石油市場に関する考察 - JOGMEC 石油・天然ガス資源情報

石油市場に関する考察
2016年5月19日
調査部
〔石油市場分析チーム〕
1
石油市場分析
目的・目標
「今般の原油価格低下は、石油市場構造の大きな変革」との観点
から原油価格の動向を分析する体制を2015年初に構築。継続的
に情報収集・分析を加え、その結果を機構内外に提供する。
主に、足元を分析するとともに短期・中期的な見通しを行う。
〈方法〉
a. 公表データ、専門機関のデータ、石油会社・専門家からの聞
き取りなどにより情報収集を行い分析を行う。
b. また、内外のノウハウを利用して定量的な分析を試みる。
〈発表〉
2015年5月及び9月
今回2016年5月
中間報告/最終報告
前回調査アップデート
2
原油市場の構造的な変化
2000年代~
2013年頃~
供給
非OPEC生産増 限定的
OPEC生産量でカバー
供給
米国のシェール生産 増大
OPECの市場シェアを奪う
需要
途上国中心に需要堅調
需要
途上国中心に経済鈍化
OPECによる供給増が鍵
↓
増産に慎重な態勢で、価格
は上昇しやすい
非OPECによる供給増
OPECも市場シェア確保図る
↓
生産競争となり、価格は下方
圧力を受けやすい
3
市場分析報告
短期的分析
米国シェール
供給
米国以外
供給
石油需要
需給以外の
要素
財務状況
中期的視野
(3年~5年)
長期的視野
(10-20年)
技術・コスト
生産量モデル予測
探鉱・発見
技術向上
外資導入
対外開放
主要国投資状況
生産量見通し
需要分析
需要量推計
価格分析
地政学
リスク
経済成長
産業構造
変化
利用技術
気候変動
資金規制・
規模
4
原油価格の推移
原油価格の推移(2003~16年)
ドル/バレル
150
140
130
120
110
100
90
80
70
60
50
40
30
20
03
04
05
06
07
08
WTI
09
10
Brent
11
12
13
14
15
16
Dubai
5
結論
供給過剰がゆっくり解消
後半、需給の均衡に
は価格70-80ドル必要
IEAデータ(2016年3月)及びJOGMEC試算に基づき作成
6
構成:
1.供給見通し
(1)米国のシェールオイル
(2)米国を除く主要産油国
2.需要見通し
3.需給に基づく価格分析
4.まとめ
7
1.(1)米国シェールオイル
掘削リグ及び生産概況
シェールの財務動向
シェールの技術動向
2020年までの生産推計
【シェール開発】
8
米国供給:価格、リグ稼働数と生産量の関係
・価格下落とともに、シェール向けの掘削リグの稼働数は大幅に下落、シェール
生産量も現在減少中。
・原油価格と生産量の間に高い連動がみられる。
リグ稼働数
2014年10月24日の週:1,262基
リグ稼働数
2016年5月6日の週:280基
原油価格(WTI)(ドル/バレル)
石油水平坑井掘削リグ稼働数(基)
主要鉱床のシェールオイル生産量(万b/d)
14/7/25 14/10/24
103.26
81.83
1,225
1,262
481
507
15/2/27
49.53
819
534
15/3/20
44.34
692
549
15/6/26
60.06
539
534
15/9/25
45.52
536
527
16/1/8
34.99
447
519
16/2/12
28.15
382
513
16/3/24
40.20
323
505
16/4/8
37.26
310
495
16/5/6
45.16
280
9
484
米国供給:財務動向①ファイナンス
• 主にシェール生産する企業50社の2015年決算は減収減益(内48社が赤字、後
掲)。
• 2011~2015年度の設備投資は、主に(営業)キャッシュフローと資産売却によりファ
イナンスされていた。
• 2012~13年までは銀行融資・債券発行といったデット・ファイナンスが盛んであった
が、油価下落後はファンド等が好機と捉えて資金投入しており、エクイティ(新株)
によるファイナンスが増加。今後は不稼動化した資産の売却が増えて来ようが、エ
クイティによる資金調達の動きも継続すると推測される。
• 小規模シェール事業者の破綻(Chapter11申請)はみられるが、生産活動は継続。
資金調達動向
(単位:百万ドル)
2011
200,000
150,000
100,000
50,000
0
2011
2012
2013
2014
(50,000)
キャッシュフロー
エクイティ
デット(債券)
デット(銀行)
資産売却
投資
2015
キャッシュフロー
96,522
エクイティ
2012
2013
2014
2015
93,702 109,635 113,277 49,438
-6,427
-168
2,486
デット(債券)
921
4,035
7,876
6,086
1,398
デット(銀行)
9,835
27,240
-4,747
9,630
6,985
資産売却
19,277
22,555
34,803
43,465 12,012
投資
114,854 140,646 128,444 154,865 90,997
手許現金
24,642
19,517
32,033
-4,240 10,277
36,449 22,283
【各社公表資料よりJOGMEC作成】
手許現金(百万$)
10
米国供給:財務動向②ヘッジング
• シェール生産企業50社の2011~15年度
決算書より生産量とヘッジ状況を調査。
• 2012~2013年にヘッジ取引(量)が大き
く増加したが、2014年度からヘッジ割合
は減少していた(2015年末時点の
29%)。
• ヘッジ価格(加重平均)も2015年67.7$/b
(▲22%)に下がっており、足許のヘッジ
取引の環境は一段と厳しい。
2013年 実績
生産量
(千 b/d)
Large Cap (10社)
(時価総額100億ドル超)
Mid Cap (12社)
(時価総額20~100億ドル)
Small Cap (28社)
(時価総額20億ドル未満)
50社 合計
ヘッジ取引動向
3,500,000
120.00
3,000,000
100.00
2,500,000
生産量
(千 b/d)
60.00
1,500,000
40.00
1,000,000
20.00
500,000
0
0.00
2011
2014年実績
ヘッジ割合 ヘッジ価格
(%)
($/b)
80.00
2,000,000
2012
生産量
(千 b/d)
2014
2015
石油生産(b/d)
ヘッジ・ボリューム(b/d)
実現価格($/b)
ヘッジ価格($/b)
2015年実績
ヘッジ割合 ヘッジ価格
(%)
($/b)
2013
2016年見込み
ヘッジ割合 ヘッジ価格
(%)
($/b)
生産量
(千 b/d)
2017年推定
ヘッジ割合 ヘッジ価格 ヘッジ割合 ヘッジ価格
(%)
($/b)
(%)
($/b)
1,406
65%
94.3
1,637
24%
85.7
1,677
18%
62.8
1,664
17%
52.6
5%
52.6
518
60%
94.6
640
29%
90.5
718
27%
67.6
678
24%
59.9
4%
62.3
570
107%
91.7
729
81%
86.5
803
55%
71.2
685
55%
56.5
10%
46.6
2,493
73%
93.5
3,006
39%
86.9
3,198
29%
67.7
3,027
27%
55.8
6%
51.9
*生産量=米国の生産量(シェール以外も含む)
企業別データ 後掲
【各社公表資料よりJOGMEC作成】
11
米国供給:財務動向③まとめ
• 今後、シェールオイル生産企業が増産に転じる為の資金調達面からの要因
としては、(油価の上昇による)営業キャッシュフローの増加の他に、資産売
却・デット・エクイティによるファイナンスが再び活発化する必要がある。
• ヘッジ取引については、油価が上昇傾向に転じれば活発化しうるであろうが、
米ドル金利は上昇局面にあり、2012~13年のように大量の資金がデリバティ
ブ市場に流入してヘッジ取引環境が急激に改善することは考え難い。
• 銀行融資については、米国金融当局による石油ガス業界向け貸出の監督指
針が一段と厳しくなっている。また、担保付貸出を中心とする中堅・中小企業
向けの与信はむしろこれから絞込みが本格化するとみられる(金融機関の油
価見通しは保守的)。
(単位:$/バレル)
金融機関による油価見通しの
2014Q3調査 2014Q4調査 2015Q1調査 2015Q2調査 2015Q3調査 2015Q4調査 2016Q1調査
平均値
2015
2016
2017
2018
2019
2020
81.0
79.3
77.7
76.8
76.8
78.5
77.2
76.2
76.0
76.1
50.5
57.2
61.6
64.6
66.8
51.0
57.7
61.7
64.4
66.2
48.2
54.2
58.5
61.6
63.8
2020以降の価格の上限値
76.8
76.9
72.1
72.4
70.1
42.8
47.4
52.1
55.4
58.2
66.9
35.9
41.8
46.1
49.3
52.1
60.6
2014Q4から
2015Q4から
2015Q1にかけて 2016Q1にかけて
の変化率
の変化率
-35.7%
-25.9%
-19.2%
-15.0%
-12.2%
-24.2%
-19.7%
-16.8%
-15.3%
-6.2%
-9.3%
【出典:Macquarie Capital, Energy Lender Price Survey Q1 2016】
12
米国供給:技術動向①:コスト削減
・シェール開発においては、1坑あたりの石油の回収量は年々増加傾向である一
方、掘削コストはこの数年間は減少傾向。損益分岐点は徐々に低下している。
・背景には、(1)コアエリア/スイートスポット(地質的に地理的に良好な場所)への
集中投資、また技術面では水平長の延長や水圧破砕時のプロパント投入増に
よって(2)デザイン最適化が行われているほか、(3)サービス費用低下、(4)掘
削作業の効率化(共有化、集中化)によってもコストが削減されている。
1坑井あたりのコスト(掘削+水圧破砕)
【出典:Cowan 2011】
【EIA】
13
米国供給:技術動向②:最適化・効率化
•
•
•
技術改善の余地はあるものの、開発デザインの最適化には限界がみられる。
例えば、Bakkenでは坑井当り初期生産量の上昇が鈍化するなど開発成熟期
