確固たる造型と芳醇な情熱̶この世のものならぬ絶美のショパン ショパン ノクターン全曲演奏会に寄せて ショパンの音楽は「死」と隣り合わせです。幼時からショパンは常に「死」を 意識していましたが、 「ノクターン」のような甘美な作品ですら「死」の影に 覆われています。そして、ショパンの音楽のもうひとつのエッセンスである 「ポエジー(詩情) 」 ・ ・ ・。そもそも「詩人」というのは言葉を削る人ですが、こ れ以上不可能と言うところまで削られた言葉のひとつひとつは、美しい形式、 妙なるリズム、かぐわしい薫りとともに、結晶したひとつの世界を表現するの です。ショパンの「死」と「詩情」に彩られた「ノクターン」は、西洋の「侘び寂び」 といえるもの。そこには親密なリリシズムがひそやかに息づいています。 ショパンは生涯にわたって「ノクターン」を作曲しました。初期では美し いハーモニーとメロディが印象的でしたが、中期になると力強さが加わり ます。後期作品はハーモニーとメロディが分けられないほどひとつになっ ているのが特徴でしょう。その発展は、親密で個人的だった世界が、普遍的、 詩的な高みへと昇華されていくプロセスです。 ノクターン全曲を一晩で演奏するというのは私にとって初めての挑戦で す。ショパンならではの「詩情」と、その様式の変遷をじっくりと味わって いただければと思います。 イリーナ・メジューエワ Photo:中村 いさむ イリーナ・メジューエワ Irina Mejoueva, Piano ロシア生まれ。モスクワのグネーシン特別音楽学校とグネーシン音楽大学(現ロシア音楽アカデミー)でウラジーミル・ トロップに師事。1992 年ロッテルダム(オランダ)で開催された第 4 回エドゥアルド・フリプセ国際コンクールでの優勝 後、オランダ、ドイツ、フランスなどで公演を行う。 1997 年からは日本を本拠地として活動。2002 年、スタインウェイ・ジャパンによる国内コンサートツアー。2003 年、 サンクトペテルブルク放送交響楽団と日本国内4都市で共演。2005∼06 年にはザ・シンフォニーホール(大阪)で4回に わたるリサイタル・シリーズを開催。2006 年からは毎年京都でリサイタルを行うなど、精力的な演奏活動を展開している。 これまでにロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団、プラハ交響楽団、ロシア・シンフォニーオーケストラ、高雄市交 響楽団(台湾)、日本フィルハーモニー交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、東京都交響楽団、読売 日本交響楽団、神奈川フィルハーモニー管弦楽団、京都市交響楽団、日本センチュリー交響楽団、大阪交響楽団、兵庫芸術 文化センター管弦楽団、テレマン室内管弦楽団、九州交響楽団、広島交響楽団、山形交響楽団などと共演。 CD 録音にも精力的で、これまでに多数のアルバムをリリース。 「ショパン:ノクターン全集」は 2010 年度レコードアカ デミー賞(器楽曲部門)に輝く。 2006 年度青山音楽賞受賞。2015 年、第 27 回ミュージック・ペンクラブ音楽賞(クラシック部門、独奏・独唱部門)受賞。 (予定演奏順) 前半:嬰ハ短調〈遺作〉 →Op.9(3 曲) →Op.15(3 曲) →Op.27(2 曲) →Op.32(2 曲) 後半:ハ短調〈遺作〉 →Op.37(2 曲) →Op.48(2 曲) →Op.55(2 曲) →Op.62(2 曲) →Op.72-1 ※演奏者の意向により予告なく変更される場合がございます。 ※終了予定時間は 20:30 です。 宗次ホール主催の新作コンサートチラシを毎月自宅にお届けする 宗次フレンズ 会員募集中 宗次ホールは 会員登録していただいた方に毎月無料で 新作チラシをご自宅にお届けします。 詳しくは、宗次ホール(052-265-1715)までお問合せ下さい。 名古屋市中区栄 4-5-14 〒460-0008 マクドナルド ベストウェスタン ホテル名古屋 会員登録・年会費 無料 ■交通アクセス 地下鉄栄駅 ⑫ 番出口より東へ徒歩 4 分 TEL:052(265)1715 FAX:052(265)1716 E-mail [email protected] URL www.munetsuguhall.com 宗次ホールチケットセンター 営業時間 10:00∼18:00 年中無休 (年末年始、施設メンテナンス日を除く) ホール併設立体駐車場のご案内 ●係員常駐 安心安全●24 時間営業●長時間割引あり●高さ制限:1.55m(セルシオクラス入庫可)●基本料金 30 分 250 円
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