平成27年度離島漁業再生支援交付金による取組概要 1.

(参考様式第17号)
平成27年度離島漁業再生支援交付金による取組概要
1.集落の状況及び集落協定の概要
都道県名:長崎県
市町村名:佐世保市
島名:高島
協定締結集落名:佐世保市高島漁業集落
交付金額合計:7,901千円
(1)基本交付金:7,072千円
(2)新規就業者特別対策交付金:829千円
協定参加世帯数:53世帯、140人(うち漁業世帯52世帯、71人)
都道県の漁業者平均所得2,560千円、本土漁業者平均所得2,844千円
都道県の都市部の勤労者世帯の有業者一人当りの平均勤め先収入2,968円
集落の平均漁業者所得635千円
2.協定締結の経緯
佐世保市高島町は、「西海国立公園
九十九島」の北西部に位置し、複雑な海岸線をなしているこ
とから、当該地区漁業者にとって重要な漁場となっている。
当該地区は、本事業開始以前も、種苗の放流、藻場の改善等を行い資源の維持・増大、漁場の保全
管理などに取り組んできたが、基幹産業である水産業についても、高齢化や後継者不足による漁業者
の減少が進行するとともに、漁業資源の減少や燃油・資材価格の高騰など漁業者を取り巻く環境は依
然として厳しい状態が継続しており、漁業の衰退が危惧される状況となっている。
このような現状を打開するため、当該地区漁業者自らが率先して漁場の管理について話し合いを実
施し、漁業生産活動の向上のための取り組みを実施するとともに、漁村機能の強化・活性化を図る取
り組みとあわせて、漁業所得の向上を図るため、本事業に取り組むこととした。
3.取組の内容
①漁場の生産力の向上に関する取組状況
ⅰ
種苗放流
近年減少傾向にある根付資源を中心に種苗放流を行い、地域内漁獲
の回復を図ることとした。
・アカウニ
4万個
・アワビ
1万5千個
・カサゴ
8千尾
・オニオコゼ
3千5百尾
ⅱ
漁場の管理・改善
磯焼けの継続する漁場において、ガンガゼ駆除や雑藻類(ウミトラノ
オ)の除去を行い、藻場の回復を図ることとした。
ⅲ
・ガンガゼ駆除
8回(149名、用船37隻)
・雑藻類駆除
2回(74名、用船4隻、用車4台)
産卵場・育成場の整備
近年、減少傾向にあるイカ資源の回復を図るため、産卵基盤として沿
岸域に柴を設置し、イカ資源の回復を図ることとした。
・設置・撤収作業(27名、用船3隻、用車4台)
ⅳ
漁場監視
密漁等による漁業被害を防止するため、夜間に監視活動を行い、漁業
資源の保護を図った。
・実施回数
ⅴ
6回(45名、用船12隻)
環境整備事業
減少傾向にある石火かきの資源回復を図るため、付着基盤である潮間
帯の海岸線の環境整備を図った。
・石火かき環境整備
1回(17名、用車5台)
②漁業の再生に関する実践的な取組状況
ⅰ
流通体制の改善
地域水産物の安定的な出荷体制を整備するため整備した共同畜養施設
の維持・管理を行った。
ⅱ
簡易加工
婦人部会において、地域水産物を活用した特産品づくりに取り組むと
ともに、地域活性化イベントにおいて鮮魚及び試作品を含む加工品の販
売を行った。
ⅲ
海洋レジャーへの取り組み
ツアー受入体制を充実させるためガイド養成講座を受講するととも
に、市内観光関係団体と連携し、モニターツアー等の受け入れを行っ
た。
ⅳ
後継者育成
町内会組織等島内の他の組織と連携し、地域活性化(島おこし)イ
ベントを開催し、地域特産品の PR 並びに販売等を行った。
③新規就業者に係る取組状況
地域内漁業者が減少と高齢化が進行していることから、新規就業者確保・
支援のため漁船リース事業に取り組むこととして、集落が漁協より漁船1隻
を借り受け、新規就業者1名に使用させ、地域内漁業者の確保を図った。
4.取組の成果
近年同様、漁場の生産力向上に関する取り組みでは、種苗放流、漁場の管理・改善など5事業
を、漁業の再生に係る実践的な取り組みでは、高付加価値化や流通体制の改善など4事業が実施
された。
しかしながら、本地域の漁獲量は平成 25 年度、平成 26 年度と 220 トンと減少傾向に底打ち感
はあるものの、過去5年間低位で推移しており、依然として厳しい状況が続いている。
今後も、減少及び高齢化の進む地域漁業者の漁業形態に合わせ種苗放流など根付資源の維持・
増大を図る取り組みや、地域水産物や他の離島に比べ地理的に有利な位置にあることから、交流
人口を増やす取り組みを継続する必要がある。
また、本市では平成 27 年度よりふるさと納税制度を拡充し、本市の様々な魅力ある特産品を
返礼品として送付する取り組みを行っていることから、この制度を活用し地域水産物の PR や販
売をおこなうことにより、漁業所得の向上に繋がるものと考えるので、地域全体として取り組ん
でいただきたい。
あわせて、今年度から新規就業者特別対策交付金を活用した新規就業者が就業したことから、
この就業者に対し、地域全体で漁業技術の向上に対する支援を行い、安定的な漁獲を得られるよ
うに取り組む必要がある。
【当該地区の近況一覧表】
H23
人
口(人)
H24
H25
H26
H27
199
196
185
186
181
53
52
52
52
52
漁獲量(トン)
277
231
220
220
ND
漁獲高(百万円)
215
191
173
166
ND
漁業世帯数(世帯)