平成28年度に事業化に取り組む研究成果について SiCパワーデバイスを導入した 高効率かつ小型・軽量な電力変換装置の事業化 (戦略プロジェクト研究:平成25年度~平成27年度)工業技術センター 背景 ・次世代パワー半導体であるSiC(炭化珪素)の導入は必須 ⇒ 産業ニーズ ・自社製品にSiCを導入し、高効率化と小型化を実現したい ⇒ 県内企業ニーズ 課題 ・SiCを導入した主に大容量(10kW以上)の電力変換装置は、大手電機 メーカや国主導の大型プロジェクト(大学・公的機関等)で研究・開発が進み、 既に実用化に至っているため、中小企業等の新規参入は困難。 ・県内ではSiCの導入実績がない。 戦略 ・全国的にSiC導入の取り組みが遅れている中小容量品(数kWクラス)に おいて、SiCパワーデバイスを先行導入し、エネルギー使用効率が高く コンパクトな電力変換装置を開発することで事業展開を図る 1 回路構成 SiCパワーデバイスを導入 ・超低消費電力(低損失) ・高耐圧 ・高周波動作 ・高温動作性 A/D変換器 Si 4H-SiC 禁制帯幅(eV) 1.1 3.3 絶縁破壊電界(MV/cm) 0.3 2.8 電子飽和速度(cm/s) 1.0 2.2 熱伝導率(W/cmK) 1.5 4.9 PID制御 デジタル制御を採用 ・経年劣化や温度変化の影響をうけない ・高精度な制御 ・ネットワーク協調性 ・小型化 A/D変換器 デジタル制御回路 パルス幅変調 前置増幅器 (電圧検出) 駆動回路 前置増幅器 (電圧検出) 駆動回路 降圧用 L EH C C EL 昇圧用 双方向DC-DCコンバータ(充電と放電の両方が可能) 2 試作機の特性評価 双方向DC-DCコンバータ(500W) ※3kWまで容量を拡大した場合 ⇒ SiCパワーデバイスの導入によって 1/4の小型化が可能 (シミュレーション) SiC (1kW) Si (250W) SiCパワーデバイス (実測) SiC (1kW) Si (250W) 電力変換効率:94%を達成 (Si:85%) 60%の損失削減効果 変換効率 (%) 100 fs = 160kHz 95 90 85 fs = 40kHz 80 75 70 Boost (Vin = 100 V, Vout = 200 V) 0 20 40 60 負荷率 (%) 80 100 3 今後の展開と調査依頼内容 SiCパワーデバイスを導入した高効率かつ小型・軽量な 電力変換装置の技術移転と事業化推進 市場調査 (SiCを導入した中小容量電源) スマートハウス、小型輸送機器、 小型発電機等の分野 連携体の構築 販路拡大に向けた川下企業 とのマッチング支援 ※今後はSiCの導入に加えて、3~10kW未満の範囲においても市場を開拓 ○SiCパワーデバイスを導入した中小容量(1~10kW未満)の 電力変換装置における競合企業及び製品の詳細 ○期待できる市場及び応用分野 ○ターゲットの絞り込み及び商品性の確立 ○販路拡大に向けた川下企業とのマッチング ○Siに比べて高価なSiCパワーデバイスを導入するため、 「高効率化や小型化といった性能メリット」と「電源コスト」との バランスの位置付けと当該市場の内容 ニーズの掘り起しを期待! 4
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