.4 28 247 237 143 -32 535 234 271 -56 -152 (資 料)伊 東市 (2006)『 伊東市統計書 (平 成18年 版』 により作成。 表 2は 、伊東市 にお ける2000年 と2005年 の伊東市産業別人 口について比較 し たものである 統計 の関係上、やや分類 が異 なって い るため、単純 な比較 はで 6。 きないが、第 1次 産業、第2次 産業、第 3次 産業比率 でみ る限 りそれ ほ ど構造 的 に変化 はみ られ ない。す で に第 1次 産業 は3%程 度 のシ ェア しかな く、第 2次 産 業 も18%か ら16%へ と徐 々にシェ アが低下 し、第 3次 産業 の比 率 が80%に も達 して い る。 工業統計調査 によれ ば1998年 の事業所数 は220件 であったが、2005 6『 伊東市統計書』各年度版 を参照。 - 36 - 年 には90程 度 にまで極端 に減少 し、従 業者数 も1700人 か ら1100人 程度 にまで減 少 して い る。 その意味 では、サ ー ビス経済化 が極度 に進展 した とみ ることもで きる。 ただ熱海市の場合 には、 さ らにサ ー ビス経済化 の進展 が著 しく、2000年 の段階 で第3次 産業比率 が85%に も達 して い る。 伊東市 の就業人 口全体 では、2000年 の3万 6000人 か ら2005年 の3万 4000人 にま で、約2000人 減少 して い る。人 口が漸増傾 向 にあることを考慮すれ ば、就業人 口の縮小 はのちにみ るように市財政 にも少 なか らずの影響 を及 ぼす こととなる。 2005年 の就業別人 口の構成 をみ ると、農業 が3%、 漁業 が1%し かな く、建設業 も12%、 製造業 も5%程 度 とな ってい る。 シェ アが最 も高 い のが飲食店 0宿 泊 業 で20%、 次 いで卸・ 小売業 18%、 その他 のサ ー ビス業 16%、 医療・ 福祉9%、 教育・ 学習支援業4%、 金融保険業、不動産業、公務 はそれぞれ2%程 度 になっ てい る。 2008年 の リーマ ンシ ョック以来、有効求人倍率 も大 き く減少 した。伊東市 で は2007年 12月 には有効求人倍率 は 26倍 であったが、2008年 12月 には 01倍 と 1。 1。 な り、就職率 も45.5%か ら39.7%に まで低下 した その うち一般 での就職率 は、 ら29.5%(2009年 12月 )に まで低下 し、 パー ト求人 に 7。 36.8%(2008年 12月 )か 比 べ ると一般求人 の落 ち込みが著 しい。パー ト求人 の 占める割合 は55%か ら62% で推移 して い る。 ハ ロー ワー ク伊東 出張所 での ヒア リング調査 による と、2006年 か ら2007年 に か けては中堅老舗旅館 が廃業 して経 営譲渡 が行 われ るといった事態が生 じ、 ゴ ル フ場従業員 が整理解雇 に追 い込 まれた。また、タクシー会社 が廃業す るといっ た状況 があった。オー プンしたばか りの民間所有の博物館 が閉鎖 とな り、 また プ リズム製造会社 では大幅 な労働時間 カ ットと賃金 カ ッ トが行 われて離職者 が 数多 く発生 した とい う。 さらに、旅館 ホテル業 の一般従業員 については、 これ までは繁忙期 を基準 に採用 して い たが、現在 では閑散期 を基準 に採用 し、繁忙 期 には臨時雇用、 パー ト、派遣 に切 り替 える事業者 が増 えて い る。低料金 で宿 泊で きるホテルや旅館 の進 出や既存 のホテルの系列化 によって、低 コス ト化 を 図 る動 きに拍車 がかかって い る。低価格 ホテル に対抗す るために老舗旅館 など では平 日を低料金設定 して い るために、平 日の稼働 は高 いがかえって土 日の利 用 が減少す るといった状況 も発生 して い る。伊東市内 の求人 は、宿泊・ 飲食関 連 と介護 。福祉関連 の業種 が大半 を しめてお り、観光名菓製造販売や水産加 工 7三 島公共職業安定所 『職業安定業務統計資料』2008年 12月 を参照。 - 37 - といった製造 業関連 はわ ず かに とどまって い る。 事業所 の規模別 で は300人 以上 の企 業 は伊豆急及 び伊豆急関連企業 だけで あ り、相対的 に零細 な業者 が多 い のが特徴的 である。統計 がゃ や古 い が、2001年 の従業者規模 区分 では事業所数5674の うち従業者 1∼ 4人 の事業所 が4015件 と大 半 を しめ、5∼ 9人 が970件 、 10∼ 19人 が419件 、20∼ 29人 が85件 、 30∼ 49人 が 72件 、50∼ 99人 が48件 、 100人 以上 は18件 となって い る 8。 表2 伊 東 市産 業別 人 口 (2000年 と2005年 ) % 単位 ;人 、‐ 20004F 2005年 2000生 F 36,181 総数 第 1次 産業 1,004 739 農業 林業 259 漁業 100% 総 数 3% 第 1次 産 業 2% 農業 0% 林業 1% 漁業 6,380 18% 20 0% 4,401 12% 1,959 5% 28,716 79% 電気・ガス0熱 供給・水道業 運輸・ 通信業 1,711 1% 5% 卸・ 小売・ 飲食店 9,312 26% 第2次 産業 鉱業 建設業 製造業 第3次 産業 793 2% 2% 15,058 42% 745 2% 0% 金融・ 保 険業 不動産業 その他のサ ー ビス業 公務 分類不能 の産 業 第 2次 産業 34,081 100% 248 3% 2% 0% 1% 5,604 16% 0% 鉱業 建設業 製造 業 第 3次 産業 4,004 12% 1,591 5% 27,354 80% 193 電気・ガス・熱供給0水 道業 運輸・ 通信 業 1,672 1% 5% ・ /Jヽ J竜 多口 6,203 18% 金 融・ 保 険業 646 不動産業 846 2% 2% 飲食店・ 宿泊業 6,686 20% 医療・ 福祉 3,055 教育・ 学習支援業 複合 サ ー ビス業 1,334 437 9% 4% 1% その他のサ ー ビス業 5,484 16% 798 2% 1% 公務 分類不能 の産 業 (資 料 )伊 東 市 『伊東 市統計書 (平 成 18年 度版』 に よ り作成 。 8伊 20054F 就業人 口 構成比 % 就業人 口 構成比 % 東市庶務課資料 による。 - 38 - 232 表 3は 、2001年 か ら2006年 までの伊東市 にお ける来遊観光客数 の推移 を示 し たものである。総数でみ る と、2001年 に約 704万 人 であった観光客 が2006年 に は682万 人 にまで約20万 人減少 して い ることが分 かる。 ただ、 日帰客が415万 人 か ら377万 人 にまで減少 して い るのに対 して、宿泊 客 は289万 人 か ら305万 人 に まで16万 人程度増加 してお り、 この点 は熱海市 の場合 と状況 が異 なる。 熱海市 の場合 には、2000年 に840万 人 であった観光客 は2005年 には750万 人程 度 にまで約 100万 人 も減少 し、312万 人 であった宿泊客 も2006年 には290万 人 と なって い る。ホテル・旅館 数 も2000年 の503件 か ら2005年 の378件 にまでわずか 5年 間 に120件 もの廃業 が相次 い だのである。 これに対 して伊東市 の場合 には、 入湯税対象旅館・ 寮件数 では、2002年 329件 か ら2006年 405件 にまで76件 も増 え 9。 てい るので あ る 表3 伊 東 市来 遊観光 客 の推移 (2001-2006年 ) 単位 ;人 年度 宿泊客 総数 日帰客 2001 7,038,600 2,892,200 4,146,400 2002 7,170,000 2,912,600 4,257,400 2003 7,041,600 2,988,500 4,053,100 2004 6,752,100 2,772,900 3,979,200 2005 6,941,100 2,940,200 4,000,900 2006 6,817,800 3,049,800 3,768,000 (資 料)伊 東市 『伊東市統計書 (平 成18年 度版』 により作成。 この ように、伊東市 では この数年間 に転入人 口が増 え、宿泊客 が増加す るの に伴 って、旅館・ 寮 の数 もまた増加 したものの、 その一 方 で就業人 口が減少傾 向 を示 して い る。旅館・ ホテルの低価格競争 のあお りを受 けて、 パー トや派遣 労働者 が増加す るな ど、雇用形態 も大 き く変化 した。 ホテルや旅館 では住み込 みの労働者 も多 く、解雇 されれ ば生活保護 申請 をせ ざるを得 ない状況 に追 い込 まれて い くこととなる。 また母子世帯 も多 く、離職後 も母子 ともに住み続 けて 求人 を待 つ ケース も少 な くない。地域経済 の構造転換 は貧困化 と密接 な関連 を もつ こととなる。 9伊 東市 『伊東市統計書 (平 成 )18年 版』参照。 - 39 - 表4は 、伊東市生活保護 の推移 を示 したものである。延生活保護世帯数 は2002 年 の8369世 帯 か ら2006年 には9543世 帯 に、 また延生活保護人員 は1万 1344人 か ら1万 2401人 にまで増加 して い る。 それ に伴 って、扶助費 も約 17億 円か ら19億 円近 くにまで2億 円も増加 して い る。 この点 について は財政分析 の ところで改め て触 れ ることとす る。 表4 伊東市生活保護 の推移 2002年 度 延生活保護世帯数 (世 帯 ) 延生活保護人員 (人 ) 2003年 度 2005年 度 2006年 度 8,369 9,024 9,328 9,662 9,543 11,344 12,235 12,783 12,918 12,401 保護 申請数 (件 ) 164 130 保護 開始 (件 ) 181 140 1,698,431 1,792,792 107 134 84 88 102 105 保護廃 止 (件 ) 扶助費 (千 円) 2004年 度 1,850,781 1,920,038 1,898,593 (資 料 )伊 東市 『伊東市統計書 (平 成 18年 度版』 よ り作成。 (2)下 田市人 口 と産 業構造 の特質 次 に、下 田市 の人 口 と産業構造 の特質 についてみてお きたい。下田市 は、伊 豆半島の二部東側 に位置 し、北 は天城連 山に連 なる山々、南 は約47kmに 及 ぶ美 しい景観 の海岸線 を有す るとい う地理的特徴 がある6黒 船 の来港以来 「開国 の まち」 として知 られ、 1934年 か ら現代 にいたるまで国際色豊 かな 「黒船際」 が 実施 されて きて い る。伊東市 と同様、豊 かな 自然 と恵 まれた歴史的特性 を生 か したまちづ くりがすすめ られている。伊東市 と同様、革新 自治体 の経験 を持 ち、 地域福祉 な どを充実 させ る施 策 が実施 されて きた。 : また、下田市の場合 には、駅周辺部 の衰退 が著 しい伊東市 と違 って、地域再 生 に向けたNPOの 活動 が盛んで ある。NPO下 田 にぎわ い社 中を中心 に、なま こ 壁 と伊豆石 を使 った民家が数多 く残 ってい ることか ら、歴史的町並み を生 か し たまちづ くりの実践的試 みが行われてい る10。 「花 の会」 による 「ハ ンギ ングバ ` ス ケ ッ ト通 り」 に力 を入れてお り、商店街 の空 き店舗率 は1900件 中74件 と、比 11。 いわ ば行政 に依存 しない市民主体 の まちづ くり 較的低 い数値 となって い る Ю NPO下 11下 田にぎわ い社中及 び下田市花協議会での ヒア リング調査 による。 田市商工会議所 ヒア リング調査 による。 1 - 40 - _ の典型的事例 とい える。 しか し、近年地域経済 の衰退 は著 しく、過疎化 が進行 してい る。 1961年 に伊 豆急行 が開通 して以来、観光客 が増 え続 けたが、 1985年 をピークに年間観光客 は3分 の1程 度 にまで減少 した。特 に水仙 まつ り、 あ じさい まつ り、黒船 まつ り には最盛期 には3日 間 で40万 人 か ら50万 人 ほ どの観光客 が訪れ ていたが、今 で は20万 人程度 となって い る 12。 これ までは伊豆地域南部 の中心都市 として、NTT や東京電力 の支社 が置 かれて い たが、 それ らが統廃合 とな り数百人規模 の雇用 者 が激減 した ことな ども地域経済 の衰退 に拍車 がかけられた。2006年 には伊豆 下 田バス が営業廃 止 とな り、南伊豆東海 バス 0新 東海 バス に事業譲渡 され ると いった問題 も発生 して い る。 表 5と 図1は 1990年 か ら2008年 までの人 口の推移 を示 したものである。伊東市 と比 べ ると、下田市 の人 口減少傾 向 は著 しく年 々減少 して い る。 自然動態 と社 会動態 についてはいずれ も減少 に転 じてい る。2001年 度 には 自然減 が107人 、社 会減 が64人 であったが、2005年 には 自然減 が147人 、社会減 が189人 にな り、人 口減少率 も年 々大 き くなっている。高齢化率 も高 く、下田市 の65歳 以上人 口の 比率 (2005年 )は 28.6%と 、静岡県内 の市部 では熱海市 (2005年 31.8%)に 次 いで高 い比率 となっている。 