投資環境マンスリー|2016年5月号

M
情報提供資料
投資環境マンスリー 2016年5月号
投資環境マンスリー
2016年5月号
経 済 調 査 部
M
Ⅰ. 主要国の投資環境見通し
①米国
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
株高・金利上昇と金融市場の動きに変化
p.1-12
・・・
②ユーロ圏
ヘリコプターマネー論 – 金融政策に限界なしとの意識を植え付けるためには必要
・・・
③日本
熊本・大分地震の影響を受け、経済対策や来年4月の消費増税延期議論に焦点
・・・
④オーストラリア 通貨の底打ちが鮮明、今後も通貨高は続くのか
・・・
⑤中国
政策効果で景気は回復の兆し、一方で構造問題の解消は一段と困難さを増す可能性も ・・・
⑥為替
1米ドル=107円台で一旦歯止めがかかったドル円相場、円高リスクは去ったのか?
・・・
Ⅱ. 国際金融市場の動向
Contents
①株式
・・・ 13
②金利
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・ 14
③為替
1-2
3-4
5-6
7-8
9-10
11-12
p.13-15
・・・ 15
Ⅲ. 金融・商品市場のパフォーマンス
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
p.16
Ⅳ. 2016年5月の主要な政治・経済日程
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
p.17
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
0
M
投資環境マンスリー 2016年5月号
Ⅰ. 主要国の投資環境見通し ①米国: 株高・金利上昇と金融市場の動きに変化
【図1】 原油高等で株高、米利上げが意識されドル安一服

M米国株が堅調、利上げが意識されドル安一服
4月の金融市場は、S&P500株価が年初来高値を更新、2月中旬以降の上昇傾
向が続きました(図1左)。また米FF金利先物は、年内0.20%の上昇を織り込
み、3月FOMC(連邦公開市場委員会)の予想0.50%に及ばないものの、緩や
かに拡大しています(図1右)。為替相場は、金利上昇などを背景に米ドル安
が一服しています。市場の流れが変わった背景は、米国の底堅い景気や企業
業績、原油価格の上昇、中国景気の持ち直しなどが考えられます。
企業部門では、3月ISM景気指数が製造業と非製造業、ともに節目の50を上
回り景況感が改善しました(図2左)。また4月26日までの1-3月期企業決算は、
消費やヘルスケア関連が業績好調なうえ、全体的に一株当たり利益(EPS)
が市場予想を上回る良好な結果でした(図2右)。今後は雇用環境の更なる改
善が予想され、個人消費や住宅投資を支えるとみています(図3、図4)。
米国 株価と原油価格
80
(1941-1943年
平均=10)
(米ドル/1バレル)
S&P500株価指数
(右軸)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
0.8
(円/ドル)
(%)
125
円安米ドル高
↑
↓
0.6
120
円高米ドル安
ドル円
(右軸)
60
1,800
2016年
2月11日
1,829.08
115
0.4
1,600
110
40
WTI原油先物
(左軸)
1,400
2016年
2月11日
26.21
20
 焦点は企業デフォルト、物価動向、海外の財政政策、大統領選
大統領選挙の各党指名者争いは、7月の党大会までに過半数の代議員から支
持を得られるかが焦点です(図6)。民主党はクリントン氏が選出される可能
性が高いものの、共和党のトランプ氏は不透明です。仮に過半数の支持を得
られなかった場合には決選投票が実施されます。トランプ氏が代表に選出さ
れた場合には、市場が不安定化する可能性があり注目材料です。(石井)
2,200
2,000
0.2
105
FF金利先物
2016年利上げ幅
(左軸)
1,200
2016年
4月25日
0.20%
100
0.0
(年/月)
2016/01 2016/02 2016/03 2016/04 2016/05
注)左図のWTI原油先物は期近物、右図のFF金利先物は2016年12月限。直近値は左右全て2016年4月25日。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
2015
当面、良好な市場環境が予想されますが、リスク要因は、国内では、エネ
ルギー関連企業などの社債や貸出のデフォルト増加や物価上振れによる利上
げ加速が考えられます。しかし今のところ、デフォルトや不良債権の増加は
低位に留まっています(図5)。また、賃金上昇率は緩やかで、物価上昇率は
前年比+1.7%とFOMCの目標2%を下回り、急速な利上げが必要ない状況です。
一方、海外では、財政政策に支えられた中国景気の回復持続性や他国での財
政政策の発動に注目です。4月のG20財務相・中銀会合では「金融政策だけで
は経済成長には繋がらず財政政策が必要」との認識が確認され、日本や欧州
の対応が注目されます。その他、原油市場では世界の供給過剰が続く中、産
油国による生産調整が実施され、価格の安定が続くのかも今後の焦点です。
米国 ドル円と市場の予想利上げ幅
2016
(年)
【図2】 製造業も景況感改善、企業決算はEPSが予想比上振れ
米国 2016年1-3月期企業業績
米国 ISM景気指数
70
企業活動
拡大
65
60
(S&P500、2016年4月11日~4月26日発表分)
(会社数)
2016年
3月
非製造業 54.4
55
収益
(前年比)
製造業
51.8
40
企業活動
縮小
35
30
2001
2004
2007
2010
2013
(年)
2016
注)右表のEPSは一株当り利益、
市場予想はBloombergの集計。
出所)ISM、Bloombergより当社経済調査部作成
EPS
(市場予想比)
増
減
増
減
上
下
S&P500
117
66
51
55
62
91
26
消費財・サービス
17
13
4
12
5
13
4
50
45
純利益
(前年差)
ヘルスケア
10
8
2
7
3
10
0
電気通信サービス
1
1
0
1
0
1
0
資本財・サービス
24
11
13
13
11
20
4
金融
34
23
11
12
22
20
14
情報技術
16
7
9
7
9
12
4
生活必需品
4
0
4
1
3
3
1
素材
7
3
4
2
5
5
2
エネルギー
4
0
4
0
4
4
0
1
M
投資環境マンスリー 2016年5月号
【図4】 小売は高水準横ばい、住宅販売は高水準で在庫不足
【図3】 雇用・所得環境は改善、賃金や物価に上昇の兆し
米国 雇用と失業率
M
100
80
60
(%)
非農業部門
雇用者数
(前月差、左軸)
米国 小売売上高
米国 賃金と物価
(万人)
2016年3月
+21.5万人
40
12
4
(%)
5,000
3
平均時給
(前年比)
8
20
0
2016年
3月
+2.3%
10
4,500
5.0%
-60
-80
2000
2005
2010
2
コア個人消費支出デフレーター
(前年比)
2016年
2月
+1.7%
400
3,000
200
2004
2008
(年)
2012
2004
2016
6
0
4
バンク・オブ・アメリカ
民主党
500
一般:
620人
1000
1500
獲得済:
847人
390人
2000
特別:55人
指名獲得必要数:1237人
(過半数)
【サンダース】
獲得済:
149人
0
(年)
注)
一般代議員: 予備選挙・党員集会で決まった候補に
党大会で投票する。
特別代議員: 予備選挙・党員集会の結果に捉われず、
党大会で自由に投票可能。
2005
2007
2009
2011
2013
2015
日程
2008
2010
2012
2014
(年)
2016
注)右図の直近値は2016年1-3月期。
出所)JPモルガン証券、Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
4/26
4/26
4/26
4/26
4/26
5/3
5/10
5/10
500
地域
コネチカット州
デラウェア州
メリーランド州
ペンシルベニア州
ロ-ドアイランド州
インディアナ州
ウェストバージニア州
ネブラスカ州
1000
代議 配分
員数
28
16
38
71
19
57
34
36
方式
比例
総取
総取
総取
比例
総取
自由
総取
代議
員数
5/17 オレゴン州
28
5/24 ワシントン州
44
6/7 カリフォルニア州
172
6/7 モンタナ州
27
6/7 ニュージャージー州
51
6/7 ニューメキシコ州
24
6/7 サウスダコタ州
29
7/18~21 共和党 全国大会
1500
日程
2000
地域
配分
方式
比例
比例
総取
総取
総取
比例
総取
獲得予想
706人
指名獲得必要数:2383人
(過半数)
【未表明、他候補等】
注)予想は世論調査(全米支持率)を参考に
当社経済調査部が比例配分
3
❏ 今後のスケジュール
1000
日程
❏ 今後のスケジュール
0
獲得済:
1246人
0
0
獲得予想
784人
獲得済:
1929人
1
【ケーシック】
2
特別(未表明分)90人
4000
特別(事前表明分)181人
特別:443人 3000
2000
1000
【クリントン】
2
【他候補等】
JPモルガン・チェース
0
特別:54人
一般:
1400人
一般:
2651人
1
獲得済:
559人
3
未開票
《全19州》
開票済
【クルーズ】
ウェルズ・ファーゴ
1
2016年3月
3.22%
0
〔4月25日時点〕
【全体】
4
2
2
0
(年)
2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016
未開票
《全15州》
【トランプ】
2
2016年
4月25日
2.78%
0
2016
一般:
1743人
1
3
(年)
2013
開票済
(%)
4
2010
共和党〔4月25日時点〕
1
6
2007
【全体】
シティグループ
米社債対国債利回り
(BB格、3年債)
4
200
【図6】 トランプ氏が過半数の代議員の支持を得て代表となるか
5
10
非投資適格社債
デフォルト率
6
注)左図の自動車は3月に悪化もイースター休暇で客足が鈍ったことが一因の模様。左右図の直近値は2016年3月。
出所)米商務省、全米不動産業協会より当社経済調査部作成
米国 銀行の不良債権比率
(=不良債権/貸出残高)
米国 社債利回りとデフォルト率
(%)
12
8
中古住宅販売件数(左軸)
2,500
0
0
2015
14
10
600
3,500
【図5】 デフォルト率上昇と不良債権増加も小幅に留まる
8
600
小売売上高(左軸)
出所)米労働省、米商務省、NBERより当社経済調査部作成
12
多い
↑
在庫
↓
少ない
4
1
(年)
1995
(ヵ月)
中古住宅在庫販売比率
(右軸、=在庫÷販売)
400
景気後退
-100
1990
800
4,000
-20
失業率
(右軸)
うち自動車
(右軸)
(万戸)
1,000 800
2
6
-40
米国 中古住宅販売と在庫
(億ドル)
(億ドル)
4/26
4/26
4/26
4/26
4/26
5/3
5/7
5/10
5/17
5/17
地域
コネチカット州
デラウェア州
メリーランド州
ペンシルベニア州
ロ-ドアイランド州
インディアナ州
グアム
ウェストバージニア州
オレゴン州
ケンタッキー州
2000
代議
員数
56
26
101
192
24
85
10
33
67
58
※除く事前表明済み特別代議員
3000
4000
配分
代議
日程
地域
方式
員数
比例 6/4 バージン諸島
10
比例 6/5 プエルトリコ自治領
64
比例 6/7 カリフォルニア州
500
比例 6/7 モンタナ州
27
比例 6/7 ニュージャージー州
131
比例 6/7 ノースダコタ州
21
比例 6/7 ニューメキシコ州
38
比例 6/7 サウスダコタ州
24
比例 6/14 コロンビア特別区
23
比例
7/25~28 民主党 全国大会
配分
方式
比例
比例
比例
比例
比例
比例
比例
比例
比例
出所)The Green Papers、各種報道資料より当社経済調査部作成
2
M
投資環境マンスリー 2016年5月号
②ユーロ圏 : ヘリコプターマネー論 - 金融政策に限界なしとの意識を植え付けるためには必要
M
 ECB(欧州中銀)は大胆な金融緩和策を打ち出すが
【図1】 金融政策の限界?
