知って、食べて、育てる、楽しいエコ活動 ふくはら子どもエコ

知って、食べて、育てる、楽しいエコ活動
ふくはら子どもエコクラブ 2015 年活動報告
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はじめに
子ども達が進んで環境について学ぶエコクラブを結成してから 6 年が経過し
ました。毎年 20 人ほどのメンバーが参加して、経験も積み重なってきました。
活動のスタイルは“地域の環境と産業そして文化”を基本として、自然や地域
を知り、自分にできることを実践する体験的な活動を行ってきました。
また、伝統的な雑木林の管理を行いながら循環型農業を支援する ESD(持続
可能な開発のための教育)の視点でも活動しています。それに加えて、近年、
希薄になっている異年齢集団による活動にも留意しています。
これまでの活動をまとめると
(1)
自然や地域を知ること
(2)
旬や地産地消で郷土文化の継承をめざす
(3)
自分でできる活動を実践する
(4)
雑木林を順応的に管理し再生をめざす
(5)
活動をまとめて発信する
を 1 年間続けてきました。
2
具体的な活動は
(1)自然や地域を知ること
いただきました。
福原には開拓の伝統を残す雑木林
水質がきれいになった不老川で水
があり、多くの生きものがつながって
生生物調査をしました。今年は水が多
生きています。夏に昆虫の専門家を招
く、冷たいので虫は少なかったのです
いて林の昆虫調査を続けています。今
が、魚が取れました。魚を捕まえる投
年は身近に昆虫を知るために網で捕
げ網を教えてもらいました。終わって
まえたチョウの標本を作りました。昆
からライフジャケットで川流れの練
虫の骨格や翅が分かるように教えて
習をしました。
雑木林で昆虫採集
不老川で採集できた昆虫
(2)旬や地産地消で郷土文化の継承をめざす
旬を知り、農業を経験するために、
て“ウドン流し”をします。竹のオワ
トウモロコシの収穫体験をしました。
ンとハシで上手に食べることができ
自分でもぎ取りをしてから林に運ん
ました。
で蒸して食べます。旬と地産地消が同
秋には有機栽培のサツマイモをオ
時にできエコな活動で農家の支援に
キ火の中で焼いて食べると熱々です
もなります。
が、甘味が口いっぱいに広がります。
春の西風から砂埃を防止し、農地を
冬には、「くずはき」のあとには温
守る小麦をうどんにして食べる郷土
かいトン汁を食べます。地元産の野菜
食があります。地元で製粉した小麦粉
を入れて体を温めます。そして、生活
を使って、地域の伝統食を作ります。
に欠かせないみそ作りをしました。ま
小麦粉を塩と地下水で練って、伸ばし
だ熱い大豆をマッシャーでつぶしな
て、切ってゆでるとうどんができあが
がら塩とこうじを入れて 1 年間ねかせ
ります。これを竹で作ったトイを流し
ると美味しいミソができ上がります。
ウドン流しを楽しむ
焼いものためにオキ火つくり
トウモロコシの収穫体験
冬のみそ作り
(3)自分でできる活動を実践する
5 月になると緑のカーテンを準備し
ットをかけてツルが伸びるのを待ち
ます。メンバーの家のプランターに落
ます。夏は涼しくなりキュウリが採れ
ち葉のたい肥を入れ、にキュウリとア
るおまけもつきます。
サガオ、ゴウヤの苗を定植し、園芸ネ
秋晴れになると、
「カルピカ」
(大型
の太陽光集光器)を借りてエコクッキ
作りその上に網をのせて魚(サンマ)
ングをします。300℃近い高温になる
を焼きます。煙を気にしないでお代わ
ので肉やハムが音を立てて焼けます。
りするほどの人気の味です。
太陽にあわせて移動すると短時間で
今年は、ガスの賢い利用を知るため
料理ができ太陽の力を実感するとと
にガスの科学館で勉強しました。ガス
もに究極のエコ料理です。しかし、雲
が家庭に届くまでやクイズで賢い使
に隠れると調理ができなくなるので、
い方を知ることができました。
その時は、枯れ木を燃やしてオキ火を
エコクッキング
(4)
緑のカーテン
雑木林を順応的に管理し再生をめざす
活動の拠点としているのは、開拓の
を守ることができます。秋には、シノ
歴史を残している雑木林で、ここで 1
竹を刈り、枯れ木を切り、枯れ枝を集
年間を通じて、下草刈り、枯れ木集め、
めて燃やして料理や暖房に使います。
「くずはき」の手入れをして林をきれ
冬になり枯葉が落ちると伝統的な熊
いにしています。今年は、林の中で枯
手を使って「くずはき」をします。集
れてしまう幼木を鉢で育て空き地に
めた落ち葉は軽トラに載せて農家に
植えて、雑木林の再生をめざしました。 運びます。循環型農業の支援ときれい
春は林に侵入してきたモウソウ竹
を切り、竹の子を掘ります。これで林
林の幼木を移植して林の再生を
になった林には翌春に多くの野草が
芽を出すことができます。
落ち葉を集めて運ぶ活動
(5)
活動をまとめて発信する
全国の子どもエコクラブに登録し、
告をしてきました。また、川越市の環
埼玉県の“地球にいいことグリーンチ
境フォーラムではエコクラブとして
ャレンジ事業”に応募することで、活
活動を発表してきました。
動を援助してもらっています。福原の
地域の多くの人の支えで、異年齢集
公民館でパネルの展示をしたり、埼玉
団で仲良く活動しながら経験を積み
県の子どもフェステバルで活動の報
重ねてきています。
公民館での展示
県の子どもフェステバルで
1:クラブ名
武州ガス子どもエコクラブ
2:クラブの構成メンバー
3:メンバー
小学校5年生
小学校5.6年生で公募したメンバー
4名
6年生
6名
4.活動報告
① 環境にやさしい天然ガスの勉強とエコ・クッキング
(H27.4)
液化窒素を使った冷熱実験!
環境にやさしい調理方法エコ・クッキング。
東京ガス
ガスの科学館
「がすてな∼に」の見学
(H27.6)
② 当社が所有する「武州ガス飯能の森」で自然体験学習
(H27.8)
雨のため、スライドを使った説明・・・
講師の先生が様々な生物の標本などを用意してくれました。
5.感想
子ども達は、普段あまり体験することのないことを体験することが出来、とても楽しかったと報告
してくれました。飯能の森では、あいにくの雨でしたが「生物多様性」についてのお話しを真剣に聞
いていました。
この活動が、環境について興味を持ち、考えてくれる良いきっかけになったのではないかと思いま
す。