第1回みどりの景観まちづくりコンテスト入賞作品紹介

第1回 みどりの景観まちづくりコンテスト
最優秀賞
コミュニティ部門
活
動
内
容
屋敷林を守る会
川中邸屋敷林の樹林や竹林並びに草本類、コケ類や菌類の保護活動を行ってい
ます。川中邸屋敷林は近鉄けいはんな線吉田駅からほどなくの場所(東大阪市今
米1丁目)にある面積5000㎡の緑地で、都市化により、自然空間が減少してい
る東大阪市において、非常に貴重な自然空間となっています。
また、大和川の付替えに尽力した「中甚兵衛」ゆかりの地でもあり、歴史的文
化的にも貴重な場所で、都市緑地法に基づき特別緑地保全地区にも指定されてい
ます。このように数百年もの歴史をもつ屋敷林を新しい緑の場にするのではなく、
できる限り原生の姿で残していくことを目標に、樹木の枝打ちや間伐、除草、潅
水などを行っています。
主屋を中心にして、広葉樹と竹類で構成され
た面積5000㎡の屋敷林。
屋敷林内の散策路。この散策路もボラン
ティアの手によるもの。
屋敷林内の散策路。この散策路もボラ
ンティアの手によるもの。
林内広葉樹林。ヒオオギ、ノカンゾウなど
希少草本も多い。
東側公道から観た主屋と屋敷林の外周林。
落葉高木の枝打ち作業。
高所作業車などが使えない場所のため、
安全ベルトを付けて慎重に作業を進める。
低木の剪定作業。低木としての樹形が強
くなるが、できる限り自然樹形を保つこ
とを心掛けている。
竹林の間伐作業。竹同士の間隔を平均1∼
1.5mぐらいに保つことを目的に作業を
行う。10mを超える竹を伐り出すことは
重労働である。
草本類と林床の保護作業。保護する草本
の間に生じる弊害植物の除去はすべて手
作業。根気と体力が必要である。
審査委員の講評
「できる限り現生の姿を維持する」とい
う屋敷林の目標植生を定めて管理している
ところが素晴らしい。所有者とも協働し、
お互いの考えを尊重して新しいものを取り
入れながら活動していることも注目に値す
る。都市化した中での貴重な生物生息空間
として、また、東大阪市の歴史を語る場所
として、今後も活動を続けて頂きたい。
第1回 みどりの景観まちづくりコンテスト
優秀賞
コミュニティ部門
活
動
内
容
大阪アドプト・リバー
・怪談クラブ
東大阪市池島町にある治水緑地の一部にて、大阪府と協定を結び、清掃や除草、
花の育成や管理を実施しています。葦の群生地を開墾するところからスタートし
て花壇をつくり、現在では、球根や種をまいて四季折々の花を咲かせ、散歩する
人たちに気持ちの良い空間を作っています。
また、夏には斜面を利用してつくったアジサイ園で、約30種類、90株のア
ジサイが色とりどりの花を咲かせてくれます。治水緑地であるため、場所によっ
ては浸水しますが、反対に上部の斜面地では水が不足します。その場所に応じた
植物の選定や潅水方法を考え、工夫しながら、花であふれる空間づくりを心掛け
ています。
活動地はみどり清朋高校前の治水緑地です。 浸水時にも被害の少ないユキヤナギの剪定。
審査委員の講評
クラブ名がユニークで、参加者が
楽しんで活動されているのが伺える。
水道設備の無い中、色々と工夫しな
がら清掃、除草に花の育成をされて
いるのには頭が下がる思い。アジサ
イそれぞれにストーリーがあり、緑
地利用者とのコミュニケーションに
一役かっていることも評価できる。
緑地利用者から寄贈を受けることもある、
色とりどりのあじさい。
第1回 みどりの景観まちづくりコンテスト
優秀賞
学校部門
活
動
内
容
加納7丁目末広会
学校ボランティアクラブ
東大阪市立加納小学校と加納公園の一部で、春は菜の花、夏にはひまわり、秋
はコスモスの花を、種から育てて植付け、小学校の児童や道行く人たちになごみ
を与えています。また、花を植えるだけでなく、作業中の子どもたちとの触れ合
いや交流を通して、「こどもたちの見守り」や「挨拶の励行」といったことにも
つながっています。『いつもみんなを見守っています』こどもたちへのメッセー
ジを花に託して、日々の苗作りや清掃活動を行っています。
種から育てている苗。
