4 委員会活動(1.4 MB)

行間、Q数、タイトルレイアウト注意
委員会活動
産業委員会 ヘルスケア部会
ヘルスケア講演会
−ヘルスケア産業振興に係る政策の動きや大学の活動−
日時:3月10日(木) 場所:名古屋市内 参加者:部会長の竹中副会長はじめ14名
テーマ
福祉用具・介護ロボットに係る施策の動向
講 師
プロフィール
(公財)テクノエイド協会 企画部長 五島
清国 氏
1988年厚生労働省国立療養所岐阜病院、社会福祉・医療事業団、厚生労働省本省を経て、
1993年より
(公財)テクノエイド協会、現職。
講演要旨
高齢者や障害者等の現状
2025 年には65 歳以上の高齢者が
約 3 , 660 万人(総人口の約 30 %)に
日本の高度な水準の工学技術を活用し、
高齢者や介護現場の具体的なニーズを踏
まえた機器の開発支援 【経産省中心】
達し、特に75 歳以上の人口は、
これ
駆けて日本が介 護のあり方を構 築
できるチャンスでもある。
高 齢 者を取り巻く現 状としては、
要介護高齢者の増加、認知症高齢
者の増 加 、高 齢 者のみの世 帯の増
開発等の重点分野
試作機器の
評価等
移乗介助(装着、非装着)
※相談窓口の設置、実証の場の整備
(実証試験協力施設の把握)、普及
啓発、意見交換の場の提供 等
※経済産業省と厚生労働省において、重点的に開発支援する分野を特定(平成25年度から開発支援)
※点線枠は平成26年2月に新たに追加した項目。平成26年度より開発支援の対象。
※開発支援するロボットは、要介護者の自立支援促進と介護従事者の負担軽減に資することが前提。
移動支援(屋外、屋内)
排泄支援
ロボット技術を用いて介助
者のパワーアシストを行う
装着型の機器
高齢者等の外出をサポートし、
荷物等を安全に運搬できるロボ
ット技術を用いた歩行支援機器
排泄物の処理にロボット技
術を用いた設置位置調節
可能なトイレ
ロボット技術を用いて介助
者による抱え上げ動作のパ
ワーアシストを行う非装着
型の機器
高齢者等の屋内移動や立ち座り
をサポートし、特にトイレへの往
復やトイレ内での姿勢保持を支
援するロボット技術を用いた歩
行支援機器
ロボット技術を用いて浴槽
に出入りする際の一連の動
作を支援する機器
加、高齢者のADL
(日常生活動作)
入浴支援
認知症の方の見守り(施設、在宅)
介護施設において使用する、
セン
サーや外部通信機能を備えたロ
ボット技術を用いた機器のプラ
ットフォーム
在宅介護において使用する、転
倒検知センサーや外部通信機能
を備えたロボット技術を用いた
機器のプラットフォーム
資料:厚生労働省・経済産業省ホームページ 出所:五島氏講演資料をもとに作成
図1 介護ロボットの開発等の重点分野
やQOL
( 生 活の質 )の低 下があげられる。また、
を実施しており、平成28年度は移動支援(屋内)
と入
障害者においても、ニーズの多様化・複雑化、社会
浴支援についての開発補助が本格化する
(図1)。
的支援の理解や促進、福祉インフラの整備、高齢
化等、多くの課題が存在している。
これらを支える福祉・介護現場では、人材の不足、
また、障害者の方を対象とした機器開発は、国内
市場は大きくないが、世界が市場となる分野でもあ
るので、障害者自立支援機器等開発促進事業など
職員の腰痛、働きやすい職場環境、機器活用等に関
の仕組みで、シーズとニーズのマッチングやコーデ
する教育拡充など、解決すべき喫緊の問題も多い。
ィネート等が活用できることから、企業の参入が期
介護ロボット等の開発・普及への期待
「日本再興戦略」に基づき、2013 年度からロボッ
待されている。
介護ロボット等の活用に向けた課題
ト介護機器開発5ヵ年計画が推進されており、政
介護ロボット等の活用により、要介護者のADL
府や関連機関等で、新規参入のため、技術やノウ
やQOLの向上、介護者や家族の肉体的・精神的
ハウの活用・転用、ロボット技術の応用、情報通信
負担の軽減、介護業務時間等の削減への効果が
機器の整備、イニシアティブ協議会の創設による
あるとされている。
イノベーションの創出等に取り組んでいる。
しかしながら、介護ロボット等の活用は、現場等
福祉・介護分野のロボット開発は、現在5分野
での理解と同意、使い方の教育と導入・維持費用、
(移乗介護、移動支援、排泄支援、認知症の方の見
医療と介護等の連携が大変重要であるため、今後、
守り、入浴支援)
8領域を重点分野として開発支援
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介護現場
開発の早い段階から、現場のニーズの伝達や試作機
器について介護現場での実証
(モニター調査・評価)、
導入に必要な環境整備 【厚労省中心】