3月10日、大方の予想を上回る規模で追加金融緩和策を講じたECB(欧州中央
銀行)、今年6月からはTLTROⅡ(貸出条件付長期資金供給)や社債買入を開始
しますが、目下のところECBの目標である物価上昇率(消費者物価上昇率は前年
比2%を下回り、かつこれに近い水準)を達成するには至りません(図1左)。
ユーロ圏・日本 消費者物価上昇率
5
(%)
(%)
(%)
(右軸)
マネーサプライ(M3)
60
3
16
12
45.3
ユーロ圏
40
2
1
8
20
4
5.1
+0.3
0
0
▲0.0
-1
しかし中央銀行は物価を直接操作できません。物価には人々の物価見通し(期
待インフレ)が色濃く反映されるためです。中央銀行は世の中に出回るお金の量
(ベースマネー)を増やし人々の予想する将来のインフレ率、期待インフレ率を
刺激し物価目標到達を目指しますが、最近ではこの中央銀行のベースマネー操作
による物価目標達成は難しい?との声も多く聞かれるようになっています。
(左軸)
ベースマネー
0
日本
-20
-2
-4
マネーサプライ伸び失速
-3
-40
2004
2007
2010
2013
2016
-8
2004
(年)
2007
2010
2013
2016
(年)
注)上両図の直近値は2016年3月。左図2%の線はユーロ圏、日本の概ねの物価目標値。
出所)Thomson Reuters Datastream、ECBより当社経済調査部作成
【図2】 実質金利が下がっても投資に繋がらない
その理由は、お金の量を増やしても総需要が増えないためです。金融政策はお
金の量を増やすことはできるものの、そのお金が消費や投資に使われなければマ
ネーサプライは増えず物価も上昇しません(図1右)。借入れで購入する投資用 実質金利
不動産が将来高くなるとの期待(期待インフレ率)がなければ投資は控えられま 上昇
す。つまり「借入れコスト(名目金利)- 期待インフレ率」で示される実質金利
が十分低いことが必要です。ユーロ圏や日本では、量的金融緩和やマイナス金利
により実質金利を引き下げたものの、消費や投資を十分刺激できていません(図
2)。一部ではこれを金融政策の限界と捉え、財政政策への期待を高めています。
しかし財政政策にも余裕はありません。ユーロ圏では加盟各国の財政赤字幅や
債務水準は制約されます。欧州債務問題の教訓から、拡張的な財政政策には腰が
引けているというのが実態です。民間も実質金利が依然高く消費や投資に慎重、
政府も支出拡大には慎重となる中、総需要創出に秘策はないのでしょうか。
80
4
欧州債務問題から後、ECBはユーロ圏加盟国の信用リスク増大を国債買いで補
完し、流動性不安を異例の資金供給で解消し、現在は物価目標達成すべく信用緩
和策を講じる等、多くの政策を駆使しています。ECBは信用リスクや流動性リス
クを直接抑える手段を有しており、コントロールが可能です。
 マネーサプライが増えない = 総需要が増えない
ユーロ圏
ベースマネーとマネーサプライ(前年比)
5
4
(%)
ユーロ圏
(左軸)
長期実質
金利
3
(指数)
(右軸)
新規受注
見通し
実質長期金利と製造業新規受注見通し
米国
日本
(%)
(%)
80 5
70 4
(指数)
(左軸)
長期実質
金利
(右軸)
新規受注
見通し
80
5
4
70
(指数)
(左軸)
長期実質金利
60
3
2
60 3
60
2
50 2
50
1
40 1
40 -1
実質金利 0
低下
30 0
30
-1
20 -1
20 -4
2007
2012
2017(年)
2002
2007
2012
2017(年)
投資
拡大
50
1
2002
70
40
0
30
-2
投資
20 縮小
-3
(右軸)
新規受注見通し
2002
2007
2012
2017
10
(年)
注)上図は実質長期金利は10年国債利回り-消費者物価上昇率(前年比)。新規受注見通しは50を上回れば強気見通し、
下回れば弱き見通し。直近値は2016年3月。出所)Thomson Reuters Datastream、マークイットより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
3
M
投資環境マンスリー 2016年5月号
【図3】 ヘリコプターマネーはすでに発動との見方も
 ヘリコプターマネー論再び
(累積)財政赤字と量的金融緩和によるベースマネー拡大(2008年から2015年まで)
日本
米国・スイス・スウェーデン・ユーロ圏
そこで最近再び脚光を浴びるのがヘリコプターマネー論です。1969年、経済学
者ミルトン・フリードマン氏が提唱し、2002年には米FRB(連邦準備理事会)前
議長ベン・バーナンキ氏が引用、彼は後にヘリコプター・ベンと呼ばれました。
M
しかし、金融政策は限界と人々が抱くことはより危惧すべき問題です。金融政
策の有効性、信認を担保するためこの議論を深め準備することは必要とみられま
す。そして中央銀行が検討の余地を示唆するだけでも、金融市場はヘリコプター
マネー導入への期待が醸成され、株式市場等は大きく上昇しましょう。(徳岡)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
70
66.2
(左軸)ベースマネー変化
 限界を認めたらゲームは終わる。政策ツールの存在を示す必要
現状ではユーロ圏含め多くの国で違法(日本では財政法第5条で禁止。但し、
国会承認を経れば可能)とみられ、明日にでも導入とはいきません。(期待)イ
ンフレ率の低迷に苦しむユーロ圏や日本(図4右)においても、本格的なヘリコ
プターマネーが導入される可能性は目下のところ低いとみています。特に所得の
再分配にも当たるこの策の可否は立法府の領域で、EU(欧州連合)では28ヵ国
が集まるEU議会でコンセンサスを得るのは至難とみられます。
(累積財政赤字 / ベースマネー変化:%)
120 20
238
ヘリコプターマネーとは中銀が資金の出し手となる財政支出の拡大を指します。
極論すれば、お金のバラマキです。日本では、国債買入によるベースマネー拡大
は既に財政赤字を補填しており、事実上ヘリコプターマネーが発動しているとの
意見もあります(図3)。しかし、この議論の肝はその資金調達手段です。例え
ば財政支出の拡大では通常、赤字国債の発行等で資金調達されますが、債務発行
による調達は既に巨額の政府債務を抱える中では難しいのが実情です。そこで中
銀にある政府預金口座に新たに刷った紙幣が入金され、政府がそれを使ったらど
うか。突然政府の預金口座残高は増え、これを公共投資等に使えば新たな需要が
創出され、マネーサプライも増加し物価にも直接に影響し得ます。一時的にせよ
期待インフレ率が上昇すれば、実質金利は低下し投資や消費を一段と促します。
一方で政府債務は増加しないので将来の税負担を奇想させることもありません。
本質的には税還付と同義のこの政策、効果はこれまでの政策とは比較にならな
いほど有効性が高いとみられます(図4左)。一部では、ハイパーインフレ(急
激な物価急騰)を招くとの見方もありますが、中銀が政府預金口座をコントロー
ル可能とすれば、この問題も回避できるとの意見が推進派の間では大勢です。
(累積財政赤字 / ベースマネー変化:%) (兆:自国通貨)
(兆円)
100.7
237
100
(右軸)国旗
金融政策による
財政赤字補填率
50
80
10
60
(左軸)
累積財政赤字
236
60
(右軸)国旗
金融政策による
財政赤字補填率
15
(左軸)
累積財政赤字
5
30
23.3
(左軸)
ベースマネー変化
40
20
0
20
235
40
8.7
-5
0
0
米国
日本
10
スイス
スウェー
デン
ユーロ圏
注)ベースマネーは中銀負債の準備預金の増加分で銀行券の増分を除く。
スイスは補填率1,000%超につき非表示。
出所)各国中銀、財務省より当社経済調査部作成
【図4】 期待インフレ率の上昇は不可欠
ヘリコプターマネー
中央銀行、政府、銀行の貸借対照表(概念図)
資産
中央銀行
①量的金融緩和
中央銀行による
現金増(100)
↓
国債購入(100)へ
①ヘリコプターマネー
中央銀行による
現金増(100)
↓
政府預金に入金
現金
準備預金
50
③量的金融緩和
マネーサプライ増加
2.06
2
ユーロ圏
1.42
100
銀行
負債・資本
100
資産
準備預金
国債
貸出
0.17
0
50
②量的金融緩和
銀行は国債を売却
↓
準備預金や貸出へ
米国
3
1
100
資産
(%)
負債・資本
政府預金
50
日米ユーロ圏 期待インフレ率
4
政府
負債・資本
日本
-1
政府預金
②ヘリコプターマネー
政府は公共投資実施
-2
公共財等
100
③ヘリコプターマネー
マネーサプライ増加
-3
-4
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
注)上左図の数値は簡略化するための例示。上右図の期待インフレ率は5年後の5年インフレーションスワップレート。
直近値は2016年4月26日。
出所)各種資料、Bloombergより当社経済調査部作成
4
M
投資環境マンスリー 2016年5月号
③日本: 熊本・大分地震の影響を受け、経済対策や来年4月の消費増税延期議論に焦点
M
 足踏み感が強まる景気
【図1】 景気は足踏み、1-3月期はマイナス成長の懸念あり
景気の停滞感が強まるなか、1-3月期の実質GDPはマイナス成長の懸念が
あり(5月18日一次速報公表)、厳しい経済環境が続いています。ただし、
米中景気の落ち着きなど外部環境は改善しつつあり、年後半にかけ緩やかな
回復基調となる見通しです(図1)。その前提として今年度補正予算による5
兆円程度の経済対策と来年4月の消費税率引き上げ(今年度内の駆け込み需
要発生)を想定していますが、震災対応を巡って内容が変わりつつあります。
10
消費税率引き上げにより、駆け込み需要とその反動減は個人消費に大きく
影響します(図2右)。2008年の金融危機後に導入された消費刺激策が消費
