こちら - 量子科学技術研究開発機構

サイクロトロン点検整備作業
仕 様 書
量子科学技術研究開発機構 量子ビーム科学研究部門
高崎量子応用研究所 放射線高度利用施設部
イオン加速器管理課
1.目的
サイクロトロンは数百 MeV の高エネルギーイオンビームを発生する装置であり、通
年での連続運転が計画されていることから、装置の故障及び修理作業時における放射
線被曝を極力防ぐと共に、所定の性能を維持して常に安定な動作状態を確保するため、
点検・調整・整備等を行う。
2.概要
サイクロトロンは、高崎量子応用研究所における放射線高度利用研究を推進するた
めの主要な加速器である。サイクロトロンは、各種の電磁石、高周波系機器、ビーム
診断機器、真空排気装置、冷却・圧空系機器、付帯設備、更にこれらの機器装置を駆
動するための各種電源、遠隔運転・制御のための計算機制御系などから構成されてい
る。
サイクロトロンは、あらかじめ決定された運転計画に基づいて、年間を通じて 24
時間の連続運転が予定されている。したがって本装置の運転に対しては、特に高い信
頼性や確実性が要求されるため、1年に1回以上、装置全般にわたって点検整備を実
施する必要がある。
本仕様書は、サイクロトロンの点検整備に関して記述したものである。
3.作業実施場所
量子科学技術研究開発機構 量子ビーム科学研究部門 高崎量子応用研究所
イオン照射研究施設 サイクロトロン本体室内(第1種放射線管理区域)
4.作業実施期間
平成28年7月11日(月)より8月26日(金)までの間とする。
ただし、作業手順及び作業工程の詳細については、別途機構担当者と打ち合わせの
上で決定するものとする。
5.納期
平成28年9月23日(金)とする。
6.作業内容
6.1
作業対象機器
本体関係
・ 駆動機構
1式
・ 冷却水配管
1式
・ 本体・真空系
1式
・ 高電圧電極
1式
・ 温度安定化装置
1式
共振器関係
・ RFアンプ・共振器
2式(1ch,2ch)
・ 駆動部
2式(1ch,2ch)
・ ローレベル回路
1式
6.2
作業範囲
点検等が可能なよう機器等の取外し等を行い、6.3項に記載する作業内容を
実施する。点検後は機器等を取付け、後片付けを行うこと。これら以外に緊急
を要する作業が確認された場合は機構担当者に連絡し,別途協議の上で6.3
項の作業内容に追加する。追加の作業費用が発生する場合は,機構の契約担当
者と別途協議する。
6.3
作業内容
点検整備を実施する作業内容について作業箇所等に分類して以下の表に示す。
区分
作業箇所
作業内容
1)ネジ軸の清掃点検及び給脂
・グリス給脂
・総合(目視・嗅覚・触覚・聴覚を含む)
2)ネジ軸の位相バラツキ調整
駆動機構
ヨークリフト
3)リフト量及びストローク時間の測定
・リフト量
・動作時間
・モータ電流
・ 表面温度
水冷配管
電磁石コイル
冷却水配管
1) メインコイル,ハーモニックコイルなど本体
電磁石関係の冷却水配管で使用されるベベ
オ継手の O リングを全数交換する。
1)点検整備を実施した箇所についての真空漏れ
本体・真空系
本体・加速箱周辺
を,ヘリウムリークディテクタを用いて検査す
る。
高電圧電極
デフレクタ
温度安定化
冷温水
装置
ユニット
1)保管中のデフレクタ 2 号機の高圧電極を取り
外し,研磨・据付を行う。
1)冷水用コンプレッサを交換する。
1)ファン・水冷抵抗の交換
2)真空コンデンサ駆動試験
・真空コンデンサ(グリッド)駆動試験
・真空コンデンサ(ループ)駆動試験
3)インターロック試験
・ドアインターロック
・ファンセンサインターロック
・冷却水フロースイッチインターロック
4)点検(RF回路を含み、総合的に点検を行う)
共振器
駆動部
(2基)
RFアンプ(増幅部)
・DCブロッカ目視
・真空コンデンサ目視
・共振器止め抵抗目視
・水冷抵抗器抵抗値
・締め付けボルト緩み
・内部清掃
・冷却水漏れ
・冷却水量確認
・ショート板エア圧
・総合(目視・嗅覚・触覚・聴覚を含む)
1)
RF回路系の点検
・アンプ系のパラメータ確認・動作確認
RFパラメータをチェックし、異常あるい