表5 下田市人 口の推移 (1990-2008年 度 ) 単位 ;人 年度 人口 年度 人口 年度 人口 2004 27,093 1990 30,081 1997 28,605 1991 30,135 1998 28,330 2005 26,945 1992 29,445 1999 28,193 2006 26,708 1993 29,326 2000 27,798 2007 26,365 1994 29,127 2001 27,722 2008 25,869 1995 29,103 2002 27,559 1996 28,812 2003 27,373 注 )年 度末 の住民 基本 台帳人 口 (資 料 )下 田市市民課資料 に よ り作成。 2下 田市観光協会 ヒア リング調査 による。 -41- 図 1 下田市 の人 口の推移 く 31000 30000 29000 28000 27000 20000 25000 24000 23000 が ずず が が ぶ ぽがずが 年度 (資 料 )下 田市市民課資料 に よ り作成。 表 6に よ り1995年 か ら2005年 までの下田市産 業別人 口の推移 についてみ る と、 雇用者総数 では1995年 か ら2000年 までに約 1万 5400人 か ら約 1万 3800人 へ と1600 人程度 の減少 とな り、2000年 か ら2005年 までに約 1万 2900人 へ とさらに900人 程 13:産 度減少 した 業別 では最 も雇用減少率が著 しいのが製造業 であ り、電気・ ガ ス・ 水道業、運輸・ 通信業で も3割 以上減少 して い る。農業 につい ては1995年 の従業者 が545人 か ら2005年 には391人 とな り、漁業・ 水産業 も418人 か ら309人 へ と大幅 に減少 して い る。第3次 産業 で も卸 0小 売業 が1995年 の約4200人 か ら 2005年 には2800人 に、その他サ ー ビス業 も5800人 か ら3800人 にまで2000人 も減 少 した。 2005年 の産 業別構成比 をみ る と、第 1次 産業 のシ ェ ア は農業 と漁 業 0水 産業 を合わせ ても6%程 度 である。第2次 産業 については13%で あるが、 この うち建 設業 が11%と 大半 をしめ、製造業 はわ ず か3%程 度 である。 これに対 して第 3次 産業 が80%と 、サ ー ビス経済 の割合 が きわめて高 い産業構造 になって い る。 こ れ らの数値 は、熱海市や伊東市 ともほぼ共通 してい る。第3次 産業の中で比較的 (22%)で あ り、 これ に飲食店・ 宿泊業 金融保険業 (2%)と 続 いてい る。就業者数 でい 高 いシェアを有するのは、卸・ 小売業 (18%)、 運輸通信業 (4%)、 えば、約 1万 2900人 の うち、約 1万 500人 が第3次 産業 に従事 してお り、約2800人 Bい ずれ も国勢調査 による統計値。 - 42 - が卸・ 小売業、約2300人 が飲食店・ 宿泊業、建設業従事者 は約 1380人 とい った 構 図 になっている。 下田市商工会議所 での ヒア リング調査 によれ ば、 これ までは中小企業支援セ ンターで の コー ディネ ー タを雇用 して い たが、財政健全化 による集 中改革 プラ ンの影響 を受 けて、廃止 とな り、中小企業支援 が あま り果 たせ な くなってい る 14。 とぃ ぅ 第3次 産業 は、就業人 口の うち約8割 をしめるが、 さらに その うち7害 J が観光関連 の雇用 である。 来遊客数の推移 をみ ると、2004年 を底辺 として宿泊人員 はやや上 向 きになっ てお り、2005年 には105万 人、2006年 には118万 人、2007年 には119万 人 と増加 15。 しか し、 その一 方 で、 ホテルや旅館 の閉鎖 も多 く 傾 向 にあることが窺 える なって い る。組合員数 は、 1998年 には1469件 であったが、2006年 には1174件 、 2007年 には1146件 とかな り減少 してい ることが窺える。2006年 か ら2007年 にか けては、新規会員 が15件 あった一方で、脱会 が50近 くあらた。 とくに民宿の廃 業や撤退 が多 く、夏 シーズ ンだけ営業す る業者 もあるとい う。2008年 現在 の統 計 では、下田市のホテル は2件 、旅館 は60件 、民宿 は333件 、 ペ ンシ ョン18件 、 寮 0保 養所 15件 となって い る。 表6 下田市産業別人 口の推移 (1995-2005年 度 ) 単位 1995年 度 人数 総数 第 1次 産 業 15,411 975 20004F渥篭 構成比% 100% 構成比% 人数 6% 6% -265 420 3% 3% -154 0% 0% -2 2% -109 -26% 13% -747 -31% 6% 0% 漁業・水産 業 3% 346 3% 16% 2,151 16% 建 設業 0% 1765 11% 増減数 増減率% -16% -27% -28% -17% 林業 2,449 構成比% 100% 4% 鉱業 人数 人、 1995-2005`年 度 13,796 農業 第 2次 産 業 2005年 度 12,901 1,702 0% 1,545 И 下田市商工会議所 での ヒア リング調査 による。 15下 田市『下田市統計書』各年度版参照。 -43- 11% 100% 0% 1,379 11% -2,510 -13 -100% -386 -22% 単位 ;人 、 人数 製造業 671 構成比% 4% 卸・小売業 4,181 78% 27% 金 融保 険 業 375 2% 第 3次 産業 11,987 不動産 業 運輸通信 業 794 電気ガス 水道業 構成比% 人数 599 10,877 3,896 3% -348 10,489 81% 22% -1,498 -1,375 -52% -12% -33% 2% 2% -131 -35% 1% 79% 28% 分類不能 2,806 0% 106 1% 5% 645 5% 530 4% -264 -33% 1% 80 1% -52 -39% 2,339 18% 3,751 29% -2,016 -35% 37% 4% 公務 増減数 増減率% 1% 1% 5,767 人数 構成比% 323 4% 飲食店 。宿 泊業 そ の 他 サ ー ビス 業 1995-2005`年 度 2005年 度 2000年 度 1995年 度 0% 5,185 38% 5% 0% 5% 0% 0% 500% (資 料下田市 『下田市統計書 (平 成18年 度)』 により作成。 表 7と 図2は 、下田市生活保護率 (人 口に対す る生活保護人員 の割合 %o)の 推 16。 移 を示 したものである 静岡県平均 と比 べ て も、 はるかに高 い増加率 で推移 して い る ことが窺 え る。下 田市 の生 活保護率 は1998年 に3。 9%0で あ ったのが、 2007年 には9。 81%0に まで増加 し、2007年 現在 では、静岡県平均4。 60%0に 比 べ る と2倍 もの高 い比率 になっている。ただ全国平均値 と比 べ ると、それほ ど高 い と い うわ けではない。 そもそも生活保 護 に関 しては、 1993年 のバ ブル経 済崩壊以 降全 国的 に生活保護率 が上昇 した。2000年 代 には社会サ ー ビスカ ッ トや規制緩 和 による影響 な どを受 けて、貧困化 がすすみ、生活保護率 も上昇傾 向 を辿 った のである。全国統計 では、世帯数 か らみた保護率 は、 1993年 に14.0で あったの が2008年 には23。 0と な り、生活保護世帯数 も60万 世帯 か ら115万 世帯 にまで倍 16下 田市生活保護課資料 による。 - 44 - 増 した。 下田市 で も同様、1998年 の被保護者世帯数 は86世 帯 であったが、2007年 には 198世 帯 に2。 3倍 にも増加 して い る。被保護者人員 でみて も1998年 の110人 か ら 2007年 には253人 にまで増 えて い る。生活保護率 でみ る と、静 岡県内市 のなか で は熱海市、伊東市 に次 いで下 田市 が第3位 と非 常 に際 だった特徴 を持 ってい る。長期 的な地域経済 の衰退 に加 えて、観光 に関 わ る雇用環境 の変化 による と ころが大 きい。下田市生活保護課 によると、2000年 代以降、 リス トラされた60 下田市 歳前後 の無年金者や ホ ーム レスか らの相談件数 が増 えて い るとい う つい て 2007年 しくみ ると にお ける 詳 、高齢者 現在 の生 活保護世帯 (198件 )に 17。 世帯 が55.6%(110件 )、 傷病世帯 が17。 2%(34件 )、 傷害世帯 が12.1%(24件 )、 母子世帯 が7件 (3。 5%)、 その他 23件 (11.6%)と いった構成 になってい る。 そ の うち、一人世帯 が83.8%と 大半 をしめて い る。保護 の期間 は、1年 未満 が9%、 1年 以上2年 未満 が20%、 2年 以上5年 未満 が30%、 5年 以上 10年 未満 が8%な どと なってお り、保護開始後 10年 未満 が8割 以上、 その うち2年 未満 が約 3割 を しめ て い る。 年齢男U(253人 )に は、70歳 以上 が35%、 60歳 以上70歳 未満 が30%、 40歳 以 上60歳 未満 が19%、 20歳 以上40歳 未満 が5%、 20歳 未満 が11%と 、高齢世帯 が 6割 以上 を占めて い ることが分 か る。 さ らに80歳 以上 の被保護者 は9%(24名 ) をしめる。2007年 度 では保護開始件数 が23件 、廃止件数 が17件 であったが、保 護開始 の大半 が傷病 によるものであった。廃止 17件 の うち9件 は死亡 によるも ので、転 出が3件 で、稼働収入増 によるものはわずか2件 にす ぎなかった。 医療扶助実施状況 についてみ ると、入院 によるものが339件 (延 べ人数)だ っ たが、 その うち精神病 によるものは半数近 い156件 であった。年度別扶助費総 額 については、1998年 度 1億 9000万 円だ ったのが、2007年 度 には4億 3000万 円に まで増加 したが、一 人 当た り扶助費 は1998年 の15万 1131円 と比 べ ると、2007年 は14万 1240円 と1万 円程度圧縮 されて い る。扶助 費別支 出額 をみ ると、 医療扶 助 が52%と 最 も大 きなシェアをしめ、生活扶助 が29%、 住宅扶助 が13%な どと なって い る。 以上 か ら、生活保護世帯 の大 半 が高齢者世帯 で あ り、扶助費 の内訳 では医療 扶助 が半分以上 を しめて い ることが窺 える。 17下 田市生活保護課 ヒア リング調査 による。 -45- 表 7 下田市生活保護率 の推移 (1998-2007年 度 ) 1998 1999 2003 2004 2005 2006 2007 下田市世帯数 11,309 11,365 11,342 11,378 11,434 11,470 11,540 11,560 11,513 11,456 下田市人口 (人 ) 28,193 27,966 27,722 27,559 27,343 27,093 26,945 26,621 26,197 25,802 下 田市被 保 護者 世帯数 86 102 118 139 155 174 184 193 194 198 126 143 176 198 223 237 252 253 下 田市被保 護者 人員 (人 ) 2001 下 田市世 帯保 護 率 (‰ ) 7.60 8.97 10。 40 12.22 13.56 下 田市 生活保 護 率 (‰ ) 3。 90 4.51 5。 16 6.39 静 岡県 生活 保 護 率 (%。 ) 2.69 2.88 3.09 3.35 17 15。 94 16。 70 16.85 17.28 7.24 8.23 8。 80 9。 35 9.62 9.81 3.57 3.87 4。 15 4。 36 4.50 4.60 15。 (資 料 )下 田市福祉事務所保護課資料 に よ り作成。 図2 下田市生活保護率の推移 (1998-2007年 度 ) 12,00 10,00 3、 %0 00 藤`00 下田市生活保護率 (‰ ) 4`00 静岡県生活保護率 (‰ ) 2.00 0、 00 ずずがぶ紺がぶ♂がぶ 年度 (注 )こ こでの生 活保護率 は人 口1000人 に対 す る割合 (資 料 )下 田市生活保護課資 料 に よ り作成。 - 46 - (%o)を 示 した もの。 3.伊 東市 と下田市の財政構造 (1)伊 東市財政 の構造 1.伊 東市歳 出構造 の特徴 伊東市 の2007年 度 にお ける決算状況 についてみ る と、歳 出決算総額 は222億 郎 7230万 円、財政力指数 は0.89で ある 。財政力指数 は2001年 度 には 0で あった 1。 が、年 々徐 々に低下傾 向 を辿 ってい る。財政力指数 の静岡県内 のランキングで 19。 は20位 、全国約 1800市 町村 中252位 である 目的別歳 出決算 の内訳 をみ ると、 民生費の割合 が34%と 最 も高 く、総務費 が13%、 公債費が12%、 土木費 が10%、 衛生費 が10%、 教育費 が9%、 消防費 が5%な どといった構成比 になっている。 民生費 と公債 費 の比重 が高 い とい う特徴 を持 ってい る。実質公債費比率 は9% で、静岡県 内 では8位 となって い る。 