回復に寄与したものの、需要先食いで2014年4月の消費増税後の消費回復は
鈍くなっています。今回、消費増税を先送りするなら前回同様の消費刺激策
が必要といえます。今回の地震による資本ストック被害額は2~3兆円に上る
とみられ、迅速な復旧復興への取り組みを海外に示す事も重要です(図3)。
震災は車や半導体生産のサプライチェーン途絶以外にも、訪日観光客の客
足にも影響を与えるとみられます(図4)。ただ、訪日外客数は円高にも関
わらず増加しているため鈍化は限定的とみられ、今年度も訪日外国人の旅行
消費の急増がサービス収支を改善させ、日本のGDP成長率を押し上げる見込
みです(図5)。世界的なリスク許容度の回復で株式市場に資金が回帰する
中、4月に海外投資家は日本株を買い越しに転じており(図6)、5月26-27日
の伊勢志摩サミットに向け経済対策への期待が高まっています。(向吉)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
実質GDP
(前期比年率)
(予想)
純輸出
在庫投資
公的需要
5
0
-5
今後、4月14日に発生した熊本・大分地震の影響が明らかになります。被
災地での生産停止によるサプライチェーン途絶の影響で4月生産は0.5~1.0%
程度押し下げられる可能性があります(図2左)。また、5月中に公表が見込
まれる経済対策は復旧復興事業費を含め10兆円近くまで膨らむ可能性があり
ます。大半が公共事業費に当てられ今年度後半の成長率を押し上げる事にな
りそうです。また、政治面にも影響があり安倍首相は衆参同日選挙を断念し
た模様であり、来年4月実施予定の消費増税見送りの公算が高まっています。
 経済対策や金融緩和期待で海外投資の資金が株式に回帰
日本 実質GDP(需要項目別寄与度、前期比年率)
(%)
15
2015年10-12月期
実質GDP▲1.1 %
(2次速報値)
個人消費
-10
民間住宅投資
-15
民間設備投資
-20
(年)
2012
2013
2014
2015
2016
注) 2016年1-3月期から2017年1-3月期までが当社経済調査部の予想値。
出所)内閣府より当社経済調査部作成
【図2】 震災の復旧復興対策の策定、来年の増税見送りの公算も
(2010年=100)
120
日本 鉱工業生産(季節調整値)
日本 実質個人消費
(兆円)
320
2016年4月
熊本・大分地震
115
110
2014年4月
消費税引き上げ
(5%→8%)
310
300
105
100
290
95
90
1995年1月
阪神淡路大震災
85
1997年4月
消費税引き上げ
(3%→5%)
エコカー
補助金
280
2004年10月
中越震災
(2011年12月
~2013年9月)
270
エコカー補助金
80
2011年3月
東日本大震災
75
70
1990
(年)
1994
1998
2002
2006
2010
2014
2018
注)直近値は2016年2月。
(2009年4月~2010年9月)
260
・家電エコポイント制度
傾向線
250
1994
(2009年5月~2011年3月)
(年)
1998
2002
2006
2010
2014
2018
注)直近値は2015年10-12月期。
出所)経済産業省
出所)内閣府
5
M
投資環境マンスリー 2016年5月号
【図3】 サプライチェーンやインバウンド消費への影響が想定される
震災による資本ストック被害額
(兆円)
18
M
(%)
金額(左軸)
16
14
10
3.5
11
生産用機械器具
10
木材・木製品
9
パルプ・紙・紙加工品
8
飲料・たばこ・飼料
2.0
1.5
6
4
1.0
(推計)
2
0.5
0
0.0
阪
神
淡
路
大
震
災
中
越
地
震
東
日
本
大
震
災
注)2016年4月25日時点。
熊
本
・
大
分
地
震
電子部品・デバイス・電子回路
関東
熊本県
近畿
中部
九州
佐賀、長崎、
宮崎、鹿児島
計
6
5
4
福岡
沖縄
非鉄金属
石油製品・石炭製品
中国
業務用機械器具
東北
鉄鋼
大分
1
金属製品
北陸信越
3
四国
情報通信機械器具
熊本
(参考)大分県
大分県
化学工業製品
0
訪日外客消費額
(%)
0
注)製造品出荷は2014年度、訪日外客消費は2015年。
出所)経済産業省、観光庁
4.2
(参考)熊本県
電子部品・デバイス・電子回路
製造品出荷額
11.1
北海道
食料品
7
2
出所)内閣府、各種報道
日本 訪日外客の地域別訪問率
製造品出荷額の全国シェア上位7品目
12
2.5
8
日本 九州7県の全国シェア
(%)
4.0
3.0
名目GDP比率
(右軸)
12
【図4】 車・半導体生産に影響、訪日外客は他地域へのシフトも
1
2
3
4
5
6
3.0
0
7
10
20
30
40
(%)
50
60
注)2015年の値。複数回答のため合計は
100%を超える。
出所)観光庁
注)2014年度の値。
出所) 経済産業省
【図5】 訪日外国人旅行者は円高でも増加、サービス収支は黒字に 【図6】 世界的なリスク選好で海外投資家は日本株を買い越し
(
700
600
日本 訪日外国人旅行消費支出
訪日外国人旅行者数
(左軸)
2016年
1-3月期
訪日外国人
旅行消費額
全地域
(億円) (%)
9,305
31.7
500
400
(兆円)
(%)
0.8
万
(万人)
2.0
日本 貿易・サービス収支
(
(兆円)
1.5
海外投資家の日本株買越額
貿易収支
0.7 1.5
現物取引
1.0
前年比
0.5
0.5
200
0.2 -1.0
0.1 -1.5
インバウンド消費
対GDP比(右軸)
0
2011
海外投資家
2013
2015
(年)
0
注)直近値はインバウンド消費対GDP比が2015年10-12月期、
他は2016年1-3月期。
出所)内閣府、観光庁
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
事業法人
0
サービス収支
投資信託
-5
0.3 -0.5
2009
20
5
0.0
-0.5
2007
日本株の主体別買越額(累積額)
10
0.5
0.4 0.0
2005
25
15
0.6 1.0
300
100
(兆円)
年金基金等
-10
-1.0
-15
-1.5
貿易・サービス収支
-2.0
(年)
2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016
注)直近値は2016年2月。データは季節調整値。
出所)財務省
先物取引
-2.0
2015/01
2015/06
2015/12
-20
-25
(年/月)
2016/06 2012
個人投資家
2013
2014
2015
2016
(年)
注)直近値は2016年4月11-15日(週ベース)。右図は2012年1月第一週からの現物株の累積額。年金基金等は信託
銀行の買越額。現物株の対象は東証、名証一・二部合計。 出所)日本取引所グループより当社経済調査部作成
6
M
投資環境マンスリー 2016年5月号
④オーストラリア: 通貨の底打ちが鮮明、今後も通貨高は続くのか
M
オーストラリアドルが対米ドルで堅調
オーストラリア(豪)ドルは対米ドルで堅調、対円でも2月11日の1豪ドル
79.922円を底に上昇の兆しです(図1左)。この背景は、①2月11日に原油価
格が底打ち、豪州からの輸出品の価格が上昇したこと(図1右)、②政策効果
で3月の中国粗鋼生産が急増し豪州の中国向け輸出が増加したこと(図2)、
③4月5日の豪中銀会合で通貨高に強い懸念を示さなかったこと、などが考え
られます。この状況が変わらなければ、日本との国債利回りや経済成長率の
差などの影響もあり、対円でも通貨高が進む可能性がありそうです。
原油価格は、米国のシェールオイル減産(図3左)や産油国による増産凍結
に向けた動きが影響している模様です。米シェール生産のコストは原油価格
で1バレル40-60ドル程度が多いため、原油価格が急上昇しない限り、生産抑
制が続きそうです。また4月17日に産油国の増産凍結会議が決裂したものの、
6月2日のOPEC(石油輸出国機構)の総会に向けて協議が続けられる模様です。
中国景気が回復している間は需要の増加が見込まれ、原油は底堅い動きにな
りそうです。しかし、供給過剰はしばらく続く見通しで(図3右)、世界景気
の不透明感が再燃すれば、原油価格が再び下落する可能性もあります。
 原油安の中でも景気は良好だった豪州経済
資源価格が下落した2013年以降の実質GDPは、2013年:+2.0%、2014年:
+2.6%、2015年:+2.5%と他の先進国に比べて高めの成長でした。この一因と
して、資源輸出の数量増加で金額が、さほど下落しなかったことがあります。
主要輸出品である鉄鉱石と石炭は、主に中国に輸出され、コスト面や地理的
な面で他の資源国よりも競争力が高く、価格下落とともに世界シェアが上昇
しています(図4)。今後は、LNGの輸出が本格化する可能性があり、資源価
格が下げ止まれば、輸出金額が増加する見通しです。
ただし、良好な雇用環境のもと景気は底堅いものの(図5)、政策金利の引
き上げには、しばらく時間がかかりそうです。賃金の伸び率が低めで物価上
昇圧力が弱いためです(図6)。今後、失業率の低下が進み、賃金上昇圧力が
強まれば、利上げ観測が強まりそうです。その場合、金利差の観点から豪ド
ルがさらに強まる展開が予想されます。(石井)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
【図1】 オーストラリアドルが底打ち、原油価格の上昇が一因
原油価格と資源価格
オーストラリアドル
(円/
オーストラリアドル)
120
(米ドル/
オーストラリアドル)
↑オーストラリアドル高
115
↓米ドル高↓円高
110
対米ドル(右軸)
1.0
(2014/15年度
200 =100)
(米ドル/バレル)
120
180
0.9
4月22日
0.7708
105
0.8
