職場で始める! 感染症対応力向上プロジェクト - 記 者 会 見 - 平成28年4月26日(火)午後5時~ 東京都医師会(住友商事竹橋ビル13階) 公益社団法人 東京都医師会 理事 鳥 居 明 1 職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト 感染症対応力向上プロジェクトとは① こんなことありませんか? • ノロウイルスが流行しているが、正しい予防 方法がわからない • 海外出張先での感染症の流行が心配だ • インフルエンザで係員が3名欠勤して仕事が 回らない • 前回の風しん流行時に適切な対応ができず、 職場で流行があった 2 職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト 感染症対応力向上プロジェクトとは② <本プロジェクトの取組> • インフルエンザやノロウイルス、海外で流行している 感染症の基礎知識を学ぶことができます (コースⅠ) • 職場で感染症発生に備えた対策が実施できます (コースⅡ) • 風しんの予防対策を推進し、社員と未来の赤ちゃんを 守ることができます(コースⅢ) 3 職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト 特徴①企業団体、医師会、行政が後押し 東京商工会議所、東京都医師会、東京都の三者が連携して 推進する体制を構築し、それぞれの強みを生かしながら、 参加企業をアシストします。 4 職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト 特徴②企業にとり、やるべきことが明確な「コース」設定 必要な知識の習得や風しん予防対策など、実践すべき 取組を3コース設定。企業は実情に応じたコースを選択 して、すぐに取り組むことができます。 コースⅠ 感染症理解のための従業者研修 コースⅡ 感染症BCP(業務継続計画)の作成 コースⅢ 風しん予防対策の推進 5 職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト 特徴③ツール提供などにより参加企業をサポート 各コースとも、支援ツールの提供などに より、企業の取組をサポートします。 参加した企業を、東京都のホームページで 公表し、取組をPRします。 6 職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト コースⅠの概要 コースⅠ 感染症理解のための従業者研修 目的 従業員一人一人が感染予防に必要な知識を習得 する。 事業所で 実施すること 従業員一人一人が感染症の予防やまん延防止が できるよう、自習教材を活用して基礎知識を習得す る。 提供する 教材等 ・感染症基礎知識ドリル(自習教材) ・報告用紙 達成基準 従業員の8割以上が教材受講 7 職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト コースⅡの概要 コースⅡ 感染症BCP(業務継続計画)の作成 目的 職場で感染症患者が発生しても業務が円滑に継続 できるようにする。 事業所で 実施すること 提供されるひな形を活用して、事業所単位のBCP を作成する。 提供する 教材等 ・BCPひな形 ・報告用紙 達成基準 事業所単位でのBCP作成 8 職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト コースⅢの概要 コースⅢ 風しん予防対策の推進 目的 職場で風しん流行を防止する。 事業所で 実施すること 従業員の風しん抗体(免疫)保有を確認し、抗体を 保有しない従業員には予防接種等を促すことで、 風しん抗体保有率を上げる。 提供する 教材等 ・コースⅢ実施ガイダンス ・予防接種等協力医療機関の紹介 ・報告用紙 達成基準 風しん抗体保有者が従業員の9割以上 9 職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト 都のホームページに企業名を掲載 「世界一の都市」の実現を目指す都の長期ビジョン の下、本プロジェクトを推進! 