に入りつつある。また油価下落を受けて新技術の投資・導入は停滞することも
見込まれる。
多くの会社が既存事業の管理強化等を実施し、操業費2‐3割減を発表。短期
的には、作業効率化(集中化・共有化)の貢献は比較的小さく、サービス費の
低下が寄与。
足元、坑井在庫(掘削未仕上げ井:DUC)が約2000坑積みあがっており、価格
上昇の初期時に増産寄与する可能性。
1坑井の水平長とプロパント量(Eagle Ford)
単位あたりプロパント量
【EIA】
14
米国供給:エリア別(新規・既存)
・価格下落の状況から、各エリアの生産特性がみられる。Bakken(ND州)は、価格
下落前からコア地域への集中や作業効率化が進み、今後のポテンシャルは限定
的、既存井からの生産が累積。Eagle Ford(TX州)は、Bakkenより遅れて生産本格
化し高油価環境で新規生産レートが急上昇したが、足元の掘削減で生産減。
Permian(TX, NM州)は、在来型生産量が半分程度を占めるため生産減退率が小さ
く、その上開発途上であるため生産効率化余地が大きい。増産ポテンシャルあり。
15
【EIAデータ等からJOGMEC推計】
米国供給:掘削によるシェール埋蔵量の増加
• 近年の米国の埋蔵量及び資源量の増加はそのほとんどがシェール(タイトオイ
ル)。その8割が既存油層への追加掘削等(Extensions)により、新たな埋蔵量
が発見されている。
• 2020年までのスパンにおいては、経済性が得られる限り掘削が行われ、追加
的な埋蔵量の発見と伴に新規坑井からの生産が行われるとみられる。
米国陸上埋蔵量等(10億bbl)
埋蔵量
埋蔵量(タイトオイル)
90.0
80.0
70.0
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
10.0
0.0
220.0
技術的回収可能量(右軸)
210.0
200.0
190.0
180.0
170.0
160.0
AEO2012
US Crude Oil and Natural Gas Proved Reserves 2014 【EIA】
230.0
技術的回収可能量(タイトオイル)
AEO2013
AEO2014
AEO2015
注釈:AEO=EIAが発表するAnnual Energy Outlook(AEO)、各年のAEOに掲
載される埋蔵量を利用。ただしタイトオイルの数字は、EIAが別途発表する
US Crude Oil and Natural Gas Proved Reservesを参照。EIAデータよりJOGMEC
16
米国供給:生産スタディの推計方法
推計モデル:原油価格の変動に応じて, シェール地域ごとにリグ稼動数が増減する
掘削した井戸は、5ヵ月後から生産を開始。
推計方法・前提
1)Bakken, Eagle Ford, Permianを対象
2)原油価格5ケース(40~80ドルの10ドル
ごと固定価格)
3)価格別に、過去の損益分岐点(右図)
を基に掘削数を推定(下図)
4)推計期間における埋蔵量制約なし
5)掘削後、5ヶ月後から生産開始
6)新規井は減退率(TC)60%/年で生産
90‐120
例示:原油価格 50ドルケース<掘削数のEagle Ford推定>
80‐90
例示: Eagle Ford(採算別生産比率)
b/d
83%
74%
80USD/bbl
70USD/bbl
66%
60USD/bbl
41%
50USD/bbl
60‐80
50‐60
30‐50
ドル/bbl
% under breakeven price
出所: 各種資料からの推定
2014年
17
米国供給:2020年末までのシェール生産量見通し
・40$/bbl:採算割れのため掘削数が減少するが、生産量は2018年頃に下げ止
まり。年平均20万b/d減少。
・50$/bbl:生産量は微増で推移していき、2019年初めには2015年半ばの水準
まで回復。2020年まで年平均20万b/dの増加を予測。
・70$/bbl:高油価により掘削数の増加が継続、2020年末までに年平均50万b/d
超の増加が見込まれる。
※実際には、油価・需給の変動に応じて、生産量も増減すると考えられる。
推計期間(2016-2020)の各種条件設定
要素
前提条件
・坑井当たりコストは各油価ケースにおいて異なる数
値を適用し、一部は年ごとに変化。
生産性向上 ・坑井当り初月生産量は、成長率が徐々に鈍化。
・Permian Basinは他に遅れて開発進展中のため生
産性上昇高め設定。
価格ヘッジ
2016年以降の$80のヘッジ割合を得られたデータか
ら作成し適用。
坑井在庫
(DUC)
グラフには反映せず。油価上昇局面では、1‐2年程度
で日量30万bbl程度の増産効果が推定される。
※埋蔵量の制約は考慮していない。
推定方法は参考資料参照
18
米国供給:シェール生産量見通し(各地域)
※油価$40~$80の5ケースで試算を実施。
※Bakken、Eagle Fordは足元ですでに生産量が
減少してきているなかで、特にEagle Fordは高油
価下で掘削数が伸びることもあり、楽観的な見通
し。
※Permianは他の2プレイに比べて生産開始が遅
かったこともあり、生産性向上の余地が大きいと
思われる。$40ケースにおいても生産量は急激に
落ち込まないとの結果。
19
20
参考:シェール企業の投資・操業動向①聞き取り等
企業/時期
投資動向、技術動向等
政府機関EIA
2016/4
・シェールのファイナンスに関して、銀行は過去6ヶ月から12ヶ月にわたり損失の発生に備え資本を増強してきた。銀行は負債が自らのバラ
ンスシートに計上されるためシェール企業の与信枠を引き下げたくないはずで、負債を売却しなければならない。幾つかの銀行やシェール企
業は打撃を受けるだろうが、これは経済及び銀行セクターの小さなセグメントに過ぎない。
・銀行のシェール企業への融資再開には一定の水準の原油価格が持続することが必要である。もし十分な水準の原油価格が十分持続す
れば、マーケットは石油ガスセクターでリスク選好の動きが強まったと見るだろう。または、銀行は償還期間の短いプロジェクトに限って融資
するかもしれない。
・シェール開発では、技術による効率化は難しく、如何にLow Techで操業できるかが課題。例えば、サプライチェーンでのコスト削減。現在、
シェールの生産減退を予測する装置の技術開発に取り組んでいる。生産中の古い井戸に対してビックデータを用い、減退予測を行う他、セ
ンサーによるモニタリング、コンピューティングによるコスト削減計算も24時間/週7日行っている。安価に圧力や温度管理ができ、労働者の
安全もより確保できる。
Eagle Fordの保有資産は損益分岐点がUS$30を切るなど、低油価でも利益を上げられる。しかし資金は限られる中、投資を中断できない大
型案件に集中。油価回復し大型案件の利益により財務体質が強化された時点でシェール事業へ新規投資する。
メジャー
2016/2
大手上流専業
2016/2
中堅上流専業1
2016/2
中堅上流専業2
2016/3
資金回収見込みを短期(1~2年程度)、中期(3~5年程度)、長期(5年以上)に分け、当面は中期案件であるメキシコ湾大水深案件に優先
的に投資する。短期案件のシェールは現在の低油価では敢えて投資する時期ではない。
・Lean Manufacturing の実施、掘削技術改良等による作業の効率化、コスト削減、安全確保を実施中。現場レベルではトラックへの部品の
積荷の場所を共有化する等、仕事の共有化を進め作業時間の短縮、コスト削減を図っている。例えば、
‐リグ移動に要する日数が 2014 年の 7 日から現在は 4.5 日と 36%減少。
‐掘削費/仕上げ費に関し、2012 年の$13.3M(掘削費$5.4M、仕上げ費$8.0M)が 2015 年は$5.1M(掘削費$3.2M、仕上げ費$1.9M)に62%減
少。
‐従来の 35 から 50 にフラックステージを変更し、生産性が約 20%向上 等
・アセットの評価の精緻化(蓄積された Big Date の活用)、仕上げの最適化の実証(フラックサイズ、形状、デザイン、間隔)を進め、生産性
の最大化に取り組んでいる。また、コスト削減の関係では、施設管理のためにドローンを使用している。
小規模シェール企 生産コスト低減では、パイプの接続を溶接から継手(Vitaulic)に変更、ステージ数を 50 から 35 に縮減、ベンダーとの契約の見直し等を行い
生産井コストを 2014 年末と比較し、2016 初は▲30%の約$6M とした。
業
・その他、Midstream 施設の集中化(5×3,000bbl のタンク保有)によるトラック台数の削減、リース料の低減等を実施。
2016/3
・コスト削減、生産性向上のためのビッグデータ活用は重要であると理解、ただし慎重に活用しないと却って開発、生産に混乱が生じる可能
性と考えている。
大手サービス企業 足元の掘削費低下は、油価下落後のサービス費削減(40-50%削減を要求された)により、新規技術が応用された結果ではない。油価が堅
調であれば技術開発により損益分岐コストを削減できるが、現状では難しい。油価が下落前は、1年や半年ごとに新技術の応用が試行され
2016/2
てきたが、油価下落後は新技術やR&Dへの投資が行われていない。油価が回復すれば、サービス費も値上がりすると思料。
JOGMECヒューストン事務所・ワシントン事務所 (各社へのヒアリング及びカンファレンス参加)
21
参考:シェール企業の投資・操業動向②2016年計画
企業
Large
Cap
生産量
見通し
上流支出額
(百万ドル)
生産量(合計 千boe/d)
2013
2014
2015
2014
2015
2016(P)
3月時点
Apache
761
654
558
9,100
3,600
1400-1800
55%減 7%-11%減
EOG
510
595
572
8,300
4,700
2600-2400
47%減 5%減
Hess
336
330
375
5,300
4,000
2,400
40%減 8%減
Devon Energy
693
673
679
12,589
5,255
900-1100
Occidental
610
597
668
8,720
5,612
2800-3000
2016年2月1日時点 時価
総額分類
増減
75%減 コアのみで6%減
50%減 6%減
Anadarko
781
843
836
8,560
5,600
2,700
Pioneer
174
196
204
3200??