100
WTI先物価格
(右軸)
160
140
80
100
120
0.7
95
1月15日
0.6864 4月22日
90
86.169
100
60
0.6
85
80
60
0.5
対円(左軸)
80
2014
2015
2016
(年)
0.4
40
2016年
2月11日
26.21
40
2月11日
79.922
75
米ドル建て資源価格
(左軸、豪州貿易加重平均)
20
2011
2012
2013
2014
2015
(年)
2016
20
注)直近値はドル建て資源価格が2016年3月、WTI原油先物価格が同年4月25日。
出所)オーストラリア中銀、Bloombergより当社経済調査部作成
【図2】 中国粗鋼生産の回復で鉄鉱石価格や輸出金額が持ち直し
中国の粗鋼生産と鉄鉱石価格
50
(米ドル/トン)
(%)
(2013年12月
=100)
200
オーストラリア 輸出金額
130
120
40
鉄鉱石価格
(右軸)
150
30
110
100
20
100
アセアン
90
10
80
全体
0
50
-10
中国・粗鋼生産
(前年比、左軸)
-20
60
2011
2013
2015
日本
中国
(年)
2009
70
0
50
(年)
2014
2015
2016
注)鉄鉱石価格は中国・青島の輸入価格。直近値は左図の粗鋼生産が2016年3月、鉄鉱石価格が同年4月22日、
右図が同年2月。
出所)Bloomberg、中国国家統計局、オーストラリア統計局より当社経済調査部作成
7
M
投資環境マンスリー 2016年5月号
【図3】 原油高は米国の減産、産油国の増産凍結協議が背景か 【図4】 豪州産の鉄鉱石は競争力が高い、今後はLNG輸出に期待
世界の原油需給(日量)
米国の掘削装置稼働数と産油量(日量)
M
2,000
(基)
(万バレル)
2,000
2014年10月
1,609基
500
(万バレル)
(万バレル)
供給(右軸)
1,500
300
1,000
200
1,000
農業14%
2017年
9月
▲1
100
米国産油量
(右軸)
500
0
2007
2009
2011
2013
(年)
2015
500
2017
8,800
原油需給
2016年6月~2017年12月
(左軸、供給-需要)
予測
オーストラリア 資源輸出の世界シェア
(年)
2013
2014
2015
2016
2017
2018
オーストラリア 失業率と賃金上昇率
8
(%)
(%)
2016年
3月
5.7%
失業率
(左軸)
6
10
40
15
12
6
4
賃金上昇率
(右軸、前年比)
2015年
10-12月
+2.2%
2
20
2
2004
2007
2010
2013
(年)
2016
0
(年)
2015
2017
2019
2021
オーストラリア 消費者物価(前年比)
5
8
2016年1-3月期
総合物価 +1.3%
コア物価 +1.7%
4
(%)
7
10年国債利回り
6
インフレ目標
+2~3%
5
2016年
4月22日
2.63%
4
3
2
-20
オーストラリア 国債利回りと政策金利
(%)
6
政策金利
2
3
1
-40
(年)
2011
2012
2013
2014
2015
0
2016
注)右図の直近値は新車販売台数が2016年3月、小売売上高は同年2月。
出所)オーストラリア統計局より当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
注)2015年度は2015年7月~翌年6月まで。
左下の点線は2016年~2021年でオーストラリア政府の見通し
出所)オーストラリア政府、同統計局より当社経済調査部作成
3
0
小売売上高
(右軸)
0
2001
29
29
27
9
4
0
2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020
新車販売台数
(左軸)
20
(年度)
100
【図6】 物価上昇圧力は弱く、市場では利下げ観測が残る
オーストラリア 新車販売と小売売上高
(前年比)
(%)
(%)
8
点線は2015年度~2020年度で
オーストラリア政府の見通し
(2016年3月時点)
0
2013
【図5】 雇用改善で消費が底堅い、賃金上昇率はまだ低位
200
800
47
40
石炭
出所)Bloomberg、米EIAより当社経済調査部作成
うちLNG
(右軸)
400
58
鉄鉱石
52
30
注)左図の産油量は2016年4月~同年12月までEIAの予測。
400
(%)
50
8,400
500
300
1,200
8,600
-100
資源とエネルギーの合計
(左軸)
1,600
天然ガス
その他
5%
資源
2%
60
0
2016年3月
372基
2009年6月
179基
9,000
(億豪ドル)
2,000
石炭
12%
サービス
21%
9,200
(億豪ドル)
2,400
9,400
需要(右軸)
2,800
その他
23%
1,500
石油掘削装置稼働数
(左軸)
オーストラリア 資源とエネルギーの輸出
鉄鉱石
23%
9,600
400
EIA予測
9,800
オーストラリア 輸出金額の内訳
(2015年)
1
2005
2007
2009
2011
2013
2015
(年)
政策金利の市場予想
2016年12月 1.85%
0
2006
2008
2010
2012
2014
4月22日
2.0%
2016
(年)
注)左図のコアはTrimmed Meanベース。右図の市場予想はBloombergの集計値(2016年4月22日時点)。
出所)Bloomberg、オーストラリア中銀、オーストラリア統計局より当社経済調査部作成
8
M
投資環境マンスリー 2016年5月号
⑤中国: 政策効果で景気は回復の兆し、一方で構造問題の解消は一段と困難さを増す可能性も
M
 3月の主要経済指標は景気安定化への期待を高める内容に
中国景気への悲観論が後退しつつあります。実質GDP(前年比)は昨年
10-12月期:+6.8%→今年1-3月期:+6.7%へ減速したものの、国家統計局公表の
PMI(2016年3月)は製造業・非製造業ともに前月比上昇、特に製造業は8ヵ
月ぶりに業況改善・悪化の節目50台に乗せるなど、景気底打ちを期待させる
内容でした(図1)。鉱工業生産(前年比)は1-2月:+5.4%→3月:+6.8%(図2
左)、小売売上高も同+10.2%→+10.5%と景気底固めの兆しを見せました。
【図1】 景気軟着陸に向け、企業心理の改善は朗報
中国 実質GDP(前年比)
(%)
(%)
16
60
14
58
全体
10
また、都市部固定資産投資 (年初来累計 、前年比)は2 月:+10.2%→3
月:+10.7%へ上昇、業種別では国営企業(同+20.2%→+23.3%)、分野別では
道路・鉄道や水利・環境などインフラ関連(同+15.0%→+19.6%)が目立ちま
した(図3)。鉱工業生産でセメント・粗鋼など素材関連の回復が見られた点
を考慮すると、政府主導の公共投資が全体の底上げに寄与したと考えます。
今後、低迷が続く民間部門(同+6.9%→+5.7%)にも波及するかが注目です。
 過剰在庫・過剰債務など構造問題の解消が遠のいた感も
不動産市場も回復感が強まっています。当局指導の下での積極的な与信拡
大、利下げや住宅購入頭金比率引き下げなど一連の刺激策が奏功した模様で
す(図4)。ただし、住宅価格が示すように回復度の地域格差が激しく、大
都市中心に局地的なバブルを生む可能性に加え、建設活動が行き過ぎれば、
潜在的な在庫増のリスクを高める懸念もあります(図5)。政府が中長期的
には、過剰設備・在庫といった構造問題の解消と安定成長を標榜しながらも、
まずは目先の景気回復を優先せざるを得ない現状を表しているといえます。
過去、日本では1990年代の不動産バブル崩壊で企業が、米国では2000年代
の住宅バブル崩壊で家計が、長期にわたり債務圧縮を強いられました。中国
でもGDP比だけで見れば、企業債務がバブル期の日本を上回るなど警戒水準
といえます(図6)。中国の循環的な回復は明るい材料ですが、同時に構造
問題への取り組みが前進しているか常に目を配る必要があります。(瀧澤)
非製造業
56
第3次産業
12
中国 製造・非製造業PMI
(国家統計局)
+7.6%
+6.7%
業況
拡大
53.8
54
52
8
50.2
50
6
+5.8%
第2次産業
4
2010
2012
2014
2016
(年)
業況
縮小
48
製造業
46
2010
注)左図:直近値は2016年1-3月期時点。
右図:直近値は2016年4月時点。
2012
2014
2016
(年)
出所) 中国国家統計局より当社経済調査部作成
【図2】 鉱工業生産回復の兆候、素材関連の底打ちが鮮明化
(%)
中国 鉱工業生産
(総合、前年比)
(%)
20
50
18
40
16
30
14
20
12
10
10
0
8
+6.8%
6
中国 鉱工業生産
(品目別、前年比)
セメント
エチレン
-10
粗鋼
-20
4
2010
2012
2014
2016
(年)
+24.0%
+10.0%
+2.9%
-30
2010
2012
2014
2016
(年)
注)左右図とも直近値は2016年3月時点。
出所)中国国家統計局より当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
9
M
投資環境マンスリー 2016年5月号
【図3】 国有企業を中心としたインフラ投資が投資全体を底上げ
M35
(%)
中国 都市部固定資産投資
(年初来累計、前年比)
30
+23.3%
25
20
15
全体
10
5
民間部門
+10.7%
+5.7%
0
2010
2012
2014
2016
中国 都市部固定資産投資
(年初来累計、前年比)
(%)
うち国有企業
(年)
【図4】 融資加速も不動産市場の押し上げに寄与
(兆元)
中国 新規人民元建て融資額
(四半期累計)
5
40
35
30
25
20
15