本プロジェクトに参画する企業を都ホームページに 公表し、取組をPR ○ 参加申込をした企業・・・「協力企業」 ○ コースの基準を達成した企業・・・「達成企業」 (ご希望により公表しないことも可能) ※ 「協力企業」の掲載期間は3か月間 10 職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト 「達成企業」ホームページ公表イメージ 11 コースⅠ 感染症理解のための 従業者研修 12 コースⅠ 感染症理解のための従業者研修 従業員一人一人が感染症対応力を上げるために 基礎知識の習得が重要! ① 感染症を知る ② 予防対策を知る ③ 罹患時の適切な対応を知る 感染症によって対策が異なる場合もあるため、 正しい知識の習得が不可欠! 13 コースⅠ 感染症理解のための従業者研修 「感染症理解のための従業者研修」とは① ● 毎年流行を繰り返す 「インフルエンザ」、「ノロウイルス」 ● 未来の赤ちゃんを守るために対策が必要な 「風しん」 ● 海外から日本に入ってくる可能性が危惧される 「デング熱」、「ジカウイルス感染症」など 問題を解いて、解説を読むことで、 それぞれの症状、予防方法、罹患時の対処方法などを 体系的に理解できるよう工夫 14 コースⅠ 感染症理解のための従業者研修 「感染症理解のための従業者研修」とは② 区分 必須 選択 設問数 感染症の基礎知識 5 風しん 5 インフルエンザ 5 ノロウイルス 5 結核 5 鳥インフルエンザ 新型インフルエンザ 5 デング熱・ジカウイルス感 染症(蚊媒介感染症) 5 海外渡航関連 5 性感染症 5 エボラ出血熱・MERS 5 計 50 必須項目(20問)を 従業員の8割が受講 コースⅠの目標達成! 15 コースⅠ 感染症理解のための従業者研修 「感染症理解のための従業者研修」とは③ 区分 必須 選択 設問数 感染症の基礎知識 5 必須項目以外は選択項目 風しん 5 インフルエンザ 5 ⇒ 職場の特性や、従業員の 関心に応じて受講 ノロウイルス 5 結核 5 鳥インフルエンザ 新型インフルエンザ 5 デング熱・ジカウイルス感 染症(蚊媒介感染症) 5 海外渡航関連 5 性感染症 5 エボラ出血熱・MERS 5 計 50 選択項目も感染症 理解の上で重要 できるだけ選択問題も解いて、 従業員一人一人の感染症対応 力向上を目指してください! 16 コースⅡ 感染症BCP (業務継続計画)の作成 17 コースⅡ 感染症BCP(業務継続計画)の作成 「感染症BCP(業務継続計画)」とは① ● 毎年流行を繰り返す インフルエンザやノロウイルスなど ● 適切な対応を怠ると・・・ 職場内で感染が拡大 企業活動に支障が出る可能性 18 コースⅡ 感染症BCP(業務継続計画)の作成 「感染症BCP(業務継続計画)」とは② インフルエンザやノロウイルスなど、職場で起こりう る身近な感染症に対して、組織として対応! 職場における ・ 平時からの感染症予防の取組方法 ・ 発生時の感染拡大防止策等 ⇒ 明確化が必要 感染症BCP(業務継続計画)の策定 19 コースⅡ 感染症BCP(業務継続計画)の作成 感染症BCP(業務継続計画)を策定することで 職場内での感染症発生・まん延の リスクを軽減 職場内で発生しても、感染拡大抑 制策により、業務への影響を低減 20 コースⅡ 感染症BCP(業務継続計画)の作成 感染症BCP(業務継続計画)の作成方法 ① 身近な感染症をターゲットとした業務継続計画の 「ひな形」を提供 ② 「ひな形」の項目、記載例等を参考に、事業所に適した 業務継続計画を作成 主 な 項 目 基本方針等の策定 普段の取組(予防対策、流行時の備え) 職場内で従業員が罹患したときの対応 事業所単位で、感染症BCP(業務継続計画)を策定することで、 組織としての感染症対応力向上を目指しましょう! 21 コースⅢ 事業所単位での 風しん予防対策の推進 22 コースⅢ 風しん予防対策の推進 平成24年から25年にかけての風しんの流行① ○ 大規模な流行 (都内) 平成22年 平成23年 平成24年 15件 35件 672件 平成25年 平成26年 3,445件 99件 ○ 患者の大多数が働く世代 平成24年及び平成25年の風しん患者発生数は 4,117人、そのうち、20歳以上60歳以下が 3,661人(89%) *東京都感染症発生動向調査 23 コースⅢ 風しん予防対策の推進 平成24年から25年にかけての風しんの流行② ○ 平成24年から25年の大規模な流行により、 都内だけでも16人の新生児が先天性風しん症候群と診断 <先天性風しん症候群とは> 妊婦、特に、妊娠初期の女性が風しんにかかると、胎児が風し んウイルスに感染し、難聴、心疾患、白内障などの障害をもった赤 ちゃんがうまれる可能性がある。