2,200
2,000
Concho Resour
ces
92
112
143
Continental
Resurces
136
174
222
4,050
2,561
920
Chesapeake
670
707
680
6,725
3,614
1300-1800
EnCana
517
478
406
2,511
2,100
900-1000
Newfield
Exploration
129
131
150
2,000
1,400
625-675
50%減 横ばい
QEP
Resources
141
147
149
1,681
975
450-500
50%減 横ばいー9%減
Whitning
Petroleum
82
101
144
2,500
500
Sanchez
11
31
53
545
200-250
1100-1300
50%減
9%減 10%増
35%減 横ばい-5%減
64%減 10%減見通し
57%減 0-5%減
MidCap
Small
Cap
867
各社財務諸表及び2016年年次計画発表より作成
2016年投資計画(各社計画より)
2016年
55%減 10%減見通し
80%減 19%減見通し
国外活動を抑えてPermianに集中。2015年半ばより、60%リグ数削減。Permianは11基のリグ操業か
ら2016年半ばには4リグまで削減予定。2016年の北米生産量は、263千-273千boe/dで12-15%
減。国外は現状維持。
”Premium”Drilligターゲットエリア(少なくとも40ドルで30%の税引き後IRR、60ドルで60%同IRR)に
集中する。
*2014年の投資額に買収を含む。
投資の多くが米国国内向けで、最大はPermian Basinが21%。Permian EOR 17%。ガスリグはすべて
取りやめ、石油生産量を増やすためにPermianに集中。
米国陸上リグを2015年の25基から減らす予定。資産売却30億ドル規模を予定
水平掘削リグ稼働数を2015年年末の24基から2016年半ばまでに12基に削減する予定。Eagle Ford
は2015年末時点で6基稼働を0基に削減。
Permian 集中。リグ数を昨年の18基より、2016年は11基に削減予定。
価格が回復すれば掘削済み未仕上げ井(DUC)の投資を行う。2015年末時点、135のDUC在庫
が、2016年末にはDUC在庫245坑の見通し(うち Bakken Shale 195坑, Oklahoma Resource 50
坑)。Bakkenでの掘削計画は、生産性の高いMcKenzie and Mountrail countiesに集中し、平均EUR
1坑あたりの900,000 Boeをターゲット。2016年末には1本あたりの平均EUR85万boeのハイグレード
なDUC在庫が増える。
掘削計画 2016年リグ稼働数 4-7基、実績は2014年64基、2015年28基。2016年 総仕上げ数
280-350坑予定、実績は2014年 1169坑、2015年547坑。2016年 総掘削Spud数 85-125坑予
定、実績は2014年 1173坑、2015年499坑。2016年は、掘削投資よりも仕上げへの投資配分を増や
す。操業の質を高め、資本の投下効率を引き上げる、サービス費用削減、これらによって事業の経
済性を可能とする。
2016年生産量見通しは34万ー36万boe/d。2015年は405,900boe/d.2015年12月時点では1500-
1700百万ドル予定だったが、2016年2月にさらに40%削減。投資額の50%が、Permian Basinの
シェールオイル事業。そのほかは、Eagle FordとDuvernay とMontney(カナダ)。この3つのエリアで
全体の95%投資。今後もSimultaneous drilling, Cluster spacingとtighter well fracsで、コスト削減と
回収率向上。2015年は掘削費用をPermianで30%削減。将来の財務リスク回避のために、2月19
日、液分生産の75%(今年分)をヘッジ。
投資の80%をAnadarko Basinに振り向けることで2015年より20%超の増産計画。米国内の生産見
通しはほぼ横ばい、2016年も非戦略的地域の追加的な売却を実施する。Anadarko Basinにて、4-
6基のリグ稼働を計画し、年内80坑を掘削予定。
2015年末に9基稼働していたリグを3-4基(各1基は、Williston, Permian, Pinedale)に減らす。予算
は、昨年から持ち越したDUC在庫を仕上げすことによって手当てする。掘削コストの削減、新規井
戸での生産性向上、優良資産の確保によって石油生産を維持させる(ガスは微減)。
投資額の85%をBakkenのコアエリアとNiobraraに投資する。2016年末には、DUC在庫が168坑まで
増加(Niobrara 95坑, Williston 73坑). これにより価格上昇によって再び増加可能とする。2016年上
半期に2016年投資計画の大半を支出する計画。下半期は四半期あたり80百万ドルまで事業投資
額を絞る。
54%減 6%減
22
参考:シェール企業の業績①
単位:百万ドル
2013年度
企業
売上高
2014年度
純利益
売上高
2015年度
純利益
売上高
純利益
時価総額
Large Cap (時価総額100億ドル超)
ConocoPhillips
Occidental Petroleum
EOG Resources
Anadarko Petroleum
Pioneer Natural Resources
Apache
Noble Energy
Hess Corp
Devon Energy
Concho Resources
(Large Cap計)
57,874
20,170
14,597
14,581
3,497
15,911
5,051
14,079
10,579
2,320
158,659
9,156
5,903
2,197
801
▲ 838
2,188
978
5,052
▲ 20
251
25,668
55,151
19,312
17,147
18,470
4,334
12,691
5,174
11,560
18,649
2,660
165,148
6,869
616
2,915
▲ 1,750
930
▲ 5,403
1,214
2,317
1,607
538
9,854
30,810
12,480
8,656
9,486
3,924
6,383
3,133
6,687
12,642
1,804
96,005
▲ 4,428
▲ 7,829
▲ 4,525
▲ 6,692
▲ 273
▲ 23,119
▲ 2,441
▲ 3,056
▲ 14,454
66
▲ 66,751
57,709
51,632
38,924
24,693
18,729
16,811
14,219
13,867
13,376
11,992
261,953
3,614
11,719
1,998
1,769
821
1,857
1,927
5,313
17,679
475
2,789
417
50,376
764
1,753
565
280
▲ 19
147
116
1,123
474
153
159
▲ 22
5,493
4,242
11,180
2,424
1,974
1,852
2,288
2,320
5,428
22,306
810
3,294
545
58,664
977
3,046
507
104
674
900
634
906
1,273
247
784
155
10,209
2,612
5,787
1,453
1,311
1,573
1,557
1,181
2,941
12,140
603
2,023
393
33,573
▲ 354
▲ 2,204
▲ 2,409
▲ 114
941
▲ 3,362
▲ 714
▲ 2,271
▲ 14,856
▲ 1,225
▲ 149
▲ 68
▲ 26,784
8,571
8,523
8,475
7,321
6,039
5,323
4,167
3,862
2,985
2,661
2,369
2,143
62,441
Mid Cap (時価総額20-100億ドル)
Continental Resources
Marathon Oil
Cimarex Energy
Cabot Oil & Gas
Antero Resources
Newfield Exploration
Range Resources
Murphy Oil Corporation
Chesapeake Energy
Gulfport Energy
QEP Resources
PDC Energy
(Mid Cap計)
23
参考:シェール企業の業績②
単位:百万ドル
2013年度
企業
売上高
純利益
2014年度
売上高
2015年度
純利益
売上高
純利益
時価総額
Small Cap (時価総額20億ドル未満)
Carrizo Oil & Gas
Laredo Petroleum
Whiting Petroleum
WPX Energy
SM Energy
EP Energy
Oasis Petroleum
Denbury Resources
Ultra Petroleum
EXCO Resources
Sanchez Energy
Bonanza Creek Energy
Energy XXI
Stone Energy
Northern Oil & Gas
Bill Barrett Corp
W & T Offshore
Halcon Resources
Breitburn Energy
Comstock Resources
Approach Resources
Swift Energy
Penn Virginia
Linn Energy
Clayton Williams Energy
Resolute Energy
SandRidge Energy
Goodrich Petroleum
(Small Cap計)
総合計
520
665
2,795
2,555
2,293
1,142
2,494
944
759
314
422
1,202
966
369
566
984
1,000
661
418
272
585
430
2,154
429
350
1,983
203
27,477
236,512
44
118
366
▲ 1,185
171
228
410
238
22
8
69
151
118
53
▲ 193
51
▲ 1,233
▲ 44
41
72
▲2
▲ 150
▲ 691
▲ 25
▲ 114
▲ 609
▲ 114
▲ 2,202
28,959
710
794
3,025
3,059
2,522
2,099
1,390
2,417
1,249
660
666
559