10
5
0
-5
-10
インフラ関連
4
+19.6%
2016年
1-3月期
4.67兆元
2009年
1-3月期
4.58兆元
3
2
+8.9%
1
それ以外
2010
2012
2014
2016
0
(年)
(年)
2006 2008 2010 2012 2014 2016
注)左図の民間部門のデータは2012年3月以降。右図のインフラ関連は電力除く。
左右図とも直近値は2016年3月時点。
中国 不動産市況
(建設中面積÷販売面積)
(倍)
170
7
不動産全体
6
150
140
5.7倍
5
130
2線都市
120
110
3線都市
100
90
2010
2012
2014
2016
(年)
4.5倍
4
3
うち住宅
2
2000
2004
2008
2012
(年)
2016
注)左図:全70都市ベース。1線都市は北京・上海・広州・深圳の4都市、2線都市は省都・自治州・副省級市など31都市、
3線都市はその他35都市の平均値。指数化は当社経済調査部。直近値は2016年3月時点。
右図:年累計に基づく。直近値は2016年1-3月累計。
出所)中国国家統計局より当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
販売面積
+35.6%
+14.8%
新規着工面積
2010
2012
2014
2016
(年)
【図6】 中国企業の過剰債務調整も中長期的な課題に
(%)
1線都市
160
70
60
50
40
30
20
10
0
-10
-20
-30
-40
出所)中国人民銀行、中国国家統計局より当社経済調査部作成
【図5】 住宅市場の回復は地域別で偏り、在庫過剰感も根強い
中国 新築住宅価格
(都市階級別)
中国 住宅販売・新規着工面積
(年初来累計、前年比)
注)左図:直近値は2016年1-3月期時点。
右図:直近値は2016年3月時点。
出所)中国国家統計局より当社経済調査部作成
(2009年12月=100)
(%)
240
220
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
中国・日本・米国 非金融部門の債務残高(対名目GDP比)
(%)
日本(1970年~)
米国(1970年~)
(%)
中国(2006年~)
非金融企業 166
政府 44
家計 39
2006 2009 2012 2015
240
220
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
(年)
政府 211
非金融企業
120
政府
100
1994年12月
149
94
家計
80
102
2008年3月
98
79
60
71
40
家計 66
20
(年)
1970
1985
2000
2015
非金融企業
0
1970
1985
2000
(年)
2015
注)直近値はすべて2015年9月時点。日本の政府は1997年12月以降。
出所)BIS(国際決済銀行)より当社経済調査部作成
10
M
投資環境マンスリー 2016年5月号
⑥為替: 1米ドル=107円台で一旦歯止めがかかったドル円相場、円高リスクは去ったのか?
M
 日銀の動向次第で、ドル円相場の値動きが荒くなる可能性も
4月のドル円相場は、11日に一時1米ドル=107円63銭(円の年初来高値)
を付けるなど円高ドル安が加速しました。目先を占う上では日銀の動向に注
目です。2013年3月の黒田総裁就任後、追加金融緩和は3度実施されましたが
(2013年4月、2014年10月、2016年1月)、金融市場の意表を突いたこともあ
り、発表直後に3円程度円安ドル高に振れました(図1)。足元4月22日には、
日銀が27・28日の定例会合で追加金融緩和に動くとの憶測を受け、2円強円安
に振れる場面も見られました(終値、21日:109円46銭→22日:111円79銭)。
投機筋の円買い持ち高は、先の円高期(2007年6月~2012年11月)を超え、
集計以来最高水準まで積み上がるなど行き過ぎの感もあり(図2)、ふとし
たきっかけで巻き戻される展開も考えられます。ただし今回は過去に比べ、
事前に追加金融緩和を織り込んでおり、持ち高調整に伴う円安圧力も限られ
るとみます(逆に追加緩和見送りの場合、円は年初来高値を試す可能性も)。
【図1】 過去3回、黒田日銀の政策変更直後は3円程度円安に
(円/米ドル)
130
日銀による追加金融緩和とドル円相場
2014年10月31日 日銀がQQE拡大
10月30日:109円21銭⇒10月31日:112円32銭
120
110
2016年1月29日
日銀がマイナス金利付きQQE導入
1月28日:118円82銭
⇒1月29日:121円14銭
100
90
2013年4月4日 日銀がQQE(量的・質的金融緩和)導入
4月3日:93円04銭⇒4月4日:96円34銭
80
2013
2014
2015
2016
(年)
注)凡例の値はすべて終値ベース。直近値は2016年4月26日時点。
出所) 日本銀行、Bloombergより当社経済調査部作成
 米国は利上げを慎重にせざるをえず、円安ドル高には動きづらい 【図2】 投機筋の円買い持ち高は集計開始以来の最高水準に
いずれにせよ、日銀会合直後の動きがドル円相場の基調自体を変える公算
は低いとみます。基本的には、2012年終盤を起点とした円安ドル高基調は不
変も、当面は円安ドル高方向に進みづらい相場展開を予想します。背景にあ
るのが、米国の利上げ期待が容易に高まらないと考えられる点です(図3)。
足元の世界経済低迷を受け、米国企業は収益伸び悩みに直面、積極的な債
務増加・投資拡大に動きづらくなっています(図4)。銀行が融資引き締めの
姿勢を強めつつあることもマイナス材料です。特に、銀行借入を主たる資金
調達手段とする中小企業には逆風といえます(図5)。従業員500人未満の企
業が米国の全雇用者数の約5割を占めるなど、中小企業が雇用・投資面で経済
に与える影響は少なくありません。大企業製造業の改善など、明るい材料も
見られる米国経済ですが(図6)、全方位的な回復が確保出来ない限り、利
上げ期待が高まり、米ドル高基調が強まる公算は低いと考えます。(瀧澤)
投機筋による円先物の持ち高
(万枚)
20
15
円
買い持ち超 10
5
0
-5
円
-10
売り持ち超
-15
-20
-25
①94,654枚(2008年3月4日)
③65,920枚(同年3月25日)
2016年4月19日
①105,710枚
③71,870枚
①買い持ち高
③ネット(=①-②)
----- 円高期 ----2005
2007
2009
2011
②売り持ち高
2013
2015
(年)
注)当時の円安値を付けた2007年6月下旬から野田首相(当時)が衆議院を解散した2012年11月中旬までを
円高期とした。値はCFTC(米商品先物取引委員会)による集計値。直近値は2016年4月19日時点(週次)。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
11
M
投資環境マンスリー 2016年5月号
【図3】 米国金利の先高期待が後退、米ドル高圧力は弱まる
米国政策金利の市場見通しとドル円相場
(%)
M
(円/米ドル)
6
ドル円相場(右軸)
利上げ 4
期待
上昇
米国 非金融企業の利益・有利子負債(前年比)
(%)
140
30
有利子負債残高
円安
2015年6月5日
125円86銭
5
130 米ドル高
20
120
2年先のFF金利見通し
(左軸)
110
3
111円31銭
2015年3月6日
1.600%
2
低下
【図4】 企業部門は収益鈍化で財務面のバランスが悪化
100
10
円高
米ドル安
0
90
1
-10
80
0.930%
0
2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016
(年)
70
税引き前利益
(年率、2年移動平均)
-20
1990
注)FF金利見通しはFF先物金利から算出。2015年の円安値(ザラバ)とFF金利見通しの高値を表記。
直近値は2016年4月26日時点。
1995
2000
2005
-40
-30
緩和化 -20
-10
0
10
厳格化 20
30
40
50
60
70
80
【図6】 雇用・設備投資の足かせとなりかねない中小企業の低迷
10
5
0
業況
改善
-5
-10
-15
中小企業から見た信用環境の見通し
(今後3ヵ月、右軸)
1990
1995
2000
2005
-20
2010
2015
(年)
注)融資基準は各年1・4・7・10月調査(四半期)。直近値は2016年1月調査時点。
信用環境の見通し(月次)の直近値は2016年3月時点。
出所)FRB、NFIB(全米独立企業連盟)より当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
米国 企業景況感
(%)
(緩い-厳しい、%)
商業銀行の中小企業向け融資基準(逆目盛、左軸)
(年)
出所)FRB、米商務省より当社経済調査部作成
【図5】 銀行による融資基準引き上げは中小企業にとって逆風
米国 中小企業の信用環境
2015
注)税引き前利益はGDPベース。有利子負債はCP・社債などの債券と銀行など各種借入の合計とした。
直近値は2015年10-12月期時点。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
(引き締め-緩和、%)
2010
業況
悪化
62
60
58
56
54
52
50
48
46
44
42
40
38
ISM製造業景気指数(左軸)
中小企業楽観指数(右軸)
2012
2013
2014
2015
米国 中小企業の事業計画
(1986年=100)
2016
110
108
106
104
102
100
98
96
94
92
90
88
86
(年)
40
(増加-減少、%)
設備投資
(今後3~6ヵ月)
35
30
25
20
15
10
増加
5