開発現場と介護現場との
意見交換の場の提供等 ※
から都市部で急速に増加する中で
多くの課題が存在するが、世界に先
モニター調査の
依頼等
民間企業・研究機関等
中経連 2016.5
重点的な取り組みを実施していくつもりである。
中経連 2016.5
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行間、Q数、タイトルレイアウト注意
委員会活動
テーマ
春日井市における世代間交流による地域活性化・
学生共育事業、および介護・福祉ロボット関連研究
講 師
中 部 大 学 地 域・国 際 連 携 教 育 研 究センター 長 松 尾
直規 氏
プロフィール
1 9 7 5 年 京 都 大 学 工 学 部 助 手を経て、1 9 8 1 年 中 部 工 業 大 学 工 学 部 講 師 、翌 年 同 助 教 授 、
1992年中部大学工学部教授、2015年同学監、地域・国際連携教育研究センター長、現職。
講演要旨
はじめに
日本の人口の高齢化率は、2060 年には
40 %に達し、2 . 5 人に一人が 65 歳以上の高
齢者となる。
また、現在 65 歳以上の単独世
帯は約 480 万世帯であるが、今後大幅に増
加していくことが見込まれている。
高齢化による社会の諸問題として、少子
高齢化、核家族化や大都市圏への人口集中
による、地縁・血縁・社縁システムの崩壊、無
関心がもたらす「無縁社会」や認知症・要介
地(知)の拠点整備事業
●
●
中部大学の現況
地(知)
の拠点整備(COC=Center of Community)
事業は文部科学省が推進
自治体、産業各界と連携し、地域志向の活動を通じ
て学生の教育・人材育成に取り組み、地域の発展
を重層的に支える大学を国が支援
中部大学のCOC事業目的
地域と大学
キャンパスの壁を越えて融合
住民と学生
●
●
高齢社会の課題地区に近接 春日井市で唯一の総合大学
10%の教職員の生活の場 下宿生の10%が居住
●
●
地域連携活動の実績
●
●
多くの地域研究 地域貢献活動 地域医療・障害者支援
高齢者の現状調査 世代間同居研究
●
●
●
春日井市の協力 NPO連絡協議会の支持
隣人(中部大学ー
高蔵寺NT)
として
協力体制構築
共に考え、
共に活動、
共に繁栄
世代を超えた
高・学社会連携
モデルづくり
持続可能な未来社会と教育の場を春日井の地に実現する
COC事業(7つのWG)
④シニア大学CAAC
(Chubu University Active Again College)
①高齢者・学生交流(LHS:Learning Homestay) ⑤正課教育
②高蔵寺NTキャンパスタウン化
⑥報酬型インターンシップ
③コミュニティ情報ネットワーク事業
⑦生活・住環境を考えるまちづくり
出所:松尾氏講演資料をもとに作成
図2 春日井市における世代間交流による地域活性化・学生共育事業の目的
護高齢者の急増等、
これまでとは違った形での課
学生の共学により、地域のシニアリーダー育成や学
題が表面化してきており、今後の大きな課題となる。
生のキャリア形成に効果が認められる。
また、中部大学COC事業は、国が日本再興戦略
春日井市における世代間交流による地域活性化
で進めるCCRC構想(生涯活躍のまち:Continuing
中部大学では、
キャンパスに近い春日井市高蔵寺
発展が期待されるモデルとなるものである。
CCRC
・学生共育事業について
Care Retirement Community)
の大学連携型への
ニュータウン
(一部の地区では、高齢化率が約 40%
に必要な条件として考えている6つの条件のうち、
超)
において、2010 年から高齢者生活支援と学生教
学びの場、高度な医療施設、暮らしの場については
育研究を開始し、2013 年8月から文部科学省の地
整っているが、交通網(次世代型)、大規模複合娯
(知)
の拠点整備(COC:Center of Community)
楽施設、大規模高齢者施設の3つについては未整
事業のひとつに採択され、
「 春日井市における世代
備となっている。
間交流による地域活性化・学生共育事業」
として実
施している。
中部大学COC事業は、
7つのワーキンググルー
中部大学では、2014 年度よりロボット理工学科を
プ(①高齢者・学生交流、②高蔵寺ニュータウンキャ
設置し、次世代ロボットを利用したロボット共存社
ンパスタウン化、③コミュニティ情報ネットワーク事
会の実現のための学部教育の実施のほか、ヘルス
業、④シニア大学、⑤正課教育、⑥報酬型インターン
ケア領域では、歩行制御シミュレーションや自閉症
シップ、⑦生活・住環境を考えるまちづくり)から形成