1,235
768
432
464
949
1,148
856
555
258
548
634
3,777
468
329
1,559
209
33,339
257,151
226
266
65
164
666
731
507
635
543
121
▲ 55
20
7
▲ 190
164
15
▲ 12
283
406
▲ 57
56
▲ 283
▲ 431
▲ 452
44
▲ 22
203
▲ 383
3,237
23,299
429
▲ 1,155
613
▲ 2,210
2,092
▲ 2,219
1,819
▲ 1,736
1,557
▲ 448
1,241
▲ 3,748
790
▲ 40
1,244
▲ 4,385
850
▲ 3,207
313
▲ 1,192
476
▲ 1,471
293
▲ 746
1,153
▲ 2,445
532
▲ 1,091
203
▲ 975
205
▲ 488
507
▲ 1,045
550
▲ 2,007
645
▲ 2,622
252
▲ 1,047
131
▲ 174
246
▲ 1,654
304
▲ 1,606
1,827
▲ 4,760
232
▲ 98
155
▲ 742
769
▲ 3,735
79
▲ 410
19,508 ▲ 47,457
149,086 ▲ 140,992
1,725
1,708
1,589
1,581
1,338
1,086
1,025
710
383
351
267
262
249
237
212
196
177
154
143
89
75
4
13,563
337,958
24
参考:シェールオイル企業のヘッジ状況①
企業
2013年度末時点
2014年度末時点
2015年度末時点
Production
Hedge
Hedge
Production
Hedge
Hedge
Production
Hedge
Hedge
(b/d)
Portion (%) Price ($/b)
(b/d)
Portion (%) Price ($/b)
(b/d)
Portion (%) Price ($/b)
Large Cap (時価総額100億ドル超)
ConocoPhillips
Occidental Petroleum
EOG Resources
Anadarko Petroleum
Pioneer Natural Resources
Apache
Noble Energy
Hess Corp
Devon Energy
Concho Resources
(Large Cap計)
330,000
176,000
212,100
158,904
75,220
146,907
63,025
108,000
77,700
57,879
1,405,735
0%
0%
54%
67%
251%
43%
127%
83%
235%
147%
65%
0.00
350,000
0.00
183,000
96.01
282,000
100.58
202,740
90.02
89,639
90.77
133,667
90.49
66,556
109.70
127,000
91.49
130,000
89.95
72,107
94.34 1,636,709
0%
0%
10%
0%
107%
0%
84%
0%
107%
94%
24%
0.00
364,000
0.00
187,000
91.00
283,300
0.00
232,000
73.43
105,347
0.00
123,666
88.06
80,170
0.00
147,000
90.75
60,000
88.80
94,403
85.75 1,676,886
0%
0%
0%
36%
74%
0%
59%
0%
0%
107%
18%
0.00
0.00
0.00
54.46
62.97
0.00
70.10
0.00
0.00
66.09
62.79
95,860
126,000
36,659
8,825
619
38,904
10,485
45,523
112,603
6,348
27,972
7,972
517,769
96%
0%
0%
34%
0%
185%
105%
26%
62%
39%
131%
141%
60%
99.70
0.00
0.00
101.90
0.00
91.29
92.82
97.14
93.80
102.80
90.52
89.05
94.65
0%
0%
0%
15%
0%
183%
95%
0%
40%
14%
43%
120%
29%
0.00
0.00
0.00
97.00
0.00
89.80
90.65
0.00
93.39
62.25
89.24
88.66
90.51
0%
14%
6%
0%
0%
107%
42%
33%
32%
16%
47%
80%
27%
0.00
56.57
50.00
0.00
0.00
89.67
64.19
52.01
52.05
62.38
55.43
77.27
67.55
Mid Cap (時価総額20-100億ドル)
Continental Resources
Marathon Oil
Cimarex Energy
Cabot Oil & Gas
Antero Resources
Newfield Exploration
Range Resources
Murphy Oil Corporation
Chesapeake Energy
Gulfport Energy
QEP Resources
PDC Energy
(Mid Cap計)
122,000
157,000
42,846
10,852
3,592
50,814
11,151
59,900
115,890
7,353
46,977
11,841
640,216
146,622
171,000
51,132
16,701
5,693
58,482
11,189
61,119
115,068
7,942
53,650
19,134
717,733
Production=米国のみ
25
参考:シェールオイル企業のヘッジ状況②
企業
Laredo Petroleum
Whiting Petroleum
WPX Energy
SM Energy
EP Energy
Oasis Petroleum
Denbury Resources
Ultra Petroleum
EXCO Resources
Sanchez Energy
Bonanza Creek Energy
Energy XXI
Stone Energy
Northern Oil & Gas
Bill Barrett Corp
W & T Offshore
Halcon Resources
Breitburn Energy
Comstock Resources
Approach Resources
Swift Energy
Penn Virginia
Linn Energy
Clayton Williams Energy
Resolute Energy
SandRidge Energy
Goodrich Petroleum
(Small Cap計)
総合計
2013年度末時点
2014年度末時点
2015年度末時点
Production
Hedge
Hedge
Production
Hedge
Hedge
Production
Hedge
Hedge
(b/d)
Portion (%) Price ($/b)
(b/d)
Portion (%) Price ($/b)
(b/d)
Portion (%) Price ($/b)
15,033
73,973
16,216
38,082
36,800
30,501
66,286
3,277
3,255
7,969
10,650
28,300
18,888
11,087
9,575
19,227
27,803
15,482
6,340
3,956
10,756
8,759
33,500
10,115
9,586
39,121
3,666
569,794
2,493,299
103%
57%
92%
136%
142%
89%
87%
75%
138%
100%
89%
50%
48%
99%
92%
50%
192%
130%
93%
154%
14%
434%
204%
60%
106%
119%
139%
107%
73%
88.39
18,907
84.98
91,781
95.25
25,326
89.41
45,753
97.71
54,753
92.28
40,775
93.03
70,606
93.23
9,340
95.03
6,126
91.82
16,656
89.49
15,394
87.04
30,100
96.44
15,255
90.43
14,112
94.08
10,992
97.52
19,660
88.07
35,033
93.70
21,729
98.67
11,816
86.34
5,545
97.68
9,619
93.65
12,192
92.46
72,900
96.83
11,490
86.34
9,556
91.64
29,797
94.50
4,636
91.73
728,771
93.52 3,005,696
111%
63%
83%
88%
105%
65%
75%
51%
49%
84%
65%
37%
59%
94%
100%
0%
137%
123%
57%
92%
0%
394%
61%
41%
137%
93%
76%
81%
39%
80.99
20,849
59.94
129,315
94.98
35,644
88.55
52,603
91.19
60,488
89.95
44,085
86.69
69,165
90.03
9,679
91.09
6,416
89.72
19,629
88.22
16,636
89.45
41,800
91.91
16,414
89.54
14,161
90.59
12,058
0.00
21,236
88.00
32,929
93.51
30,816
96.56
8,463
85.47
5,156
0.00
6,592
90.20
13,197
94.48
62,400
55.65
11,663
83.43
8,962
91.47
26,301
55.65
3,660
86.51
803,372
86.90 3,197,991
86%
48%
81%
29%
82%
73%
28%
0%
39%
36%
33%
35%
24%
35%
56%
24%
89%
80%
0%
44%
0%
182%
71%
38%
84%
42%
0%
55%
29%
70.84
53.29
61.50
88.01
80.28
54.99
78.50
0.00
61.89
70.11
85.00
52.63
59.38
77.50
80.47
40.00
76.36
85.79
0.00
47.56