0
-5
雇用
(今後3ヵ月)
減少
-10
2003
2006
2009
2012
2015
(年)
注)左右図ともに直近値は2016年3月時点。
出所)米ISM、NFIBより当社経済調査部作成
12
M
投資環境マンスリー 2016年5月号
Ⅱ.国際金融市場の動向
M
(すべて2005年初=100)
180
日本
140
120
100
80
60
40
20
0
2005
2008
2014
2017 (年)
中国
450
新
興
国
2011
米国
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
160
先
進
国
①株式: 今年2月中旬を底にしたグローバルな反発基調が継続
150
100
50
0
2008
400
350
300
300
250
250
200
200
150
150
100
100
50
50
0
2014
2017 (年)
インド
450
350
2011
2008
2011
2014
2017 (年)
メキシコ
350
250
200
150
100
50
0
2005
2008
2011
2014
2017 (年)
2011
2014
2017 (年)
2008
2011
2014
2017 (年)
2014
2017 (年)
2014
2017 (年)
トルコ
300
250
400
200
300
150
200
100
100
50
0
2005
2008
2011
2014
2017 (年)
ブラジル
2005
2008
2011
0
2005
2008
2017 (年)
2014
2017 (年)
ポーランド
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
2014
2011
2005
2008
2011
南アフリカ
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
2005
2008
2011
2014
2017 (年)
注1)2005年初=100として当社経済調査部が指数化。直近値は2016年4月26日、注2)先進国はMSCI WORLD、新興国はMSCI EMの国別指数に基づく(現地通貨ベース、配当後)。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
2005
350
500
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
300
2008
インドネシア
600
0
2005
2005
オーストラリア
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
200
2005
400
ドイツ
250
2005
2008
2011
出所) MSCI、Bloombergより当社経済調査部作成
13
M
投資環境マンスリー 2016年5月号
②金利: 米国製造業の改善が顕著となり、米国など先進国では小幅上昇
M
(単位はすべて%)
先
進
国
8
日本
ユーロ圏
8
6
6
6
4
4
4
4
2
2
2
0
0
0
利回り(10年物国債)
2
0
政策金利
-2
2006
2008
2010
2012
2014
2016
中国
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
2006
2008
2010
2012
2008
2014
2016
2006
(年)
2008
2012
2014
2016
2010
2012
2014
2016
8
4
3
0
0
2006
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
2008
2012
2014
2016
2010
2012
2014
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
2008
2016
2006
(年)
2008
15
12
12
9
9
6
6
3
3
2012
2014
2016
(年)
2010
2012
2014
2016
(年)
2016
(年)
南アフリカ
18
15
2010
トルコ
27
24
21
18
15
12
9
6
3
0
0
2006
2006
(年)
ポーランド
18
9
2010
インドネシア
2006
(年)
12
6
2008
27
24
21
18
15
12
9
6
3
0
16
12
-2
2006
(年)
ブラジル
20
15
2010
インド
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
メキシコ
18
-2
2006
(年)
オーストラリア
8
6
-2
新
興
国
米国
8
0
2006
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
2006
2008
2010
2012
2014
注1) 政策金利は、日本:無担保コールレート(翌日物)、米国:FFターゲットレート、ユーロ圏:リファイナンス・レート、オーストラリア:キャッシュレートを使用。中国: 1年もの最優遇銀行貸付金利、インド:RBIレポ金利、
インドネシア:BI金利、トルコ:2010年5月18日まで翌日物借入金利、以降は1週間レポ金利、メキシコ:翌日物金利、ブラジル:SELIC金利誘導目標、ポーランド:2週間物レポ金利、南アフリカ:レポ金利を使用。
注2)国債利回りは、ユーロ圏:ドイツの10年国債利回り、トルコ:2年国債利回り、ブラジル:2年国債利回り、南アフリカ:10年国債利回り(2011年10月5日~2012年6月26日は9年国債で代用)を使用。
注3)直近の米国の政策金利(FF金利誘導目標)は0.25~0.50%だがグラフ上は0.50%で表示、なお、日本では政策目標を無担保コールレート(翌日物)とする措置を2013年4月4日で終了。
注4)直近値は2016年4月26日。注5)一部データの欠損あり。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
14
M
投資環境マンスリー 2016年5月号
③為替: 中国景気底打ち・原油価格回復への期待から、反発基調強める資源・新興国通貨
(円/米ドル)
M
70
各国・地域通貨高
米ドル(日本円)安
先
進
国
日本・円
(米ドル/ユーロ)
1.8
80
100
円高
110
各国・地域通貨安
米ドル(日本円)高
中国・人民元
(円/元)
22
6.0
20
18
7.0
16
7.5
14
8.0
12
円安
8.5
(INR/米ドル)
30
インド・ルピー
0.9
1.2
120
0.8
10
(MXN/米ドル)
8
メキシコ・ペソ
3.2
3.0
2.8
2.6
2.4
2.2
2.0
1.8
1.6
1.4
1.2
45
50
55
65
70
10
12
14
16
18
20
(BRL/米ドル)
12
1.0
11
1.5
10
2.0
9
2.5
8
3.0
7
3.5
6
4.0
5
4.5
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
ブラジル・レアル
80
(IDR/米ドル)
6000
インドネシア・ルピア
120
100
80
80
70
1.5
1.3
10000
40
(TRY/米ドル)
1.0
トルコ・リラ
(年)
(円/TRY)
120
1.5
100
2.0
80
2.5
60
3.0
40
1.1
12000
0.9
14000
16000
0.7
3.5
(PLN/米ドル)
1.5
ポーランド・ズロチ
(円/PLN)
60
2.0
60
2.5
50
3.0
40
3.5
30
4.0
20
4.5
40
30
20
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
20
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
50
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
0.5
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(円/BRL)
60
0.6
2006 2008 2010 2012 2014 2016
(円/IDR)
8000
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(円/MXN)
100
対日本円
(右軸)
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(円/INR)
35
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(円/豪ドル)
1.0
0.8
60
新
興
国
オーストラリア・ドル
1.1
140
1.0
40
6.5
160
(米ドル/豪ドル)
1.2
1.4
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(元/米ドル)
180
0.7
120
130
5.5
(円/ユーロ)
対米ドル
(左軸)
1.6
90
ユーロ
(ZAR米ドル)
4
南アフリカ・ランド
(円/ZAR)
20
6
18
8
16
10
14
12
12
14
10
16
8
18
6
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
注)上段右図:豪ドル=オーストラリアドル。直近値は2016年4月26日。
出所) Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
15
M
投資環境マンスリー 2016年5月号
Ⅲ.金融・商品市場のパフォーマンス
期間別 各資産の投資収益率(%)
M
