Title Author(s) Citation Issue Date URL ゲルの膨潤-収縮相転移における温度ヒステリシス(基研 短期研究会「凝縮系におけるスローダイナミックス」,研 究会報告) 関本, 謙 物性研究 (1993), 59(5): 653-657 1993-02-20 http://hdl.handle.net/2433/95032 Right Type Textversion Departmental Bulletin Paper publisher Kyoto University 「 凝縮系 におけるスローダイナ ミックス」 ゲ ル の 膨 潤 一収 縮 相 載 夢 に お け る 温 度 ヒ ス テ リ シ ス 名 大・ 二・ 応物 関本 謙 1.Qual i t at i vear gumeant 化 学 的 架 桶 に よ っ て 作 射 さ れ た 高 分 子 の ゲ ル は 固 体 で あ る。 こ れ は 与 え ら れ た 温 皮 下 で 内 部 の 溶 媒 の 丑 を 調 節 す る こ と に よ り、 一 定 体 制 の 熱 平 衡 状 倍 を 持 つ. ゲ ル の 状 怨 は 温 度 T とゲ ル 中 の 揃 分 子 の 体 研 分 率 ¢ で ′ 表 さ れ る。 高 分 子 の 単 位 質 丑 あ た りの 自 由 エ ネ ル ギ ー α ′ ( T,¢) を 用 い て ゲ ル の 浸 透 圧 は 7 r≡ -¢2 ∂α/aQ と事 け る 【1 ]. 平 衡 状 態 で の ¢ は、 条 件 7 T=0で 決 ま る。 水 に お い て 一 定 圧 力 下 で 蒸 気 相-液 体 相 の 1次 相 載 移 が あ る よ う に. ゲ ル に も 膨 潤 相一収 絹 相 の 1次 相 屯 移 が あ る。 前 者 と の 窺 推 に よ れ ば、 載 移 温 度 To と ,¢s hr は 次 式 で 定 ま る。 も 移 点 で の 体 積 分 率 ¢swl α′ ( To,¢8 Wl )= α′ ( To, ¢s h,) 7 r ( To ,¢swl )-7 r ( To, 4・ s h,)≡0 現 実 の 蒸 気一液 体 相 転 移 で は、 気 化 温 度 と凝 固 温 度 に は 差 が み られ る (温 度 ヒ ス テ リ シ ス)。 母 相 ( 蒸気 或 い は 液 体) の 中 の新 た な相 の 傾 城 ( 液 滴 或 い は 気 泡 ) は、 謂 ゆ る 汚 性 化 エ ネ ル ギ ー の 障 壁 を乗 り越 え る 大 き な 揺 ら ぎ を 待 っ て 初 め て 発 生 す る。 有 限 の 時 間 ス ケ ー ル で 温 度 を コ ン ト ロ ー ル す る と、 こ の 大 き な 揺 ら ぎ を待 つ ま で の r遅 れ 」 が 温 度 ヒ ス テ リ シ ス と して 見 え る 訳 で あ る。 上 記 の 汚 性 化 エ ネ ル ギ - は 2相 の 界 nde rWaa l s理 静 の 扱 い で は バ ル ク 自 由 エ ネ ル ギ ー が 準 安 定 な 極 小 面 自 由 エ ネ ル ギ ー に 起 因 し て お り,Va 点 を失 う 所 、 即 ち ス ピ ノ ー ダ ル に 到 っ て 消 滅 す る 【 2 ]. 蒸 気-詫 体 相 伝 移 で の 温 度 ヒ ス テ リ シ ス は な も の で、 又 バ ル ク の 自 由 エ ネ ル ギ ー に は 関 係 しな い。 ki ne t i c ゲ ル の 膨 潤一収 緒 相 軽 砂 に 於 い て も 温 度 ヒ ス テ リ シ ス が 報 告 さ れ て い る 【 3 ]. し か し、 実 験 の プ ロ セ ス を考 察 し て み る と、 茶 気一枚 体 相 転 移 に は 無 か っ た い く つ か の 時 間 ス ケ ー ル が 存 在 し、 そ れ 故 に 後 者 と は 本 4 ]. 膨 潤一収 縮 相 範 多 の オ ー ダ ー パ ラ メ タ ー は 卓 質 郎=こ異 な る 温 度 ヒ ス テ リ シ ス の 機 構 が あ る 事 に 気 づ く 【 村 で あ る. い ま相 乾 移 温 度 と は 柾 れ た と こ ろ で、 ゲ ル が オ ー ダ ー バ ラ メ タ - 4 ・の - 様 な 状 借 か ら別 の ¢十 の - 様 な 状 澱 へ 変 化 す る 過 程 を考 え る と・ そ の 竣 和 の 特 徴 的 時 間 Tp は 体 積 V の ゲ ル に 溶 媒 が 出 入 りす る ogTp ∼l o gV で あ る。 