一人 当た りの地 方債現在高 は34万 円であ り全 国平均 の44万 円 と比 べ ると、比較的低 い水準 になって い る。実質収支比率 は 4と 6000万 円程度 の黒字 である。 これ らの数値 をみ る限 り、健全財政だが、 1。 2000年 代 の財政構造 が どの ような変化 をみたのか、検証 してお こ う。 表 8は 、2001年 度 か ら2007年 度 までの伊東市 一般会計 目的別歳 出 の推移 を示 したものである。財政規模 は2001年 度 か ら2007年 度 にかけて4%程 度減少 し、9 億 円程度財政規模 が縮小 した。最 も減少率が高 いのが、農林水産業費 であ り2001 年度 の水準 の4害 J程 度 にまで減少 してい る。すでに明 らかに したように、農林水 産業 の就業人 口に占める割合 が少 な く、衰退 が著 しい ことも影響 して い る。続 いて商工 費 の減少 率 が著 し く4害 J減 、教育費 も25%減 、土木費 も18%減 となっ てい る。 それに対 して、民生費 は23%増 加 して い る。 とくに2004年 度 か ら2006年 度 にかけては、三位 一体 の改革 による影響 が強 く 表れた こともあって、歳 出の大幅 な見直 しが余儀 な くされてい る。例 えば、2006 年度 には、経常的経費5%カ ットや補助金 の廃 止 を含 めた再検討 が行 われ、庁舎 20。 しか しそ 当直業務委託料 をは じめ42事 業 がスクラ ップされ ることとなった の一 方 で、公共事業関連 では、2006年 度 には市道 三の原線及 び市道吉田道線改 良事業や小室山公園整備事業 な どの新規事業 に着手 され るな ど、投資的経費が 拡充 されて い る。 ところで、伊東市で は、2000年 代以降、第 3次 総合計画 (2001-2010年 度 ) 毬 伊東市決算カ ー ドによる数値。 Ю 静岡県市町村課資料 による。 20伊 東市 『平成 18年 度市政報告書』 による。 - 47 - にもとづいて、財政支出 の優先順位 が決定 されて きた。総合計画 では、 まちづ くりの基本方針 として① 「活力 あるまちづ くり (産 業分野)」 、② 「快適 なまち づ くり (都 市基盤分野)」 、③ 「安心 して暮 らせ るまちづ くり (医 療・ 保健、福 祉、市民生活分野)」 、④ 「学 び豊 かなまち (生 涯学習分野)」 の4項 目を掲 げら れて い る 21。 2006年 現在 までの実施状況 についてみ ると、産業分野 では、観光産業 の振興 (個 性 ある観光地 づ くり・ 資源 を生か した観光 の振興 。新 しい観光資源 の開発 )、 多様 な産 業 の振興 (商 業 の振興 0建 設業、製造業 の振興・ 農林水産業 の振興・ 雇用 の確保 )に 対す る47件 の実施計画 (68億 3700万 円)の うち、45件 が実施 さ れ、44億 3400万 円が実施済み となって い る。 この中 には、観光 コ ミュニ ティバ ス実証運行事業や伊東 マ リンタウンプロムナー ド整備事業 な どが含 まれてい る。 また、都市基盤分野で は、自然 と調和 した都市形 (計 画的 な土地利用の推進・ 自然環境 の保全 と活用・ 河川、海岸、港 の整備・ 美 しい都市景観 の形成 )、 快適 な住環境 の形成 (伊 東駅、駅周辺市街地 の活性化、住宅地 の整備・ 公園や身近 な生活道路 の整備・ 環境優 しい暮 らしの推進 )、 機能的 な都市基盤 の整備 (交 通 体系 の充実・ 幹線道路 の整備・ 上水道 の整備・ 下水道 の整備 )に 対 して103件 の実施計画 (320億 円)の うち、すでに91件 、総額 に して250億 円の事業 が実施 されて きた。2005年 度 には伊東駅 ユニバーサル デザイ ン施設整備事業 が完了 し ているが、2006年 度 か らは、伊東駅周辺整備計画策定事業 な どがすすめ られて い る。 さらに、医療・ 保健、福祉、市民生活分野で は、安心 で きる医療 と保健 の充 実 (医 療 の充実 0健 康作 り体制 の充実 。国民健康保険、老人保健制度 の適切 な 運用)、 社会福祉 の充実 (高 齢者福祉 の充実・ 児童福祉 の充実・ 障害者福祉 の充 実・ 地域福祉 の充実 0国 民年金対策 の充実 ))、 安全 な市民生活 の確保 (地 域防 災 の充実・ 消防体制 の充実 な ど)に 対 して、 55件 の実施計画 (292億 円)の う ちすでに55件 、総額 に して261億 円の事業 が実施 されて きた。2006年 度 か らは 医療施設設置基金 へ の積 み立てな どに重 点 がおかれて きた。 なお、生涯 学習分野 では、学校教育の充実、社会教育 の充実、芸術 。文化 の 振興 に対 して13億 円な どとなってお り、市民体育 セ ンターの改修事業 な どが実 施 されて い る。 これ らの事業 の中で最 も金額的 にみて大 きい のが、都市基盤整備 と医療・ 福 21伊 東市『第3次 総合計画』 による。 - 48 - 祉分野 である。2006年 度 には児童手 当法改正 に伴 う児童手当に加 えて、すでに みたような生活保護 の需要増 に伴 う生活保護扶助費、国民健康保険事業特男U会 計 へ の繰 出 しな どが実施 されて きた。生活保護扶助費 と国民健康保険事業特男U 会計 へ の繰 出金 の状況 については、性質別決算額 の推移 よって明 らか となる (表 9と 図4)。 表 8 伊東市一般会計 目的別歳 出決算額 の推移 (2001-2007年 度 ) 単位 ;千 円 2004 2001-2007 2005 増減額 議会費 259,670 259,672 249,811 248,654 242,862 236,827 221,578 総務費 3,509,095 3,174,678 3,401,757 3,018,954 3,133,613 2,850,433 3,037,899 6,226,101 6,391,308 6,776,039 7,466,470 7,420,471 7,643,544 7,686,155 1,460,054 衛生費 2,454,151 2,950,479 2,521,773 2,322,058 2,500,467 2,325,070 2,203,442 -250,709 83,253 83,123 農林 水産 業 費 325,180 471,196 314,126 250,112 146,885 136,711 132,971 -192,209 942,407 839,228 787,672 765,385 687,315 752,823 -606,461 商工 費 1,359,284 土木費 2,850,433 2,698,699 3,186,544 2,782,960 2,870,432 2,636,885 2,336,801 消防費 1,219,193 1,109,554 1,158,329 1,204,081 1,216,475 1,183,765 1,112,549 -106,644 教育費 2,627,865 2,091,626 2,000,686 1,938,209 1,979,004 1,969,456 1,977,328 -650,537 公債費 歳出合計 365,062 2,340,575 23,265,928 2,496,802 22,480,221 2,320,735 22,852,842 2,428,302 23,095,787 -45% 513,632 30,245 2,520,189 22,907,414 2,622,288 22,380,424 (資 料 )伊 東 市 『伊東 市統計書 (平 成 18年 度版』 に よ り作成。 - 49 - -13% -14% 80,973 280,835 災害復 旧費 % -38,092 民生費 労働費 増減率 2,699,582 359,007 22,272,346 -993,582 -4% 絃蜀瘍晰郵剋鰊颯珀漑嘔夕 晰賤 靱釉晰断蜀勒蒻躙儡鶉鶉絣瘍颯穆 飩 壕 輔 蟻 よ 糠 繊 洋 総揚 機 選 漱 ξ ミ 華 彗 朦 墨 薫 ξ ミ鐵ミ ミ薦 隷 檬 難In灘 ミ 譲 量 億 蕪 1鳥 1ミ 難畿機量 醸舞欝畿1灘 鸞 鰈轍欝鸞 隋1轟 購凸 難藤本颯‐ 躙轟鷺豊 核畿韓筑藤艤鸞 隋鸞鸞甕 無灘量蠍 難菫鑑雙 鰈軸醸曼 淮鑢機'm : 澄機 ‡ 慶醸醸遭 譲拳攀轟 曹参議豪 難甍 ぶ攀醸轟 避 議T '畿 鰤襴u、 参菫叢 聰性質鼈歳 Iな みはな璃鉤雉年 か躁鉤勒奪 なかけてく人件 "は 書は建設事灘費 はほ吻鼈減 ≧hな 半分な下の数鰻 たなってい は◇警鸞建設覇糞費 が大臨 餞減少 した一つ蜀甍Nは 鶴口 による纏麟事灘大援 にI滅 ヾれた進とや交 付緩 鯰よ鶉事業費纏菫が大はな垣貶暮れた ことな亀大 きな財耗 鍮檜持 ってお り、 政共に した饉蛉氣鋏鼈。ただし伊薫藤 の場合 には、減少財金が大 きい な 金闘鰤ξ い う轄徽 予趙靡。瑾屹亀投卜 饉心資 饉雙付金半分畿度 にまで大 きく減少 してい 強鼈M、 人件■■%鼈 減ゝ纏蒻登等 又瘍儡減 となっでい は。総 藝ふ維持管避 轟 な隕 え蟷ぃ 硼費 渕が、数蒻m(MF鼈 崚》 、繰潮金 (訃 鼈瞳)璃 公債 鸞 方へ大幅"は 瞼 (蠅 褥鑢》で絣隆。錯れ な慾えて壌績立金 又鰭鑢 し≪いる。 まず璃経常経費了膵鯰てい く逮となり裁う。参薫覇けな人件■ 鸞饂率 が薦 く、 1鼈 く 礁蝙をしや埒。塀閻榮儡埒濾‡ 位藉鼈紆、熊褥覇予転 徊黎年度■鍍金講趙繭鰊鼈金 7 繭 22。 いは ■をみた訥 4α 《 雉ないぅ屹ように根伊豆には で薦い比率をし靱て 臨は 通とが一つ の施重が纏鸞疱に Rい 埒趾儘ことかな 躊 は赳 儡 璃Å件■ 糧魔 吻娘平鑽 の特徴 とな卜通とができは。 進鰊薫 は鶴軋者 なよぅ写は大件■鯰飩減ず憬 きな す藝主張がなンれるが、見方をRえ れは、す ぐれたに水櫨祉行銹を推進 し≪き 4 た点 進を評燒ず八 きで聰旱笏◇覇疱已濾公立爆育所弔蟷力所、公立蝙維 Mが け カ所 あ り犠 ご誦循骰 (直 賛藉行 われヽい 躇。濃絣 なついては、観魔にであはこ 23。 い つ特斃ノ %か り、灌蛛錢靱件数 写高い 腋写行 われてき こ磯 ⑮儡乙舅減 孟れはといぅ屹舎瑾ξ しか しわり入件■ %珀 奪蜃 な 22静 こよる。 岡県市町村課資料 ‡ 23伊 東南財政課 ヒア リング調査 による。 一 けや 二 た。市職員 は1978年 の ピーク時 には1001人 であったが、2007年 には807人 にま で削減 されて きて い る。保育所 も民間委託 の動 きがあ り、2009年 度 か ら指定管 理者制度 へ の移行 を余儀 な くされてい る。さらに、清掃行政では5つ の地区に分 けて収集業務 が遂行 されて い るが この うち1カ 所 で委託 され る方向 が打 ち出さ れ、 ごみ有料化 も実施 されて い る。公立幼稚 園 も2カ 所 を1カ 所 に統廃合 す るこ ととなって い る。伊東市財政課 での ヒア リング調査 による と、市職員 の年齢構 成 が比較的若 い ため、民間委託 をして も経費 はそれほ ど変わ らない とい う。 そ れは民 間委託 をすれ ば委託料 が発生す るためである。 扶助費 については、2006年 度 で15。 6%と 静岡県 内では最 も高 い比率 になって い る。熱海市 13。 3%、 下田市 13.8%か らみて も、3市 の中で最 も高 くなって い る。 1つ の要因 が、生活保護率 の高 さである。生活保護費 は1989年 か ら2005年 まで に4億 円も増加 した。すでに明 らかにしたように、伊東市では人 口が漸増傾 向 に あ り、全国 か ら観光関連 の雇用 を求めて集 まって くる傾 向 にある。離職後 も住 み続 けて生活保護 を受 けるケース が多 く、 ケース ワーカ ー を増員 して対応 して こ ぅした ことか ら、義務 的経費 の比重 が57。 7%と 静岡県平均 の 42%を 大 き く上回 る結果 となって い る。 一 方、投資的経費 は、庁舎建設 が行 われた1994年 を ピー クに比重 が低下 し、 きた とぃ ぅ 24。 静岡県 内 では最下位 の下 田市、富 士宮市 に次 いで3番 目に低 い数値 となって い る。ちなみ に熱海市 は4位 である。 この ことは逆 に言 えば、無駄 な公共事業 にあ ま り着手 して こなかった ことのあ らわれで もある。 その ことが、地域福祉 の充 実 を可能 に して きたのである。庁舎建設 には98億 円の経費 がか けられたが、 そ の内訳 は基金52億 円、起債 25億 円、一般財源 21億 円である。つ ま り、基金 が活 用 されたのである。 そのため、公債費比率 は13.8%と 比較的低 い数値 になって い る。 財政調整基金 は1994年 の55億 円を ピークに取 り崩 しが すすみ、2006年 には 4000万 円 にまで減少 した。1990年 代 には、全国的 に国 の景気対策 の影響 を受 け てハ コモ ノ建設 が進 め られたが、 この際 には財政調整基金 が大幅 に取 り崩 され て きた。2006年 度 と2007年 度 には積 立金 を増加 させ た結果、財政調整基金 はそ れ ぞれ9800万 、 1億 4800万 円にまで増加 して い る。 繰 出金 については、公営病院 が深 く関わ ってい る。2010年 現在 の市立伊東市 民病院 は、2001年 3月 に国立病院再編成 に伴 って 当時 の国立伊東温泉病院 を譲 24伊 東市財政課 ヒア リング調査 による。 -51- 25。 