基準日: 2016年4月26日
現地通貨ベース
1ヵ 月
地域別
株式
業種別
3ヵ 月
1年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
2016年
3.4
▲ 13.7
3.2
3.4
▲ 13.7
▲ 18.6
21.8
54.8
9.8
10.3
▲ 9.2
3.3
8.9
▲ 3.6
4.1
10.7
▲ 3.6
2.5
4.7
▲ 10.0
▲ 9.2
30.2
48.8
20.1
▲ 0.8
▲ 4.7
新興国
2.3
13.7
▲ 12.8
3.9
19.5
▲ 18.3
2.3
13.5
▲ 24.8
▲ 23.4
31.4
19.1
11.9
▲ 14.2
▲ 0.8
素材(景気敏感)
7.1
21.2
▲ 11.3
8.6
25.6
▲ 10.6
7.1
19.6
▲ 17.1
▲ 24.8
24.6
25.3
9.1
▲ 14.5
4.1
エネルギー
7.6
20.4
▲ 14.3
8.9
23.1
▲ 14.7
7.4
17.0
▲ 21.1
▲ 4.5
15.3
40.2
2.7
▲ 21.8
6.2
IT(情報技術)
0.0
6.7
▲ 1.7
0.2
7.5
▲ 1.1
▲ 1.3
1.5
▲ 7.6
▲ 7.4
26.6
50.7
30.4
5.6
▲ 8.0
ヘルスケア
5.7
3.0
▲ 6.1
6.2
4.7
▲ 5.9
4.6
▲ 1.3
▲ 12.3
5.0
31.2
58.5
32.4
7.5
▲ 9.2
日本
0.8
4.8
6.4
0.8
4.8
6.4
2.2
1.8
2.1
4.5
1.2
5.4
▲ 0.5
0.8
1.0
0.4
2.8
1.9
▲ 1.2
▲ 3.2
▲ 4.6
1.2
19.8
21.7
17.1
▲ 3.4
▲ 3.3
1.2
3.9
6.9
2.7
9.6
▲ 1.8
1.1
3.6
▲ 8.3
▲ 5.2
24.1
15.0
13.9
▲ 9.0
▲ 0.1
1.8
7.3
3.0
0.2
1.3
▲ 3.4
0.8
30.2
16.1
21.2
1.6
▲ 1.3
▲ 0.6
0.6
0.4
6.8
4.9
▲ 1.5
9.4
0.6
2.2
1.6
6.9
2.3
6.9
17.2
▲ 5.7
7.0
0.8
5.7
0.2
▲ 0.7
▲ 4.8
▲ 0.7
23.9
21.4
17.0
▲ 3.4
▲ 2.2
海外先進国
新興国(米ドル建て)
投資適格
1.7
5.3
1.7
ハイイールド
3.6
9.4
▲ 0.2
2.0
3.4
▲ 6.6
▲ 2.6
32.1
29.3
13.7
▲ 3.8
▲ 0.6
投資適格
新興国
(米ドル建て) ハイイールド
1.3
4.5
0.2
▲ 0.3
▲ 1.5
▲ 6.3
0.5
26.0
19.5
19.3
0.2
▲ 3.2
3.0
9.5
4.9
1.5
3.5
▲ 1.6
▲ 8.7
33.9
21.9
12.9
3.8
0.3
世界
その他
1ヵ 月
1年
3.2
新興国(米ドル建て)
社債
3ヵ 月
海外先進国
新興国(現地通貨建て)
ヘッジ有
その他
債券
1ヵ 月
1年
円換算ベース
日本
海外先進国
国債
3ヵ 月
米ドルベース
先進国
2.5
5.8
▲ 2.9
3.0
7.3
▲ 1.4
1.4
1.3
▲ 7.9
▲ 10.4
25.1
38.5
17.6
1.6
▲ 5.5
新興国
0.1
1.3
▲ 2.9
0.8
2.9
▲ 2.8
▲ 0.8
▲ 3.1
▲ 9.3
▲ 17.0
28.6
33.8
15.6
4.3
▲ 6.2
物価連動 先進国
国債
新興国
0.7
3.2
▲ 2.1
▲ 0.9
▲ 2.8
▲ 8.5
5.5
19.7
16.6
17.8
▲ 4.3
▲ 3.8
5.2
18.9
▲ 2.2
3.7
12.9
▲ 8.7
▲ 8.1
30.6
6.3
15.6
▲ 18.8
8.7
先進国
3.5
10.9
4.8
1.9
4.9
▲ 1.6
▲ 3.4
36.3
24.6
37.1
1.6
▲ 0.2
新興国
7.3
29.1
▲ 4.9
5.7
23.1
▲ 11.3
▲ 13.1
49.5
9.4
22.8
▲ 17.2
9.3
5.8
11.1
▲ 17.4
4.2
5.1
▲ 23.8
▲ 18.5
11.7
11.9
▲ 3.3
▲ 24.3
▲ 0.6
転換社債
リート
商品
注)株式は、日本、海外先進国、業種別がMSCI WORLDにおける当該地域・業種別の各指数、新興国がMSCI EM、
債券は、国債(日本、海外先進国、海外先進国ヘッジ有り)、社債(世界)、転換社債がBofA メリルリンチ債券インデックスにおける当該市場の各指数、国債(新興国《現地通貨建て》は
J.P. Morgan GBI - EM Broad、国債(新興国《米ドル建て》、新興国《米ドル建て》ヘッジ有)はJ.P. Morgan EMBI Global Diversified、社債(新興国《米ドル建て、投資適格》) は
J.P. Morgan CEMBI High Grade、社債(新興国《米ドル建て、ハイイールド》) はJ.P. Morgan CEMBI High Yield、物価連動国債(先進国)がバークレイズ世界物価連動国債インデックス、物価連動債(新興国)が
バークレイズ新興市場物価連動国債インデックス、リート(先進国)はS&P先進国REIT指数、 リート(新興国)はS&P新興国REIT指数、商品はブルームバーグ商品指数に基づく。
2016年は2015年末から基準日までの数字。
上記分析は作成時点のものであり、将来の市場環境等を示唆・保証するものではありません。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
出所)J.P. Morgan、Bloomberg、S&P、MSCI、バークレイズ、BofA メリルリンチより当社経済調査部作成
16
M
投資環境マンスリー 2016年5月号
Ⅳ.2016年5月の主要な政治・経済日程
月
5/1
M
(中)
火
3
水
4
(日)
4月 新車登録台数
(豪)
金融政策決定会合
(米)
(米)
3月 建設支出
4月 ISM(米供給管理協会)
製造業景気指数
(中)
(他)
4月 製造業PMI(マークイット)
ブラジル 3月 鉱工業生産
(日)
(日)
4月 国内企業物価
5月 ニューヨーク連銀景気指数
5月 全米住宅建築業協会
(NAHB)住宅市場指数
23
(日)
(仏)
(他)
(伊)
3月 貿易収支
3月 製造業新規受注
3月 耐久財新規受注
4月 ISM(米供給管理協会)
非製造業景気指数
4月 ADP雇用統計
4月 新車販売台数
(米)
3月 卸売売上高
(独)
(仏)
(伊)
3月 鉱工業生産
3月 鉱工業生産
3月 鉱工業生産
(中)
(中)
4月 消費者物価
4月 生産者物価
11
12
(米)
(米)
3月 消費者信用残高
4月 雇用統計
(他)
ブラジル 4月消費者物価(IPCA)
3月 景気動向指数
(日)
(米)
4月 月次財政収支
(英)
3月 鉱工業生産
(豪)
(他)
5月 消費者信頼感指数
ブラジル 3月 小売売上高
(日)
(日)
(日)
(米)
(欧)
金融政策決定会合における
主な意見(4月27~28日分)
3月 経常収支
4月 銀行貸出
4月 景気ウォッチャー
4月 輸出入物価
3月 鉱工業生産
(伊)
1-3月期 実質GDP(1次速報)
18
19
(日)
3月 製造工業 稼働率指数
(日)
1-3月期 実質GDP(1次速報)
(米)
(米)
(米)
(英)
(英)
(豪)
4月 鉱工業生産
4月 消費者物価
4月 住宅着工・許可件数
4月 消費者物価
4月 生産者物価
金融政策決定会合議事録
(5月3日分)
(米)
FOMC議事録(4月26~27日分)
(中)
4月 新築住宅価格(70都市)
24
25
(米)
4月 新築住宅販売件数
(独)
(独)
1-3月期 実質GDP(2次速報)
5月 ZEW景況感指数
(独)
(独)
4月 鉱工業生産
4月 家計調査
4月 労働関連統計
3月 S&P/ケース・シラー住宅価格指数
4月 個人所得・消費
5月 シカゴ購買部協会景気指数
5月 消費者信頼感指数
(カンファレンス・ボード)
5月 消費者物価(速報)
(日)
(日)
(米)
(米)
31
4月 商業販売統計
1-3月期 実質GDP(2次速報)
ブラジル 4月 失業率
1-3月期 実質GDP(2次速報)
(日)
(日)
(日)
(米)
(米)
(米)
(米)
(欧)
13
(日)
5月 ifo景況感指数
6月 GfK消費者信頼感指数
6/1
(米)
(豪)
(中)
(中)
3月 機械受注統計
(米)
5月 フィラデルフィア連銀景気指数
(豪)
4月 雇用統計
(欧)
(独)
3月 第3次産業活動指数
4月 マネーストック
3月 企業売上高・在庫
4月 小売売上高
4月 生産者物価
5月 ミシガン大学
消費者信頼感指数(速報)
1-3月期 実質GDP(2次速報)
1-3月期 実質GDP(1次速報)
(米)
4月 中古住宅販売件数
27
(日)
4月 企業向けサービス価格
(米)
(米)
4月 耐久財新規受注
4月 中古住宅販売仮契約指数
(英)
1-3月期 実質GDP(2次速報)
(他)
G7伊勢志摩サミット(~27日)
2
1-3月期 法人企業統計調査
5月 新車登録台数
4月 建設支出
5月 ISM(米供給管理協会)
製造業景気指数
ベージュブック(地区連銀経済報告)
1-3月期 実質GDP
5月 製造業PMI(国家統計局)
5月 製造業PMI(マークイット)
(日)
(日)
(米)
(米)
(米)
(米)
20
(日)
26
4月 貿易統計
30
(日)
17
4月 鉱工業生産
4月 小売売上高
4月 都市部固定資産投資
16
(日)
(米)
(米)
(米)
(米)
10
日銀金融政策決定会合議事要旨
(3月14~15日分)
3月 毎月勤労統計
4月 消費者態度指数
14
(中)
(中)
(中)
(米)
(米)
(米)
(米)
