北海道小学校長会 大会主題 「新たな知を拓き 人間性豊かな社会を築く 日本人の育成を目指す小学校教育の推進」 ~北の大地から世界を見つめ,新しい社会の形成に向けて挑戦する子どもを育む学校経営の推進~ 【大会主題の趣旨】 知識基盤社会への新たな進展やグローバル化の進行の下,我が国は,先行き不透明な状況の中で少子 高齢化が進み,消費停滞や雇用不安など低成長の時代の中にある。 このような情勢を背景に,地球環境に配慮した経済への効果的な対応や,歴史や伝統,文化の再評価 など,「知」の創造・継承・発展を目指す持続可能な社会形成への要請が高まってきている。 そのような中で,社会状況の変化や課題に立ち向かい,切磋琢磨しながら,新たな知を拓き人間性豊 かな社会を築く日本人を育成することが必要となる。 教育においては,個人が自立するとともに社会に参画し,相互に支え合いながら,社会の一員として の役割を果たすために必要な力を育むことが重視されてきている。 特に,平成23年度より実施された学習指導要領においては,教育基本法及び学校教育法などの示すと ころに従い,「生きる力」の理念の下,人間として調和のとれた児童を育成するための教育課程の編成・ 実施・評価と改善が各学校に求められている。 この新しい時代の要請に応える教育を推進するために,全国連合小学校長会は,平成25年度の第65回 三重大会から研究主題を『新たな知を拓き 人間性豊かな社会を築く 日本人の育成を目指す小学校教育 の推進』と定め,今年で3年目になる。 そこには,教育の役割と変化する時代の潮流や近未来的な課題を踏まえ,様々な分野で,豊かな創造 性やしなやかな知性を発揮し,互いの個性や絆を大切にする社会づくりに貢献できる日本人を育てたい という願いが込められている。 このような中,北海道小学校長会は,全連小の研究主題との関連性を踏まえ,同年の渡島・北斗大会 から研究副主題を「北の大地から世界を見つめ,新しい社会の形成に向けて挑戦する子どもを育む学校 経営の推進」と設定した。 変化の激しい時代にあっては,時代の潮流をとらえる広い視野を獲得することが子どもの生活に密着 した地域の課題の解決にとっても不可欠である。 また,グローバルな視点を育むことは,知識基盤社会を生き抜く豊かな創造性やイノベーションの可 能性を模索する柔軟な知性を育むこととともに,次代を担う子どもたちが将来に夢と希望をもって自己 実現を図る基盤となるものと考える。 新しい社会とは互いの個性やつながりが一層重視される社会である。こうした社会の形成に向けてた くましく挑戦する子どもを育むためには,人と人との絆をつくり支え合う共生の意識や,夢と希望に満 ちた活気溢れるふるさとづくりに積極的に貢献しようとする意識など,社会の形成者としての意識を醸 成することが必要である。 また,環境・資源・エネルギーなどの多様な課題に対し,グローバルな視点をもち,様々な人々との 協力で解決していく力と,環境・経済・少子高齢化・地域格差などの直面する課題や震災からの復興な どに粘り強く取り組み,持続可能で一人一人の個性と人間的な絆を大切にする社会を実現していくため のたくましさを育むことが大切となってくる。 変化の激しい時代にあって,こうした願いや意図を実現していくには,子ども一人一人の能力を伸ば し,人間的な絆や社会の形成者として必要とされる基本的な資質を育む学校経営を推進していくことが 必要となる。 子どもを取り巻く状況が厳しく,学校教育に対する期待が一層高まる今こそ学校経営の責任者である 校長として,家庭・地域・関係機関等との連携を一層図りつつ,新たな知を拓き,人間性豊かな社会を 築く日本人の育成を目指す小学校教育の在り方について究明しようとするものである。 -3-
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