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(仮称)日野市住みよいまちづくりに資する空き住宅等の活用等に関する条例(素案)
(仮称)日野市住みよいまちづくりに資する
空き住宅等の活用等に関する条例(素案)
の逐条説明
資料3
(仮称)日野市住みよいまちづくりに資する空き住宅等の活用等に関する条例素案
第1条(目的)
この条例は、空き住宅等の流通及び活用並びに空家等の適正な管理及び措置並びに空家等対
策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号。以下「法」という。)の施行に
関し必要な事項を定めることにより、市民の安全安心な生活環境の保全及び地域の活性化を
図り、もって日野市(以下「市」という。)に住み続けたい、住んでみたいと思える良好な
住環境の維持及び形成に寄与することを目的とする。
第1条は、この条例の目的を示しています。
以下の事項を条例に定めることで、市民の安全安心な生活環境の保全・地域活性化を図り、
日野市住宅マスタープランの基本理念である「住み続けたい・住んでみたいと思える」
良好な住環境の維持・形成に寄不することを目的としています。
●空き住宅等の流通と活用
●空家等の適正な管理と措置
●空家法の施行
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(仮称)日野市住みよいまちづくりに資する空き住宅等の活用等に関する条例素案
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第2条(定義)
この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1)空家等
市内に所在する法第2条第1項に規定する空家等をいう。
(2)特定空家等
市内に所在する法第2条第2項に規定する特定空家等をいう。
(3)空き住宅等
空家等及び除却した空家等に係る跡地並びに市内に所在する共同住宅及び
長屋の住戸で居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの(国又は地方公共
団体が所有し、又は管理するものを除く。)をいう。
(4)所有者等
(5)市民等
所有者又は管理者をいう。
市民及び市内に所在する建築物の所有者等をいう。ただし、空き住宅等の所有者
等は除く。
(6)関係団体
市内で活動する法務、不動産、建築、福祉等に関する協会又は社会福祉法人、
特定非営利法人若しくは金融機関又は民生委員等をいう。
(7)自治組織等
市内の自治会及びマンション管理組合その他市民が組織する地域の活性化に
係る団体をいう。
(8)事業者 不動産業、建設業その他空き住宅等の活用又は空家等の適正な管理に関連する
事業を営む者をいう。
第2条は、用語の定義です。計画(案)内容を反映しています。
(1)、(2)、(4)は、空家法の定義と同一の内容です。
(仮称)日野市住みよいまちづくりに資する空き住宅等の活用等に関する条例素案
第3条(基本理念)
空き住宅等に関する施策は、次に掲げる各号を基本理念として行わなければならない。
(1)空き住宅等は、良好な住環境を形成するうえで、地域の有用な資源の一つとして捉え
ること。
(2)空き住宅等の所有者等、市民等及び自治組織等が、空き住宅等に関心を持ち、空き住
宅等に関する施策に対し理解を高めていくこと。
(3)市、空き住宅等の所有者等、市民等、関係団体、自治組織等及び事業者は、本条例の
目的を達成するため、持続的に連携又は協力していくこと。
第3条は、空き住宅等に関する施策の基本理念です。
計画(案)内容を反映しています
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(仮称)日野市住みよいまちづくりに資する空き住宅等の活用等に関する条例素案
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第4条(市の責務)
1
市は、空き住宅等に関し、必要な施策を総合的かつ計画的に講じなければならない。
2
市は、空き住宅等に関する施策に対する、所有者等及び市民等の協力並びに関係団体、
自治組織等及び事業者の連携又は協力が促進されるよう、広報活動、啓発活動その他
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必要な措置を講じなければならない。
市は、法第10条第1項及び第3項に規定のある情報の活用並びに関係団体、自治組織
等及び事業者の連携又は協力により、効果的な空き住宅等に関する情報の収集、蓄積及
び分析に努めなければならない。
4
市は、所有者等、市民等及び自治組織等の空き住宅等に関する相談に応じ、かつ、これ
らの者に対し、情報の提供、共有又は助言その他必要な支援を講じるよう努めなければ
ならない。
第4条は、空き住宅等に関する施策を実施する上で、市の責務を示しています。
1項は、空家法第4条(市町村の責務)で「・・空家等に関する対策の実施その他の空家等に関
する必要な措置を適切に講ずるよう努めるものとする」を強めて市の姿勢を示しています。
2項は、基本理念(3つ目)の内容と、計画(案)の施策1「意識啓発」の内容を踏まえた内容です。