内科、外科、整形外科、産婦人科 な り受 ける形 で開院 となったものである どの6つ の診療科 か らさらに市民 ニーズに対応 するために脳神経外科や小児科 な どを新設 して 11診 療科 とし、第2次 救急 医療 をすべ て受 け入れ る体制 づ くりが 行われ て きた。従来 の国立病院 は温 泉 リハ ビ リ患者 を扱 う慢性期病 院 のため、 急病 による手術 は想定 されて い なかった。国か ら無償 で譲渡 され る条件 の一 つ として、 10年 間 は現地 で市民病院 を継続 しなけれ ばな らないが、 その後 は新 し い病院 を新設す ることが可能 となる。 これ までは一般会計 か らの繰入金 で市民病院 の運 営 が行 われて きたが、地域 医療振興協会 に委託す る方針 が とられ ることとなった。新市民病院 (2013年 4 月オー プン予定 )の 建設 には概算 で約90億 円程度 の経費 がかかるが、医療施設 基金 を取 り崩 して病院会計 に繰入 が行 われて い る。 その結果、20億 円あ った医 療施設基金 は9億 円にまで減少 して い る。起債 については、最初 の5年 間 は6億 円か ら7億 円程度 の償還 を行 い、 その後 は4億 円ずつ の償還 となる計画 になって い る。 また伊東温泉競輪 については、 1991年 の ピーク時 には19億 円の黒字額 を一般 会計 に繰 り入れ て きたが、2006年 現在 で6億 1700万 円 の累積赤字 が計上 されて い る。 これ に関 しては他会計 か らの繰入金で賄 われて い るが、財政健全化法 に よる影響 が懸念 されて い る。 表 9 伊東市一般会計性質別歳 出決算額 の推移 (2001-2007年 度 ) 単位 ;千 円 2001--2007 2003 増減額 人件費 7,607,092 7,011,875 7,176,784 6,914,434 6,995,704 6,803,177 6,724,934 -882,158 扶助費 2,615,257 2,824,962 3,155,048 3,314,380 3,471,132 3,492,834 3,577,213 961,956 公債費 2,340,575 2,496,802 2,320,755 2,428,302 2,520,189 2,622,288 2,699,582 359,007 物件費 3,185,642 3,259,340 3,256,237 3,163,064 3,161,050 3,066,089 3,090,076 -95,566 150,574 -20,128 維持管理費 170,702 199,521 補助金等 1,084,839 1,231,436 1,076,721 1,137,940 1,193,481 1,082,263 1,022,461 -62,378 繰出金 2,349,961 2,452,315 2,565,942 2,898,976 2,790,433 2,851,933 2,985,474 635,513 112,324 78,466 151,766 104,401 194,859 191,553 積立金 25「 ク ロ_ズ アップ :08伊 162,445 141,277 『静岡新聞』2008年 2月 19日 付。 東市予算案―新病院建設 へ本腰」 - 52 - 増減率 % -3% -6% 単位 ;千 円 2004 2001--2007 増減額 投資・ 出資 金・ 貸付金 508,793 510,848 563,215 511,293 484,959 336,189 247,044 普通建設事 業費 3,355,702 2,453,289 2,506,613 2,127,132 1,997,389 1,898,908 1,592,977 災害復 旧事 業費 歳 出合計 365,062 0 23,265,938 22,480,221 22,852,942 23,095,787 増減率 -261.749 -1,762,725 % -51% -53% 30,245 22,907,414 22,380,424 22,272,346 -993,592 -4% (資 料 )伊 東市 『伊東 市統計書 (平 成 18年 度版』 に よ り作成。 図4 伊東市 一般会計性質別歳 出の推移 215,00嚇 :嚇 100: (2001-2007年 度 ) 鸞災書複 1目 事業費 鷹醤通瞳難事業豊 :畿 機投資・出資壺 =貸 付 曇機立金 選 畿縮金 麗補助壼等 機維持管理費 醸物件費 機食髄費 醸接麟豊 麟 人件鑽 農嚇.000」 慇00 15,000,慇 00. 10.880.0010‐ 5.000「 080 0 (資 料 )伊 東市 「決算カー ド」各年度版 よ り作成。 2.伊 東市歳入構造 の特徴 次 に、伊東市一般会計歳入 の動向 について検証 してお こ う (表 10参 照)。 2007 年度 の歳入構成比 では、地方税 が56%を しめてお り、 自主財源比率 が比較的高 い とい う特徴 を持 っている。 その地方税 の動向 をみ ると、 1998年 か ら2006年 度 の8年 間 に159億 円か ら119億 円にまで、約40億 円減少 して い ることが窺 える。さ らに、表 11に よ り、地方税 の内訳 をみ ると、個人市民税 が25%、 法人市民税 が 5%、 固定資産税 が50%、 入湯税 が13%、 都市計画税 が10%と いった構成比 なっ てお り、固定資産税 の比率 が高 く、次 いで個人市民税、都市計画税 と続 いてお り、法人市民税 の割合 は非常 に少 ない とい う事実が浮 かび上がって くる。2000 -53- 年代 に地価 の下落 が続 い た こともあって、固定資産税収 と都市計画税収 はそれ ぞれ14%減 、11%減 となって い る。 ただ し、2007年 度 には三位一体 の改革 によ '国 る影響 で、 税所得税 か ら地方税住民税 へ の税源移譲 がされたため、個人市民 税収 が増 えた ことで、2006年 度 か ら2007年 度 にかけて は6億 円程度 の地方税収 が増加 して い る。 依存財源 についてみ ると、国庫支 出金 が10%、 地方債 が8%、 県支出金 が6% 地方交付税 につぃて は、財政力指数 の低下 に伴 って増加傾 向 にある。伊東市 で は2000年 度 か ら交付 団体 の指定 を受 けるようになって いる。 そのため、普通交 付税 は2001年 度 の2億 円か ら2007年 度 には11億 円 にまで跳 ね上 がってお り、特 別交付税 を含 める と5億 円 か ら14億 円にまで3倍 近 くにな ってい る。全国的 に、 財政力指数 の低 い 自治体や市町村合併 を実施 した 自治体 の多 くが、三位 一体改 革 の影響 を強 く受 けて財政難 に陥 っているのに対 して、伊東市 の場合 にはそれ ほ ど三位一体 による影響 を受 けて い ない。 ただ、2004年 度 か ら2006年 度 にかけ て、国庫支 出金 が数億 円程度削減 されて い るが、 その大半 が保育所運営費交付 金 の廃止 によるものである。一部 は交付税 で措置 されてい るが、保育所運営費 交付金 の廃 止が保 育所 の民間委託 へ の誘因 となって い る事実 が窺 える。 他会計 か らの繰入金 は、2001年 度 には6億 円程度 あ ったのが、2007年 度 には ほ とん ど皆無 に等 しく、地方債発行額 も2001年 度 の20億 円 か ら2007年 度 には18 億 円程度 にまで1割 程度抑制 されてい る。地方債 の うち6億 円 は、臨時財政対策 債 である。 また、2003年 度 か ら2005年 度 までの3年 間 に財政健全化債 が発行 さ れて い ることか らも分 かるよ うに、財政状況 は深刻 である。財政健 全化債 の発 行額 は、2003年 度2億 6000万 円、2004年 度4億 円、2005年 度 2億 8000万 円 となっ て い る。 さ らに、2006年 度 には、退職手 当債 を5億 円発行 して い る。財政課 に 26。 よると、退職手 当債 の発行 がな ければ赤字財政 になって い た とい う その他、使用料・ 手数料 は4%を しめてお り、2001年 度 の2.8%と 比 べ る と多 少比重が高 まってい る。具体 的 には、2006年 度 だけを とつてみ ると、歴史的建 造物 で観光施設 の一 つ となってい る東海館入館料 の徴収 を開始 してお り、 また、 小室山公園有料施設使用料 の改定、マ リンタ ウン陸域施設用地貸付料9割 減免 を 取 りや め、小室 山つつ じ祭 りの際 の臨時駐車場料金 の引 き上 げな どによって使 27。 用料 の引 き上 げが実施 されて い る 26伊 東市財政課 ヒア リング調査 による。 27伊 東市 『平成 18年 度市政報告書』参照。 - 54 - これ まで、伊東市 の決算状況 について検証 して きた。伊東 市 の2009年 度 当初 予算で は、前年比 マ イナス 1」 5%の 213億 1000万 円であ り、 その最重要課題 とし て 「伊東再生」 が掲 げ られた。一般会計 の事業廃止、縮小、休止 な ど81事 業 を 見直 しで10億 4000万 円を捻 出 し、職員給与 の見直 しや職員 の削減 による4億 5000 万 円な ど合計23億 5000万 円が伊東再生事業 に充当された。従来 の健康増進、観 光振興 に加 えて、病院、環境、教育、協働 に重 点 が置 かれ、城 ヶ崎海岸遊 歩道 整備や移動図書館車更新 な どの52事 業約 10億 5000万 円が伊東再生事業 として支 さらに、2010年 度 一般会計予算案では、総額 は224億 7400万 円で、前年度比7。 4%増 の積極財政 となってい る。内訳 をみ ると、歳入面 28。 出され ることとなった では市民税 が8。 9%減 を見込 んで い るが、子 ども手 当な どで国庫支 出金 が34。 4% 増、地方交付税 が21.4%増 (臨 時財政対策債 を含 めると32%増 )と いったよう に、 自主財源 が縮小 し、依存財源 が大幅増 となる見通 しである。 また、特別会 計 の病院事業会計 では2010年 度 か ら新市民病 院着 工 にかかるため、4億 円が計 上 されて い る。2010年 度予算 については、政権交代 による地 方交付税や国庫支 出金 の動 向へ の影響 が 出 るため、改 めて決算 での検証 が必要 となるが、地域経 済 の疲弊 と貧困化 を背景 に、伊東地域再生 に向 けて地域 医療 と福祉 へ の重 点施 策 を盛 り込 んでいる ところに最大 の特徴 があるといえるだろ う。 表 10 伊東 市 一 般 会 計歳入 決算額 の 推移 (2001-2007年 度 ) 単位 2001 2002 2006 2007 増減額 地方税 13,415,334 13,046,375 12,140,127 12,206,802 12,466,091 11,969,493 12,569,098 地方譲与税 196,475 199,872 211,070 342,957 461,134 700,488 213,765 利 子割 交付 金 369,869 107,247 65,815 -846,236 39,382 -330,487 23,032 23,032 配 当割 交付 金 株 式等譲渡 所 得割 交付 金 28伊 25,920 東市2009年 度 『一般会計予算書』参照。 - 55 - 千円 2001--2007 増減率 % 単位 ;千 円 2001 2005 2003 2001--2007 2006 増減額 地方消費税 交付金 733,817 ゴル フ場禾」 用税交付金 630,995 676,979 756,227 91,902 92,564 87,331 701,974 151,768 軽油 引取税 交付金 139,463 726,574 -7,243 -1% 82,635 79,225 -18,787 -19% -941 -100% 142,698 168,993 139,571 142,228 142,989 -8,779 -6% 203,096 55,468 -219,862 -80% 888,623 0 地方特例 交 付金等 275,330 261,076 253,753 240,890 240,112 地方交付税 551,417 951,966 1,028,680 1,320,200 1,394,150 1,678,959 1,440,040 225,387 634,903 738,412 985,172 1,094,133 1,394,694 1,159,899 普通 特別 (一 般財 源 計) 934,512 326,030 317,063 290,268 335,028 300,017 284,265 280,141 -45,889 15,792,963 15,429,293 14,611,970 15,208,777 15,575,375 15,596,562 15,408,939 -384,024 交通安全対 策 費特別 交 付金 15,383 分担金 ・ 負 担金 159,342 164,604 132,982 135,274 132,713 133,861 149,600 -9,742 使用料 589,970 718,997 625,893 625,821 647,791 732,385 837,962 247,992 2,430,860 2,783,926 2,804,404 2,819,352 2,337,091 2,286,656 33,230 1,039,986 1,255,300 254,131 92,552 54,692 -103,648 258,520 188,512 手数料 国庫支出金 財産収入 -6% 66,636 2,253,426 0 1,001,169 158,340 寄附金 繰入金 …2% -5% 15,576 国有提供 交 付金 都道府県支 出金 % 740,711 特別 地方消 費税交付金 自動車取得 税交付金 増減率 598,634 935,636 127,562 1,008,134 162,755 857,786 1,022,907 25,308 72,344 34,780 68,239 539,881 133,580 338,320 236,706 67,666 -593,136 繰越金 69,726 124,005 174,403 132,803 224,479 187,607 117,881 諸収入 502,339 271,766 275,261 328,283 346,194 362,125 317,353 -184,986 地方債 2,056,700 1,805,900 3,004,500 2,528,810 2,021,500 1,898,500 1,877,742 -178,958 - 56 - -65% -99% -37% 単位 ;千 円 2003 2001 2004 2007 2001--2007 増減額 うち減税補 填債 111,500 105,200 295,000 295,500 210,400 うち臨時財 政対策債 310,800 686,000 1,318,400 955,300 733,100 665,000 603,392 292,592 23,334,636 22,604,226 23,027,245 23,228,590 23,131,893 22,568,031 22,523,583 -811,053 歳入合計 111,500 増減率 % -100% (資 料 )伊 東市 「決算カー ド」各年度版 よ り作成。 