他 方、 4・= ¢swl と 4・= ¢shr と の 間 で 起 こ る 1次 相 載 夢 の 近 傍 で 速 さ で 制 限 さ れ 、l wl の 一 様 等 方 膨 潤 状 態 か ら、 こ れ よ りバ ル ク 自 由 エ ネ ル ギ ー の 低 い 少 と ¢shr の 一 様 等 は、 例 え は 4 ・空 車s ogTe∼V 方 収 縮 状 態 へ 遷 移 し よ う と す る と、∝ V の 汚 性 化 エ ネ ル ギ ー を要 し、 嬢 和 の 特 徴 的 時 間 Te は l とべ ら ぼ う に 長 い。 こ の よ う な 事 は 蒸 気一液 体 相 転 移 の 場 合 に は な か っ た。 な ぜ な ら不 均 一 な 新 相 の 発 生 が も た ら す エ ネ ル ギ ー の コ ス トは 両 村 の 界 面 付 近 に 局 在 し て 生 じ た か ら で あ る。 と こ ろ が ¢ の 異 な る 2っ の 相 が 1っ の ゲ ル の 中 で 空 間 的 に 共 存 し よ う と す る と、 ゲ ル は 固 体 で あ る か ら不 可 避 的 に ず り弾 性 歪 み を 生 じて 余 分 の バ ル ク 自由 エ ネル ギ ー を要 す る こ とに な る 【 5 ]. こ の た め、 屯 移 温 度 To の 近 傍 で は た と え α' ( T,¢swl)>α′ ( T,4・ s hr ) で あ っ て も、 局 在 し た ¢ 巴 ¢s hrの バ ル ク 自 由 エ ネ ル ギ ー の コ ス トは 一 様 状 態 の α′ ( T,¢swl )の ゲ イ ン を 上 回 っ て し ま う。 バ ル ク エ ネ ル ギ ー に は 特 徴 的 長 さ が 存 在 し な い 為、 コ ス ト と ゲ イ ン の 差 は 遷 移 の 途 中 で 系 の サ イ ズ の オ ー ダ ー の 量 と な る の で あ る。 h, と す る) は 先 に 定 義 し た To を 少 し行 き 過 ぎ た 所 に あ る。 ( 具 こ の コ ス トと ゲ イ ン が 相 殺 す る 温 度 (Ts 体 的 な 計 算 例 は 後 で 示 す。) 同 様 の 議 論 に よ れ ば 一 様 収 縮 相 か ら一 様 膨 潤 相 へ の 屯 多 で も バ ル ク 自 由 エ ネ ル ギ ー の 大 小 は To を少 し くた だ し Tshrと は 反 対 側 に) 行 き 過 ぎ た 温 度 α J Ts w lで お こ る。 一 様 等 方 相 聞 の 屯 移 842> O の 温 度 範 囲 で は、 l ogT ∼V と い う長 大 な の 汚 性 化 エ ネ ル ギ ー 障 壁 が 正 で あ る 範 臥 即 ち ∂2 / 時 間 ス ケ ー ル を か け て 実 験 し な い 限 り, バ ル ク 自 由 エ ネ ル ギ ー に 起 因 す る 温 度 ヒ ス テ リ シ ス 1 T6 h r-TS Wl l が 存 在 す る. 一 方 ひ と た び 7;hr 或 い は n wlを 通 り超 え る と新 相 の ドメ イ ン が バ ル ク 自 由 エ ネ ル ギ ー に 駆 e 動 さ れ て 成 長 し・ ∼ Tp の 時 間 ス ケ ー ル で 新 た な 一 様 等 方 相 へ と親 和 す る。 ゲ ル の 組 成 や 溶 媒 の 性 質 如 何 で は、 こ れ らの 温 度 よ り も 先 に r 一 様 変 形 に 関 す るJ ス ピ ノ ー ダ ル 温 度 、 す な わ ち ∂2 /̀ 842-0と な る 温 度 に 達 す る 場 合 が あ る。 こ の 温 度 で は ゲ ル は 最 も 安 定 な ¢ の 一 様 状 態 へ と バ ル ク 自 由 エ ネ ル ギ ー の 障 壁 な し α に ∼ Tp の 時 間 ス ケ ー ル で 遷 移 す る (Tp は 短 径 1 mm の ゲ ル で 歎 時 間 か せ い ぜ い 数 日 で あ ろ う) 【 6 ]。 2.Cal c lat u i on さ て , Ts hr 或 い は TBWl を 計 算 す る に は ( a )ゲ ル の 自 由 エ ネ ル ギ ー の モ デ ル 、 及 び ( b)こ れ らの 温 度 に お い て 母 相 中 に 生 じ る 新 相 の ド メ イ ン の 空 間 的 形 態 の モ デ ル が 必 要 で あ る。 