0.00
80.41
90.11
41.65
77.48
89.40
0.00
71.21
67.69
26
1.(2) 米国以外の主要国供給
低油価による産油国の財政赤字への対応
増産凍結の動向
低油価による上流投資削減その他の供給への
影響
2020年までの主要国生産見通し
27
本報告における米国以外の主要国
中期供給見通しの前提
見通しの前提:中期(2020年頃まで)供給見通しでは価格により供給を変動
させず、政府・公的機関の見通しや生産・開発中油田の積み上げを基に試
算・評価。
1.サウジラビア、UAE 、クウェート等のOPEC中東主要国は政府が上流投資を決定しているた
め、油価低迷による投資計画の変更はないと見る。
2.OPEC・非OPECの一部で投資決定が縮小・遅延していることは供給見通しに織り込み済み
だが、以下の理由から低油価による投資削減の供給への影響が本格化するのは2020年以降と
見る。
(1)OPEC・非OPECを問わず、産油国の油田開発は総じて大型化、企業が開発を決定してから
実際に生産開始するまで数年の期間を要する。よって当初2015年以降に建設開始が見込まれ
た案件が油価低迷などにより遅れても、実際の生産に大きく影響を及ぼすのは2020年前後以降
と思われる。
(2)既に建設中の大型開発案件は、将来の投資資金回収に向けてそのまま工事を完工させ、順
次生産開始していくと思われる。
(3)既に生産中の油田は、生産操業を停止することなく、一部を除きいずれも生産を続けるとみ
る。これは、石油会社側の判断として、生産を止めて収入を失うよりも、原油価格(販売価格)が
油田生産の操業コストを一時的に割り込んだとしても、生産を止めずに赤字操業・開発費支払い
繰り延べ対応にて価格回復を待つ方が長期的には収益に繋がると思われるため。生産を一旦
停止すると、企業にとって、それに伴う供給先との契約問題、再稼働時の追加費用、油層へのダ
メージなど負担やリスクが様々な面で発生する。
28
供給に影響が生じると
思われる要素
国(特に注目する事業)
本報告における主要国
OPEC主要国(中東) サウディアラビア
5か国計2,356万b/d*
UAE
(24%)
*NGLを除く
クウェート
OPEC主要国
(中東以外)
4カ国計635万b/d
(7%)
非OPEC主要国
4カ国計2,077万b/d
(22%)
イラン
政治(制裁・サウジアラビア)、
外資投資遅延
イラク
低油価、外資投資縮小
ベネズエラ
低油価、財政赤字
リビア
政治、治安
ナイジェリア
低油価、財政赤字、外資投資縮小
アンゴラ
低油価、財政赤字、外資投資縮小
ロシア
低油価、財政赤字、政治(制裁)、
外資投資遅延
カナダ(オイルサンド)
低油価、投資縮小
メキシコ
低油価、投資縮小
ブラジル(プレソルト)
低油価、政治(汚職)、投資縮小
非OPECその
他
24%
OPEC主要
国
38%
米国
シェール
5%
米国(シェー
ルを除く)
8%
非OPEC主
要国
22%
OPEC非主
要国
3%
石油供給(2016年1月):9,651万bbl
主要国13カ国合計(60%) 5,745万b/d
(NGL・バイオ燃料等を含む)
OPEC主要国:38%(OPEC NGL7%を含む)
非OPEC主要国:22%
主要13か国供給:60%
米国:13%(うちシェール:5%)
29
米国を除く主要国:OPEC主要国の生産見通し
2015年 2020年
生産能力・政府目標
自然減退対応
実績
見通し
◎既存油田拡張
1,012
1,017 高水準~安定生産
サウジアラビア
+5 2021年まで1,230万b/d超の生産能力維
備考
国内需要増による輸出減
少の可能性
持
UAE
288
315
+27
増産中
政府目標2021年生産能力320~350万
b/d
◎既存油田拡張・新規油
田開発
海洋生産を2024年までに
200万b/dに増強(現行
130~140万b/d)
クウェート
274
増産中
政府目標2020年400万b/d(野心的)
◎既存油田拡張
中立地帯生産再開による
生産上振れの可能性
イラク
399
増産中
政府目標2020年700万b/d(野心的)
△投資縮小、遅延
イラン
286
285
+11
445
+46
354
+68
増産中
政府目標2021年470万b/d
△制裁、外国投資・技術導 外国投資・技術導入状況
入の遅れ
により上振れの可能性
ベネズエラ
240
横ばい
PDVSA目標2019年600万b/d(野心的)
△投資削減、経済・政治情 経済・政治リスクによりさ
勢
らに下振れの可能性
横ばい~増産
△政治情勢
19年以降増産へ
△投資縮小、遅延(政治・
経済)
リビア
40
その他主要国
356
OPEC主要国計
2,895
247
+7
53
+13
361
+5
3,077
+182
政治リスクにより下振れ
の可能性
前提:IEA、IHS、Woodmac等を参照。現在生産・増産投資中油田の生産を評価、コンデンセート(OPEC
全体で15年の668万b/dから20年に715万b/d<47万b/d>)は除く
OPEC主要産油国は、安定生産~増産。イランは外国投資・技術導入の遅れで
今後の増産は緩やかと予想
30
米国を除く主要国:非OPEC主要国の生産見通し
・ロシアは政治(制裁)要因により新規投資遅延、生産減少へ
・メキシコは低油価で生産は減少傾向(外資導入により2020年以降増産へ)
・カナダは低油価の生産への影響は限定的(遅延・中止事業の影響は2020年以
降顕在化)。
・ブラジルは低油価・政治(汚職)要因により生産の伸び鈍化
2015年 2020年 生産能力・政府増産 低油価その他の 備考
実績
見通し 見通し等
影響
減退(西シベリア)
△制裁により新規投
原油輸出税導入によ
1,072
1,048
資(技術移転)遅延
る投資抑制の可能性
‐24
ロシア
カナダ
438
473
+35
増産
〇低油価の影響は限
定的(生産・建設中プ
ロジェクト続行)
新規投資遅延
2020年以降増産
ペース鈍化の可能性
メキシコ
260
227
‐33
自然減退
生産減退抑制・増産志向
△予算調整や低油価
により生産減(メキシ
コSENER)
外資導入により2020
年以降増産の可能
性
ブラジル
253
316
+63
増産
(Petrobras生産見通し修正
に基づき伸びを下方修正)
△低油価、汚職等に 資産売却、資金調達
より生産・投資計画数 不振で投資・生産見
通し下振れの可能性
次下方修正
(Petrobras)
2,023
2,064
+41
非OPEC主要国
計
前提:IEA、Woodmac、各国政府見通し(NEB、SENER、)等を参照。現在生
産・増産投資中油田の生産を評価
一部の国は低油価による投資削減や政治要因で生産に影響
31
米国シェールを除く供給見通し
・米国シェール以外の供給は2020年までに320万b/d(年平均64万b/d)増加の見通
し(OPEC46万b/d、非OPEC8万b/d、バイオ等10万b/d)。油価低迷による投資縮小や
制裁、政治問題等の影響を踏まえイラク、リビア、メキシコ等の供給の伸びを見直し、
前回見通しから年6万b/dの下方修正(前回見通し:2020年までに年平均70万b/d増
加<OPEC30万b/d、非OPEC30万b/d、バイオ等10万b/d)。
非OPEC主要国増減(15~20年、万b/d)
OPEC主要国増減(15~20年、万b/d)
情 IEA、IHS、
報 Woodmac、
源 各国政府
見通し等
を参照
対 現在生
象 産・増産
投資中油
田
100
80
60
40
20
‐
‐20
‐40
100
73
80
38
36
33
3
60
40
20
(6)
7 5 18 17 0
2016年
2017年
2018年
2019年
2020年
サウジアラビア
UAE
クウェート
イラン
イラク
その他主要国
増減
(20)
(40)
2016年
ロシア
2017年
2018年
カナダ
メキシコ
2019年
ブラジル
2020年
増減
コンデンセート(OPEC全体で15年の668万b/dか
ら20年に715万b/d<47万b/d>)は除く
低油価による投資縮小が続いた場合、減退が加速し供給がさらに下振れする可能性
32
低油価による産油国の財政赤字への対応
・サウジアラビア、ロシアなどの主要産油国は政府財政に占める石油収入の比率
が高く、油価低迷により財政収支は悪化。財政赤字への対応としてロシアは歳出
の伸びを抑制し、石油輸出税増税に加えRosneft等国有企業政府保有株式売却を
2016年中に実施予定。サウジアラビアは赤字国債を発行し数年以内の国営Saudi Aramcoの新規株式公開(IPO)を検討。
サウジアラビア財政収支推移(2011~2016年,億ドル)
ロシア財政収支推移(2011~2016年,億ドル)
4,000
4,000
3,000
3,000
2,000
2,000
1,000
1,000
73%
43%
44%
2015
2016(予算)
0
0
2011
2012
2013
歳入(石油ガス収入)
JCIF他に基づき作成
2014
2015
歳入(非石油ガス収入)
2011
2016(予算)
歳出
16年予算
想定油価は
40ドル/bbl前
後とされる
2012
2013
歳入(石油ガス収入)
2014
歳入(非石油ガス収入)
歳出
16年予算
想定油価は50
ドル/bbl
JCIF他に基づき作成
財政収支バランスには需給均衡と一定の油価上昇が求められる
33
増産凍結:可能性と意義
・当面、増産凍結実施の可能性は低く、油価への影響も限定的。仮に増産凍結
で合意しても、基準となる2016年1月のOPECならびにロシアの生産は過去最高
水準の生産レベルであり、直ちに石油供給過剰感を払拭できるわけではない。
・OPECは2014年11月のOPEC総会以降生産調整を放棄、中東主要国を中心に
高水準の生産により市場シェアの確保、輸出収入減少抑制を図っている。ロシア
も同様。
OPEC原油生産量
(2012年1月~2016年3月)
日量万バレル
ロシア原油生産量
(2012年1月~2016年3月)
1,100
1,080
1,060
1,040
1,020
1,000
12
13
14
15
16
出所:IEAデータをもとに作成
2016年1月のOPEC原油生産量:
3,263万b/d
2016年1月のロシア原油生産量:
1,091万b/d
34
増産凍結:経緯
~2008
国別生産
枠
2009~2011
国別生産上限
推定値
2011年11月総会~
2014年11月
加盟国生産上限3,000
万bbl
2014年11月総
会~
加盟国生産上
限据置
2016年2月
増産凍結暫
定合意(4カ
国)
【増産凍結合意の動き】
 2016年2月16日、サウジアラビア、ロシア、カタール、ベネズエラが原油生産量を同年1月水準凍
