「放射光物質科学コース」の新設とキックオフシンポジウムの

平成28年4月28日
報道関係者各位
国立大学法人 筑波大学
「放射光物質科学コース」の新設とキックオフシンポジウムの開催について
国立大学法人筑波大学数理物質学研究科は、平成28年度より専攻横断的な大学院生向けの教育コー
ス「放射光物質科学コース」を新たに開設し、そのキックオフとして、5 月20 日(金)にシンポジウムを開催し
ます。
経緯
筑波大学数理物質科学研究科は、X線領域で日本初の放射光施設であるフォトンファクトリー(PF)に隣接し、従
来より、放射光を利用した物質科学の教育・研究を推進してきました。また、第三世代放射光施設であるSPring-8
を高度利用し、物質科学の分野で数多くの最先端の研究成果を上げており、平成27年度からは、筑波大学内にオ
ーフス大学(デンマーク)材料結晶学センター長アイバーソン教授の研究ユニットを招致し、ヨーロッパやアメリカの最
先端の放射光施設を利用した結晶材料の教育・研究にも取り組んでいます。
こうした教育・研究活動を総合的・組織的に展開するために、学内での物質科学教育と学外施設を利用した放射
光科学教育と融合させる大学院教育コース「放射光物質科学コース」を開設することにいたしました。本コースでは、
PFやSPring-8等の国内の放射光施設と連携し、実践的な放射光利用実験を通じて、放射光科学と物質科学の両
分野の専門知識を持つ技術者・研究者を育成します。
「放射光物質科学コース」のカリキュラムと特徴
本学数理物質科学研究科の各専攻のカリキュラムに加え、本コースでは以下の科目を学習・実習します。
① 放射光物質科学概論(博士前期課程):放射光の基礎と利用方法の学習。コース学生の個別テーマに対する
放射光利用相談。
② 放射光物質科学特論I(博士前期課程または後期課程):研究計画の立案と放射光施設への課題申請。
③ 放射光物質科学特論II(博士前期課程または後期課程):施設での実験・解析と報告書の提出。
本コース教育の特徴は次の3点です。
① 弾力性(コース学生のニーズに合わせた教育・講義、施設の教育・実習コースの利用)
② 主体性(コース学生自身が研究計画を立案、放射光施設に課題申請)
③ 学際性(物理、化学、工学、生物といった様々な分野の学生が集結)
キックオフシンポジウムについて
本コースの開設にあたり、下記の通りキックオフシンポジウムを開催します。シンポジウムでは、JASRI利用促進部
門木村部門長、KEK物質構造科学研究所村上副所長、NIMS高輝度放射光ステーション坂田ステーション長によ
る各放射光施設の紹介、そして、住友ゴム工業株式会社岸本氏による放射光の産業利用に関する講演があります。
(別紙参照)
【日時】
平成28年 5月20日(金) 13:00~17:00
【会場】
筑波大学総合研究棟B棟0110教室
【主催】
筑波大学数理物質科学研究科
【後援】
筑波大学数理物質融合科学センター(CiRfSE)、筑波大学学際物質科学研究センター(TIMS)、ナ
ノテクキャリアアップライセンス(Nanotech CUPAL)
【アクセス】 TXつくば駅より、筑波大学中央ゆきバスに乗車。「第一エリア前」にて下車、徒歩2分。
【参加費】
なし
【参加登録】 なし
【問合せ先】 守友 浩([email protected])
今後の予定
平成28年度より、数理物質科学研究科大学院生を対象にコース生を募集します。修士論文または博士論文の
研究に放射光を利用したいと考えている学生なら、誰でも受講できます。博士前期課程のコース生は、放射光物質
科学概論を通じて、放射光の基礎と利用方法を学ぶとともに、自身の研究テーマの放射光利用を検討します。また、
博士後期課程のコース生は、放射光物質科学特論を通じて、研究計画の立案と放射光施設への課題申請を行い
ます。自ら立案した課題が採択されることにより、研究者・技術者としてのコース生の大きな自信と成長に繋がります。
