「 (仮称)岐阜市 人と動物の共生社会の推進に関する条例」の制定について ~『人と動物が共に幸せに暮らせるまち』を目指して~ 近年、少子高齢化や核家族化が進む中で、犬や猫などの動物を飼う家庭が増えています。 また、これらの動物は、単なる愛玩動物としてではなく、家族の一員として、共に生きる 仲間であるという考え方が広がってきています。 しかし、その一方で、心ない飼い主による不適切な飼い方や安易な繁殖、飼い主がマナ ーを守らないことによる近隣への迷惑行為や、飼い主不明な猫(いわゆる野良猫)等へ無 責任に餌を与えることによる周辺環境の悪化などが問題となっています。 このような状況をふまえ、動物の愛護と適正な飼い方に関する施策を総合的に推進し、 動物愛護精神の高揚を図り、人と動物の共生社会を推進するため、条例の制定に向けて検 討を行ってきました。 このたび、「(仮称)岐阜市 人と動物の共生社会の推進に関する条例」の骨子案を取り まとめましたので、広くご意見を伺うため、パブリックコメントを行います。 本条例は、動物愛護の取り組みを広く進めていくとの考えから、罰則規定等は設けず、 「人と動物の共生社会」の推進のための理念条例とします。 言葉の定義 ◆動物:人が飼っている(一時的に預かっている場合なども含みます。 )又は 人が餌を与えている、哺乳類、鳥類、爬(は)虫類 愛玩動物(ペット)が対象です(犬、猫、オウム、トカゲ、カメ、ワニなど)。 畜産農業に係るものなどは除きます。 ◆飼い主:動物の所有者(所有者以外の人が飼っている場合は、その人を含み ます。 ) ◆給餌者:飼い主不明な動物に餌を与えている人 1 「(仮称)岐阜市 人と動物の共生社会の推進に関する条例」の骨子案 ルールを守って、人と動物が共に 幸せに暮らせるまちを目指します! 条例の目的 ◆市の基本理念を明確にする。 ◆市、市民及び飼い主の責務や相互の協力などを定める。 ◆市民の動物に対する愛護の意識の高揚を図る。 ◆動物の取扱いにより人におよぼす迷惑、及び動物による人の生命、身体又は 財産に対する侵害、並びに周辺環境の悪化を防止する。 「人と動物の共生社会」の推進 基本理念 動物愛護に関する考え方を明確にし、人と動物の共生社会を推進するため、次のこ とを基本理念として定めます。 ◆何人も、動物が命あるものであり、その命は尊ぶべきものであることを十分に 理解する。 ◆動物を飼う人と飼わない人、動物を愛する人と必ずしも好まない人が、相互に 理解を深めるよう努める。 ◆地域住民その他社会を構成する多様な主体が連携を図り、協働して取り組む。 社会を構成する多様な主体としては、自治会、学校、動物関係団体(動物に関す る活動を行うボランティア、動物取扱業者、獣医師会、企業)などがあります。 2 市の責務 基本理念や目的達成のために、次のことを責務とします。 ◆施策を推進するための基本方針を策定する。 ◆市民及び動物関係団体等との協働により施策を推進する。 ◆市民及び飼い主へ必要な情報提供、指導又は助言をする。 ◆施策を推進するための拠点を整備する。 市民の責務 「人と動物が共生する社会」の推進のためには、次のことが必要です。 ○市民一人ひとりが 動物が命あるものであることを理解し、その愛護に努める。 市の施策に協力していただく。 ○飼い主になろうとする人は、 その動物を終生飼うことができるか十分に考える。 このため、次のことを責務とします。 ◆動物を愛護し適正に扱うとともに、市の施策に協力するよう努める。 ◆飼い主になろうとする人は、動物を飼い始める前に、将来にわたり飼うことが できるかを考えるとともに、飼おうとする動物の習性や生理等に関する知識の 習得に努める。 飼い主の責務 「人と動物が共生する社会」を推進し、人と動物がともに幸せに暮らすためには、 何よりも、飼い主としての自覚を持ち、動物が命を全うするまで、近隣に迷惑を掛け ないように適正に飼うことが必要です。 このため、次のことを責務とします。 ◆飼っている動物について全ての責任を有することを自覚する。 ◆動物の習性や生理等を理解し、動物の健康及び安全を保つよう努める。 ◆動物を飼うにあたっては、周辺環境の保全に配慮するとともに、その動物が 人の生命、身体若しくは財産に害を加え、又は人に迷惑を及ぼさないよう努め る。 3 飼い主等の遵守事項 飼い主には、責任を持って適正に飼っていただく必要があります。 このため、飼い主の方に、次のことを遵守していただきます。 ◆飼っている動物の所有者を明らかにするための措置をとる。 ◆終生飼うものとし、やむを得ず終生にわたり飼うことが困難となった場合は、 新たな飼い主を見つけるよう努める。 ◆飼っている動物が繁殖することにより、適正に飼うことが困難となるおそれが ある場合は、避妊や去勢手術などの措置をとる。 ◆飼っている動物を道路、公園その他の公共の場所において散歩等させるとき は、ふんを処理するための用具を携行し、ふんは直ちに除去する。 ◆飼っている動物について、災害の発生に備えるよう努めるとともに、災害が発 生した場合には、できる限りその動物の健康及び安全の保持のために必要な措 置をとる。 給餌者が無責任に餌を与えることにより、地域に動物が住みつき、糞尿被害などの 問題が発生しています このため、給餌者には、次のことを遵守していただきます。 ◆周辺環境の保全に配慮するとともに、当該動物を増やさないために必要な措置 を講じるなど、人に迷惑を及ぼすことのないよう努める。 ◎施策の推進にあたっては、関係法令等の活用も図ります。 ・ 「動物の愛護及び管理に関する法律」には、動物の虐待、遺棄にかかる罰則の規定が あります。 ・ 「岐阜県動物の愛護及び管理に関する条例」には、放し飼いの禁止について規定があ ります。 ・ 「狂犬病予防法」には、犬の登録及び狂犬病予防注射の義務について規定があります。 このように他法令で規定されている動物の飼い主などが守るべきルールも市民の皆様 にお伝えしていきます。 4
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