結で合意(他の主要産油国の追随が条件)。OPEC(特にサウジアラビア)とロシアの2016年1月の
生産量は過去最高水準であり、市場へのインパクトは限定的との見方はあったが石油市場安定
化に向けたOPEC及び非OPEC主要国の協調への兆しを受け油価は上昇。
【4月17日のドーハ会合の結果】
 イラン、リビアを除くOPEC産油国及びロシア等18ヶ国が会合に参加。当日、サウジアラビアのヌア
イミ石油・鉱物資源相は、イランほか全OPEC加盟国が合意に参加すべきと主張。合意は見送ら
れ、6月2日のOPEC総会まで協議継続→当面、増産凍結実施の可能性は低く、油価への影響も
限定的
 仮に増産凍結で合意しても、基準となる2016年1月のOPECならびにロシアの生産は過去最高水
準の生産レベルであり、直ちに石油供給過剰感を払拭できるわけではない。
 サウジアラビアとイランとの対立、主要産油国間の石油市場及び原油価格安定のための結束力
の脆弱性が露呈し市場は失望。
35
イランの原油生産
・OPECは高水準の生産により競合激化の兆し。
・制裁解除後増産、シェア回復を図るイランだが、増産凍結合意見送りによ
りシェア回復は更に困難になり、今後の増産は比較的緩やかになると予想。
イラン原油生産量
(2011年1月~2016年3月)
日量万バレル
380
・2016年3月の原油生産量
330万b/d(制裁解除後約40万b/d
増加)
・2016年1月の原油生産量300万
b/d(制裁前の水準400万b/d)
増産凍結への協調は難しい
360
340
320
300
280
260
240
1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3
出所:IEAデータをもとに作成
36
OPEC主要国と非OPECの探鉱開発活動と原油
生産
・サウジラビア、UAE 、クウェート等低コストのOPEC中東主要国
は油価低迷、財政悪化にも関わらず投資・生産は衰えていない。
・非OPEC産油国はリグ稼働数、原油生産量ともに減少傾向。
360
OPEC主要国(中東)のリグ稼働数と原油生産量
の推移
万b/d
2,350
2,300
340
2,250
320
2,200
300
2,150
280
2,100
260
2,050
240
2,000
220
1,950
2012
2013
2014
リグ稼働数
2015
2016Q1
原油生産量
リグ稼働数はOPEC報告書、原油生産量はIEA統計に基づく
37
非OPEC主要国国有石油会社の投資
・2014~2016年にかけて非OPEC主要国国有石油企業の投資はロシア
が前年比12~45%増、ブラジルとメキシコは同13~31%減。投資姿勢
に差異。
2015年投資
主要国国有石油会社投資額増減(2015・16年)
50%
45%
ロシア
Rosneft
30%
10%
12%
ブラジル
Petrobras
‐13%
‐13%
‐10%
‐16%
‐30%
‐31%
‐50%
2015
Rosneft
2016
Petrobras
Pemex
実線は現地通貨ベース増減、点線は米ドルベース
各社発表に
基づき作成
メキシコ
Pemex
2016年投資
5兆9510億ルーブル
(前年比12%増)
8兆6000億ルーブル
(前年比45%増)
970億ドル
(前年比30%減)
1,400億ドル
760億レアル
(前年比13%減)
660億レアル
(前年比13%減)
230億ドル
(前年比38%減)
200億ドル
3,010億ペソ
(前年比16%減)
2,070億ペソ
(前年比31%減)
190億ドル
(前年比27%減)
130億ドル
ロシア・ブラジルの為替レートはIMF(2016年は2015年平均で計算)
メキシコの為替レートはPemexのレートを使用
38
供給 まとめ①
➢米国のシェール生産活動は原油価格に対して比較的素早く反応する。
➢米国のシェール企業は、価格低迷によって資金調達が一段と困難化し、
企業の投資抑制により掘削活動も後退しているが、他方技術面ではサー
ビス費用の下落、操業の効率化や坑井デザイン最適化により足元の生産
性は改善。
➢近い将来、原油価格が上昇すると、多様な資金提供者のファイナンス
によりシェール企業の投資活動は比較的速やかに回復し増産に転じると
分析。その一方で技術面での効率化・最適化は時間とともに収束すると
考えられる。ただし、低油価期を経た技術革新の動向は注視が必要。
➢2020年までのシェール生産量推計では、原油価格が40ドル/bbl程度で
推移すると採算性が得られず減少するが、価格が上昇すれば企業の投資
活動は速やかに回復し増産に向かうと予想。原油価格が50ドル/bbl水準
で推移した場合、2020年には90万b/d(年平均18万b/d)増加、60ドルで
推移した場合200万b/d(年平均40万b/d)、70ドルでは260万b/d(年52
万b/d)以上増加すると推計。
39
供給 まとめ②
➢OPEC主要産油国は、安定生産~増産。イランは増産凍結合意見送りで
市場シェア確保が更に難航するとともに外国投資や技術導入の遅れで増
産は緩やかと予想。
➢米国シェール以外の産油国事業は総じて大型化。生産・建設中事業は
油価低迷時も将来の投下資金回収に向け生産操業を継続する傾向にあり、
2020年時点の生産見通しの大幅な変動は考えにくい。
➢一部の国では低油価による投資削減や政治等要因により生産に影響が
出ているものの、油価低迷により遅延・中止した事業の供給への影響は
2020年前後に顕在化と予想。
➢米国シェール以外の供給は2020年までに320万b/d(年平均64万b/d)
(OPEC46万b/d、非OPEC8万b/d、バイオ等10万b/d)程度増加すると
推計。
➢ただし低価格が続くと、資源国の財政の悪化による投資制約や非OPEC
の投資縮小により新規開発の遅延のみならず生産中油田の早期減退が顕
在化し、2020年までの供給が更に下振れするリスクがある。
40
2.需要:世界経済成長見通し
・世界経済成長見通しは、2016年4月に下方修正(‐0.2%)。概ね3%台を維持。
・Non‐OECD諸国全体としては堅調な成長を見通すも、中国は減速傾向。
WEO
Apr-16 Apr-16 Apr-16 15-Oct 15-Oct 15-Oct
推定値 見通し 見通し 見通し 見通し 見通し
2015
World
OECD
USA
2016
2017
2018
2019
2020
3.1
3.2
3.5
3.9
4.0
4.0
1.9
1.9
2.0
2.2
2.0
1.9
2.4
2.4
2.5
2.7
2.2
2.0
OECD Europe
1.6
1.6
1.6
1.6
1.6
1.6
Japan
0.5
0.5
(0.1)
0.7
0.9
0.7
4.0
4.0
4.6
5.1
5.2
5.3
China
6.9
6.5
6.2
6.1
6.3
6.3
India
7.3
7.5
7.5
7.6
7.7
7.7
Non-OECD
出所:表・グラフともにIMF World Economic Outlook October 2015
及び WEO Update April 2016よりJOGMEC作成
41
需要:石油消費実績分析
・石油消費実績は経済成長実績により有意に説明可能
・他方、原油価格の変化率が石油消費に与える影響は軽微
(経済成長に比べ石油消費は原油価格変化に非弾力的、あるいは説明変数として棄却
注2)
→将来の経済成長見通しを基に、直近期間の所得弾性値〈表2〉により2020年
における需要量を推計
〈表1〉 経済成長と原油価格の推移による
過去の石油消費量重回帰分析結果一覧
(分析対象期間:1985-2014年)
分析区分
所得弾性値
価格弾性値
0.451 **
-0.015 *
OECD
0.359 **
-0.025 *
Non-OECD
0.675 **
-0.008
World
注1:分析区分毎に異なるモデルを使用しており、合計はWorldに一致しない。
注2:各弾性値係数のアスタリスクは統計的信頼性(* P<0.05, ** P<0.01)
〈表2〉 経済成長との推移による過去の
石油消費量分析結果一覧
(分析対象期間:2010-2014年)
分析区分
World
OECD
Non-OECD
2015年
推定所得弾性値
0.392
-0.053
0.660
注3:分析対象期間が短くサンプル数が不足するため、経済成長の推移と石
油消費量の関係について近似曲線を求め、所得弾性値を算出。
42
需要:中期需要見通し①
・2020年における世界の需要量は、100~101百万b/dと推計。
・2020年までの需要量の年平均増分は、1.1~1.3百万b/d程度。
中期需要見通しシナリオ
2020年需要量推計結果及び対2015年実績伸び率
①IMF推計に基づく経済成長伸展
2020年需要量推計
全世界 (百万b/d)
(対2015年実績伸び率(%)・年率)
〈需要量増分(百万b/d)・年間〉
・IMF World Economic Outlook 2015 Octに
おけるBaseline Scenario及び WEO Update
2016 Aprilに規定された経済成長伸展(P.41)に
基づく中期需要見通し。
100.82
①IMF 推計に基づく経済成長伸展
②2015年経済成長推定値に基づく
現状成長維持
②2015年経済成長推定値に基づく
現状成長維持
・将来の経済成長伸展を保守的に見込むため、
2015年の経済成長推定値が2020年まで継続
すると想定。
・例外的に中国は2020年までの新5か年計画に
おいて経済成長を6.5%としていることから、これ
を反映。
(+1.32%)
〈+1.25百万b/d〉
99.98
(+1.14%)
〈+1.08百万b/d〉
(2016年実績見込)
95.75
出所: IEA Oil Market Report , Mar. 2016
43
需要:中期需要見通し②
・経済成長が伸展した場合、2020年における世界全体の石油消
費量は、約101百万b/dと推計。
・このうち、OECDは 約45百万b/d、Non-OECDは約56百万b/d。
→OECDは低水準で経済成長が継続するが、エネルギー消費効率の
向上、産業構造の変化、生活様式や人口動態の変化により、石油消費
量は微減と見込まれる。
→Non-OECDは経済成長ペースがやや鈍化するものの所得弾性値も
高いことから、石油消費量は引き続き増加すると見込まれる。
経済成長伸展ケース
2015年石油消費量実績と2020年推計結果
(百万b/d)
94.58
95.72
96.94
98.25
99.55
100.82
対2015年
期間増分
6.24
1.25
対2015年
期間伸び率
6.60%
OECD
46.17
46.04
45.79
45.44