自 由 エ ネ ル ギ ー の モ デ ル と し て は - 6 53- 研究会報告 Ni s o pr opyl ac r yl a mi de /s odi um a c r yl at ec o ge l(共 重 合 ゲ ル ) の 美 顔 【3 ]と の 対 照 に 用 い られ た Fl o r yの モデ ル 【 7 ]を採 用 し (下 記 ( 3 )式 )、 そ こ で の 種 々 の パ ラ メ タ - の 値 も 【3 1の 場 合 の も の を用 い る 事 に す る 新 相 ドメ イ ン に つ い て は、 ど の 様 な 形 も の が To に 最 も 近 い TSh,及 び Tswl を与 え る か を知 る の は 困 難 で あ る。 例 え ば バ ル ク 内 部 の 球 状 の ドメ イ ン 或 い は そ の 周 期 的 育己列 か も しれ な い し、 ゲ ル 自 由表 面 の 粒 状 或 い は 層 状 の ドメ イ ン か も しれ な い。 こ こ で は バ ル ク の 母 相 の 自 由 表 面 に 新 相 ドメ イ ン が 層 状 に 現 れ る 尊 . Fi g.1)。 こ の 仮 定 は 等 方 膨 潤 相 の 表 面 に 収 縮 相 の 屠 ( de ns es ki n 台 を仮 定 して 計 算 を進 め る こ と に す る ( l a ye r )が 生 じ る 過 程 に 於 い て は 実 験 か ら も 尤 も ら し い 【3 逆 の 過 程 (等 方 収 縮 相 の 表 面 に現 れ る 膨 潤 相) に つ い て は、 膨 潤 した 表 面 に 「しわ 」 の パ タ ー ン [8 ]が 形 成 され 得 る が、 そ の i ns t abi l i t yに つ い て は 後 述。 ト あ る 一 様 等 方 な 状 態 (実 験 【3 ]で は 体 積 分 率 40- 0. 07) か らの 各 方 向 へ の 伸 長 率 入⊥ (自 由表 面 に 沿 う方 向) 及 び 入n (自 由表 面 の 法 線 方 向) に よ っ て ゲ ル の 変 形 を表 す と、Fl or yモ デ ル 【7 ]の 自由 エ ネ ル ギ ー α′ ( I, x,入⊥,入n )は 次 の よ う に 書 け る。 阪 α ′ ,入⊥刃 -告 宇 p og( ト 折 畑 ・?[ 2 人 2 1・入喜一31(1+2f ) l o g ( 普) ] ( 3 ) 4 ・ o / ( こ こ で ゲ ル の 体 凍 分 率 ¢ は ¢= 入2 J _ 入n )、x は 温 度 に 関 す る 変 数 (ス ピ ン系 で の βJ に 対 応)、 又 F は ゲ ル の 高 分 子 上 に 蛮 出 す る 電 荷 の 密 度 を あ らわ す パ ラ メ タ ー で ゲ ル の 作 製 条 件 で 決 ま る。 バ ル クの 母 相 は等 方 ゆ え A nニ ス⊥で あ る。 他 方、 表 面 の 層 状 ドメ イ ンで の 変 形 は 入⊥ は 弾 性 変 位 の 連 続 性 の 為 に、 母 相 の 入⊥ に 等 し くな け れ ば な ら な い。 収 定 に よ り, ゲ ル の 変 位 が 自 由表 面 の 法 線 方 向 に 限 られ る と す る と、 母 相 と表 面 相 の 共 存 条 件 は、 次 の 様 に な る。 α′(I , x,入⊥,入⊥)=α′(I,x,入⊥,入n) 芸 ( I, x,入⊥,入⊥)- 誌 , ( i x,入⊥, An )- 0 ( 4 ) ( 5 ) I , x これ ら 3っ の 条 件 に よ り・ ( , 入⊥,l n )の 空 間 に 1本 の 共 存 曲 線 が 描 け る。1つ の ゲ ル に つ い. て 温 度 を変 え る実 験 は f- 一 定 の 切 り口 に 対 応 す る。 等 方 相 聞 の 共 存 曲線 と 区 別 す る 為 に、 上 の 曲線 を u nl a Xi albi noda l と呼 ぶ こ と に す る。 (共 存 曲線 は、 J E . れ を軌 跡 と す る 運 動 の 運 動 方 程 式 を 用 い る 方 法 で 容 易 に 計 算 で き る [ 1軸 的 変 形 に 関 して、 u nl a Xi als pi noda lな る も の も 考 え る こ と が で き る。 