本県観光に係る経済効果等調査結果(概要)について

本県観光に係る経済効果等調査結果(概要)について
観
1
光
推
進 課
外国クルーズ船に係る経済効果等調査(概要)について
(1)調査概要
下記のクルーズ船の乗客を対象に、アンケートを実施し、そのデータを基に、本県
内での消費支出や経済波及効果、県内観光や受入体制の満足度を算出・推計した。
船名
スカイシ―・ゴールデン・エラ
クァンタム・オブ・ザ・シーズ
ボイジャー・オブ・ザ・シーズ
8月10日(月)
8月16日(日)
8月31日(月)
上海~神戸~細島~上海
上海~広島~油津~長崎~上海
台湾~熊本~長崎~油津~台湾
馬ヶ背、クルスの海、イオン、高千穂峡
飫肥、鵜戸神宮、青島、綾町、都井岬
飫肥、イオン、鵜戸神宮
1,479人
4,843人
3,445人
寄港日
運航ルート
県内の主な訪問地
乗客数
(2)調査結果
ア 県内での消費支出
乗客を対象としたアンケート調査のデータを集計したものから、クルーズ船ごと
の消費金額を推計した。
スカイシー、ボイジャーについては、クァンタムと比較し、下船客が少なかった
ものの、最終寄港地であったこと、バスツアーのコースに大型商業施設が含まれて
いたこと等から、乗客1人当たりの消費額が高くなった。
項目
県内での推計消費総額(A)
乗客1人当たりの推計消費額
※
スカイシー
クァンタム
ボイジャー(※)
3,392万円
5,823万円
7,962万円
2.3万円
1.2万円
2.3万円
合計
1億7,176万円
ボイジャーについては、有効回答数に満たなかったため参考値となる。
イ 県内経済波及効果
上記アで推計した消費総額に県内自給率を乗じた額(県内最終需要額)と、県
内の各産業で誘発された生産額を推計し、その合計値を算出した。
総合効果の大きい産業部門をみると、
「商業」が最も大きく、
「運輸業」、
「飲食
料品」を加えた3部門で、波及効果の60%以上を占めた。
項目
スカイシー
クァンタム
ボイジャー(※2)
合計
県内最終需要額((A )×自給率)
1,970万円
3,410万円
4,731万円
1億111万円
誘発された生産額(※1)
1,361万円
2,329万円
3,203万円
6,893万円
県内経済波及効果
3,332万円
5,739万円
7,934万円
1億7,004万円
※1
宮崎県産業連関分析ツールにて、第2次間接効果までの推計を行った。
※2 ボイジャーについては、有効回答数に満たなかったため参考値となる。
ウ 県内観光や受入体制の満足度
(ア)調査結果
設問
1 特に良かった訪問先
2 特に悪かった訪問先
3 希望商品
4 商業施設における免税対応
5 外国語対応
6 通信環境(Wi-Fi)設置状況
7 食事の満足度
選択項目
景勝地
大型商業施設
無回答
大型商業施設
商店街
観光施設
無回答
見つかった
見つからなかった
問題ない
時間がかかる
対応店が少ない
良かった
普通
悪かった
良い
普通
悪い
満足
不満足
3隻合計
14.8%
7.3%
70.8%
2.9%
2.5%
2.3%
88.3%
58.7%
22.4%
52.3%
12.8%
10.9%
50.3%
33.1%
5.5%
31.5%
29.8%
16.4%
85.5%
3.9%
スカイシー
9.8%
4.7%
82.0%
2.4%
1.5%
0.9%
93.4%
61.1%
18.0%
51.9%
20.9%
7.9%
43.6%
39.3%
6.6%
25.9%
30.6%
21.8%
85.5%
5.1%
クァンタム
ボイジャー
22.5%
5.8%
57.7%
1.6%
3.3%
2.2%
86.8%
45.6%
32.7%
43.7%
1.9%
17.0%
49.7%
32.1%
6.3%