の方を対象とした表情訓練研究等を推進している。
されている
(図1)。現在、高齢者宅へのホームステ
産業界には、報酬型インターンシップ等の地域
イ、ニュータウン内に交流施設の設置、医療機関、
連 携による学 生 共 育 事 業への協力、大 学 連 携 型
NPO等との情報連携、地域シニア向き教育プログ
CCRCへの参画、介護・福祉ロボット研究開発に
ラム
(CAAC:Chubu University Active Again
関する産学連携等を期待している。
College)等を実施している。
CAACでは、
シニアと
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中経連 2016.5
介護・福祉ロボット関連研究と産業界への期待
(産業振興部 本田 宗央)
中経連 2016.5
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委員会活動
産業委員会 第2回ヘルスケア部会
などの意見が出された。
また、平成 28 年度の活動として、福祉・介護分
3月10日
(木)、産業委員会 第2回ヘルスケア部
野でのロボット・ICT技術の利活用促進のため、
会を開 催 、部 会 長の竹中副 会 長はじめ1 4 名が
現場の「生の声」をヒアリングし、ニーズを共有す
参加した。
る場の設置を提案し、
了承された。
(産業振興部 本田 宗央)
第2回社会基盤委員会
3月14日(月)、第2回社会基盤委員会を開催、
委員長の柘植副会長はじめ39名が参加した。
部会に先立ち、
(公財)テクノエイド協会企画部
長の五 島 清 国 氏と中部 大 学 地 域・国 際 連 携 教
育 研究センター長の松尾直規氏を講師に迎え、
「 福 祉 用具・介 護ロボットに係る施 策の動 向 」、
および「春日井市における世代間交流による地域
活性化・学生共育事業、および介護・福祉ロボット
関連研究」をテーマに講演会を行った(本誌6∼
7ページ参照)。
部会では、事務局か
本委員会は約1年半にわたり、
「 中部圏交通ネ
ら 福 祉・介 護 分 野 の
ットワークビジョン」の策定に向け活動を展開して
「機器・用具、
ロボット」
いる。今回はその最終案について、審議を行った。
「ICT 技 術・サ ー ビ
冒頭、柘植委員長は「日本経済を牽引する中部
ス」
「 健 康 経 営・投 資 」
圏が 将 来にわたりその役 割を果たすためには、
に関 する調 査 研 究 結
交通インフラのさらなる整備・強化 が不可欠で
果、および地域の高齢
ある。
このため、今回のビジョンでは、国・地方の厳
者コミュニティ
(都市、
しい財政状況も念頭に置き、既存インフラの有効
郊外、中山間地)の現状と課題や取り組み、期待
活用を前提に、必要性を吟味するとともに、優先
されている産業アプローチについて報告した。
順位が明確となるよう、取りまとめを行った」
と挨
委員からは「福祉用具や介護ロボットのような
物理的なものだけではなく、要介護者がより満足
事務局から最終案の説明後、委員からは「イン
できるような精神的な内容も検討すべき」
「 介護分
フラ整備の必要性がわかりやすくまとめられてお
野は重労働で少子高齢化により担い手も少ない
り良いアピール材料になる」
「 今後はビジョンの実
ため、その解決に繋がるような活動を期待する」
現に向けた要望等の活動をしっかりお願いした
「ヒアリングは介護現場だけでなく、福祉用具・機器
メーカーも含めるとより多くの課題が抽出できる」
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拶を述べた。
中経連 2016.5
い」
「 今 後 、国に要 望していくためには、さらに一
つ一つの道路について、資本ストック効果を明確
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委員会活動
に示していくことが 必 要だ」等の発 言があり、審
議の結果、原案は了承された。
また、今回の委員会では、
「平成28年度活動計画
(案)」についても審議し、原案どおり了承された。
(社会基盤部 鹿沼 祐介)
第24回Next30産学フォーラム
ることや、塩分摂取量を減らすための調味料の使
い方等を紹介した。さらに、食品の購入時に注意
3月23日(水)、第24回Next30産学フォーラム
を払い、かつ生活習慣を少しずつ改善することに
を開催、33名が参加した。
より、循環器疾患をはじめ将来起こり得る様々な
病気の予防に繋がることを紹介した。
また、参加者
はカップに入った水溶液やビスケットの味比べに
よる味覚チェックを行い、食品によっては人の味覚
