Publication Date: 25 April 2016 ID Number: INF-16-70 (G00307898) ファナック、Cisco、Rockwell、PFN:工場における「エッ ジ・フォグ・コンピューティング」を加速 T. Mataga, T. Ikeda ファクトリ・オートメーション分野の主要プレーヤー3社が、日本のAIベンチャーであるPFNと共に FIELD systemを構築するためのチームを結成した。FIELD systemは、エッジならびにフォグ・コン ピューティングのコンセプトに基づき、CNC、ロボット、デバイスとセンサを接続し、自動学習する システムである。 © 2016 Gartner, Inc. and/or its affiliates. All rights reserved. GartnerはGartner Inc. またはその関連会社の登録商標です。本刊行物は、いか なる形式においてもガートナーの事前の書面による承諾なしに複製、配布することはできません。ユーザーが本刊行物にアクセスする権 限がある場合、ユーザーによる本刊行物の利用はgartner.comに掲載されるガートナー・サービスご利用のガイドラインに従うものとし ます。本刊行物に含まれる情報は信頼に足ると考えられる出所から取得しています。ガートナーは、情報の正確性、完全性、適切性に関 する一切の保証をせず、また、情報の誤り、欠落、不適切性に関して責任を負いません。本刊行物はガートナーのリサーチ組織の意見か ら構成されており、事実の報告と解釈されるべきものではありません。ここに述べられた意見は通知なしに変更されることがあります。 ガートナー・リサーチは法律問題に関する議論を含むことがありますが、ガートナーは法務アドバイスあるいは法務サービスを提供する ものではなく、リサーチは法務アドバイスあるいは法務サービスと解釈され、使用されるべきものではありません。ガートナーは株式公 開企業であり、株主にはガートナー・リサーチの対象になる法人に対し経済的利害関係を有する企業、ファンドが含まれることがありま す。ガートナーの取締役会にはこのような企業、ファンドのシニア・マネージャーが含まれることがあります。ガートナー・リサーチは、 このような企業、ファンド、それらのマネージャーによるインプットもしくは影響を受けることなく、ガートナーのリサーチ組織によっ て独立して作成されています。ガートナー・リサーチの独立性、完全性に関するさらなる情報につきましては、ガートナーのWebサイト の「Guiding Principles on Independence and Objectivity」をご参照ください。 ご契約内容によっては、本文中で紹介させていただいたリサーチをご覧いただけない場合がございます。お問い合わせは、弊社担当営業 もしくは営業本部 ([email protected]) までお願いいたします。 ニュース・アナリシス 概要 2016年4月18日、ファナックは、Cisco、Rockwell Automationおよびスタートアップ企業であるPreferred Networks (PFN) と共同で、エッジ・フォグ・コンピューティングを工場の環境にもたらす 新しい Fanuc Intelligent Edge Link and Drive (FIELD) systemを発表した。 分析 この新たなFIELD systemは、工場にデジタル・ビジネスをもたらすファナックの最新の動きであり、 新しいパートナー・エコシステムを構築することで、工場のコンピュータ数値制御 (CNC)、ロボッ ト、センサを接続しデータを分析する、統合された製造ソリューションをエンドユーザーにもたら す。 この発表は概念にとどまるものではなく、ファナックが過去に行った以下のような関連する概念実証 (POC) の活動に基づく進化である。 本発表以前、Fanuc AmericaとCiscoは主要な自動車会社と共に、18カ月のゼロ・ダウンタイ ム・トレイル (試行的実践) を行った。Cisco IoT Cloudも併せて利用することで (1分当たり2万 ドルと試算される) 計画外のダウンタイムを削減し、オペレーションの効率を改善した。 ファナックとRockwellはこれまで、ファナックのCNCやロボットとRockwellのセル・コント ローラを統合したプレエンジニア式の統合自動化ソリューションを提供している。 FIELD systemは、エッジとフォグ・コンピューティングのコンセプト ( http://www.cisco.com/c/en/us/ solutions/internet-of-things/iot-fog-computing.html ) に基づくという点と、東京をベースとするスタート アップ企業であるPFNの深層学習のテクノロジを加えたものであるという点において、ユニークなも のである。 FIELD systemは、大量のデバイスを (外部クラウドに直接つなぐのではなく) オンプレミスの近場に置 くことを可能にするだけではなく、PFNによる分散協調型の深層学習を重要なアプリケーションの1つ としている。 この深層学習テクノロジでは、単体のマシンではなく、接続された複数のマシンの協調を通じて学習する ことができる。このテクノロジ・イノベーションをFanuc Robotに適用することで、自動学習するロボッ トの実際の使用が加速される。例えば、2015年12月に発表された、自動学習するバラ積みピッキング・ロ ボットは、8時間で人間のレベルの能力を獲得した ( https://www.youtube.com/watch?v=ydh_AdWZflA )。 FIELD systemは接続されたマシンの協調により、この学習時間を短くすることができる。 FIELD systemは、Cisco Unified Computing System (UCS) をベースとし、シミュレーションのような 汎用アプリケーションはもとより、PFNが提供する深層学習アプリケーションをWindowsやLinux OS 上で稼働させる。 ファナックはロボット、CNC、センサやネットワークによる統合されたファクトリ・オートメーショ ンの機会をさらに拡大するために、新しいパートナー・エコシステムを構築しようとしている。この 動きは、新しいパートナーによるアプリケーション開発を加速するであろう。 今回の協業は、製造業だけではなくすべての産業がデジタル・ビジネスを進めるに当たって参考にで きる良い事例となる。ファナックは、深層学習を重要なテクノロジとして選択し、可能性に対して投 資することを決定した。また、ファナックは世界においてインダストリアル・インターネットのリー ダーを狙うCiscoやRockwellと協業することを決断した。このアプローチは、将来の可能性と現在の自 負に対して投資する良いアプローチであるといえる。 Publication Date: April 25, 2016/ID Number: INF-16-70 (G00307898) © 2016 Gartner, Inc. and/or its Affiliates. All Rights Reserved. Page 2 of 3 推奨事項 製造業におけるCEO、CIO、ITリーダーへの推奨事項: 組織において、モノのインターネット (IoT)、ロボット、人工知能 (AI) などの利用機会を探る ための時間とリソースに投資する。デジタル・ビジネスはリアルなものになっていると理解 する。 本発表を、自社 (サプライヤーを含む) における製造業のオペレーションの自動化を広く次世 代に向けて変革できる可能性があるものとして捉え、新たな調査分析を開始するきっかけと して利用する。 利用可能な新しいテクノロジに投資する。「最先端の思考」を奨励するためにも試行を開始 し、自組織における新しいスキルを開発する。 評価に値するシステムを開発できる能力を持つベンダーと共に、インパクトのある新しいテ クノロジに関するPOCを開始する。 推奨リサーチ 「2016年の展望:スマート・マシン」(ITM-16-06、2016年2月19日付) 「スマート・マシン時代の幕開け」(INF-16-23、2016年2月10日付) 「Predicts 2016: Rising to the Challenge of Building IoT Solutions」 Publication Date: April 25, 2016/ID Number: INF-16-70 (G00307898) © 2016 Gartner, Inc. and/or its Affiliates. All Rights Reserved. Page 3 of 3
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