32.1%
30.5%
12.6%
84.3%
4.7%
14.1%
14.8%
49.6%
5.5%
3.5%
5.5%
79.7%
72.3%
16.8%
65.6%
11.3%
8.6%
64.8%
21.5%
2.0%
42.2%
27.0%
10.5%
87.1%
0.4%
※ 各設問で回答の多かった項目を抜粋。なお、各船で最も高い割合には色付けをしている。
(イ)調査結果から見えてくるもの
「食事」など、非常に高い満足度をいただいたものもある一方、商業施設に
おける免税対応や外国語対応、通信環境(Wi-Fi)設置状況などの受入体制に
いくつか課題が見受けられた。
○
希望商品については、20%以上の方が「見つからなかった」と回答して
いる。具体的には、「化粧品」や「食料品」、「電化製品」などが見つからな
かったものとして挙げられており、買物客の希望に添った商品の品揃えの工
夫が必要である。
○
商業施設における免税対応について、半数以上が問題ないと回答している
ものの、スカイシーの回答の約20%が「手続きに時間がかかる」、クァン
タムでも17%が「対応店が少ない」となっており、まだまだ改善の余地が
ある。
○
外国語対応については、受入自治体の独自の対応もあり、「悪かった」の
回答割合は小さかったものの、「普通」の回答割合が30%以上あった。訪
日外国人の満足度を高めリピート率を上げるためには、通訳ボランティアな
どの活用や案内看板等の多言語表記などの整備を進める必要がある。
○
通信環境(Wi-Fi)設置状況については、
「悪い」の回答割合が15%を超
えており、Wi-Fi 環境のより一層の充実が必要である。
2
東九州自動車道(宮崎―大分間)開通に伴う観光動向調査(概要)について
(1)調査概要
下記のとおり、川南パーキングエリアと道の駅北川はゆまに立ち寄った観光客を
対象に、アンケートを実施し、そのデータを基に、本県観光の実情を分析し、県内
での消費支出等を算出・推計した。
調査場所
川南PA
道の駅北川はゆま
平成27年9月12日(土曜日)
9月22日(火曜日:祝日)
23日(水曜日:祝日)
10月4日(日曜日)
調査日
調査方法
聞き取りアンケート調査
アンケート有効回答数
505件
454件
(2)調査結果
ア アンケート対象者の構成等
居住地別に見ると、半数以上が県
近畿地方 関東地方
2%
2%
外であり、特に大分県からの観光客
その他
8%
愛媛県
2%
鹿児島県
6%
が多かった。
宮崎県
45%
福岡県
9%
大分県
26%
イ 高速道利用の目的(複数回答可)
全体
県内
県外
県外客では 60%以上の方が
観光
51.7%
35.9%
64.6%
観光目的で来県しており、その
知人親族訪問
15.7%
17.1%
14.6%
分、ビジネスや買い物の割合が
ビジネス
6.2%
8.5%
4.3%
買い物
5.6%
9.5%
2.4%
低い。
ウ 今回目的地とする観光地(複数回答可・観光目的のみ)
全体
県内
県外
高千穂峡、青島神社といった
高千穂峡
32.3%
16.7%
36.4%
青島神社
21.7%
3.7%
26.3%
観光地が高い人気となる一方、
鵜戸神宮
13.3%
3.7%
15.8%
県内の様々な観光地にも周遊
サンメッセ日南
9.9%
1.9%
12.0%
していることが分かった。
日南海岸
7.2%
-
9.1%
40.7%
68.5%
33.5%
その他
エ 今回の宮崎県内での滞在日数
全体
県内
県外
日帰り
48.1%
77.9%
35.5%
1泊
34.4%
15.2%
42.5%
2泊
10.5%
4.8%
12.9%
6.9%
2.1%
9.2%
3泊以上
県外客では「1泊」が最も多
かったものの、35.5%が「日帰
り」と回答している。