表 11 伊 東 市市税 決算額 の推移 (2001-2007年 度 ) . 2004 2006 単位 ;千 円 2007 2001-2007 増減額 市町村民税 個人市民税 3,430,232 3,217,781 2,997,644 3,025,159 3,186,582 3,356,542 3,967,779 537,547 2,766,397 2,577,731 2,412,312 2,380,348 2,567,674 2,684,959 3,281,343 514,946 89,748 107,431 116,161 130,184 129,969 38,877 476,069 個人均等割 所得割 2,675,305 2,488,051 2,322,564 2,272,917 2,451,513 2,554,775 3,151,374 法人市民税 663,835 640,050 585,332 644,811 618,908 671,583 686,436 法人均等割 351,325 334,539 321,456 327,770 315,007 319,621 331,129 法人税割 312,510 305,511 263,876 317,041 303,901 351,962 355,307 7,270,815 7,167,985 6,719,343 6,665,771 6,756,275 6,190,947 6,265,479 -1,005,336 7,183,403 7,082,474 6,636,007 6,592,456 6,688,419 6,124,849 6,208,192 -975,211 固定資産税 うち純固定 資産税 軽 自動車税 87,406 92,264 97,074 101,906 106,604 110,817 115,565 市 町村 たば こ税 614,725 593,045 598,484 615,673 584,404 589,107 588,284 特別 土地保 有税 193,781 180,926 (法 定 普 通 税計) 11,596,959 11,252,001 10,414,135 1,818,375 1,794,374 1,725,992 目的税 入湯税 都市計画税 合計 332,440 1,485,935 13,415,334 329,371 361,194 1,465,003 1,364,798 13,046,375 12,140,127 10,410,011 1,796,791 10,634,164 1,831,927 14% -26,441 -4% -192,411 -99% -6% 1,722,019 1,720,621 -97,754 -5% 389,079 404,424 1,317,595 - 57 - 42,797 -658,482 1,442,848 (資 料)伊 東市 「決算カー ド」各年度版 よ り作成。 -20,196 10,938,477 354,269 1,246,091 % 10,247,474 1,442,522 12,206,802 増減率 11,969,493 392,680 1,327,941 -157,994 12,659,098 -756,236 -6% 跛颯獨 漑艤饂塀赳蟷飩琲 蝙骰 饂謳鶉鶉颯饂饒粽瘍鍼鰈 《 │‐ 鰺麟麟輻購鰺鋼鰺彎 轍 策 一一 一 鰺顆躙輻躙莉靱濶一 :… 麟醸辞略 攀醸 辱 鬱警壌 鵞等攀業 灘 警置1 麟 鑽叢 1 鐵摯鬱趣 避摯攀ず 洟欝鯖艤鉤 九鷺鑢 … 擁 鶴籐:鳳 罐鸞鞭輔 驀 臨磋購亀滅轟輔 ■ 褥疵畿薫畿 ■ 麟鐵鷺麓畿 …醸… 轟:∴ ‐ 寧菫鐘 讐 鸞風議m‐ 畿 灘豊 (資 料》鬱薫藤 「決算豫■ ドJ各 年度畿 よ り作骰。 ‐ 薇扮滲鰊漑躙蟷颯蝙蠅 │ │■ 腋 ‐ 鯰會鰤魃鶉 鶉饂鋏麒鑽鰊晰魏 ‐ 5抒 で蝠鍮 。 &鯰 漱り ξ―勒☆講歳炒蝿纏 寧貶醸鏃鰊薇鐵魔決算 ‡ けは購躾鵞鐘数 8蘊 な魃鼈饉鼈で熙蝙註購饒磯鶴なり齢%鶴 鉤鰊ラフキングなm位 だが爆全趙量 ‐ 鐙辣叢硫憲藝令で滅Nは M値 とな脩。全蜃疱に鵞れ炒平綺 よ り飩ややない購政磯 を有しているh途 魃 亀賭Rう 違となな躇。覇郵鸞購鰊鯰較分析表讚魃ゝ類畿爾休 り。 4鼈 で全財叢写対 率綺 &鍮 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2,461,166 2,421,166 333,307 衛生費 795,264 821,809 808,447 937,584 856,854 761,292 1,032,456 労働費 128,559 128,384 118,170 409,771 406,542 605,850 商工費 822,876 391,653 358,888 1,614,212 1,689,729 1,822,081 263,485 % -25% -31% 237,192 …18,175 -98% 259,731 -150,040 -37% 20,145 農林水産 業 費 土木費 129,983 増減率 375,697 290,998 315,246 250,655 176,656 124,616 -698,260 -85% 1,818,354 975,048 887,069 1,090,846 -523,366 -32% -9% 消防費 504,760 498,999 502,022 475,183 478,148 459,939 457,903 -46,857 教育費 720,272 750,793 742,810 687,782 630,283 525,549 558,716 -161,556 -22% 災害復 旧費 105,857 207,823 63,709 62,735 154,446 -85,686 -81% 公債費 歳 出合計 1,319,527 1,332,268 1,436,535 1,362,048 1,355,033 1,633,948 1,381,908 62,381 10,498,012 9,493,705 10,464,035 9,874,348 8,795,913 8,701,760 8,797,618 -1,700,394 (資 料 )下 田市 「決算 カ ー ド」各年度版 よ り作成。 -59- -16% 輻瘍 膵 魃瘍■靡鉤蒻玲儡蒻はれ眈粽鰈 瘍鰊跛 魃 秋錮鶉蝙咤腋鯰鰈ヲ漑之夕 種慇辛 晰輪晰.鰊 醸笏 鰈鶯薇 褥 繭疵了 魏 ‡ 醸釉 躙颯驚蛉 躙ま 鉤鼈釉 鱚量又又 輻麒咤 蛉 輻畿饒巡鑽核颯 鰤 雉魏釉 購硫量蛉 爾釉饉 心 鰈鰺踪:h 囃倅,蝙 埒倅,倅 ‐ 醸彦 麟攀 醸:隆 倅醸,時 鼈‐ 彦 難 ・攀彦酪:隋 磯鰺 薇醸令 業,鍮 瘍醸寧 避ド なりは,レ 躊了 罐鰺 鰈核蜀 褥 (資 料 )下 爾叢 「演算豫― ド」各年度販 よ り作戌。 次 た、1性 質吻朧 hな 疹いてなはことにしょう (表 蛹 &冤 写》。胚鵞鵞7年 度決算躇 の経常経屹 けは鶴Å件■m儡 鴇鉄靱費 磯 4儡 、公債費 猛 mと 鏃務蜻経費がM鵞 、 鮨襴鶴纏蒻■等1鼈 亀繰贔金 蜃鼈亀積立金礁襴恭投資 饉 鰊件■繹鼈t維 持鶴鰺費鵞傷 簗 鵞 いっ 峰 4襴 凸資金 雙付金 な たこう蟷 い になってい隣ふ投賣鑽経費 は 「 a翁 院でダ 鸞場総りほとんなが警躇建設事業■で飩蝙。警濾建設薯藁費 や軋訳でま ま璃櫨靱 は襴れ― 。 事業がけ 翠独薯灘辟4癬 鍮鼈となって燃 聰槙大手 が単独事%で 飩る過とが鵞 かは。 馘愧年度か錮2輪 やン奪魔 たか 1/7屹 鰊性質削又釉や推移 をみ轟と、祓 眩減少難 が 高いりが投資 饉≪賣 爾餃付盆輯亦 りや 猾 亀減少 してい は。纏靱事灘も鼈 猾滅璃単 独事糞亀ヅ 艤減 と設文蜻経費だけでに進飩襴%減 少 していは。Å件■ (鯰 4襴 ね、を やみち鰈量総 亀聰 鼈滅 となって燃 り、ゆ件■綺鵞滅、維持管理費鶉 %減 鶴禰蛛 -6方 で、数 金等54襴 M、 横立金蝙 襴な と輸並み大漑な減少 ななっていは。をや・ 隣 M鵞 購、搬獲鰤 呟檜襴贈、繰贔奎 釉鰤躊襴辟隕撫 となっていは。 "は と進檜で、下炒華埒濾灯渉鉤年 か饉咆愕鍮奪 まけ篇炒次総合計画はmと ざいて購 づ くりゃ基本 M綴 降は、O釉 然 饉鐙瞳 を大切に 政運営 が実施 孟れてきた。 嚢孟‐ す藉ま炒、@颯 性軋な歴史J務 文亀劣行かままち、│◎ 鍮近を生滅窒%の 質 の軋上 を目鶴ず歳六、0「 丸づ くり」 と「豊Мな交流ゴ な赳進す躇甕ちの4う が褥ゲ躁 れてい 靡。区分爾蜀土瞳麗燿雉域では、みをとまちゾ姜 ン (魔 糞経済、行政、 文化等の中躯 な担 うなどない価薫 とをは鰤鰺)、 鐘落 ゾーン (住 みより豊満環境 ― 颯鸞 ― の整備 を進 める地域 )、 海岸 ゾー ン・ 森林 ゾー ン・ 農用地 ゾー ン・ 水系 ゾーン (自 然環境 の保全 を前提 に調和 の とれた活用 を目指す地域 )に 分 けてお り、自然 との共生 を図 りつつ、産業 の活性化 と安心で きる生活環境 づ くりを進 めるため、 総合的かつ有機 的 な土地利用 の推進 を図 ることが唱われて い る29。 こ うした総合計画の重点施策 に沿 った形 で、全国的 な動向 と同様、下 田市で も1990年 代 か ら2000年 代初頭 にか けて いわゆるハ コモ ノ建設 ラッシュが続 いて きた。 市民文化会館、温水 プール、サ ンワー ク下 田、蓮台寺 パー ク、道 の駅 な どの建 設 が国 と県 の補助事業や交付税措置 を通 じてすすめ られて きた。下田市 振興公社 での ヒア リング調査 によれば、建設費 に関 しては国や県 か らの財政支 援 が得 られ るが、維持管理 コス トについては、市の財源で賄わなければならず、 指定管理者 へ の移行 で職員 を切 らざるを得 ない状況 になってい るとい う。温水 プールの利用者 は ピー ク時 には12000人 であったが、 その後4000人 にまで減少 し、2005年 には休 止 に追 い込 まれている30。 また、市職員労働組合執行部 での ヒア リング調査 によれば、下田市の職員 は 2007年 現在 で273名 だが、2008年 度 には29名 が退職 して7名 を新規採用する、つ まり退職不補充 によって人件費が削減 されている とい う。職員給与削減率 は2007 年度 か ら2009年 度 にか けて 平均5。 8%の 削減率 となる。2006年 度か らすでに給与 の大幅 なカ ッ トが実施 され、臨時職員 の割合 も増 えて きて ぃ る。保育所 では正 規職員 と臨時職員 の割合 はほぼ1対 1だ が、調理 師 になる と1対 2の 割合 になる。 ラスパ イ レス指数 も低 く、東海地方では最低水準 の85。 8%に す ぎない。 2009年 度予算では、一般会計 が さらに圧 縮 されて82億 600万 円 となっている。 2008年 度 当初予算比では4。 7%減 のマ イナス予算 である。その取 り組みについて は、①下田市集 中改革 プランの推進、②観光施 設及 び観光資源 の有効活用の推 進、③地域岸 業経済活性化 へ の支援、④少子 。高齢社会 に対応 した福祉及 び文 化的サ ー ビスの充実、⑤市民 生活 に直結 した環境整備及 び防災対策事業 の推進、 ⑥第8次 教育施設整備 5カ 年計画 の推進 が掲 げられて い る。① では戸籍の電算化 事業 (約 8300万 円)と 繰上償還 と借換 えによる公債費負担の削減 (公 的資金補 償金免除繰上償還元金 (約 1億 500万 円)、 ② で は 「海洋欲 の郷・ 下 田」 を定着 させ るための下田市観光協会補助金等 (約 1780万 円)、 黒船際執行会補助金・ 下 記海岸対策協議会補助金 等 (約 2800万 円)、 な ど、③ では国 の事業 である 「ふ 29下 田市 『第3次 下田市総合計画』 を参照。 "下 田市振興公社での ヒア リング調査 による。 -61- るさ と雇用再生特別基 金事業」「緊急雇用創 出事業」(約 1200万 円)や 中小企業 金融対策事業 (信 用保証協会損失補償負担金等約 320万 円)な ど、④ で は地域 子育てセ ンター建設事業 (設 計委託 170万 円)、 放課後児童対象事業 (830万 円) 31。 な どが示 されて い る 以上の よ うに、下田市 の一般会計歳 出規模 は2000年 代 に大幅 に縮小 し、民生 費 を除 くほ とん どの経費で歳 出カ ッ トが進行 した。従来 のハ コモ ノ中心 とした 観光政策 の矛盾 が公債費や維持管理費 の増加 とな ってあ らわれ る一方 で、少子 高齢化や貧困化 を背景 に需要増 が高 まっていったのである。 表 13 下田市 一般会計性質別歳 出決算額 の推移 (2001-2007年 度 ) 単位 ;千 円 2001--2007 2006 2002 増減額 人件費 1,902,756 -608,470 -24% 1,574,460 1,367,045 1,295,618 -493,304 -28% 1,217,601 1,199,308 1,209,694 3141010 1,361,816 1,354,805 1,633,713 1,381,676 62,440 1,360,880 1,354,805 1,633,713 1,381,676 63,930 2,371,543 2,337,041 2,226,190 2,246,825 1,788,922 1,685,142 1,632,839 1,561,840 扶助費 895,684 981,292 1,164,459 1,208,190 公債費 1,319,236 1,331,965 1,436,280 1,317,746 1,331,641 1,436,585 元利償還金 一時借入金 利子 (義 務 的経 費計) 物件費 維持管理費 補助金等 うち一部事 務組合負担 金 繰出金 -1,490 0 4,726,146 4,684,800 4,937,780 4,796,196 4,819,231 4,951,961 4,494,126 -232,020 1,015,809 1,033,556 1,020,098 914,439 926,439 903,305 910,164 -105,645 60,078 54,648 57,313 1,236,903 1,229,132 1,217,600 599,996 603,135 581,095 1,242,437 1,247,975 積立金 702,420 投資・ 出資 金 0貸 付金 348,684 % 2,118,940 2,511,226 うち職員給 増減率 -100% -10% -9,535 38,607 1,051,656 835,586 819,520 417,383 -34% 630,502 551,706 505,810 478,343 121,653 -20% 1,345,573 1,290,249 1,315,013 152,197 113,924 135,742 23,794 34,923 1,204,379 前年度繰上 充用金 1,308,199 159,548 255,526 1,503,501 342,815 -359,605 -51% 312,378 -90% 0 別「 広報 しもだ」2009年 4月 号。 いずれの数値 も職員人件費 を控除 した額 として計上 されてい る。 - 62 - 単位 ;千 岡 2103 21◎ 2 2◎ 0最 2106 2101-20◇ 7 20③ 7 増減額 投賣的経費 1,159,997 l1197.126 460,751 474,3112 l,480,733 l.717,491 640,643 % 519,354 -17、 212 うち入件費 37,635 普通建設事 業費 l,l154,140 1,196,369 l,6119,668 l,417,024 411,667 306,3115 6211,472 -433,668 うち補助 327,447 634,249 1,lly6,307 997,365 133,7◎ 6 132,236 186,978 -190,469 うち単独 616,220 612,l184 349,307 364,179 228,496 l19,969 43L844 一184,376 災害復 1鐵 事 業費 105,857 207,823 62,735 154,446 失 業対策 事 業費 0 O 0 O 10,498,012 9,493,7115 10,464,035 歳 轟合計 増減率 36,656 8,795,918 9,874,348 8,7111,7611 -85,686 0 0 8,797,618 1,7011,394 -81% (資 料)下 鯰蒲 「決算ルー ト」各年度販 &り 作骰6 能鶉聰蝙晰剋瘍靱写漑祓珍 明写 鰤輻隋鯰釉卜颯絣晰諫鰈輻蝙勒 《 議懸醸 嗜鑢幸́轟疇、 攀拳醸 瑳藤‐ 攀摯壕‐ 鐵議 竜攀.攀 攀曝手 攀難⑬ 3}警 ф 幸醸醸 鰺‐ 導=幸 参鍮F喉 攀幸 雄=中 鬱準,等 警準 購.準 轡酷.攀 難拳 議 : 貯 憔醸錢 康醸醸ず 意 窯‡ 置犠癬驚 意藤醸叢 壼嚇犠罐 勝醸奪墓 :醸 灘麟 咸 災轡艤檬畢鸞壼 隋鸞灘鑽攣纂艤雙 魃撥鸞畿瞳畿 隋鍵諄畿総血麓鸞農 躙 饂欝 摯 畿:壼 畿 構 雙彎畿 骰機 宣磯 無艤識量 輻 鑢祓畿等 躙饉鋳鸞1瞳 畿 翻籠轄量 無畿艤畿 懇 鐘麒鸞 醸∴諄量 │ (資 料)下 国市 「決算 豫― 卜」各年度販 よ う作咸。 ■ 強を5躙 餞 薇颯鉤躙颯戌 瘍颯魏 │ ‐ ム な、一般金講歳入 晰薇咸 劣鵞≪ぬ くことに しぬい。膠蘊 5年 度決纂 な篤 攣ろ 瞳方機 の爾合 はN鵞 、L方 交わ鶉 晰蟄舎 可鱚 俯氏蝠庫支 炒金 が抒鼈、県支 釉金 幽滲熙、L方 鐘 蓼瘍鼈 ないった憮骰hに なって い は。伊薫醸 と兆 冬 儘 と依存鯰源 一 一 祠 の割合 が高 く、 三位 一体改革 による交付税削減や補助 金見直 しの影響 を強 く受 けて い る。 表 14と 図8は 、2001年 度 か ら2007年 度 にかけての下 田市 一般会計歳入 の推移 を示 したものである。 まず地 方税 については、2001年 度 か ら2006年 度 にかけて 年 々減少 して い る。金額 でみれば34億 円か ら31億 円 までになって い るが、伊東 市 と同様、 国税 か ら地 方税 へ の税源移譲 によって、2007年 度 には34億 円弱 とな り、結果的 には2%の マ イナス に とどまって い る。 ただ し、 ゴル フ場利用税 は3 割 のマ イナス となって い る。 表 15と 図9に よ り、2007年 度 の地 方税 の内訳 についてみ る と、下 田市 で は個 人市民税 の割合 が地 方税 の31%を しめてお り、法人市民税 の割合 は7%程 度 で ある。固定資産税 は46%と 最 も高 い比重 を しめて い る。入湯税 は3%、 都市 計 画税 は6%と なって い る。7年 間 の動 きをみ ると最 もシェアの高 い固定資産税 が 7%の マ イナス、都市計画税 も10%の マ イナス となってお り、特別 土地 保有税 はほぼゼ ロに近 い。 その一方で、個人市民税所得割 は税源移譲 や定率減税 の廃 止 な どの影 響 を受 けて16%増 とな り、市民税 全体 で も14%増 となっている。個 人市民税所得割 の増税分 は、所得税減税 によって相殺 されて い るとはい え、市 民負担面 か らみれば、定率減税 の廃 止 によって、かな りの負担増 となってい る。 一方、普通地方交付税 は2001年 度 には23億 円であったが、2007年 度 には21億 円程度 にな り2億 円程度減少 して い る。 ただ し、2007年 度 は所得税譲与税廃 止、 税源移譲、下水道資本費平準化債 発行 の減額、新型交付税 の段階的導入 による 影響 で、地方交付税 はわずかなが ら増額 となって いる。 しか し、所得譲与税廃 止 によって前年度 に比 べ ると1億 8000万 円 も減少 とな ってい る。 さ らに恒久的 減税廃止 によって地方特例交付金や減税補填債 が廃 止 されて、新 たに特男U交 付 金 が創設 された ことに伴 って、地方特例交付金 が6割 減 (3340万 円減 )と なる な ど、 国 による制度改革 の影響 が強 くあ らわれて い る とみて よい。 国庫支 出金 については、 三位 一体 の改革 の影響 を受 けて、8億 円か ら6億 円 に まで2億 円減 (26%減 )と な り、県支 出金 も8億 円か ら4億 円 まで半分 の水 準 に まで落 ち込 んでい る。使用料 も3割 減、繰入金 は半減、繰越 金 も3割 減 とな り、 寄附金 はほ とん ど皆無 に等 しい状況 になって い る。 また諸収入 も7割 減 となっ た。 これに対 して、手数料 は13%増 、地方債 は17%増 となって い る。地方債 の う ち、半分近 くが臨時財 政対策債 である。2007年 度 には、焼却炉改良事業 に充 て る地 方債発行 (3億 2870万 円)に よって、公債 が前年度 よ り5割 多 い6億 5000万 - 64 - 円 となって い る。2007年 度末公債残高 は、一般会計 で約98億 円、下水道事業特 別会計 で約89億 円、水道事業特男U会 計 で約32億 円、集落排水事業特男U会 計 で約 1億 円 とな り、合計すれ ば約 227億 円にのぼる。 この うち元利償還額 は26億 円に ものば り、 この額 は1年 間 の民生費 をも上回 る額 である。 表 14 下田市一般会計歳 入決算額 の推移 (2001年 度 …2007年 度 ) 単位 ;千 円 2001年 度 2002年度 2003年度 2004年度 2005年 度 2006年 度 2007年 度 2001-2007 増減額 3,425,982 3,323,630 3,219,645 3,100,299 3,151,922 3,112,899 3,374,345 -51,637 地方譲与税 85,479 85,822 89,442 141.142 191.010 279,435 88,921 3,442 利 子割 交付 金 121,796 35,916 21,905 20,107 13,758 地方税 配 当割 交付 金 -109,400 0 307,065 ゴル フ場利 用税交付金 15,070 261,445 280,259 313,067 290,607 303,259 292,396 14,669 -5% 11,329 11,129 10,805 10,622 10,057 -5,013 -33% 特別 地方消 費税交付金 -100% 自動 車取得 税交付金 65,993 59,867 60,469 71,702 62,285 地方特例 交 付金等 95,319 90,088 85,468 81.418 76,790 地方特例交 付金 95,319 90,088 85,468 811418 76,790 2,602,025 2,424,798 2,431,118 特別交付金 59,592 -6,401 -10% 17,020 -78,299 -82% 56,624 11,863 -83,456 -88% 2,455,272 2,513,870 -354,212 -12% 63,352 0 2,868,082 2,687,321 普通 2,355,075 2,192,305 2,136,958 2,007,781 2,055,101 2,103,133 2,169,785 -185,290 特別 513,007 495,016 465,067 417,007 376,017 352,139 344,085 -168,922 6,985,360 6,557,874 6,370,688 6,171,812 6,244,263 6,306,908 6,835,062 -150,298 (一 般 財 源 -90% 10,343 地方消費税 交付金 計) % -2% 9,272 株 式等譲渡 所得割 交付 金 地方交付税 増減率 - 65 - -33% 単位 ;千 円 2001年 度 2002年 度 2003年 度 2004年 度 2005年 度 2006年 度 2007年 度 2001--2007 増減額 交通安全対 策 費特別 交 付金 分担金 0負 78,739 87,293 203,516 201,526 203,944 164,901 39,753 95,230 830,226 1,195,740 1,124,344 718,443 667,644 849,844 447,204 699,998 479,846 432,501 83,746 210,019 199,583 国庫支出金 830,355 都道府県支 出金 使用料 手数料 財産収入 % -12% 85,871 担金 増減率 42,228 46,312 58,721 -72,309 -34% 615,848 214,507 -26% 504,163 435,266 -414,578 54,563 88,267 137.710 87,943 80,929 寄附金 330,836 6,987 25,727 -319,606 -97% 繰入金 425,630 356,628 552,510 377,463 259,773 421,877 221,292 -204,338 -48% 繰越金 425,630 354,805 191,050 241,136 190,981 138,497 289,768 -135,862 -32% 124,713 -287,097 -70% 575,100 -39,300 -100% 諸収入 411,810 66,229 67,385 149,030 123,271 165,325 地方債 491,200 649,900 1,248,200 1,124,700 578,200 517,000 うち減税補 填債 39,300 36,700 145,300 146,600 115,200 22,700 うち臨時財 政対策債 141,600 299,500 595,500 428,500 328,100 283,100 256,800 10,852,817 9,684,755 10,705,171 10,065,329 8,934,410 8,991,528 9,075,275 歳入合計 (資 料)下 田市 「決算 カー ド」各年度版 より作成。 - 66 - 115,200 -1,777,542 -16% 絃瘍蜀躊魃艤錮麒夕漑睫夕 鼈隋 ン儡瘍写颯絋蒻核凩靱粽麒 瘍黎勒 佗 彗雄 燿鑢 避議畿入 難鑽餞壼 機壽二‐ 癬 総欝‐ 総議 難難蕊裁風 ‐ 醸欝鸞鋒鐸賞 :灘 奪 麟鐵鱗寵轟議 鑢蓼鸞綴 鶉鸞 覇襲 艤毒:羹 壼・嚢麹量 轟貴鷺警食議議鷺警 鷲贅 :な 蓋 曇籠 奪豊彎鸞 鸞藻1薄 鐘韓食ま せ濃苺 諫 懇鞠驚摯議靭豊灘鶯 濃縫1幾 罐驚濃鸞難責 艤ゴ藤警鍵褻籍職資奪鵞 '1鸞 磯驚 本轟‐ 驚驚 舞鸞養 玲難1式 警轟濾嚢響:鐵 1菫 策難 選難饉類究封量 轟摯:拳 難賞彗 畿 麟鸞 芳簸ふ量 響筆:葉 難 予写予写写写写 難鱗 (■ 料》下圏藩 「決算 楡― 卜」各年度販 よ り作鰊。 能やけは 櫻飩匁絃瘍鬱マ蝙釉⑪l l l 鉤燎櫻 滲躙晰鰈魏弥粽憮瘍鶉穆 鸞 ‐ 211豊 年度 趙02年 度 2003年 度 2004年 度 20◇ 6年 度 2◎ 蘊年度 単位 ;予 吻 20③ 7年 度 211豊 ― 懲O③ 7 増減額 市野村民税 彊入市民税 個人均等割 ltti3,462 977,3ii5 966,669 939,2711 997,614 l,269,816 156,354 853,472 78機 ,660 7711,359 742,874 800,972 1,l141,821 169,037 520 20,862 396 33,863 38,351 86,671 14.911 l,l105,159 l,057,942 891,784 21、 2‡ ,7611 30、 煽入所得害け 870,l184 831,952 761,798 739,963 7119,llll 762,621 法入市民税 221,678 804,4711 194,7115 ‡ 8う ,303 187,396 196,642 227,995 6,317 89,9511 88,932 4 84,7‐ l了 84,308 83,624 88,l14 ―l,836 法人均等害じ 法入税割 固定資産税 うち純麗定 資産税 軽 自動車税 82,5◎ ‡ 03,088 131,728 l15,538 l12,201 iOl,656 7 1,649,486 l,564,2116 l,57θ ,761 li382,769 1,548,643 l,551,672 l,649,843 l,655,90機 l,560誰 06 l,572,319 1,537,974 l,541,8111 l,669,6θ l,658,825 113,018 43,378 44,735 45,504 47,Ol15 47,771 49,ll14 市 町村 を ど こ税 228,599 217,741 919,779 220,2116 209,83i 210,704 266,311 特麗 土地保 有税 62,926 51,2011 123,450 (法 定 蓄 遍 税計) 3,l14,86働 747 2,929,535 019、 2メ 議 … はマ ー 847,146 135二 26 _lly,935 0,8115,587 3,077,398 一学 % ―l17,004 -22,i98 -61,44‡ 77,271 2,798,621 % 139,881 41,248 3、 増減率 37,454 =990/0 単位 ;千 鶉 20◇ 1年 度 雉O慇 年度 2603年度 20◇ 4年 度 211豊 -2◎ 07 2115年 度 2106年 度 Z007年 度 増減額 圏的税 311,i311 入湯税 都市計画税 合計 303,883 299二 lll 311i,778 3113,888 2911,liO 92,921 221,861 219,94◇ 208,987 3,425,982 3,323,6311 3,219:645 2118,857 3武 l10,299 307,312 3114,776 296,947 増減率 0/0 -14,183 -5% ―100/0 106109 2118,298 202,203 199,319 -22,542 3,151,922 3,112,899 8,374,345 -51,637 ―卜」各年度販 よ り作成。 (資 料 )下 覇叢 「決算豫― 錢瘍瘍饒驀肱鯰蜀ポは之夕 躙鰈■ン輻鰈瘍靱嶽躙憮勒瞼靡 《 屁繹導 さ 麒 1総 鐵藝 鶉熱轟灘鶉 写 写 写予予 辟 写 : 苺 苺 蠅丸驚鷺轟 議Å華轟瞳 ・ 麟宣鸞麟畿 ― ‐・難 醸艤筆畿 林讐 ・Ⅲ驚1諄 彎無│ぶ 轟離 ヽ:轡 灘意鑢馨蓬難 "機 ・ =Ⅲ … ∴鷺幾 勒 鹸 輔 一 導鑽 (賛 料)下 吻華 「決算豫轟 ド』各奪魔販 よ う作成。 贔後 鍾、下炒叢幾賛事磯会議へ鰊繰釉金 なつい≪なわておこう。表 趙は、1鵞 掏 年度 から凩儡咎 奪魔 鍾尚 ξ ヂ≪錮繰炒全 や推移 を示 したにので趙燎。繰錢金 なく鉤 億焉か蝙渕濾曰な歳渉隕鸞 してぃ渉が、始晰鉤調をみ はな璃下水道、病蛉、上 水道 と<よ 進繰炒金 がはた続 けてい 呼通とが分か藝。金額疱には下水道金講への 繰臨金 が大 きく、ほ 鐘 %か 磋痣 億膨ぬ くに■鰊ぶってい靡。吻民甕康保雉 已つい て■%億 吻麟後荀纏謳金がえ饉ンたはどてい 隣ことが隧 えは。を通で、賃又化 と 7鼈 のM連 が大 きい蜃民甕朦爆咸― 会議の状朧Й こついてみでおきたり。 ― 鰤屏 ― 表 16 下 田市公営事業会計 へ の繰 出金 (2001-2007年 度 ) 単位 ;千 円 2002 2003 2004 2005 2006 2007 1,326,643 1,326,040 1,426,828 1,377,060 1,411,910 1,394,068 1,606,367 646,700 589,900 732,200 632,300 623,700 592,100 784,512 59,393 59,867 64,607 65,774 65,674 67,035 70,392 31,223 18,834 32,474 2001 合計 下水道 病院 上水道 19,275 23,736 16,648 21,037 国民健康保 険 228,293 214,224 232,985 198,162 197,370 201,329 178,697 その他 372,982 338,313 380,388 459,787 493,943 514,770 540,292 (資 料 )下 田市決算 カ ー ド各年度版 に よ り作成。 市町村 が運 営す る国保 加入者 は、全国 で約 5000万 人、人 口比 に して約4割 に あたる。国保収入 は、 主 に保 険料収入、国庫支 出金、 自治体 一般会計繰入金 な どか ら構成 されて い る。国保 の国庫負担率 は、地方行革 が実施 された1984年 当 時 の法 改正 によって49。 8%か ら34.5%に まで引 き下 げ られた ことで、全国的 に 住民 1人 当 りの国保料 (税 )が 3万 9020円 (1984年 度 )か ら7万 8959円 (2004年 32。 さ らに、三位 一体改革 によって2006年 度 と2007年 度 だけで 度 )と 倍増 した も6,862億 円 の国庫支 出金 が税源移譲 の対象 とい う名 日で削減 され ることとな り、財政難陥 った多 くの 自治体 で国保料 (税 )の 大幅 な引 き上 げが実施 されて きて い る。 この過程 で、全国的 に滞納者数 と資格証発行世帯数 も増加 の一途 を 辿 った。2007年 度 で国保滞納世帯 は480万 世帯 (滞 納率 19%)、 資格証交付世帯 は34万 世帯、短期保 険証交付世帯 は115万 世帯 にも及 んで い る。2004年 度 の厚 生労働省 の調査 によれ ば、国保 加入世帯 の平均所得 は165万 円であ り、低所得 33。 資格証発行世帯 は、窓 口で医療費 を10割 支払 わ な 者層 が多 く加入 して い る けれ ばな らず、 それが支払 えない ために診療 を受 ける ことさえで きない世帯 が 急増 して い るのである。 下田市 では、国民健康保険加入率 は世帯 に対す る比率 で64%、 人員 に対す る 比率で は51%と 半数以上が国保 に加入 して い る (表 17)。 全 国水準 か らみて、下 田市の世帯 の国保 加入率 は6割 以上である ことか ら2割 以上 も高 い ことが窺 える。 下 田市福祉事務所 によると、国保加入率 が高 い のは、就業者 の多 くが中小旅館 32日 33厚 本民医連の調査 による。 生労働省調 べ による。 -69- に集 中 してい るためである とい う。 また、国保加入世帯数 は、 2001年 度 か ら 2007年 度 にか けて7000件 か ら7400件 弱 にまで増 えて い る。被保 険者 1人 当 た り の国庫支 出金 が7万 2000円 か ら6万 7000円 にまで削減 され る一 方、被保険者 1人 当た りの保険料収入額 は、7万 5000円 か ら8万 8000円 にまで増 えてお り、個人 の 保険料負担額 が増 え続 けてい ることが窺 える。 表 18と 表 19は 、下田市 にお ける国民保健事業会計 の支 出 と収入 の推移 を示 し たものである。会計上 は収入 か ら記 載 されて い るが、 ここで は財政学 の方法論 に則 って支 出か ら表 記す ることにした。2006年 度 と2007年 度 に関 しては、2008 年度 か らの後期高齢者 医療制度 へ の移行期 にあたる調整措置 が行わ れてい るこ とを注意 しておかな けれ ばな らない。2006年 度 に都道府県 との共同事業拠 出金 (保 険財政安定化 )が 設 けられた こともその一つで ある。 まず支 出 については、保険給付費が7年 間 に16億 6400万 円か ら21億 6800万 円 にまで30%も 増加 した。介護納付金 も1億 5000万 円か ら2億 1500万 円にまで 5 1。 倍 になっている。 また、都道府県 との共同事業拠 出金高額 医療費 は3倍 とな り、 保険財政安定化拠 出金 も2006年 度 に1億 5000万 円、2007年 度 に3億 円 となってい る。全体 としては7年 間 に26億 7000万 円か ら34億 1900万 円 と3割 増 にまで拡大 し ている。 一方、収入 については、保険料合計収入 が15%増 となって い るが、 その中で も退職被保険者 医療費給付分収入 の増加率 が著 しく80%増 となって い る。国庫 支 出金 について は、7年 間 で 10%減 となって い るが、 その内訳 をみ る と2004年 度 か らは事務費負担金 がゼ ロ とな り、療養給付費負担金 も13%減 となるな ど、 三位 一体改革 の影響 を受 けて い ることが分 かる。 こ うした中で、一般会計繰入 金 も5割 程度増加 した。 下田市 では一人 当た りの国民健 康保険料 と介 護保険料 は、県内で も最 も高 い 34。 水準 になって い る 保 険料 (税 )の 引 き上 げに伴 って、滞納世帯 も増 え続 け て い る (表 20)。 2004年 6月 1日 現在 では7322世 帯 の うち1337世 帯 が保険料 を滞 納 し、短期被保 険者証交付世帯数 は349世 帯、資格証経書交付世帯数 は99世 帯 であった。2007年 度 6月 1日 現在 には、7402世 帯 の うち、滞納世帯数 は1514世 帯 にな り (滞 納率20%)、 短期証発行世帯数 は347世 帯、資格証明書発行世帯 は137 世帯 にも増加 して い る 35。 生活 困窮者 が増加 し、新 たな対応 が求 め られて い る 34下 田市福祉事務所での ヒア リング調査 による。 352009年 2月 には、下田市 は滞納税 を回収するために、消費者金融業者 に利息 を払 い過 ぎた滞納者 に代わって業者 に過 払 い金返還 を求める訴訟 さえ起 こす方針 を固めてい る (「 消費者金融へ の過 - 70 - とい えよう。 なお、2008年 度 か らは後期高齢者 医療制度 が導入 された ことに伴 って、75歳 以上 の被保険者 が下田市国民健康保険事業会計 か ら広域連合後期高齢者 医療会 計 へ移行 したため、後期 高齢者 へ の移行人数 と合 わせ て分析 す る必 要 がある。 この点 については、別稿 にて改 めて分析 す ることに したい。 表 17 下田市国民健康保険事業会計 の推移 2001 2002 2003 (2001-2007年 度) 2004 2005 2006 2007 144,772 62,146 50,902 73,989 96,684 146,059 139,560 再差 引収支 (千 円) 51,297 -23,626 -31,232 35,477 -34,543 -19,513 -16,021 加入世帯数 (世 帯 ) 7,064 7,154 7,276 7,364 7,387 7,408 7,375 13,763 13,913 13,932 13,968 13,853 13,705 13,447 実質収支 (千 円) 被保 険者数 (人 ) 被保険者 一人 当た り 保険料収入額 (千 円) 74 被保 険者 一 人 当た り 国庫支 出金 (千 円) 被保険者 一人 当た り 保険給付費 (千 円) 国民健康保 険加入 率 (世 帯、 %) 62.6 国民健康保 険加入 率 (人 員 %) 49。 