2年9組クラス通信 魂【第一】 平成19年4月6日(金)

小さく、読書に不慣れな私は若干うんざり
-随所に主宰たれ-
宗教科 通信
平成28年5月9日(月)
して、やっぱり読書ってめんどくさいなあ、
目が疲れるなあと思いながら、それでも我
慢して読み進めていきました。 しかし、40
ページを超えた頃でしょうか、私は徐々に
物語にのめり込んで行きました。話の続き
が気になってページをめくる手が止まらな
くなり、いつもは12時頃には寝ていたので
すが、深夜になっても興奮で、眠さは感じ
ませんでした。最後のページを読み終わ
ったのは多分、深夜の三時頃だったと思
います。今まで味わったことのない感動で、胸がいっぱいでした。それまで本をまともに読
んだことがなかった私は、読書とは、こんなに楽しいものなのかと本当に驚きました。
おはようございます。英語科の山田です。本日紹介する言葉は、フランスの哲学者である
その後、読書に完全にはまってしまった私は、本屋に行って、気になる本を買いあさるよ
モンテスキューという人の「一時間の読書で和らげることのできない悩みは存在しない」とい
うになりました。かつては、私の本棚には教科書や漫画本くらいしか置いてなかったのです
う言葉です。 豊川高校にはせっかく立派な図書館があり、毎朝、読書の時間もあるので、皆
が、それがみるみるうちに新しく買った本でいっぱいになっていきました。それから私は、転
さんに少しでも本を読むことの素晴らしさを伝えたいと思い、この言葉を選びました。
校先での勉強や生活にも徐々に慣れていき、友人も少しづつ増えていきました。転校当初
私自身の話になりますが、私は子供時代、たくさんの本を読みあさる文学少年でした。で
の不安な気持ちはいつの間にか消え去り、名古屋での新しい生活に充実感を感じるまでに
すが、最初から読書が好きだったわけではありません。もともとは、読書なんて退屈なだけ
なりました。読書習慣が身に付いたから、すべてがうまくいくようになったとは言いません。
だと思っていて、ゲームやミニ四駆で友達と遊ぶことばかりで、せいぜい国語の時間に教科
ただ、転校した頃の不安な気持ちを、読書が和らげてくれた、慰めてくれたということは間違
書にのっている作品を読むときか、夏休みの読書感想文を書くために、いやいや本を開くと
いないと思います。本を読むことによって学力が上がる、教養が身につくなど、メリットがたく
きが、唯一の活字に触れる時間という、本を読む習慣が全くない子供でした。 しかし、中学
さんあるといわれています。しかし、私は、そういったメリットの前に、本を読むことの楽しさ、
二年生の時に状況は変わりました。 父親の仕事の都合で、横浜から名古屋へと転校するこ
興奮、充実感を皆さんにも味わってもらいたいと思っています。みなさんの中には読書嫌い
とになったのです。仲が良かった友達たちと離れ離れになり、がんばってきた部活もやめ
の人もいるかもしれません。でもそれは、かつての私がそうであったように、本当に感動で
て、慣れない環境の中で生活していくことになりました。 登校してもまわりは知らない人ば
きる作品にまだ出会っておらず、読書の素晴らしさを知らないだけだと思います。
かり、勉強の進みぐあいも全く違う中、毎日、不安で心細かったことを記憶しています。 そん
是非、本当の感動に出会えるまで、たくさんの本を読んでみてください。今、みなさんはそ
な時、何気なく一冊の本を手に取りました。ヘルマン・ヘッセという作家が書いた『春の嵐』と
れぞれ、勉強、部活、人間関係などで、多かれ少なかれ悩みを持っていると思います。素晴
いう小説でした。どうしてその本を、読書があまり好きではない自分が買って読むことになっ
らしい本との出会いが、皆さんの悩みを少しでも和らげてくれることを願っています。
たのかは覚えていません。しかし、読んだ当時のことは今でもはっきりと覚えています。
夜、晩御飯が終わった頃に私はその本を読み始めました。小さな文庫本だったので文字も
英語科:山田篤生