3項は、空家法第10条の規定(固定資産税課税情報等を空家法の施行で必要な場合に内部利用
できる内容)と、計画(案)の施策2「情報収集等」を踏まえた内容です。
4項は、市は、所有者・市民・自治組織等からの相談に応じ、必要な支援に努めることを示して
います。
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第5条(空き住宅等の所有者等の責務)
1
空き住宅等の所有者等は、基本理念に則り、空き住宅等を利用する見込みがないときは
賃貸、譲渡その他の当該空き住宅等を活用するための取組みを行なうよう努めなければ
ならない。
2
空き住宅等の所有者等は、基本理念に則り、空家等を適正に管理しなければならない。
第5条は、空き住宅等の所有者等の責務を示しています。
計画(案)の5章の内容を反映しています。
1項は、利用する見込みがない時は、賃貸・譲渡等に活用するよう努めることを示しています。
2項は、適正に管理しなければならないことを示しています。空家法第3条(所有者等の責
務)「・・空家等の適切な管理に努めるものとする」の内容を本条例では強めた表現として
2項で示しています。
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第6条(その他の主体の役割)
1
市民等は基本理念に則り、空き住宅等に関する施策に協力するよう努めるとともに、
空家等の発生の予防に努めるものとする。
2
関係団体及び自治組織等は、基本理念に則り、空き住宅等に関する施策に協力し、施策
の推進に積極的な役割を果たすよう努めるものとする。
3
事業者は、基本理念に則り、空き住宅等に関する施策に協力するよう努めるものとする。
第6条は、市民等・関係団体・自治組織等・事業者の役割を示しています。
計画(案)の5章の内容を反映しています。
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(仮称)日野市住みよいまちづくりに資する空き住宅等の活用等に関する条例素案
第7条(計画の策定)
1
市長は、空き住宅等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するため、法第6条の規定に
基づき、空き住宅等に関する施策についての計画を策定する。
第8条(協議会)
1
市長は、空き住宅等の活用及び特定空家等の措置に関する事項等並びに前条に規定する計
画の作成、変更及び実施に関する協議を行うため、法第7条第1項の規定に基づき、日野
市住宅ストック活用推進協議会(以下「協議会」という。)を置く。
2
協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、市長が別に定める。
第7条は、計画策定すること、第8条は協議会を設置することについて示しています。
空家法第6条で計画について、法第7条で協議会について規定されており、
日野市の計画と協議会は、空家法に基づいたものとしています。
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第9条(流通、活用の促進)
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1 市は、空き住宅等の流通及び活用の促進のために必要な環境の整備その他必要な措置を講じるものとする。
2 市は、空き住宅等の流通の促進に向けて、関係団体と連携し、空き住宅等の所有者等又は市民等への情報
の提供及び助言その他必要な支援を講じるものとする。
3 市長は、まちづくり活動、多世代交流その他地域コミュニティの活性化に資するものとして活用される
空き住宅等及びその取組みに対し、認定することができる。
4 市長は、前項に規定による認定をしようとするときは、あらかじめ、協議会の意見を聴くものとする。
5 前2項の規定による認定に関わる手続き、基準及び空き住宅等の支援その他の措置について必要な事項は
別に定める。
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市は、空き住宅等を低額所得者、高齢者、障害者、子どもを育成する家庭その他住宅の確保に特に配慮を
要する者等居住の安定の確保に資するものとして活用する取組みを行うものに対し、必要な支援その他の
措置を講じるものとする。
関係団体、自治組織等及び事業者は、3項及び6項の規定による取組みに参加、連携、又は協力するよう
努めるものとする。
第9条は、空き住宅等の流通・活用の促進に関する施策について、示しています。
2~6項は、日野市の独自性がある規定内容です。
2項は、計画素案の第4章のうち、施策3の内容を反映しており、関係団体と連携し、所有者等・市民等へ
の情報提供や助言等の支援を実施することについて、示しています。
3~5項は、計画素案の施策4(多面的な活用の促進)を反映しており、3項では地域コミュニティの活性化
に資する活用について、市長が認定できることを示しています。4、5項では、その認定に係る手続きで、
詳細は規則などで要件や認定後の支援できる内容等を示す予定です。
6項は、居住支援に関する規定で、今後、住宅困窮者に対して主に空き住宅等の入居や生活支援を福祉部局
と連携し実施していくことを示しています。
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第10条(適正な管理)
