液状化地盤におけるシートパイル補強工法の 耐震設計法の提案

液状化地盤におけるシートパイル補強工法の
耐震設計法の提案
うとともに,得られた結果から設計手法の提案を行いまし
戸田和秀 佐名川太亮 西岡英俊 樋口俊一 松浦光佑 妙中真治 乙志和孝
であり,補強によって杭頭せん断破壊ならびに地盤の支持
地震時に液状化が発生すると地盤は急激に強度ならびに剛
力破壊を抑制できることが分かります。また,コスト比較
性を失うため,構造物には大きな被害が発生します。既設構
を行い,既往の工法と比較し 20%程度のコスト低減が可
造物の液状化対策工法として提案されている増し杭工法や地
能であることを確認しました。
た。図 2 は実構造物の試計算から得られた荷重−変位関係
盤改良工法は基礎寸法の大幅な拡幅を必
構造物に対しては適用が困難でした。
0.7
シートパイル
(本設利用)
既設フーチング
先端加工鋼矢板
本研究では,狭隘地の構造物に対し
ても適用可能で,施工性・経済性に優
れる液状化対策工法の開発を目的とし,
し,効果や補強メカニズムの確認を行
0.5
上部工降伏
0.4
最大応答値
杭頭せん断破壊
支持降伏
0.3
0.2
− シートパイル補強工法(Teq= 0.630(sec)
)
− 無対策
(Teq= 1.115(sec)
)
0.1
0
シートパイル補強工法(図 1)を対象に
模型振動実験ならびに数値解析を実施
最大応答値
0.6
水平震度 Kh
要とするため,特に狭隘区間に位置する
既設杭
図 1 シートパイル補強工法
0
100
200
300
400
500
600
天端変位量(mm)
図 2 シートパイル補強工法の補強効果