JICA技術協力プロジェクト: CAM-REDD 森林を守り、温暖化にストップを! <プロジェクト概要: CAM-REDD> カンボジアの森林面積は国土の約半分を占めています。開発 の影響を受けやすい平野部が大半ですが、隣国のラオスと同様 に広大な天然林が今も残っています。しかし、それらも農地や工 REDD+戦略政策実施支援プロジェクト Project for Facilitating the Implementation of REDD+ Strategy and Policy 業用地として次々に開発され、森林減少が加速しています。 1990年代までは、森林からの輸出用木材生産はカンボジア政 府にとって外貨歳入確保のための手段でした。しかし2000年代 実施期間: 2011年6月~2016年5月(5年間) カンボジア政府実施機関:農林水産省森林局 に入ると、政府機関が中心となり、国際NGOの協力を得ながら野 生生物保全に重点を置いた森林の持続的な利用に取り組むよ うになりました。ただそれも、2007年の世界金融危機以降は、資 金調達が難しくなり、新たな調達手段が必要になりました。 こうした状況から、カンボジア政府は温暖化対策の一つである REDDプラス(森林が消えることによって起こる温暖化を緩和する 取り組み)を通して、国際社会からの資金調達に取り組むことに しました。その実施には高度な知識や技術が必要になることか ら、カンボジア政府の要請を受け、日本政府は国際協力機構 (JICA)による技術協力プロジェクトの実施を決めました。 プロジェクトは2011年6月からの5年間。JICAは、国連などの枠 組やNGOと協力しながら、REDDプラスを実行するための組織づく り、戦略政策の作成、現地での森林保全、モニタリングシステム の構築などを支援してきました。 ★カンボジアREDDプラスのプロセス★ フェーズⅠ:準備 (2010-2015年) <カンボジアに経済的効果をもた らすREDDプラス> 森林の保全や持続的な利用を促すR (組織作り・森林保全の活動とその温暖化緩和 効果の検証など) フェーズⅡ:戦略実施 (2016-2020年) EDDプラスですが、一方で、先進諸国 との間での温室効果ガス排出権取引 を活用すれば、カンボジアに収入をも (国家戦略の実施・全土での森林保全の改善・森林 計測の試行など) たらすことになります。つまり、森を守 れば守るほど経済が潤う、という一石 フェーズⅢ:資金調達 (2021年~) 二鳥が可能になります。 (国家森林計測のフル稼働・森林温暖化緩和 実績への成果払いによる歳入など) CAM-REDDのこれまでの貢献 CAM-REDDでは計画に挙げた4つの成果に対して主に以下のような取り組みを行いました。 成果1:体制 省庁間を超えた枠組作り(農林水産省森林局と水産 成果3:現場での温室効果ガス削減 局、環境省、経済財務省、内務省、村落開発省、工 業省、土地省 など) REDDプラス化に向けて保護林及びその予定林(森林 局)、マングローブ林(水産局)、保護区(環境省)の保 全や持続的な利用を推進と排出削減の実証 プロジェクト目標: REDD+の戦略と政策の実施 が円滑に行われるように関 成果2:政策 係者の能力が強化される。 国家REDDプラス戦略素案の作成 環境社会配慮(セーフガード)の取 成果4:森林資源調査 り組みを検討 全国の森林の状況を定期的に計る仕組みの設計 森林の炭素蓄積量測定調査の計画 REDDプラスの取組みの成果を測る参照レベルの試算 REDDプラスの準備・実施にあたっては、相手国(カンボジア)の省庁や関係者が複数の組織に及び、目的や情報の共有と調整 が課題の一つでした。JICAは5年間にわたり、相手国政府の主導の下、明確なロードマップを作って取り組んできました。また、 関連する援助機関の間でも共通した計画を作り、協働体制を構築したことで、効率的に事業を実施できました。今後もカンボジ ア政府はREDDプラスの実施を続け、JICAも支援を続けていきます。 プロジェクトに関する情報は、JICAプロジェクトホームページ及びカンボジア政府のREDD+ホームページから入手できます。 JICA(日本語):http://www.jica.go.jp/project///cambodia/015/outline/index.html (英語):http://www.jica.go.jp/project/english/cambodia/015/index.html カンボジア政府(英語):http://www.cambodia-redd.org/category/supporting-redd-framework/cam-redd
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