(適正な管理)
1
空家等の所有者等は、自らの空家等の状況を定期的に把握するとともに、特定空家等と
ならないように、自らの責任において当該空家等を適正に管理しなければならない。
2
市長は、適切な管理が行われていない空家等を確認したときは、所有者等の事情を把握
するとともに、所有者等が当該空家等を適切に管理できるように、当該空家等の状況の
伝達及び助言に努めなければならない。
3
市長は、所有者等が前項の既定による助言をしてもなお適切な管理をしない場合には、
当該空家等が特定空家等とならないように、所有者等に対し必要な措置をとるよう助言
又は指導するものとする。
第10条は、特定空家等に至る前の対応として、空家等の適正な管理に関して示しています。
1項は、5条2項に示した所有者等の責務と同様の内容となっています。
2項は、適正な管理が行われていない空家等について、状況確認し、所有者等に対し状況の伝
達・助言を実施することを示しており、空家法第12条(所有者等による空家等の適切な管理
の促進)「市町村は、・・、これらの者に対し、情報の提供、助言その他必要な援助を行う
よう努めるものとする。」の規定内容を本条例では強めた表現としています。
3項は、日野市の独自性のある規定内容で、前項で対応しても改善されない場合の対応であり、
特定空家等となって場合の措置や助言等を文書等で実施することを示しています。
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第11条(緊急措置)
1
市長は、適正な管理が行われていない空家等が、市民等の生命、身体又は財産に危害を
及ぼすことが想定され、かつ、緊急性が認められるときは、これを避けるために、必要
最小限の措置を行なうことができる。
2
前項の規定による措置の実施に要した費用は、市が負担するものとする。
3
市長は、第1項の規定による措置を行なったときは、当該空家等の所在地及び当該措置の
内容を所有者等に通知(所有者等又はその連絡先を確知することができない場合にあって
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は、公告)をしなければならない。
第1項の措置を行おうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があっ
たときは、これを提示しなければならない。
第11条は、空家等が適正に管理されておらず、市民等に危害を及ぼす恐れがあり、かつ、緊
急性があるときは、必要最小限の措置を市が実施することができる規定です。
空家法にはない規定で、空家法施行後に条例制定したおおむねの自治体は、条例に規定して
いる内容です。緊急措置として市民等の危険回避の主旨から、市では費用は市が負担するこ
ととしています。
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第12条(特定空家等の認定)
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市長は、適切な管理が行われていない空家等の状況が改善される見込みがないときは、別
に定める基準に則り、当該空家等の物的状態及び周辺にもたらす影響を勘案し、当該空家
等を特定空家等と認定することができる。
2
市長は、特定空家等を認定しようとするときは、あらかじめ当該所有者等にその旨を通知
しなければならない。ただし、当該所有者等に対し通知することが困難であるときは、
この限りでない。
3
市長は、特定空家等に認定したときは、当該所有者等にその旨を通知するとともに、法第
14条第1項の規定に基づく助言又は指導を行うものとする。
4
市長は、法第14条第2項の規定による勧告をしようとするときは、あらかじめ、当該
勧告に係る特定空家等の所有者等に意見を述べる機会を与えるものとする。
5
市長は、第1項に規定する認定及び法第14条の規定に基づく措置をしようとするときは
あらかじめ、協議会の意見を聴くものとする。
第12条は、空家法第14条「特定空家等に対する措置」を実施するうえで、必要な手続きを規定しており、
日野市の独自性がある規定内容となっています。
1、2項は、10条で助言等をしてもなお空家等の状況改善がされない場合は、基準に則り市長が空家等を特
定空家等と認定することを示しており、あらかじめ所有者等に対して、認定後の「特定空家等に対する措
置」を伝えたうえで行うこととしています。また3項では、認定したことについて所有者等に通知する規定
で、空家法第14条第1項に基づく助言等も合わせて行うこととしています。
4項は、空家法14条2項の勧告した場合に、固定資産税等の住宅用地特例の対象から除外され、減額されて
いたものが実質的に税額が上昇することを鑑み、事前に所有者等に意見を述べる機会を不えるものです。
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<参考>空家法第14条の規定概要(特定空家等に対する措置)
●市長は、特定空家等の所有者等に対し、除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図る
ために必要な措置をとるよう、助言又は指導することができる。