4月 NAB企業景況感指数
9
(日)
発表日未定経済指標など
金
6
4月 製造業PMI(国家統計局)
2
(豪)
木
5
(日)
(日)
4月 消費者物価(総務省)
4月 消費者物価(日銀)
(米)
(米)
1-3月期 実質GDP(2次速報)
5月 ミシガン大学
消費者信頼感指数(確報)
3
(日)
5月 消費者態度指数
(日)
4月 毎月勤労統計
(米)
5月 ADP雇用統計
(欧)
欧州中央銀行(ECB)理事会
(他)
ブラジル 4月 鉱工業生産
(米)
(米)
(米)
(米)
(米)
4月 貿易収支
4月 製造業新規受注
4月 耐久財新規受注
5月 雇用統計
5月 ISM(米供給管理協会)
非製造業景気指数
(他)
ブラジル1-3月期 実質GDP
注)(日)は日本、(米)は米国、(欧)はユーロ圏、(英)は英国、(独)はドイツ、(仏)はフランス、(伊)はイタリア、(豪)はオーストラリア、(中)は中国、を指します。
日程は変更になる可能性があります。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
出所)Bloomberg等より当社経済調査部作成
17
M
投資環境マンスリー 2016年5月号
留意事項
◎投資信託に係るリスクについて
投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象としているため、当該資産の市場における取引価格の変動や
為替の変動等により基準価額が変動します。したがって、投資者のみなさまの投資元金が保証されているものではなく、基準価額の下落
により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。運用により信託財産に生じた損益はすべて投資者のみなさまに帰属します。
投資信託は預貯金と異なります。また、投資信託は、個別の投資信託毎に投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が
異なることから、リスクの内容や性質が異なりますので、ご投資にあたっては投資信託説明書(交付目論見書)、目論見書補完書面等を
よくご覧ください。
M
◎投資信託に係る費用について
ご投資いただくお客さまには以下の費用をご負担いただきます。
■購入時(ファンドによっては換金時)に直接ご負担いただく費用
・購入時(換金時)手数料 … 上限 3.24%(税込)
※一部のファンドについては、
購入時(換金時)手数料額(上限 37,800円(税込))を定めているものがあります。
■購入時・換金時に直接ご負担いただく費用
・信託財産留保額 … ファンドにより変動するものがあるため、事前に金額もしくはその上限額またはこれらの計算
方法を表示することができません。
■投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用
・運用管理費用(信託報酬) … 上限 年3.348%(税込)
※一部のファンドについては、運用実績に応じて成功報酬をご負担いただく場合があります。
■その他の費用・手数料
上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目論見書)、目論見書補完
書面等でご確認ください。
※その他の費用・手数料については、運用状況等により変動するものであり、事前に金額もしくはその上限額ま
たはこれらの計算方法を表示することができません。
お客さまにご負担いただく費用の合計額もしくはその上限額またはこれらの計算方法は、購入金額や保有期間等に
応じて異なりますので、表示することができません。
《ご注意》
上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきましては、三菱UFJ
国際投信が運用するすべての公募投資信託のうち、ご負担いただくそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。投資信託に
係るリスクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますので、ご投資をされる際には、事前によく投資信託説明書(交付目論見書)、
目論見書補完書面等をご覧ください。
各資産のリスク
◎株式の投資に係る価格変動リスク
:株式への投資には価格変動リスクを伴います。一般に、株式の価格は個々の企業の
活動や業績、市場・経済の状況等を反映して変動するため、株式の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。
◎公社債の投資に係る価格変動リスク
:公社債への投資には価格変動リスクを伴います。一般に、公社債の価格は市場金
利の変動等を受けて変動するため、公社債の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。
◎REIT(不動産投資信託証券、以下REIT)の投資に係る価格変動リスク
:REITへの投資には価
格変動リスクを伴います。一般にREITの価格は保有不動産等の価値やそこから得られる収益の増減等により変動するため、REIT
の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。
◎オルタナティブ(代替投資手段、以下オルタナティブ)の投資に係る価格変動リスク
:オルタナティブ
への投資には価格変動リスクを伴います。オルタナティブは各種有価証券、商品、ならびに関連する派生商品(デリバティブ)等に投資
するため、各種有価証券、商品、ならびに関連する派生商品(デリバティブ)の価格の変動により損失を被り、投資元金を割り込むこと
があります。
◎信用リスク
:信用リスクとは、有価証券等の発行者や取引先等の経営・財務状況が悪化した場合またはそれが予想された場合も
しくはこれらに関する外部評価の悪化があった場合等に、当該有価証券等の価格が下落することやその価値がなくなること、または利払
いや償還金の支払いが滞る等の債務が不履行となること等をいいます。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元金
を割り込むことがあります。
◎カントリーリスク
:新興国への投資は、先進国への投資を行う場合に比べ、投資対象国におけるクーデターや重大な政治体制
の変更、資産凍結を含む重大な規制の導入、政府のデフォルト等の発生による影響を受けることにより、市場・信用・流動性の各リスク
が大きくなる可能性があります。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込む可能性が高まることがあり
ます。
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■本資料は、投資環境等に関する情報提供のために三菱UFJ国際投信が作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではあり
ません。本資料は投資勧誘を目的とするものではありません。
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でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の補償の対象ではありません。
■投資信託は、販売会社がお申込みの取扱いを行い委託会社が運用を行います。
■本資料の内容は作成時点のものであり、将来予告なく変更されることがあります。(作成基準日:2016年4月27日)
■本資料は信頼できると判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性等を保証するものではありません。
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■本資料に示す意見等は、特に断りのない限り本資料作成日現在の三菱UFJ国際投信経済調査部の見解です。また、三菱UFJ国際投信が設
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ブルームバーグ商品指数(Bloomberg Commodity IndexSM)およびブルームバーグ(Bloomberg®)は、ブルームバーグ・ファイナンス・
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に関する契約を締結しています。スタンダード&プアーズ フィナンシャル サービシーズ エル エル シーは、同指数の算出にかかる誤謬等
に関し、いかなる者に対しても責任を負うものではありません。
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◎流動性リスク
:有価証券等を売却あるいは取得しようとする際に、市場に十分な需要や供給がない場合や取引規制等により十
分な流動性の下での取引を行えない場合または取引が不可能となる場合、市場実勢から期待される価格より不利な価格での取引となる可
能性があります。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。
国内株式・国内債券への投資は上記のリスクを伴います。海外株式・海外債券への投資は上記リスクに加えて以下の為替変動リスクを伴
います。
◎為替変動リスク
:海外の株式や公社債、REIT、オルタナティブ資産は外貨建資産ですので、為替変動の影響を受けます。
そのため、為替相場が円高方向に進んだ場合には、投資元金を割り込むことがあります。
新興国への投資は上記リスクに加えて以下のカントリーリスクを伴います。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
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