特別区職員共同研修基本計画

特別区職員共同研修基本計画
特別区職員研修所
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背景
少子高齢化の進行による人口減少社会の到来への対応や、区民の安全・安心の確
保等社会経済情勢等の変化に伴う住民ニーズは多様化しており、区民生活に直結す
る施策の責任を担う基礎自治体としての特別区の役割はますます重要となってい
る。
この役割を果たすため、常に住民視点に立ち、職員一人ひとりが自治体職員とし
て高い意欲と使命感をもって職務に取り組む必要がある。
今後、その実現に向けては、職員一人ひとりが高度な専門性と課題発見・解決力
を発揮して、区民に信頼される「プロフェッショナル」となるとともに、組織全体が
高いマネジメント力を持ち、職員の意欲や能力を最大限引き出していくことが求め
られる。
本基本計画は、このような時代背景や特別区を取り巻く現状に的確に対応できる
人材育成を目指した共同研修について定めるものである。
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基本方針
共同研修は、特別区の職員として求められる知識と能力の向上及び公務員意識の
高揚を図ることを目的とする。
各区の人材育成基本方針等の方向性を見据え、区が実施する研修とともに、多様
な人材育成手段のひとつとして効果的な共同研修を実施できるよう、以下の方針の
もとに基本計画を策定する。
⑴ 特別区職員に求められる基礎的な知識の習得にとどまらず、課題を発見し、解
決に向けて自ら考える力や新たな視点の獲得につながる研修を提供する。
⑵ 組織の活性化を図り、職員一人ひとりがやりがいを持って働くことができる職
場づくりや人づくりに資する研修を実施する。
⑶ 他区職員との交流等による職員のネットワークづくりや、高度な専門性の共有
等、共同研修のスケールメリットを最大限に活用しうる研修を実施する。
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基本計画の期間
平成28年度から平成30年度までの3か年とする。
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重点育成目標
特別区政を担う職員には、社会の複雑化や個人の価値観の多様化等、住民ニーズ
の変化に応えていくため、常に住民視点に立ち、プロフェッショナルとしての力と、
使命感を持って主体的に課題解決に取組む力を早期に備えることが求められてい
る。
このことを踏まえ、本基本計画では、次のことを重点育成目標とする。
・ 各職層の職責を果たすことができる能力を、早期に養成する。
・ 管理監督者に不可欠なマネジメント能力やスキルの強化を図る。
・ 能力分野や目標とする成果等を明確にし、より効果的な研修を提供する。
・ 区政の各分野で必要な専門性の向上を図る。
・ 鋭い人権感覚と高い倫理観を養成する。
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共同研修体系
⑴ 共同研修
共同研修体系は、別紙1「特別区職員研修所の共同研修体系図」とし、以下の
とおり実施する。
ア 専門研修
同一施策又は同一実務に携わる職員を主な対象として、当該職務の専門的
知識及び技術の習得により、職務遂行能力の向上を図る研修をいう。
主管課長会をはじめとする関係会議体と連携を強化するとともに、高度な
専門性を有する官民様々な機関の協力を得て、複雑、多様化する地域課題や
最新課題に対応したカリキュラムの研修を実施する。
イ 職層研修
職層に応じ、公務員意識の高揚、基礎的知識の習得及び能力の向上を図る
研修をいう。
・新任研修……………前期と後期に分け、前期は特別区職員として必要とな
る基礎知識の付与、後期は実践的な演習を中心とした
内容で実施する。
・現任、係長研修……特別区制度等に関する教科目のほか、それぞれの職層
に必要とされる知識の習得及び能力の向上を図るカ
リキュラムにより実施する。
・管理職昇任前研修…管理職に必要な知識や能力等の向上を図り、昇任後す
ぐに活用できる実践的な内容の研修を実施する。
・管理職研修…………管理職に不可欠なマネジメント能力等の向上を図る研
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修を実施する。昇任する前の職員にも受講の機会を拡
大していく。
・清掃研修……………主管課長会との連携を図り、清掃事業の最新の動向や
現場の課題を的確に捉えながら、各職層に応じたカリ
キュラムを設定し実施する。
ウ ステップアップ研修
職員の能力、経験に応じて、知識の習得及び能力の向上を図る研修をいう。
職層研修カリキュラムとの整合性を図りつつ、育成すべき能力分野や対象を
明確化し、職員の能力及び組織力の向上を図り、職場の課題解決や政策形成に
つながるような研修を実施する。
エ 自治体経営研修
管理監督者を対象として、経営管理能力や政策形成能力の向上に資すること
を目的とする研修をいう。
最新のトピックスを軸に、政策課題について、本質や解決の糸口にアプロー
チする研修内容とするため、特定分野における先駆的な取組を行っている研究
者等を講師に選定し実施する。
オ サポート研修
講師やOJTリーダー養成研修、公務基礎研修といった、各区における人材
育成体制等の充実に寄与することを目的とする研修及び講演会をいう。
研修講師として登壇する職員や、職場のリーダーを養成する研修の他、政策
形成能力のベースとなる基礎力向上を目的に、地方自治法等の研修や、人権及
び公務員倫理の研修を実施する。
⑵ 調査研究
共同研修の充実・強化を図るとともに専門性等を活かし、各区における人材育
成の取組を支援するため、以下の調査研究を行う。
ア 研修開発
(ア) 研修プログラム開発
社会経済情勢や職場環境の変化に対応した研修や手法等の調査研究及
び開発を行い、試行研修として実施するほか、既存の研修において活用す
る。
(イ)
区等との共同研究
共同研修機関としてのスケールメリットを活かし、区等と共同で調査研
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究を行い、研究成果を23区に提供する。
イ 教材開発
研修用テキスト、事例、資料等の開発を行う。
また、職員ハンドブック等既存の教材を改訂し、各区の人材育成を支援する。
ウ 研修情報の発信
特別区職員研修所で把握している研修や新たな研修手法等に関する情報を、
各区へ提供することにより、研修企画の支援を行う。
また、共同研修の取組成果等の情報を発信することで、各区との連携を強化
し、研修の充実を図る。
エ 他団体との連携
(公財)特別区協議会、
(財)東京都人材支援事業団、東京都市町村職員研修
所、特別区人事委員会等の関係団体と連携することにより、研修の充実を図る。
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添付資料
・ 特別区職員研修所の共同研修体系図
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別紙1
特別区職員研修所の共同研修体系図
共同研修
専門研修
実務(戸籍・税務・一般)
保健・衛生・福祉
まちづくり
職層研修
新任
現任
係長
管理職昇任前
管理職
清掃研修
新任技能
現任技能
技能主任
技能長
新任統括技能長
転入(同和問題)
ステップアップ研修
論理構築
課題発見・問題解決
対人関係、説明・交渉力
自己管理
組織貢献
人材育成
組織マネジメント
自治体経営研修
経営管理能力
(組織力、人材育成)
政策形成能力
(行政課題(特別区・全国)、最新課題)
調査研究
サポート研修
講師等養成
公務基礎(法律・人権・公務員倫理等)
講演会
研修開発
研修プログラム開発
区等との共同研究
教材開発
研修情報の発信
他団体との連携