オ 観光旅行をする際に重視するポイント(複数回答・観光目的のみ)
全体
県内
県外
ほぼ半数が「食事」と回答し
食事
48.2%
40.9%
49.8%
ている。また、
「自然の豊かさ」
観光地の質・数
31.2%
28.8%
31.7%
については、比較的、県外の観
自然の豊かさ
23.5%
16.7%
25.1%
光客が重視している。
アクセスの良さ
16.4%
12.1%
17.4%
カ 観光旅行のきっかけとなるもの(情報源)(複数回答)
全体
県内
県外
インターネットの旅行サイト
40.2%
43.8%
38.9%
旅行雑誌の情報
26.9%
17.1%
30.4%
テレビの情報
21.1%
25.7%
19.5%
周囲の人の勧め・誘い
14.1%
16.2%
13.3%
旅行のきっかけについては、
「インターネットの旅行サイ
ト」が40%以上を占めている。
キ 東九州自動車道の開通が今回訪問のきっかけとなったか(観光目的のみ)
全体
県内
県外
65%以上が、東九州自動車
開通がきっかけ
41.7%
47.1%
40.2%
の延伸が「きっかけ(「きっか
開通もきっかけのひとつ
25.3%
18.8%
27.1%
けのひとつ」も含む)」となっ
開通は関係ない
33.0%
34.1%
32.7%
ている。
ク 1人あたりの平均消費金額
○平均消費総額
県内
消費総額
4,268円
県外
10,697円
○消費項目別平均消費総額
県内
平均消費金額については、消
費総額も含め、県外が高い傾向
にあり、「宿泊費」や「飲食費」
などは、その傾向が顕著に表れ
県外
宿泊費
4,697円
11,552円
土産品代
1,098円
2,202円
交通費
1,366円
3,107円
飲食費
1,285円
3,703円
ている。
※平均の消費額については、無効回
答を除く有効回答数で算出している
ため、消費項目の合計は消費総額と
ならない。
(3)調査結果から見えてくるもの
対象者の半数以上が県外であり、その65%以上が「宮崎-大分」間の開通が今
回の訪問のきっかけとなっていると回答するなど、近隣県在住者を中心に来県を確
実に促していると言える。今後、更なる誘客促進を図るためには、近隣県に加え、
北部九州や中・四国地方への観光PR等を強化する必要がある。
また、日帰り客も多いことから、滞在時間を伸ばし、消費金額の増額につなげる
ため、県内全域の周遊観光を促す仕組みづくりや、体験型観光等のオプションプラ
ンの新設・PR等の取組も重要となる。
3
サーフィンに関する経済効果等調査(概要)について
(1)調査概要
下記とおり、木崎浜(宮崎市)、お倉ヶ浜(日向市)を訪れたサーファーを対象
に、アンケートを実施し、そのデータを基に、県内のサーフ環境等を分析し、県内
での消費支出等を算出・推計した。
調査場所
調査日
木崎浜(宮崎市)
お倉ヶ浜(日向市)
8月9日-8月31日までの土日
及び平日(一部)
8月9日-8月31日までの
土日
356件
338件
アンケート有効回答数
(2)調査結果
ア アンケート対象者の居住地構成
県外サーファーについては、木崎浜が43.8%、お倉ヶ浜では78.9%を
占めており、特に福岡県のサーファーが多いことがうかがえた。
お倉ヶ浜 居住地別構成比
木崎浜 居住地別構成比
中部, 3.7%
関東, 4.8%
東北, 1.1%
北海道,
0.3%
北海道, 0.8%
海外, 0.3%
近畿, 0.3%
東北, 0.3%
四国, 1.2%
その他近畿,
5.0%
福岡県,
33.5%
中国, 18.1%
中国, 5.4%
宮崎県,
56.2%
その他九州,
7.4%
その他九州,
11.3%
大阪府, 6.8%
熊本県,
13.9%
福岡県, 8.5%
宮崎県,
21.1%
イ サーフィン歴