9 52,0 『下田市統計書』等 よ り作成。 (資 料)下 田市決算カー ド各年度版、 表 18 下 田市 国民 健康 保 険事業会 計支 出 の 推移 (2001-2007年 度 ) 単位 ;千 円 2006 2001--2007 増減額 総務費 保険給付費 老人保健拠 出金 払 い金 17,235 1,664,897 1,522,521 1,835,632 862,405 796,372 返還 を代理訴訟 1,913,942 670,598 20,320 23,898 6,550 2,169,974 1,349,243 2,168,350 503,453 655,497 576,329 557,229 -151,120 増減率 % -21% 『朝 日新聞』2009年 2月 25日 静岡版朝刊)。 下田市、滞納税分回収 へ」 -71- 単位 ;千 円 2002 2005 2003 2001-2007 2006 増減額 介護納付金 145,523 144,772 共 同事業拠 出金 (高 額 医療費) 175,794 102,108 223,829 55,452 59,802 62,303 共 同事業拠 出金 (保 険 財政安定化) 223,952 215,633 70,110 69,767 52,997 増減率 % 151,451 保健事業費 2,620 2,490 2,492 直診勘 定繰 出金 基金等積立 金 公債費 その他 の支 出 合計 0 0 115,575 79,333 20,483 2,670,383 2,645,404 2,902,702 112,845 23,628 2,876,741 3,203,834 3,191,879 3,419,039 748,656 (資 料)下 田市 「国民健康保険事業状況報告書 (事 業年報 )」 各年度版 よ り作成。 表 19 下 田市 国民健 康保 険事業会 計収入 決算 の推 移 (2001-2007年 度 ) 単位 ;千 円 2001 2002 2005 2006 2007 2001--2007 増減額 保 険料 一 般 被保険者 医療費給付 分 826,057 介護納付分 825,074 778,364 850,824 870,266 868,220 53,557 58,386 68,295 72,320 72,289 849,891 23,834 15,886 被保険者分 880,073 878,631 836,749 919,119 942,586 940,509 919,793 39,720 保 険料退職 被保険者 医療費給付 費分 140,048 141,958 154,922 204,677 231,205 233,360 251,588 111,540 151,904 154,125 169,583 224,722 1,031,978 1,032,756 1,006,333 介護納付分 被保険者分 保険料合計 20,045 1,143,842 -72- 252,296 250,430 267,761 115,857 1,194,882 1,190,940 1,187,554 155,576 増減率 % 単位 ;千 円 2004 2001 2006 2007 2001-2007 増減額 国庫支出金 事務費負担 金 療養給付費 等負担金 増減率 % -100% 0 787,824 796,874 849,064 834,994 778,162 654,081 689,070 -98,754 173,473 179,050 224,376 223,674 222,799 199,098 186,041 12,568 高額医療費 共同事業負 担金 普通調整交 付金 特男U調 整交 付金 -24,066 出産 育児 一 時金等 補助金 0 0 特別対策費 補助金 0 -1,165 国庫 支 出金 合計 990,883 985,485 1,088,852 1,074,966 1,017,823 870,195 896,556 -94,327 療養給 付費 交付金 440,338 325,236 442,028 423,622 582,018 631,401 643,097 202,759 115,977 117,821 117,821 都道府 県支 出金 高額医療費 共同事業負 担金 15,576 第 1号 都 道 府県負担金 82,687 第 2号 都 道 府県負担金 連合会支 出 金 ‐100% 21,290 0 14,728 共 同事業交 付金 高額 医 療 費共 同事 業交付金 88,727 - 73 - -14,728 -100% 単位 ;千 円 2007 2004 2002 2001-2007 増減額 保険財政共 同安定化事 業交付金 146,581 繰入金 一 般 会計保 険基 % 313,953 90,208 79,817 盤芦定 (保 313,953 増減率 険税軽減) 繰入金 一 般 会計保 険基 盤安定 (保 険者支援) 24,594 基準超過費 用 0 25,890 0 職員給与費 等 -8,000 出産育児一 時金等 財政安定化 支援事業 その他 -88,600 734,000 -100% 70,000 102,159 その他 の収 入 合計 1,696,449 12,034 基金等 繰越金 -1,500 12,800 12,709 -44% 144,772 96,684 62,146 2,815,155 144,772 基金等保 有 額 70,783 2,707,551 47,400 12,526 6,827 収支差引残 149,559 2,953,604 2,950,730 73,989 3,300,518 3,341,488 3,558,599 743,444 149,559 139,561 -5,211 100,798 市町村債 (組 合債) (資 料 )下 田市 「国民健康保 険事業状況報告書 (事 業年報 )」 各年度版 よ り作成。 - 74 - 表 20 下田市 にお ける国保料滞納者の状況 単位 ;世 帯 2004生 F月認 2005年 度 2006年 度 2007年 度 国保加入世帯数 7,322 7,401 7,403 7,402 国保 滞納世帯数 1,377 1,417 1,701 1,514 349 399 415 347 99 86 109 137 短期被保険者証交付世帯数 資格証明書交付世帯数 (資 料 )下 田市国民健康保険課 「滞納者対策 に関す る調査 」各年度 よ り作成。 おわ りに これ まで、伊東市 と下田市 を中心 に、2000年 代 の地域経済構造 の変化 とくに 貧困化 との関連で、地方財政 へ の影響 がいか なるものであったのかについて検 証 して きた。伊東市 の場合 には、人 口や観光客 は微増傾 向 にあるものの、全体 的 に非 正規雇用 が拡大 す るな ど雇用形態 の変化 の過程 で貧困化 がすすみ、生活 保護世帯 も増加傾 向 にあることが示 された。 また、下田市 の場合 には、人 口が かな り減少傾 向 を辿 り、高齢化 と生活保護世帯 の増加、国保滞納者 の増加 にも み られ るように、伊東市以上 に貧困化 がすすんで い ることが示 された。 そ うし た ことが、 自治体財政 を逼迫 させ、市民サ ー ビスの低下や公共料金 の引 き上 げ に拍車 をかけて、 それがさ らに貧困 を拡大 させ るとい う悪循環 に陥 っているの である。 いずれ も共通 して い るのは、地域産業 の中心 をな して きた観光産業の低迷 と 雇用 の変化や、国 による三位 一体改革 な どの影響 を受 けて、 これ まで以上 に医 療や福祉 へ の需要 が高 まった ことである。 1990年 代 の国立病院再編 の影響 を受 けて、伊東市 が新 たな市民病院建設 のために財源捻 出 に苦慮 して い るのもその あ らわれであろ う。 また、下田市 では、老朽化 した共立 湊病院 の建 て替 えをめ ぐる議論 が展開 して い る。 また、熱海市で も国立病院統合再編 に伴 って病院 の 誘致 が必 要 とな り、誘致 に際 して30億 円 もの経費 を要 した。地域再生 のために は、地域 にお けるセーフテ ィネ ットを構築す る必 要 があ り、国 の財政責任 を明 確 に した上で、分権型福祉社会 に向 けた実践的試み を推進 して い くことが求 め られて い る。 ところで、地域 セーフテ ィネ ッ ト取 り組み の先進的事例 ともいわれ る盛岡市 では、市部局、生協、NPOと の連 携 を強化 して、生活困窮者救済 のためのネ ッ - 75 - 36。 生 トワー ク化 を図ってお り、新 たな地域再生 の方策 として注 目され て い る 活困窮者 のための制度 は、縦害Jり 型 の国 の官僚 シス テム な どの影 響 を受 けて、 非常 にわか りづ らい もの となってい る。 それ に加 えて県や市独 自の制度 が複数 存在 してい る。盛岡市 ではNPOが 中心 となって、それ らの制度 をメニ ュー化 し、 生活困窮者 が どの窓 口に相談 にきて も柔軟 な対応 がで きるシステムを発展 させ ている。 盛岡市生活保 護課 では、 申請者 があれ ばすべ て受理 してお り、抑制す る方針 はない とい う 電力会社や収税担 当者 か ら滞納 の通知 を受 けれ ば、何 らかの ー 形 でサポ トす る体制 を とることに して い る。国保年金課 によると、2008年 度 37。 の国保加入 の約 6万 7000人 (市 人 口は約 29万 8000人 )の うち、世帯 に して半数 以下が年収200万 円以下、年収 ゼ ロか ら100万 円未満 が1200世 帯 あ り、その うち 38。 その中には 自殺予備軍 も多 い。盛岡市 では 滞納率 は24%、 1万 世帯 にのぼる 2008年 か ら 「ほほえみ と太 陽 のプロジェク ト」 をつ くって、滞納者 にはまず生 活相談 か らはじめることに した。場合 によっては、消費生活 セ ンター と連 携 し て債務 整理 を行 い、国保料 を執行停止 に して、生活保護 の手続 きをと り、生活 再建 まで含 めたサポ ー トを行 うとい う。 とはいえ、自治体 とNPOだ けの取 り組み では限界 がある。2010年 度 に盛 岡市 財政 は60億 円以上の財源不足 になる見通 しで、予算案 では基金 の取 り崩 しと起 債 が増発 されることになっている。国保会計 は2010年 度 に単年度 と累積分 を合 わせて約 16億 円の赤字が見込 まれ るため、すでに2010年 2月 に国保料 を7.48%も 引 き上 げる ことが決定 されて い る 39。 さ らに保育所 はすべ て民営化方針 が打 ち 出 され るな ど、 さらなる課題 が山積 して いる。 その意味 で は、伊豆地域以上 に 多 くの課題 を抱 えて い るともい えよ う。 医療や福祉 を中心 とした地域再生のため には、 まず第 1に 、国 と地方 を合わせ た公共部門、 とくに基礎 自治体 といわれ る市町村 の役割 の重 要性 を認識 してお く必要がある。新 自由主義の下で著 しい社会サ ー ビスカ ッ トがすす んで きたが、 ナシ ョナル 0ミ ニマ ムや シ ビル 。ミニマ ム を保障す る論理 を明 らかに しなけれ ばな らない。 36盛 岡市消費生活 セ ンター、岩手県信用生協、NPO岩 手サ ポー トセ ンターでの ヒア リング調査 に よる。 37盛 岡市生活保護課 ヒア リング調査 による。盛岡市市民部国保年金課 『盛岡市の国保 と年金』各年 度版 が詳 しい。 38盛 岡市国保年金課 ヒア リング調査 による。 39「 盛岡市 国保税 7.48%引 き上 げ」 「岩手 日報』2010年 2月 16日 付。 - 76 - 第2に 、地方交付税制度 のもつ財源保障機能 を高めてい く必要があ る。三位 一 体 の改革 の流れ は、 ナシ ョナル・ ミニマ ムは達成 された として ローカル・ オプ ティマムヘ の転換 を前提 としたものだが、 ナシ ョナル・ ミニマ ム さえ保障 され ない状況 に追 い込 まれて い る事実 を認識 してお く必要 がある。 また、国庫負担 金 の見直 しについて も、 1984年 以来、国庫負担率 の引 き下 げが実施 され、一般 財源化 がすす んで きた。 しか し交付税 による充分 な財源保障 されなければ、公 共料金 の引 き上 げな どによって、市民 の生活 に多大 な影響 が もた らされ ること になる。生活保護や国保 な どナ シ ョナル・ ミニマ ムの保障 に関わ るものについ ては、国庫補助負担金 とい う形 での国 の負担 を明確 に して、地方 に対 して裁量 権 を拡大 す る方向 がのぞましい。 第3に 、地方 自治 を発展 させ共同参画型福祉社会 の充実 に向けた方向性 を示す ことである。 そのためには、 自治体 とNPOと の連 携 やネ ッ トワーク化が必要 と なる。下田市では、 まちづ くりについて、NPOに よる実践的試み が行 われてい る。 この点 については、別稿 の課題 となる。 - 77 -
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