さらに、本コースでは海外放射光施設での実験も推奨し、国際舞台で活躍できる研究者・技術者を育成します。
放射光物質科学コースの概念図
問合わせ先
守友 浩(もりとも ゆたか)
筑波大学 数理物質系 教授
Tel: 029-853-4337
Fax: 029-853-4337
E-mail: [email protected]
放射光物質科学
放射光物質科学コー
光物質科学コース
コース キックオフ
キックオフシンポジウム
オフシンポジウム
- 放射光利用による
放射光利用による科学
による科学者
科学者・技術者としてのキャリアアップ
技術者としてのキャリアアップ –
日程:
日程:5/20(金
5/20(金)13:0013:00-17:00
場所:
場所
:総合 B0110
主催:
主催:筑波大学数理
筑波大学数理物質科学研究科
数理物質科学研究科
共催:
共催:数理物質融合
数理物質融合科学
融合科学センター
科学センター、
センター、学際物質科学研究
学際物質科学研究センター
研究センター
13:00-13:10
数理物質科学
数理物質科学研究科
科学研究科の
研究科の教育(
教育(数理物質系長
数理物質系長:伊藤雅英)
伊藤雅英)
13:10-13:20
放射光
放射光物質科学
物質科学コース
科学コースの
コースの説明(
説明(筑波大学数理物質系
筑波大学数理物質系:
数理物質系:守友 浩)
13:20-13:40
SPringSPring-8 施設と
施設と大学院生提案型課題の
大学院生提案型課題の説明(
説明(JASRI 利用研究促進部門副部門長:
利用研究促進部門副部門長:木村 滋)
13:40-14:00
フォトンファクトリーの施設説明
フォトンファクトリーの施設説明(
施設説明(KEK 物質構造科学研究所副所長:
物質構造科学研究所副所長:村上洋一
村上洋一)
洋一)
14:00-14:10
NIMS 高輝度放射光ステーション
高輝度放射光ステーションの
ステーションの説明(
説明(ステーション長
ステーション長:坂田修身
坂田修身)
修身)
----------Break
----------Break--------Break--------14:20-14:40
海外教育研究ユニット
海外教育研究ユニット招致
ユニット招致による
招致による国際共同研究
による国際共同研究と
国際共同研究と将来構想(
将来構想(数理物質系:
数理物質系:西堀英治
西堀英治)
英治)
14:40-15:00
X 線自由電子レーザー
線自由電子レーザーSACLA
レーザーSACLA を用いた超高速時間分解
いた超高速時間分解 X 線回折測定(数理物質系
線回折測定 数理物質系:
数理物質系:長谷宗明
長谷宗明)
宗明
15:00-15:20
有機薄膜太陽電池の
有機薄膜太陽電池の放射光解析:
放射光解析:電子構造・ダイナミクス
電子構造・ダイナミクス(数理物質系
・ダイナミクス 数理物質系:
数理物質系:櫻井岳暁)
櫻井岳暁
15:20-15:40
窒素ドープがもたらす
窒素ドープがもたらす炭素材料
ドープがもたらす炭素材料の
炭素材料の特異な
特異な電子状態と
電子状態と触媒機能(
触媒機能(数理物質系:
数理物質系:近藤剛弘)
近藤剛弘)
----------Break
----------Break--------Break--------16:00-16:40
放射光 X 線を応用した
応用した次世代
した次世代タイヤ
次世代タイヤ材料開発
タイヤ材料開発
(住友ゴム
岸本浩通)
住友ゴム工業株式会社
ゴム工業株式会社 研究開発本部 分析センター
分析センター 課長:岸本浩通
16:40-17:00
放射光科学
放射光科学における
科学における筑波大学
における筑波大学の
筑波大学の役割と
役割と期待(
期待(東大名誉教授:
東大名誉教授:寿栄松宏仁
寿栄松宏仁)