試験体製作棟における構造試験用試験体製作のご紹介 GBRC ニュース

GBRC Vol.41 No.2 2016.4
GBRC ニュース
試験体製作棟における構造試験用試験体製作のご紹介
当法人の試験研究センター環境部耐火防火試験室(池
田)の開設に伴い、試験体製作を同敷地内で行えるよう
【お問い合わせ】
◆構造試験室(本部)
にするため、かねてより建設を進めて参りました試験体
TEL:06-6834-7913
製作棟が、平成27年12月に完成しました。
FAX:06-6155-5367
試験体製作棟は大きく2つの区画から成り、そのうち
1区画は防耐火試験用の試験体のみならず、構造試験用
のコンクリート系試験体が製作できるよう、構造試験体
製作床等の環境を整えています。
構造試験体製作床には4.8tonの天井クレーンを配置し
ており、製作床寸法は8.0m×9.5mです。これは、実大
部材に対し縮尺比1/2.5程度の十字形部分架構試験体あ
るいは1層1スパンの門形架構試験体であれば、6~8体
程度を同時に製作することが可能です。
これまで構造試験用のコンクリート系試験体は、主に
屋外で製作を実施してきました。屋外での試験体製作で
は、コンクリートを打設した後の養生期間中における外
気温による影響が、発現するコンクリート強度にばらつ
きを生じさせる要因の一つとなります。
試験体製作棟全景
今回試験体製作棟が完成し、屋内での試験体製作が可
能となりましたが、併せて養生装置を導入することによ
り、さらに安定した養生環境を整備致しました。
先にご紹介した構造試験体製作床は、床下に断熱材を
敷設しており、床上で製作している試験体の周囲に、断
熱性の高い厚手の専用シートあるいは断熱材を用いたパ
ネル部材を設置することで、簡易な断熱空間を構成する
ことが可能です。この簡易な断熱空間に、温度を制御し
た湿潤空気を供給する養生装置を接続し、空間内の温度
および湿度を一定に保つことで、外気温に関わりなく年
間を通して安定した養生環境を実現します。
養生装置は、プログラムコントロールによって空間内
の温度制御を行います。依頼案件ごとに試験体数あるい
構造試験体製作状況
は試験体寸法が異なり、養生を行うべき空間の大きさが
変化するため、温度制御点は任意の場所に移動可能な方
式としています。この養生装置は平成28年3月に2台導
構造試験体製作床 仕様
8.0 m 9.5m
2.8 m
6.0 m
2.3 m
4.8 ton
入して確認試験を行った後、試験体製作管理業務に供す
る予定です。
試験体製作棟の完成以降、既に同製作棟にてコンクリ
ート系試験体を製作し、本部(吹田)において構造試験
業務を実施しております。今後、温度制御湿潤養生に関
するデータの蓄積とともに、更なる品質の安定した試験体
のご提供並びにサービス向上に努めて参りますので、引
き続きご利用、ご鞭撻賜りますようお願い申し上げます。
養生装置 仕様
8.0 m 4.5 m
30
40
95 RH
63