45.00
44.49
-1.68
-0.34
-3.64%
-0.73%
2.3%
Non-OECD
48.41
49.68
51.14
52.81
54.55
56.33
7.92
1.58
16.36%
3.27%
4.3%
2015年 実績*
2016年 推計
2017年 推計
2018年 推計
2019年 推計
2020年 推計
分析区分
2015年 実績*
2016年 推計
2017年 推計
2018年 推計
2019年 推計
2020年 推計
World
年間増分
年伸び率
1.32%
想定経済成長率
4.0%
経済成長維持ケース
2015年石油消費量実績と2020年推計結果
(百万b/d)
94.58
95.72
96.83
97.91
98.96
99.98
対2015年
期間増分
5.40
1.08
対2015年
期間伸び率
5.70%
OECD
46.17
46.01
45.78
45.48
45.11
44.66
-1.51
-0.30
-3.26%
-0.65%
1.9%
Non-OECD
48.41
49.71
51.05
52.43
53.85
55.31
6.90
1.38
14.26%
2.85%
3.3%
分析区分
World
年間増分
年伸び率
1.14%
想定経済成長率
3.3%
*IEA: Oil Market Report 11 Mar 2016, Table 2による
44
参考:各国際機関需要見通し 2016年5月現在
IEA MTOMR 2016 Global
(百万bbl/d/年)
2014
2015
2016
2017
2018
2019
92.80
94.40
95.60
96.90
98.20
99.30
平均
100.50
-
-
1.60
1.20
1.30
1.30
1.10
1.20
1.28
6.10
-
1.72%
1.27%
1.36%
1.34%
1.12%
1.21%
1.34%
1.26%
45.73
46.20
46.20
46.10
45.90
45.70
45.40
-
Non-OECD
47.07
48.30
49.40
50.80
52.20
53.70
55.00
-
91.30
92.80
94.10
95.00
95.90
96.60
97.40
-
2015~2020
(対前年⽐増分)
-
1.50
1.30
0.90
0.90
0.70
0.80
1.02
4.60
(対前年⽐増加率)
-
1.64%
1.40%
0.96%
0.95%
0.73%
0.83%
1.08%
0.97%
OECD
45.80
46.20
46.40
46.30
46.10
45.90
45.60
Developing countries
40.30
41.10
42.40
43.40
44.40
45.40
46.40
-
5.20
5.20
5.30
5.30
5.40
5.40
5.50
-
Eurasia
World
(百万bbl/d/10年)
CAGR
2015~2020
(対前年⽐増分)
OECD
(百万bbl/d/年)
期間増分**
(対前年⽐増加率)
OPEC WOO 2015 World
EIA IEO 2016*
2020
1980
1990
2000
2010
63.10
66.50
76.80
3.40
10.30
(対前期⽐増分)
-
(百万bbl/d/年) 対前期⽐増分・年換算)
-
0.34
(対前期⽐増加率)
-
5.39%
(対前期⽐増加率・年換算)
-
1.03
15.49%
-
2020
2030
2040
平均
86.80
100.30
107.40
119.40
-
10.00
13.50
7.10
12.00
1.00
13.02%
1.35
15.55%
0.71
7.08%
CAGR
2010~2020
増分平均5か年分
9.38
1.20
0.94
11.17%
11.28%
1.13%
0.54%
1.55%
1.30%
1.56%
0.71%
1.12%
OECD
41.60
41.60
48.30
46.00
45.80
45.50
46.10
-
Non-OECD
21.50
24.90
28.50
40.70
54.50
63.60
74.80
-
*World petroleum and other liquid fuels consumption by region
期間増分**
5.88
1.56%
期間増分平均
5.53
CAGR平均
1.26%
**増分計の計算においては、2020年に⾄る直近5年間の需要量増分を積算。IEA MTOMR2016においては2015~2020、OPEC WOO2015におい
ては2015~2020、EIA IEO2016においては2010~2020年の増分平均の5か年分とした。
45
米国輸送部門動向①足元の個人消費動向
足元では、自動車の走行距離や販売台数の伸びは堅調
・自動車の走行距離、2014年末以降に顕著な伸び
・2015年の米新車販売台数*、15年ぶり過去最高の約1,747万台
←消費者心理の改善、ガソリン価格の低下(2004年以来の安値)、
長期自動車ローン・リースの提供
*乗用車・小型トラック含む
thousand
barrels
million miles
自動車走行距離とガソリン供給量
350,000
自動車販売台数(2013.1~2016.3)
270,000
Vehicle Miles Traveled
300,000
260,000
1,600,000
250,000
250,000
200,000
240,000
150,000
230,000
100,000
220,000
Motor Gasoline Supply
50,000
210,000
0
Jan‐15
800,000
Oct‐15
Apr‐14
Jan‐12
Oct‐12
Jul‐13
Jul‐10
Apr‐11
Jan‐09
Oct‐09
Jul‐07
Apr‐08
Oct‐06
Jul‐04
Apr‐05
Jan‐06
Jan‐03
Oct‐03
Jul‐01
Apr‐02
Jan‐00
Oct‐00
200,000
出所: 米国運輸省連邦道路管理局統計より作成
1,200,000
出所: マークラインズ統計より作成
46
米国輸送部門動向②燃料消費の動向
・輸送部門のエネルギー消費の8割超を道路輸送が占める
うち、6割が普通自動車
・道路輸送のマイルあたり燃料消費は約20年間で7%減少
輸送手段別エネルギー消費の推移
(1990‐2013)
Trillion Btu
輸送手段別エネルギー消費(2013)
1990=1
30,000
1.02
25,000
1.00
パイプライン
0.98
20,000
0.96
15,000
水上
LDV
0.94
10,000
0.92
0.90
0
0.88
道路
航空
鉄道
水上
パイプライン
マイルあたり道路輸送の燃料消費
道路
鉄道
バス
トラック
航空
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
5,000
出所: 米国運輸省統計より作成
47
米国輸送部門動向③燃料消費の抑制
・自動車登録台数、免許保有者数は増加傾向。
しかし、一台あたり走行距離と燃料消費はドライバーの高齢化と燃費規制で伸び悩み
・2000年代の新型モデルから燃料効率が向上
・2016年乗用車CAFE規制:37.8mpg、さらに2025年には54.5mpgを目標
→燃料効率の向上による消費の抑制要因となるか
1995=1
自動車登録台数と一台あたり燃料消費の推移
mile per gallon
自動車燃費の推移
60.0
1.5
1.4
1.3
1.2
1.1
1.0
0.9
0.8
0.7
0.6
0.5
55.0
50.0
45.0
40.0
35.0
30.0
25.0
20.0
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012(R)
2013
15.0
自動車登録台数
一台あたり平均走行マイル
CAFE 基準
一台あたり平均燃料消費
免許証保有者数
新型モデル 乗用車
乗用車
CAFE基準 ライトトラック
新型モデル ライトトラック
出所: 米国運輸省連邦道路管理局ほか統計より作成
48
3.需給分析(短期):需給調整
・2015年の供給過剰は190万b/dと高い水準。
・現在、サウジ、イラク等OPEC加盟国が増産態勢を維持。非OPE
C諸国は生産横ばい、米国シェールは減産中。石油需要は増加。
・2016年は供給過剰が半減し、需給調整が進むと推計。
49
需給分析(短期):石油在庫の積みあがり
米国の原油在庫量及びOECD諸国の石油在庫量は、平年の水準を超過して積
み上がり。高水準の在庫量が原油価格の下方圧力に繋がる可能性あり。
米国原油在庫(2015年1月~2016年4月)
OECD諸国石油在庫量(2015年1月~2016年3月)
億バレル
31
30
29
28
27
26
25
1
2
3
4
5
6
7
8
過去5年幅
9
10
11
12
1
2
3
出所:IEAデータ等
50
需給分析(2020年まで):世界供給の推計曲線
・2020年までの米国シェール生産推計、それ以外の主要国生産推計に基づき、世
界の供給量推計を導出。需要推計とのバランスを評価・分析。
百万b/d
米国シェール 生産推計
10.00
百万b/d
38.00
供給($80/b一定)
供給($70/b一定)
供給($60/b一定)
供給($50/b一定)
供給($40/b一定)
8.00
OPEC主要国及び非OPEC主要国 生産量推計 百万b/d
22
21.5
OPEC主要国(左軸)
37.00
21
非OPEC主要国(右軸)
6.00
20.5
36.00
4.00
20
19.5
2.00
35.00
19
2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
シェール推計結果を使い米国生産量推計
上記以外として、他産油国、バイオ・プロセスゲ
イン生産量(IEAデータ) 合算
IEA参照先
2016年3月号OMR
2016年2月発表の中期見通し
世界の供給量推定
51
需給分析(2020年まで) :リファレンスケース
・足元は、需要の伸びが供給増を上回り、需給は引き締まりつつある。
・今後、価格が40ドル/bblで推移すると、需給が2017年頃に一旦バランスす
るが、 60ドル水準で推移すると需給のバランスは2020年以降に先延ばし。
(百万b/d)
供給
地域
前提
103
米国
JOGMEC試算
(油価により変動)
102
需要上限
需要下限
供給($80/b一定)
供給($70/b一定)
供給($60/b一定)
供給($50/b一定)
供給($40/b一定)
101
需要
OPEC・
非OPE