これらの障害を「先天性風しん症候 群」という。 ○ 今後、再度風しんが流行することも十分考えられる 職場における風しん予防対策が重要! 24 コースⅢ 風しん予防対策の推進 事業所単位で風しん抗体保有者9割以上が目標! 集団免疫の必要性について 「集団免疫」とは、集団の構成員の一定数が 免疫を獲得すると、集団の中に感染患者が出 ても流行が阻止され、感染症のまん延を防ぐ ことができるというものです。 風しんの場合、抗体保有率(=集団免疫率)が 9割程度であれば、集団内での感染拡大を抑止 できると言われています。 25 コースⅢ 風しん予防対策の推進 コースⅢの取組方法 <全体の流れ> ① 従業員の風しん抗体保有状況を確認 ② 免疫を持っているか不明な従業員には、 抗体検査・予防接種を受けることを促す ③ 風しん抗体保有者が従業員の9割以上 (集団免疫獲得)を目指す! 26 コースⅢ 風しん予防対策の推進 ①従業員の風しん抗体保有状況を確認 <抗体(免疫)を持っていると考えられる人> A 風しんの予防接種を受けている (MRワクチン又は風しん単抗原ワクチン) B 風しんにかかったことがある C 抗体検査や妊婦健診等で、 免疫を持っていることがわかっている 27 コースⅢ 風しん予防対策の推進 ②免疫を持っているか不明な従業員には、 抗体検査・予防接種を受けることを促す 免疫を持っているか不明な従業員は、 (前頁A、B、Cに該当しない方) 抗体検査を受け、風しんの免疫を確認する。 ※ 抗体検査を受けず、予防接種を受けることも可能 抗体検査の結果、免疫が十分でなかった 場合は、必ず予防接種を受けましょう。 28 コースⅢ 風しん予防対策の推進 ③風しん抗体保有者が従業員の9割以上を目指す! 抗体保有者が従業員の9割以上 ⇒ 集団免疫獲得 ⇒ 目標達成! <抗体保有者> A 風しんの予防接種を受けている B 風しんにかかったことがある C 免疫を持っていることがわかっている D 今回抗体検査を受けた結果、免疫が十分にある E 今回抗体検査を受けた結果、免疫が十分 でなかったが、予防接種を受けた ※ 抗体検査を受けずに予防接種を受けた 場合を含む 29 コースⅢ 風しん予防対策の推進 風しん抗体検査・予防接種の方法について ① 個別の抗体検査・予防接種(個別接種) 従業員が個別に医療機関に行って検査・接種を受けること。 予約が必要な場合が多いので、必ず事前に医療機関に 連絡してください。 ② 職場内などでの集団での抗体検査・予防接種(集団接種) 医療機関の医師スタッフが、職場や公民館等の医療機関 以外の場所で複数の従業員に同時に検査・接種を行うこと。 ※ 医療機関によって集団接種を行わない場合があります。 また、対応可能な場合でも、保健所へ届出が必要となる ため、必ず事前に医療機関に連絡を取り、必要な調整を 行いましょう。 30 コースⅢ 風しん予防対策の推進 風しん抗体検査・予防接種を行う医療機関について ① 本プロジェクトの協力医療機関を活用 東京商工会議所事務局に協力医療機関の紹介を依頼 ⇒ 職場から近い医療機関など、希望を踏まえて医療機関を紹介 ② 区市町村が実施している抗体検査・予防接種の助成制度を活用 従業員のお住まいの区市町村が実施している 抗体検査・予防接種の助成制度を活用 ※ 多くの自治体で、19歳以上の妊娠を予定又は希望する 女性を対象に、抗体検査を無料で実施しています。 また、予防接種の費用についても助成を実施している 場合があります。助成の有無、助成対象等は自治体により 異なりますので、お住まいの区市町村にお問合せください。 31 コースⅢ 風しん予防対策の推進 【参考】 職場において従業員の予防接種等の 費用助成を実施する場合 会計上の扱い 従業員の風しん抗体検査、予防接種に係る費用は、 会計上、一般的に「福利厚生費」に該当します。 ※詳細は管轄の税務署等にお問い合わせください。 支払方法の例 (例1) 従業員が個別に医療機関で検査・接種を受けた場合は、 領収書を提出してもらい、金額等を確認して、全額又は 一定額を従業員に支払う。 (例2) 職場等での集団接種の場合は、会社が医療機関に一括 で支払う。(一定額の助成の場合は、差額費用等を従業 32 員から別途徴収する。) 職場で始める! 感染症対応力向上プログラム 33
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