(建築物の除却は、倒壊等危険な恐れのある状態、衛生上有害となる恐れのある状態のみ。以下同じ)
●市長は、助言又は指導した場合において、なお改善されないと認める時は、勧告することができる。
●市長は、勧告を受けた者が勧告に係る措置をとらなかった場合において、特に必要があると認める時は、
勧告に係る措置をとることを命ずることができる。
●市長は、命ずる時は、命ずる者に対し、通知書を交付し、意見書及び自己に有利な証拠を提出する機会
を与えなければならない。
●通知を受けた者は、交付日から5日以内に、公開による意見の聴取を行うことを請求できる。
●市長は、請求があった場合は、公開による意見の聴取を行わなければならない。この際、期日の3日前
までに通知及び公告する。
●市長は、必要な措置を命じた場合において、命ぜられた者が措置を履行しない時等は、行政代執行法の
定めに従い、自ら義務者のなるべき行為をすることができる。
●市長は、必要な措置を命じようとする場合(助言・指導、勧告する場合も同様)において、相手を確知
できない時は、その措置を自ら行うことができる。
●市長は、命令した場合は、標識の設置等により、公示しなければならない。
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第13条(相続人不明時等の措置)
1
市長は、空家等の相続人があることが明らかでない場合、又は空家等の相続人の全部若し
くは一部が民法(明治9年法律第89号)第25条第1項に規定する不在者である場合で
あって、本条例の目的を達成するために必要があるときは、当該空家等の所有者等に対す
る民法第952条第1項に規定する相続財産の管理人又は民法第25条第1項に規定する
財産の管理人の選任手続きに関する情報の提供及び助言並びにその他必要な措置に努めな
ければならない。
2
関係団体は、前項の取組みに協力するよう努めるものとする。
第13条は、空家等の相続人の所在が丌明で、管理丌全となっている状態を改善できるように、民法に規定さ
れる制度を条例に示しています。民法による手続きには、多額の費用が発生したり、手続きが複雑である等
の問題があり、状況の改善に至らないことが懸念されることから、市は、空家等の関係者に情報提供や助言
を行うとともに、場合によっては、市がこの手続きを行えるように規定しています。
情報提供や助言を行う際には、弁護士等の専門家の協力も必要となることから、2項では関係団体の役割を示
しています。
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<参考>民法第952条第1項、第25条1項の規定
(不在者の財産の管理)
第25条 従来の住所又は居所を去った者(以下「不在者」という。)がその財産の管理人(以下この節に
おいて単に「管理人」という。)を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によ
り、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。本人の不在中に管理人の権限が消滅したと
きも、同様とする。
2 前項の規定による命令後、本人が管理人を置いたときは、家庭裁判所は、その管理人、利害関係人又は
検察官の請求により、その命令を取り消さなければならない。
(相続財産法人の成立)
第951条 相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人とする。
(相続財産の管理人の選任)
第952条 前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の管理人を
選任しなければならない。
2 前項の規定により相続財産の管理人を選任したときは、家庭裁判所は、遅滞なくこれを公告しなければ
ならない。
※相続財産管理人とは、家庭裁判所が利害関係人や検察官の申立てにより、選任される人で、当事者に代わり、
財産(空家等も含む)の保存や処分を行える民法に規定される制度。(一般的には地域の弁護士が就任)
申立てには、予納金(※)が必要。(市内だと数十~50万円程度が想定)
→法テラスでは、民事法律扶助制度(弁護士費用を立替える制度)により、経済的にお困りの方を対象に、
50万円を限度にまで立替えできる場合あり
※予納金とは、裁判所が手続き費用を確保するため、申立て人にあらかじめ求めるお金
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第14条(協力要請)
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市長は、この条例の目的を達成するために必要と認めるときは、警察署、消防署、その他
関係機関に助言又は指導、勧告若しくは命令に関する情報を提供し、必要な協力を求める
ことができる。
第15条(委任)
1
この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
第14条は、市内の関係機関に対し、必要な協力を要請することができることを定めています。
関係機関とは、警察、消防、あるいは道路管理者である国や都、公共的インフラを管理する
電力会社などを想定しています。
第15条は、この条例以外で必要な事項は、規則に委任し定めることとします。