は劣化等の傾向があれば詳細に点検し再調
整を行う
・総合(目視・嗅覚・触覚・聴覚を含む)
2)
RFローレベルモジュールの点検
・分配器入出力レベル
・位相調整器入出力レベル
・ローカルオシレータ入出力レベル
・移相器入出力レベル
RF回路
RFローレベル回路
共振器
ディーピックアップ等
(2基)
・モジュレータ入出力レベル
・トランジスタアンプ入出力レベル
・総合(目視・嗅覚・触覚・聴覚を含む)
3)カソード・フィラメント回路の共振レベルの
確認
・カソード・フィラメント回路の共振レベル
4)静特性試験
・プリ及びメイン真空管エミッション
7.必要な能力
住友重機械工業(株)製 930 型 AVF サイクロトロンの機械的構造,電気的特性など諸
特性を熟知しており、また、必要部品の設計・製造技術を有すること。
8.検査
点検整備作業時における現場立ち会い及び点検作業終了後、サイクロトロンの各
部運転における各機器・装置の正常な動作状態を確認し、さらに点検報告書記載内
容の確認を行う。
9.支給品、貸与品等
点検整備作業において、以下の物品・設備等は機構が支給または貸与する。
9.1
支給品
・
ベベオ継手用 O リング
・
冷水用コンプレッサ
・
作業用電源(AC100V,AC200V 等)
・
圧空、窒素ガス、水
9.2
貸与品
・
放射線防護器材
(必要に応じて)
・
RF 点検用計測器(機構所有のネットワークアナライザ)
・
天井クレーン
・
ダムウェータ、台車、リフト等
・
ヘリウムリークディテクタ
・
放射線管理区域内用の一般的な工具
・
控室
10.提出書類
次の表の通り。
提出書類
部
数
提出時期
備
考
工 程 表
3部
契約後速やかに
(要確認)
点検実施要領書
3部
契約後速やかに
(要確認)
作 業 者 名 簿
3部
作業開始前
放射線作業指定登録依頼書
1部
作業開始前
体 制 表
3部
作業開始前
作 業 日 報
1部
作業日翌日
点 検 報 告 書
3部
作業完了後速やかに
委任又は下請負の承認
について(機構指定様式)
委任又は下請
1部
契約後速やかに
点検報告書に記載が必要な項目
・
ヨークリフトリフト量ならびにストローク時間
・
RF運転パラメータ
・
真空リーク試験結果
負がある場合
のみ
・
その他 記載を必要とする作業記録
11.検収条件
提出書類、ならびに、仕様書の定めるところに従って業務が実施されたと当機構
職員が確認したことをもって業務完了とする。
12.特記事項
1)作業時間は、原則として午前9時から午後5時30分の間とする。ただし、この時
間帯以外に作業するときは、機構担当者の許可を得たうえ、「時間外作業届」を提
出し実施すること。
2)放射線管理区域内に立入る者及び同区域内で作業する者は、機構の行う安全教育を
受けること。
3)放射線作業を行う者は、機構の発行するガラスバッジとノンタッチカードを着用す
ること。
4)点検整備作業について、放射線作業に関する基準値以上の線量当量率及び表面汚染
があらかじめ想定される場合、あるいは検出された場合には、機構担当者の指示に
より必要な防護具等を着用して作業すること。
5)点検整備において、当初の予定以外で新たに交換の必要な部品が発生した場合には、
機構がこれを支給する。なお交換した部品は、機構担当者に引き渡すこと。
6)受注者は当機構が量子ビームの研究・開発を行う機関であるため、高い技術力及び
高い信頼性を社会的に求められていることを認識し、当機構の規定等を遵守し、安
全性に配慮し業務遂行しうる能力を有する者を従事させること。
7)保証期間は検収後1年間とし、この期間に本点検に起因する故障等が発生した場合
は、請負業者の責任において無償で修理するものとする。
12.グリーン購入法の推進
1)本契約において、グリーン購入法(国等による環境物品等の調達の推進等に関する
法律)に適用する環境物品(事務用品、OA 機器等)が発生する場合は、これを採
用するものとする。
2)本仕様書に定める提出図書(納入印刷物)については、グリーン購入法に定める「紙
類」の基準を満たしたものであること。
以上