夏のひまわり。水やりの大変さも、子どもた
ちの笑顔で吹き飛びます。
審査委員の講評
学校の敷際は高いフェンスやブ
ロック塀となることが多いが、透過
性のあるフェンス越しにひまわりが
咲き並ぶ風景は子どもだけでなく住
民や道行く人にとっても心の和むも
の。緑化活動と共に子どもたちの登
下校を見守る目となっていることも
評価できる。
子どもたちを見守るひまわり。
第1回 みどりの景観まちづくりコンテスト
最優秀賞
事業所部門
活
動
内
容
株式会社 ハーヴェスト
2012年、東大阪市足代北1丁目の新社屋へ移転するにあたり、街の美観や緑化
に貢献でき、道行く人や近隣の方々に少しでも楽しんで頂ける場をと、見た目が
美しく香りも華やかなバラ園を、色の鮮やかさや種類の豊富さにこだわって、敷
地の一角に設けました。当初は園芸の専門の方に管理をお願いしておりましたが、
できるだけ自分たちでもお世話ができたらとの想いで、2015年度は専門の講師
に来て頂き、スタッフ向けの「ローズセミナー」を企画いたしました。その際に
はせっかくお話が聞けるのだからと、一般の皆さんからも参加者を募りました。
現在、先生のご指導のもと、スタッフでも、水やり、剪定、施肥などの作業が行
えるよう、日々学びながら管理しております。
2015年5月の様子。バラが咲き乱れ
ています。
満開の季節には道行く人に大変喜ばれ
ています。
たくさんの種類のバラが見られます!!
バラの管理は大変難しいだけに、咲いた時の喜びもひとしおです。
プロの講師を招いてローズセミナーを開催いたしました。
一般の方からも参加者を募り、皆でバラのメンテナンスについて学びました。
審査委員の講評
敷地接道部に多種類で芳香性のあるバラ
を配し、非常に美しい景観を作り出してい
る。デザイン性にも優れ、維持管理の難し
いバラをスタッフの手で世話をするという
意気込みも評価できる。また、スタッフ向
けの講習に一般の参加者も呼び込むなど、
まちづくり面でも広がりが見られる。今後
の活躍にも期待したい。
第1回 みどりの景観まちづくりコンテスト
優秀賞
個人住宅部門
樋上 優
活動内容
家のエントランス部分に、春はパンジーやビオラ、夏はサルビアやリンドウなど季
節折々の草花を植えています。また、歩道沿いの垣根にはモッコウバラを植え、春に
なると白と黄色の花が咲き乱れます。
季節の草花や花木を庭に植え付けることで、通行する人に少しでも心のやすらぎに
なって頂ければとの想いで、育てています。
ゴールデンマサキとツルバラのある玄関。
モッコウバラの生垣。
審査委員の講評
家の外観と植栽構成や色合いが
調和しており、緑のグラデーショ
ンが景観的に美しい。モッコウバ
ラの生垣が季節感を演出し、道を
行きかう人々の目を楽しませるこ
とを考えているところが評価でき
る。
第1回 みどりの景観まちづくりコンテスト
優秀賞
個人住宅部門
活
動
内
容
羽子田 真奈
自宅を新築する際、両親に収穫したての野菜を食べさせてあげたい想いで、敷
地の一部を畑にしました。春にはきれいなアゲハ蝶、梅雨には雨が葉に当たる音、
秋の夜には虫の音と、四季を肌で感じることができます。また、外部との境を設
けなかったため、様々な人からお声をかけて頂き、収穫した野菜をおすそ分けす
るなど、びっくりする早さで地域にも溶け込むことができ、ほっこりした毎日を
送っています。野菜の花は地味で、良い景観とは言い難いですが、最近都市部で
はあまり見られない野菜の育つ姿を見ることができ、通行される方も楽しんでく
ださっています。野菜の育つエネルギーを吸収しつつ、季節を感じてもらえたら
と思っています。
西側は葉物、南側は大きく成長する野菜
を植えています。
水菜の間に植えたチューリップ
審査委員の講評
個人住宅での野菜作りが、通行
者や近隣住民とのコミュニケー
ションのきっかけになっているこ
と、食卓を彩る食材となっている
等、人と人とを結びつけ、生活の
豊かさを生み出すみどりを暮らし
の中にしっかりとりこんでおられ
ることが素晴らしい。
生長したマクワウリ。石切神社の神馬の
糞を頂いて堆肥もつくっています。