そ れ は、 次 式 で 定 義 され る。 9 。) 今 の 1 & ( I , x,Al,Al)- % ( f・ x, Ai,Al)-0・ ( 6 ) これ は 外 部 の 溶 媒 と の 浸 透 平 衡 の も とで、 ゲ ル 内 部 が 微 小 な 平 面 波 的 揺 らぎ に 対 して安 定 性 を失 う と こ ろ で ni a xi l a bi noda l と あ る。u uni a xi a ls pi noda lと は,∂3 α′ /∂^3 n( I, x, 入⊥,入⊥)-0とな る 1点 で 接 す る。Fi g. 2 に ( I, x) 一平 面 に 射 影 した uni a ・ Xi l bi a noda l(実 線 ) 及 び uni a xi ls a pi noda l(破 轡) を しめ す。 両 者 の 接 点 g. 3に は 同 じ 自 由 エ ネ ル ギ ー の モ デ ル に よ る、 一 様 等 方 相 ど う し を黒 丸 で 示 した。 こ れ と の 対 比 の 為 に、Fi の b i noda l (以 下 i s ot r o pi cbi noda l;前 飾 1.の ( 1 )及 び ( 2)参 掃 ) と、 一 様 等 方 条 件 下 の s pi noda l (以 下 i s ot r opi cs pi noda l) を そ れ ぞ れ 実 線 及 び 破 線 で 示 す。 これ ら と (4) , ( 5 )及 び ( 6)の 条 件 式 と の 違 い は 入。 で nに 等 し い とせ く こ と で あ る。 微 分 す る 前 に 人⊥ を 入 Fi g. 2 と Fi g. 3 を較 べ た と き の、 第 - の 相 違 点 は i s ot r opi cbi noda l は 臨 界 点 (i s ot r opi cs pi noda l と出 ni a xi l bi a noda l は u ni a xi ls a pi noda l と の 接 点 か ら両 側 に 延 び、 会 う点 ) で 終 わ る 1本 の 曲 線 で あ る が、u x に 関 して 2価 に な っ て い る 事 で あ る。 こ れ は 前 カ で の べ た バ ル ク 自 由 エ ネ ル ギ ー に 由 来 す る温 度 ヒ ス テ リ シ ス で, 膨 潤 相 ・収 縮 相 の い ず れ を等 方 相 に 選 ぶ か で 2っ の 転 移 温 度 が 得 られ る の で あ る。 今 の 実 験 パ ni a xi l bi a noda lの 分 枝 は 昇 温 に 際 して の 一 様 膨 潤 相 ラ メ タ - で は、 x の 大 き な 方 が 高 温 を表 し、 上 側 の u t r opl CS pi noda lは iso t r opi cbi noda lを挟 表 面 で の 収 縮 相 ドメ イ ン の 出 現 に 対 応 す る。 相 違 点 の 第 二 は iso ni a xi a ls pi noda lは uni a xi a lbi noda lと の 接 点 の 近 傍 で、 後 者 に 包 まれ る む よ う に 延 び て い る の に 対 し、u pi nodalと bi noda lと が 交 わ る 事 で あ る。 しか し、 こ の 一 よ う に 延 び て お り、 さ ら に接 点 か ら離 れ た 所 で s gs .2及 び 3に 示 さ れ た 曲 線 上 の 各 点 に 対 応 す る ゲ ル の 自 由 エ ネ ル ギ ー を調 べ て み る と 見 奇 異 な 結 果 は Fi 事 情 を理 解 で き る。 さ し 当 た り、 等 方 な 状 態 入⊥ = 入n だ け を考 え、 入⊥ を動 か し た と き の 自 由 エ ネ ル ギ ー αI(I, x, 入⊥,入⊥)の 権 億 , x ) ( 極 小 及 び 極 大) を ( I の 関 数 と して 模 式 的 に描 く と Fi g・ 4aの よ う に な る。 (こ れ は、 「 燕 の 属 の カ タ ス トロ フ ィ ー 」 の 分 岐 集 合 と い う も の と 同 型 で あ る [ 1 0 ]。) こ の 図 で の 曲 面 の 折 れ 目 Ci Si l, Ci Si 2や 交 差 線 Ci Biを (I, x) 一面 に 射 影 した も の は Fi g. 3で 同 じ記 号 で 示 し た 曲 線 に 対 応 す る。 