C主要国
各国政府やIEA他を参考
にJOGMEC独自推計
(油価による変動なし)
その他
IEA中期見通し(2016年2
月)をベースに試算(油価
による変動なし)
98
JOGMEC試算
(IMFにもとづく経済成長
ケースと現状維持ケース
2ケース)
96
世界
世界全体の需給推計
100
99
80ドル/b
70ドル/b
60ドル/b
50ドル/b
97
40ドル/b
95
94
2015年
2016年
2017年
2018年
2019年
2020年
52
需給分析:世界(2020年まで) リファレンスケース
・2016年は米国シェール減産で世界生産の伸びは限られる。2017年以降
は、価格が低い水準では、供給増は需要の伸びに追いつかない。
・したがって、2017年頃に需給均衡した場合、その後の需要増をカバーす
るためには原油価格70、80ドル/bblが必要となる。
年間 百万b/d増減
世界供給の年間増減
1.60
1.20
需要推計の年間増加
0.80
0.40
0.00
2016年
2017年
2018年
2019年
2020年
‐0.40
供給($40/b一定)
供給($70/b一定)
供給($50/b一定)
供給($80/b一定)
供給($60/b一定)
53
需給分析:2つの供給シナリオ
①シェール高効率化②投資不足による既存油田減退
リファレンスケースの他に、2つの供給シナリオを想定し需給分析
・①シェールの生産効率化:たとえば、効率化10%上振れの場合では、原油価
格の下方圧力であるものの、需給緩和へのインパクトは軽微。しかし技術革新
等により効率性が飛躍的に高まれば、原油価格への下方圧力は高まる。
・②投資減による早期の生産減退:産油国の財務悪化や民間投資の縮小に
伴ってメンテナンス投資が維持できず生産減退が進んだ場合、需給逼迫のタイ
ミングは大きく前倒しとなる。
供給シナリオとして2ケースを想定
シナリオ①
シェール効率化
シェールの生産効率化が進み、新規井の生産レートが飛
躍的に高まる
図表:リファレンスケースより初期生産レート+10%
シナリオ②
投資不足による急
速な生産減退
大産油国の財政悪化・投資削減による主要国生産量の
急速な生産減退
図表:油価40ドル/bblで年率3%減、年率1%減 2ケース
油価50ドル/bblで年率3%減、年率1%減 2ケース
54
需給:供給シナリオ①シェール高効率化
②投資不足による急速な生産減退
(百万b/d)
百万b/d シナリオ① シェール新規井の生産効率+10%
102
100
供給($80/b)
供給($70/b)
供給($60/b)
供給($50/b)
供給($40/b)
①シェール増
①シェール増
①シェール増
①シェール増
①シェール増
102
供給($80/b)
供給($70/b)
供給($60/b)
供給($50/b)
供給($40/b)
100
98
シナリオ②既存油田早期減退
供給($80/b)
供給($70/b)
供給($60/b)
供給($50/b)
供給($40/b)
②投資減 供給3%/年減($50/b一定)
②投資減 供給1%/年減($50/b一定)
②投資減 供給3%/年減($40/b一定)
②投資減 供給1%/年減($40/b一定)
需要上限
需要下限
年1%減
98
年3%減
年1%減
96
96
年3%減
94
94
2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
前提:シェールの初期生産量がリファレンスケース比で
10%アップした場合
2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
前提:民間・政府投資が大幅減により、生産量が下振れした場合
(イラク、ベネズエラ、ナイジェリア、アンゴラ、カナダ、メキシコ、ブラジル)
リファレンスケース比 40ドル/bblの場合3%減/年と1%減の2ケース
50ドル/bblの場合3%減/年と1%減の2ケース 55
(前回との比較)米国供給:シェール生産量見通し
前回(2015年9月)
今回(2016年5月)
<前回からの主要変更点>
• 2016年2月までの各シェール生産量データ(EIA)を反映させ、その後を推定。
• Permianは他に比べて開発が進展すると想定し、生産性を高めに設定。
• JOGMEC集計結果を考慮してヘッジングを設定。
56
(前回との比較) 米国を除く主要国別供給増減見通し
前回(2015年9月)
今回(2016年5月)
OPEC主要国増減(15~20年、万b/d:15年9月試算)
80
OPEC主要国増減(15~20年、万b/d)
67 60
30 40
35 20 ‐3 20
0
(20)
100
80
60
40
20
‐
‐20
‐40
73
38
(60)
2016年
2017年
サウジアラビア
UAE
2018年
クウェート
2019年
イラン
2020年
イラク
33
3
2016年
(40)
36
2017年
2018年
2019年
2020年
サウジアラビア
UAE
クウェート
イラン
イラク
その他主要国
増減
増減
IEA 、カナダCAAP、メキシコエネルギー省他独自推計により試算
<前回からの主要変更点>
・全ての国の2015年実績値を修正。
・サウジアラビア・クウェート:2015年実績を踏まえ上方修正
・イラク:投資縮小に伴うインフラ制約を踏まえ伸び率を若干下方修正
・リビア:IEA MTOMRを参照し生産・政治情勢を踏まえ下方修正
57
(前回との比較) 米国を除く主要国別供給増減見通し
前回(2015年9月)
今回(2016年5月)
非OPEC主要国増減(15~20年、万b/d)
非OPEC主要国増減(15~20年、万b/d:15年9月試算
60
50
40
30
20
10
‐
‐10
‐20
100
45 25 36 29 80
34 60
40
20
(6)
7 5 18 17 0
(20)
2016年
ロシア
2017年
2018年
2019年
カナダ
メキシコ
ブラジル
2020年
増減
(40)
2016年
ロシア
2017年
2018年
カナダ
メキシコ
2019年
ブラジル
2020年
増減
IEA 、カナダCAAP、メキシコエネルギー省他独自推計により試算
<前回からの主要変更点>
・全ての国の2015年実績値を修正。
・カナダ:2015年の生産実績、オイルサンド事業継続等を踏まえ上方
修正
・メキシコ:IEA MTOMRを参照し、メキシコ・エネルギー省(SENER)に
よる既存油田の生産見通しや入札の結果を踏まえ下方修正
58
(前回との比較)需給分析:リファレンスケース
・前回調査(2015年9月時)の推計と比較すると、OPEC及びシェールの
生産が足元堅調であるため生産量が上方修正され、2015年の供給量超
過が上振れ。
・2020年までの生産量見通しが全体的に上方シフト。
(百万b/d)
供給
地域
前提
103
米国
JOGMEC試算
(油価により変動)
102
OPEC・
非OPE
C主要国
各国政府やIEA他を参考
にJOGMEC独自推計
(油価による変動なし)
その他
IEA中期見通し(2016年2
月)をベースに試算(油価
による変動なし)
98
JOGMEC試算
(IMFにもとづく経済成長
ケースと現状維持ケース
2ケース)
96
前回との生産量推計の比較
供給($80/b)
供給($70/b)
供給($60/b)
供給($50/b)
供給($40/b)
前回 供給($80/b)
前回 供給($70/b)
前回 供給($60/b)
前回 供給($50/b)
前回 供給($40/b)
需要上限
需要下限
101
需要
世界
100
99
点線 前回調査(2015年9月)
実線 今回調査(2016年5月)
97
95
94
2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 59
分析結果1(短期見通し)
・2015年は、OPEC(サウジ、イラン、イラク)やロシアの増
産態勢、非OPECのブラジル、カナダの新規油田の立ち
上がりで増産がみられ、堅調な生産活動が続いた。他
方、価格反応度の早い米国シェールの生産量は、投資
減の影響で2015年上期に頭打ちとなり、現在減少中。
・想定以上に2015年の供給過剰は大きい。石油在庫量
は記録的水準を超えてさらに積み上がり、加えて経済
見通しは下方修正されていることから、供給障害がない
限り、原油価格への上昇圧力は限定的とみられる。
・2016年は、シェールの減産が引き続きみられることか
ら、石油需要の伸びとともに供給過剰は解消に向かう。
60
分析結果2(2020年まで)
・米国のシェール生産量は、現在原油価格の低迷によ
り減少しているものの、生産効率化・サービス費用の
低下を受けて経済性が改善しており、価格上昇かつ価
格見通しが回復した際には速やかに増産に転じると分
析。
・2020年までの生産見通しは、非OPEC諸国(シェー
ル除く)はブラジル、カナダ等からの増産により年8万
b/d増の見通し。同OPEC生産量は、サウジ、イラン、
イラク、UAE等からの増産により年46万b/d増の見通
し。
・2020年までの世界の石油需要の伸びは、現行の経
済成長見通しを踏まえて、年平均で110-130万b/dと
試算。
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分析結果3(2020年まで)
・原油価格40ドル/bblが続くと、低油価により、米国の
シェール生産量が抑制されて現在の需給ギャップが
2017年頃に解消する。そしてその後は、需要の伸びに
見合うだけの供給増加には米国シェールの増産が不可
欠となり、原油価格は70ドル~80ドル水準が必要。
・原油価格が60ドル/bblで推移すると、シェール生産は
反転、増産されるため、2020年近くまで供給過剰の解
消は先送りされ、原油価格も同水準が続く。
・供給面の不透明要素として、例えば、シェール開発の
効率化は限界に近づくと想定したが、低価格下におけ
る技術革新により飛躍的に効率性が高まった場合、供
給が上振れして原油価格の上昇は起こりにくい。反対
に、大産油国の投資不足により既存油田へのメンテナ
ンス投資さえも維持が困難であれば、予想以上に生産
が減少し、供給不足の時期が早まるリスクがある。
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市場分析(2016年5月):
<市場分析チーム>
野神隆之、竹原美佳、高木路子、増野伊登、田村康昌
供給:古藤太平、芝正啓
需要:鑓田真崇、山本万里奈
価格:阿部和彦、小林武朗
海外事務所、エネルギー資源調査課
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