Title Author(s) Citation Issue Date URL Experimental Studies on the Production and Treatment of the Carotid Thrombasis in Dogs - Especially on the Application of fibrinolytic Treatment( Abstract_要旨 ) Yoshida, Kozo Kyoto University (京都大学) 1966-11-24 http://hdl.handle.net/2433/212028 Right Type Textversion Thesis or Dissertation none Kyoto University 【182 】 氏) 吉 よし 田 耕 造 だ こう ぞう 学 博 士 学 位 の 種 類 医 学 位 記 番 号 論 学位授与の 日付 昭 和 41 年 11 月 24 日 学位授与の要件 学 位 規 則 第 5 条 第 2 項 該 当 学位論文題目 E xper i m en tal S tudies on th eP roduction and T reatm en t oft h e C arotid T IlrOm l)asis in D og s - E specially on th e A pplication offi brin olyticT reatm en t- 医 博 第 331 号 (犬 に於 ける野動脈血栓の作成並びに治療 に関す る実験的研究 一特 に線維素溶解療法 の応用 について- ) 論文 調査 委員 (主 査) 教 授 半 田 論 文 肇 教 授 木 村 忠 司 内 容 の 要 教 授 本 庄 一 夫 旨 頭蓋外或いは頭蓋 内動脈血栓症 に対 して, 現今手術療法または抗凝固剤療法が専 ら行なわれているが, 前者は完全閉塞では成績が悪 く, 後者は incipient stroke 以外 には効果がないといわれている。 これ ら の欠点を補 うために実験的に犬の総頚動脈 に血栓を作成 し, これに対 し血栓溶解療法を行ない, その効果 を比較検討 した。 1 ) 頚 動脈血栓作成法 : C hem ical lntim ectom y, M echanical lntim ectom y , T hrom bin lnjection お よび通電法の 4 方法を検討 した結果, 通電法すなわち血管壁に 3 m A の微小電流を 1 時間にわた り通電 す る方法では90.9% の高率に血栓を作成で き, しか も本血栓は作成 3 日目以後では完全閉塞をきたす 血小 板血栓であることを見 出 した。 2 ) 線維素溶解療法 : 通電法 による血栓作成後, 直後 ・ 2 日目 ・ 3 日目に種 々の方法 による線溶療法を 行ない, 次の結果を得た。 a ) 直後に関 しては少量の Streptokinase を 3 日間連続投与す る方法および大量の SK 単独療法は同 程度 に有効であるが, 2 日目になると前者の血栓溶解率が低 下 す るの に反 し, 後者ではなお有効であっ た 。 b ) 3 日目を境 に して両者 ともにその成績は著明に低下す る。 すなわ ち, 線溶療法は早期に行な うほど 成績がよい。 C ) 上記の 2 つの SK 投与法はいずれ も既成の脳軟化巣内- の出血性 を増 加 しな い。 さ らに, 少量の SK を 3 日連続投与す る方法では創面よ りの出血等の副作用が非常に少ないが, 大量の SK 投与法では新 鮮手術創の oozing をきたす ことがある。 d ) 線溶療法 と同時に H eparin の投与を48時間持続す ることによ り, 3 日日の血栓で も50% の高率 に 溶解 し得 た。 3 ) 手術療法 : 血栓作成直後 ・2 日冒・3 日目に,それぞれ血栓別出術を単独で , 或いは E D H -A dhesive, - 444 - H eparin または SK の併用の もとに行ない, 次 の結果を得 た。 a ) 血栓刻 出術を単独で行な った場合, 術後 しば しば再 血 栓 の 発用 を 見 た。 これは犬の頚 動脈 が直径 2.5- 4 m m の細小血管であ り, しか もほとんどの例が手術時, 閉塞性血栓を示 していることに基因す ると 考え られる。 b ) 刻出術のみを行な った群 は, 大量の SK 投与の群 と血管再開率がほとんど同 じであ った。 さらに手 術群で, しば しば術後数 日に して血管の破綻をきた した ことを考えると, 細小動脈では手術療法 よ り線溶 療法の方がむ しろす ぐれていると思われ る。 C ) このよ うな動脈破綻は E D H -A dhesive により防 ぐことがで きたが, この際血管再開率は著明に低 下 した。 d ) 血栓刻 出術後に H eparin と SK を併用投与す る方法 は, 再血栓の防止に有効であ り, 術後 H eparin のみを用いる方法よ り高率の血管再開率を示 した。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 頭蓋外あるいは頭蓋 内動脈血栓症 に対す る手術療法, 血栓溶解療法 (線溶療法) , 両者の併用 について 犬を用い総額 動脈血栓を作成 し検討 した。 1 ) 頚 動脈血栓作成法。 C hem ical lntim ectom y , M echanical lntim ectom y, T hrom bin Injection , および通電法について調べた結果 , 血管壁 に 3 m A の微小電流を 1 時間にわた り通電す る方法が90.9% の高率で血栓が作成で き, しか も作成 3 日目以後では完全閉塞をきた す血小板血栓であった。 2 ) 線溶療法。 通電法による血栓作成後, 直後, 2 日目, 3 日目に線溶療法を行 な うと, 直後では Streptokinase (SK ) 少量 3 日間連続投与で も大量で もともに有効であるが, 2 日目で は大量の場合のみ有効, 3 日目では効果 は著 しく減ず る。 しか し H eparin を同時に48時間持続投与す る と, 3 日目の血栓で も50 % の溶解率を認めた。 SK 投与により脳 軟 化 巣 - の 出血は増加 しないが, 大量 投与の場合新鮮手術創の oozing をきた した。 3 ) 手術療法 および線溶療法 との併用。 直径 2.5- 4 m m の 細小血管のため, 血栓別出術では術後再血栓 または血管破綻 の発生が高 く, 手術療法のみの成績 はよ くな い。 動脈破綻 は E D H -A dhesive で防止で きるので血栓別出後 H eparin と SK を併用す ることによ り, その成績を著 しく向上せ しめ得た。 本論文は学術上有益に して医学博士 の学位論文 として価値あるものと認定す る。 - 4 4 5 -
© Copyright 2024 ExpyDoc