だけで塩分濃度が判断しづらいことを体験した。
その後の懇親会では、参加者が講師を囲み減
塩調味料などについて意見を交わすなど、
より一
層の親睦を図った。次回のフォーラムは、
5月末に
開催する予定である。
(産業振興部 水田 晴久)
今回は、名古屋港内の見学会と名古屋市栄で
の講演会・懇親会をあわせて実施した。
見学会は、国土交通省中部地方整備局と名古
屋港管理組合のご厚意により実現したもので、港
内全体を把握するために、参加者は船に乗り、各
埠頭の特徴やコンテナターミナル、高潮防波堤の
3月30日(水)、第1回観光委員会、ならびに社会
「通常では体験できない船からの視察で、名古屋
基盤委員会 第1回まちづくり部会の共催による
港の役割が勉強でき、かつ貴重な経験をすること
講演会を開催、観光委員会委員長・まちづくり部会
ができた」
といった声が相次ぐ等、名古屋港の物
部会長の安藤副会長はじめ50名が参加した。
講演会では、金城学院大学生活環境学部食環
中経連 2016.5
社会基盤委員会 第1回まちづくり部会
嵩 上げ 完了箇 所などを視 察した。参 加 者からは
流・防災機能について理解を深めた。
8
第1回観光委員会
観光委員会では、はじめに、中部運輸局観光政
策監の上田大輔氏を講師に、
「 訪日外国人旅行者
境栄養学科講師の清水彩子氏が、
「 私たちは、い
数 2000 万人の受入に向けた中部ブロック連絡会」
つもどれくらいの塩を摂取しているの?」をテーマ
の概要について説明を行った。中部国際空港から
に講演を行った。
の二次交通の充実、日本旅館における外国人の
清水氏は、
日本人は国が定めた塩分摂取量より
受入など、訪日外国人の受入環境整備に係る当地
多く塩分を摂取していることを説明した上で、同じ
域の課題、およびその解決に向けた取り組み状況
食品でも栄養成分表示方法によって塩分量が異な
を紹介した。
中経連 2016.5
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行間、レイアウト注意
委員会活動
化」
を図ることで、
CO2
排出や交 通 事 故とい
った自動 車 の負の 側
面を解 消した将 来の
あるべき社 会 の 姿 に
近づけることができる
ものと考え、調査分析
を 進 めて いる 。今 回
は、
自動車産業の一大集積地である刈谷市を対象
に、朝の通勤渋滞問題の解消に向けた実証実験
続 いて、事 務 局より今 後 の 活 動として、無 料
の計画案について議論を行った。
Wi-Fiの認証一元化などによる利便性向上、観光
はじめに、
日本電信電話㈱研究企画部門の松浦
情報発信プラットフォームの構築に向けた活動な
由美子氏を迎え、
「ビッグデータを活用した混雑緩
ど、受入環境の整備に向けて具体的な課題解決策
和への取組み」
をテーマに移動効率化に向けた活
の検 討を行っていくことを説 明した。委員からは
動紹介をいただいた。
「外国人の訪日旅行と日本人の国内旅行の双方を
議事では、刈谷市所在企業の従業員を対象にし
増加させていく取り組みが必要」
「 地域に人を呼び
た通勤に対するアンケート分析に基づく移動効率
込むためにはまちづくり全体の視点が重要である」
化のソリューション案について、竹本専門部会長
などの意見が出された。
その後、観光委員会とまちづくり部会が合同で、
名古屋大学未来社会創造機構教授、
グリーンモビ
(アイシン・エイ・ダブリュ㈱経営企画部長)
より報
告を行い、続いて、事務局より実証実験の計画案
について報告した。
リティ連携研究センター長の森川高行氏を講師に
委員からは「シミュレーションでは予測できない
迎え、
「スマートモビリティまちづくり」
と題した講演
人間の心理的要素も検証すると良いのではないか」
会を行った
(本誌6月号に講演要旨を掲載予定)。
最後に、事務局よりまちづくり部会の今後の活
「信号制御などとも連動できれば、
さらなる効果が
期待できる」
などの意見が出された。
動として、各地域での講演会の開催(地方分権特
今後は関係各所と議論を重ねながら、具体的な
別委員会との共催)や、国内外のコンパクトシティ
実証内容を検討し、実行体制の立ち上げに向けて
の事例、推進策など「まちのコンパクト化」に関する
活動していく。
調査・研究を行っていくことを説明した。
(産業振興部 加藤 信和)
(社会基盤部 髙井 勇輔)
産業委員会 第3回次世代自動車部会
3月31日
(木)、産業委員会 第3回次世代自動車
部会を開催、部会長の佐々木副会長はじめ37名
が参加した。
本部会では、地域の特性を分析し
「移動の効率
10
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