従 っ -6 5 4- 「 凝縮系 におけるスローダイナ ミックス」 て Ci Si l と Ci Si 2 に は さ ま れ た (I, x)の 傾 城 で は (等 方 変 形 の) 自 由 エ ネ ル ギ ー は 2っ の 極 小 を も ち、 Fi g. 4aで の 曲 面 Si l Ci Si 2は 極 大 (不 安 定 平 衡) に対 応 す る [ 11 ト 次 に 下 記 の 2式 が 等 価 で あ る事 実 を用 い る と, 凱 =入8 - 0 , ) - ( α′ l 入⊥入n 蕊 - uni a xi l bi a noda l 及び u ni a xi ls a pi noda lの 条 件 の う ち、 ∂ α ′ 0, ( 7 ) = /∂入n 0 の 方 -( 5)及 び ( 6 )の 前 半- は ni a xi l bi a noda l と uni a xi als pi noda lと 等 方 相 で の 自 由 エ ネ ル ギ ー 極 値 の 条 件 で あ る 事 が わ か る。 即 ち、u は Fi g. 4aの 曲 面 上 に あ る。 実 際 に α′の 億 を謝 べ て み る と Fi g. 4b の よ う に な っ て い る。 た だ し園 で は x 値 が 小 さ い側 で の i s ot r o pl CS Pi noda l と uni a xi a lbi noda lの 離 合 を 計 算 結 果 よ り も 誇 張 して 描 い て あ る。 uni a xi ls a pi noda l は 面 Si l Ci Si 2の 上 に の っ て お り、 uni a xi l bi a noda lの う ち uni a xi als pi noda lとの 接 点 l Ci Si 2の 上 に の っ て い る。 他 九 uni ax i l bi a noda l の 残 りの 部 分 は 準 安 定 状 澱 の 面 Si l Ci Bi 近 傍 も 又、 面 Si .I と面 Si 2 Ci Biの 上 に あ る -一 定 の 断 面 で x を変 え て ゲ ル を徐 々 に (時 間 ス ケ ー ル - Tp で) 収 縮 或 い は膨 潤 させ て ゆ く と き、i s ot r opi cbi noda lβi q を過 ぎ て 先 ず 初 め に 出 会 う の は uni a xi albi noda lか 叉 は i s ot r o pi cs pi noda lで あ る。 い ず れ に せ よ uni a xi a ls pi noda lに は ア ク セ ス で き な い。 最 後 に 詳 細 は こ こ で は 論 じな い が、 転 移 点 で 生 じた 層 状 ドメ イ ン の、 自 由 表 面 に 沿 う方 向 の 揺 らぎ に 対 す る 不 安 定 性 (b uc hki ngi ns t a bi l i t y) を、 上 の 計 算 で 用 い た実 験 の パ ラ メ タ 一億 に 関 して 調 べ た [5 ]B そ の 結 果 、 等 方 な 収 緒 相 表 面 に 現 れ る 層 状 膨 潤 相 は、 対 応 す る u ni a xi albi noda l部 分 上 で 不 安 定 で あ る 事 が わ か っ た。 (逆 の 等 方 膨 潤 相 一 一 層 状 収 縮 相 の 場 合 は 安 定。) 従 っ て、 等 方 収 縮 相 に 初 め に実 現 す る 膨 潤 相 は ト か つ そ の 転 移 は上 で 求 め た - 様 な 層 状 の も の で は な く [8 さ な ヒ ス テ リ シ ス) で 起 こ る で あ ろ う。 uni a xi a lbi nodalよ りも 恐 ら く手 前 (よ り小 3.Conc l us i on ゲ ル の 膨 潤 ・収 縮 相 も 多 を l o gTp ∼l o gV,l ogTe∼V な る 2っ の 時 間 ス ケ ー ル の 挟 間 で 載 測 す る と、 次 の よ う な 結 果 が Va nde rWa al s理 論 の 枠 内 で 予 想 さ れ る。 