木崎浜では、サーフィン歴に関わらず、どの層もある程度の割合となっている
一方、お倉ヶ浜では5年以上-20年未満のベテランの層の割合が高くなっている。
木崎浜 サーフィン歴
お倉が浜 サーフィン歴
50.0%
35.0%
30.0%
25.0%
20.0%
15.0%
10.0%
5.0%
0.0%
40.0%
30.0%
20.0%
県内
10.0%
県内
県外
0.0%
県外
ウ 今回のサーフィンの日程
日帰り
1泊
2泊
3泊以上
全体
26.6%
17.3%
16.8%
39.3%
お倉ヶ浜では、県内、県
木崎浜
お倉ヶ浜
県内
県外
全体
県内
県外
外ともに「日帰り」が多い
92.5% 6.8% 67.8% 95.7% 60.4% ものの、木崎浜の県外では、
2.5% 21.8% 23.9% 2.9% 29.4% 「3泊以上」が半数近くと
- 21.8% 5.4% 1.4% 6.4%
なっている。
5.0% 49.6% 3.0%
- 3.8%
エ 宿泊場所(上記エで宿泊と回答した方のみ)
ホテル・旅館
友人・知人の家
車中泊
実家
全体
38.0%
29.5%
14.0%
7.0%
木崎浜
県内
-
60.0%
-
20.0%
県外
39.5%
28.2%
14.5%
6.5%
全体
10.1%
11.9%
56.9%
7.3%
お倉ヶ浜
県内
-
-
33.3%
66.7%
木崎浜では、「ホテル・
県外
旅館」が最も多いが、お倉
10.4%
ヶ浜では、「車中泊」の割
12.3%
57.5% 合が高い。
5.7%
オ 当サーフポイントを選ぶ理由(複数回答)
波の良さ
交通アクセス
シャワー等施設の有無
駐車場の整備度
全体
61.6%
37.3%
22.8%
18.8%
木崎浜
県内
65.1%
40.1%
16.1%
14.1%
県外
57.1%
33.8%
31.2%
24.7%
全体
84.6%
14.2%
10.4%
8.9%
お倉ヶ浜
県内
67.6%
23.9%
5.6%
7.0%
「波の良さ」が突出して
県外
おり、本県のサーフィン環
89.1%
境のポテンシャルの高さ
11.7%
11.7% が分かる。
9.4%
カ 宮崎県でサーフィンをする主な月(複数回答)
7~9月の夏場がピークと考えられる一方、「1年中」という割合も高かった。
60%
サーフィンをする主な月(木崎浜、お倉ヶ浜別)
50%
40%
木崎浜
30%
お倉ヶ浜
20%
10%
0%
一年中
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
不特定
キ 県内での年間推計消費支出
サーファーを対象としたアンケート調査のデータを集計したものと、関係機関
等からのデータを基に、サーフポイントごとの年間消費支出総額を推計した。
木崎浜は、お倉ヶ浜と比較してサーファーの宿泊数が多いこともあり、高い消
費額となっている。
木崎浜
県内
1人あたりの推計消費額
県内での年間推計消費総額(※)
2,647円
お倉ヶ浜
県外
60,383円
6,644万円 12億6,758万円
県内
2,227円
県外
17,827円
1,659万円 4億9,672万円
※今回の調査結果及び県内のサーフショップからのアンケート調査を基に、参考値として推計したもの。
(3)調査結果から見えてくるもの
本県のサーフィン環境に関しては、夏はもちろん、通年で楽しめるものであり、
特に県外客においては長期滞在及び大きな消費につながる観光資源である。
ポイント毎に客層の違いも見られることから、ターゲットを絞って、サーフィン
環境をPRし誘客を図るとともに、「青島ビーチパーク」のような飲食店舗の開設
や長期滞在プランの提案など、県内での消費額を高める取組を行っていくことが重
要と思われる。