東京学芸大学附属世田谷小学校 いじめの防止、対応のポイント 2016 年

東京学芸大学附属世田谷小学校
いじめの防止、対応のポイント
2016 年 4 月
1. 基本的な考え方
いじめの定義については、いじめ防止対策推進法にもとづき、ひろく「一定の人間関係にある他の児
童が当該児童に対して行う心理的または物理的な影響を与える行為であり、当該児童が心身の苦痛を感
じているもの」とする。
本校では、相互啓発的学習観にもとづき、
「児童相互、また児童と教職員とが互いを認め合い、共感し、
尊重できる人間関係を築く」ように指導しつつ、自律的に授業や行事に参加し、計画し、実行できる児
童を育てる。その中で、いじめ行為は人間として許されるものではない、ということを自ら学ばせる。
2. 防止のための措置
a) 生活情報交換会:各クラスの児童の状況について全体で把握できるよう定期的に情報交換会を行う。
この情報交換をもとに学級編成の配慮を行う。いじめについては、いじめは人間的に許されない、とい
う認識で検討する。
b) 自己有用感、自己肯定感を育む:教育活動や学年縦割り活動などの生活全体を通じて、すべての児童
が活躍でき、自己有用感・自己肯定感をもてるよう努める。
c) ストレスや不安へのケア:教職員は、児童の人間関係や生活上のさまざまなストレスや不安に注意を
払う。またスクール・サポーター(特別支援員)やスクール・カウンセラーの支援をもとめ、適切にケ
アを行う。
d) 「こども安心委員会」の設置:学校長、副校長、主幹教諭、養護教諭、生活実践部長、教育相談部担
当教諭、スクール・カウンセラーからなるいじめ防止のための「こども安心委員会」を設置し、定例会
を行って状況の分析と対処を検討する。
3. 早期発見のための措置
a) 日常的観察、児童のことばへの傾聴、児童の生活ノート、問題行動チェックシートの活用。
b) 学期末個別相談。児童や保護者と、教員やスクール・カウンセラーとによる随時の個別相談。
c) スクール・サポーター、スクール・カウンセラーの複数配置と日常観察および担任や教育相談部への
報告。
d) 児童に対する学校生活満足度アンケート「Q-U 調査」による学級分析と個別指導への活動。
e) 学年会、学年部会、生活情報交換会で随時、児童についての情報共有を行う。
4. 問題行動に対する措置
a) 問題行動の発覚、相談があったときには、こども安心委員会で即座に対応を検討する。
b) 事実関係などについて保護者に伝え、指導に関する理解・協力を求め、継続的・建設的に相談しあえ
る関係を構築する。
c) 状況分析にもとづき、心理士、福祉士、弁護士、医師、教員経験者など専門家および専門諸機関と連
携しチームワークを形成する。
d)解決や安定には長時間を要する場合があるので、丁寧に、継続的観察を実施する。
5. 重大事態への対処
児童の心身、生命に損害を及ぼすような重大事態が生じた場合、あるいは事態が切迫していることが明
白な場合、状況に応じて次のように対処する。
a) 附属学校課に既知の事実関係を通知し、対応を協議する。
b) 担任およびこども安心委員会を中心に、事実関係の調査を行い、状況分析を行う。
c) 必要に応じて外部専門諸機関に協力を仰ぎ、協議の上、対処を決定して実行する。
6. 評価活動
a) こども安心委員会で年度末に年間の事案を振り返り、検討するとともに、校内で情報共有する。
b) 年度末の情報交換会により、学級編成の検討と学級への申し送りのための情報整理を行う。
c) 年度末の教職員による学校評価で、いじめ対策や教育についての意見交換を行い、次年度に反映する。
7. そのほか
a) 組織的な指導体制:問題行動への対応は、一部の教職員で抱え込むのではなく、組織で情報共有し対
応する。
b) 校内研修の実施:教育相談、こどもの発達に関する校内研修を行い、意見交換できるようにする。
c) 校務の効率化:教職員が児童と十分向き合えるよう、校務分掌を適正化、効率化するよう工夫する。
d) 地域や家庭との連携:より多くの大人が子どもの悩みや相談を受け止められるよう、学校と家庭およ
び地域が協働できる関係の構築を志向する。