相 載 移 温 度 に は、 バ ル ク の 弾 性 エ ネ ル ギ ー に 起 因 す る ヒ ス テ リ シ ス が 存 在 す る。 相 載 移 に 際 して 現 れ る新 相 の ドメ イ ン 形 成 は、 転 移 が 2次 に 近 づ く と 一 様 等 方 変 形 の 不 安 定 に 替 わ られ る か, 叉 は別 な 形 の ドメ イ ン形 成 に 替 わ られ る か す る。 * * * ドメ イ ン形 成 に 関 す る spinoda l に は ア ク セ ス で き な い。 2.で は Fl or yの 自 由 エ ネ ル ギ ー の モ デ ル を用 い、 ゲ ル の 表 面 に 層 状 の 新 相 ドメ イ ン が で き る 状 況 に か ぎ っ て 計 算 して き た。 し か し ( I, x, α′ )を座 額 軸 を す る 空 間 中 で の bi nodal及 び s pi nodalの トポ ロ ジ カ ル 前節 な 様 相 は、 モ デ ル 自 由 エ ネ ル ギ ー の 詳 細 や 仮 定 し た ドメ イ ン の モ デ ル に は 鈍 感 な も の だ ろ う。 従 って 上 の 結 巻 も 我 々の 用 い た モ デ ル に 限 定 さ れ な い g e ne iC な も の だ と予 想 す る。 ま た ゲ ル に 限 らず、 相 転 移 の 秩 r 序 変 数 が 長 距 離 相 関 を持 つ 場 ( ゲ ル の 場 合 で は ず り歪 場 ) と相 互 作 用 す る 系 で は 類 似 の 現 象 が 期 待 で き る。 そ の 際 注 意 す べ き は、 実 験 の 時 間 ス ケ ー ル が ど の タ イ ム ドメ イ ン で な さ れ て い る か で あ る。 例 え ば合 金 中 o gV の 時 間 ス ケ ー ル で 変 え の 相 分 離 の 寄 合、 系 を粒 子 滑 と接 触 させ れ ば 合 金 の 各 組 成 原 子 の 総 量 を Tp ∼l 得 る。 しか しそ の 具 体 的 ス ケ ー ル は (c r ys t a lg r o wt h の 場 合 を 除 け ば) ゲ ル の 寄 合 に く らべ て 問 題 に な ら な い く ら い 長 い だ ろ う。 兼 重 な 議 論 を して 下 さ っ た っ ぎ の 方 々 に 感 智 い た し ま す ; Y. Fukumot o,T. Oht a,M. DoiandF. Tanak a. Ref er enc es 1. ド ・ジ ャ ン ヌ ;「 高 分 子 物 理 学 J (吉 岡 書 店 ) p. 61。 2.ラ ン ダ ウーリ フ シ ツ ツ ; r 統 計 物 理 学 ・下 J 3 r de d.(岩 波 手 店 ) p. 6 68。 3・E・ Ma t s uoandT・ Ta na ka;J・Che m・Phys .89, 1 695( 1 988) ・ 4.K. Se ki mo t o;i npr e par at i on. 5・K・ Se ki mo t oa ndK・ Ka wa s a ki ;Phys i c aA154,38 4( 1 989 ) ・ 6・ Tp よ り短 い 時 間 ス ケ ー ル で の r拘 束 下 の 相 軌 に つ い て は、J・ W・ Ca m ;Ac l t aMe t l・ a ,9, 7 9 5( 1 961 ) , A・ Onuki ;Phys ・Re v・A38, 21 9 2( 1 988) . 高 分 子 化 学 ・下 」 ( 丸 善) p. 5 2 9。 7.フ ロ ー リ ー ;r 8・T・ Ta na k a,e ta l・ ;Nat ur e325, 796( 1 98 7) . 9.K. Se ki mi t oa ndL. Le i bl e r ;t obes ubmi t t e d. 1 0.野 口広 ;「カ タ ス トロ フ ィ ー」 (サ イ エ ン ス 社 ) p. 8 8. ll.Re i c bl ;「現 代 統 計 物 理 ・上 」 (丸 善) p. 93. - 65 5 - 研究会報告 Fi g. 1 0. 2 1 0. 0. 6 0. 8 f Fi g. 2 - 65 6- 1 1. 2 1.4 1. 6 「 凝縮系 におけるスローダイナ ミックス」 ∝J
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