CO2濃度振れ幅拡大

CO2濃度振れ幅拡大 (“測定ノイズ”拡大症状)
LI-6400光合成測定装置は使途目的により、或いは少しでも高精度で測定したい研究者によっては限りなく炭酸ガス
濃度の偏差は少ないことが必要となります。
LI-CORの仕様ではCO2“”R又はCO2“S”のスパン370ppm濃度の振れの規定は±0.2ppm最大で±0.4ppm
仕様計測条件は毎秒計測で20回、つまり20秒間だけのデータであり、仕様規格外との判断は最大0.8ppm
(±0.4ppm)以上のことを指し初めて異常・故障となります。
LI-6400光合成測定装置はアイテムによりどうしてもこの測定ノイズは異なり、多くのアイテムは±0.15~±0.25ppm
(0.3~0.5ppm)の範囲が多く殆どがこの範疇となっています。
以下は一つのサンプルデータとして表示するものです。
当社で総合点検調整を行い、測定ノイズや炭酸ガス濃度370ppm制御指令に対する安定度を測定した植物を入れ
ずにブランク測定で行なったものです、測定は10秒毎、測定時間は20分間、温度制御実施での定常試験という
返却時の装置特性の確認データです。
DCO2
0.3
0.25
0.2
0.15
0.1
0.05
0
1
5
9
13 17 21
25 29 33 37
41 45 49 53 57 61 65 69
73 77 81
85
89 93 97 101 105 109 113
370.2
370.1
370
369.9
CO2R
CO2S
369.8
369.7
369.6
369.5
369.4
1
5
9
13 17 21 25 29 33 37 41 45 49 53 57 61
65 69 73 77 81 85 89 93 97 101 105 109 113
上記LI-6400光合成測定装置は納入後約17年を経過したアイテムですが、測定ノイズも安定し、炭酸ガス濃度ターゲット
に対しての制御安定性も高く、過去に大きなトラブルや各パーツの交換を実施していますが現在も高精度で稼動をして
いるアイテムです。
測定ノイズは±0.125ppm(0.25ppm)最新高速サンプリングソフト搭載のVer6.0と同等の高品位アイテムとなっています。
トレッド合同会社
Trust Engineering & Development Limited Liability Company
CO2濃度振れ幅拡大 (“測定ノイズ”拡大症状)
PLLクロックのズレ+外部薬剤チューブの劣化流量非安定のケース
401.5
401
400.5
CO2R in
CO2S in
400
399.5
399
398.5
1
5
9
13 17 21 25 29 33 37 41 45 49 53 57 61 65 69 73 77 81 85 89 93 97 101 105 109 113
PLLクロックのズレのケース
370.8
370.6
370.4
370.2
370
369.8
CO2R in
CO2S in
369.6
369.4
369.2
369
368.8
368.6
1
5
9
13 17 21 25 29 33 37 41 45 49 53 57 61 65 69 73 77 81 85 89 93 97 101 105 109 113
チャンバーファンの劣化故障 チャンバーファンをOFFにするとCO2測定ノイズは正常値になる
373
372
371
370
369
368
Fan off OFF
367
366
365
364
363
362
1
6
11 16 21 26 31 36 41 46 51 56 61 66 71 76 81 86 91 96 101 106 111
トレッド合同会社
Trust Engineering & Development Limited Liability Company
CO2R
CO2S
CO2濃度振れ幅拡大 (“測定ノイズ”拡大症状)
以下のデータは日本入荷時点の測定ノイズの現象を測定したものでs、定常試験データとしてブランクで20分間、毎秒測定
LI-6400 入荷時CO2濃度変動症状 PLL CLOCK 同調不良
ppm
370.8
370.6
370.4
370.2
370
369.8
369.6
369.4
369.2
CO2R in
369
CO2S in
368.8
368.6
1215
1164
1112
1060
1009
957
905
854
802
751
699
647
596
544
492
441
389
337
285
233
182
130
78
27
368.4
SEC
LI-6400 PLL CLOCK 調整後のデータ
ppm
370.8
370.6
370.4
370.2
370
369.8
369.6
369.4
369.2
CO2R in
369
CO2S in
368.8
368.6
ディテクタの問題もなくPLLクロック調整だけで改善した一例です。
トレッド合同会社
Trust Engineering & Development Limited Liability Company
1206
1155
1103
1051
1000
948
896
845
793
741
690
638
586
535
483
431
380
328
277
225
173
122
70
18
368.4
SEC
CO2濃度振れ幅拡大 (“測定ノイズ”拡大症状)
以下のデータは日本入荷前後のΔCO2濃度の比較を測定、定常試験データとしてブランクで20分間、毎秒測定
LI-6400 炭酸ガス濃度ノイズ 調整前後のデルタCO2変化
ppm
0.5
出荷時調整後 DCO2 in
入荷後初期 DCO2 in
0.3
0.1
-0.1
-0.3
-0.5
sec
-0.7
0
100
200
300
400
500
600
700
800
900
1000
1100
1200
LI-6400光合成測定装置の測定ノイズの発生する要因は様々あり特定が難しいケースがあります。
唯一日本国内で行なえない修理はサンプル或いはリファンス側の感知ディテクタ素子の劣化故障で米国LI-COR社での
交換修理、その後測定直線性や温度補正などの係数値特定などを行なう必要があります。
以外のPLL基盤調整や関連する故障の対応の多くは実施経験を20年行っています。
測定ノイズの故障発生要因
○ 本体コンソールのアナライザーBDの調整値のズレ
○ チャンバーファンの劣化故障
○ 外部薬剤チューブの劣化による流量変動やリーチング
○ 上記サンプル・リファレンスディテクタ(片側のみのケースもあり)の劣化故障 米国LI-COR修理
○ センサーリップの劣化、リップのズレ、粘着部への植物片やダストの付着
○ 過度な冷却によるゴールドミラーやチャンバーブロック内部の結露痕による影響
○ チャンバーブロック内部への植物片やダストの混入
○ 通気チュ-ブの接続不良
○ Oリングへのグリース塗布、その後の植物片やダストの付着による影響
当社の総合点検整備作業でPLL制御は各クロックの設定値変動を確認して調整した後に出荷をしています。
測定ノイズは上記のように特定が難しく、お使いになっているアイテムの測定ノイズ異常が有る場合は定常試験の
データをお送り頂ければ当社で可能性は判断しご連絡できる可能性もありますので、ご相談下さい。
LI-6400光合成測定装置は整備を行なえば植物光合成を最も正確に測定できる唯一の装置と思われます、正しい
整備を行ない、良い測定ができるようになればと思います。
トレッド合同会社
Trust Engineering & Development Limited Liability Company