岡山大学大学院教育学研究科研究集録 第 1 4 2号 ( 2 0 0 9 )4 9-5 9 メタファーについて 瀬田 華人 メタファー ( met aphor ) についての研究は,従来の詩的空想の世界における修辞的技法や 表現法 を離れ,言語学の分野において大 きな関心 を集めている。 とりわけ,80年代 に入 ると, 認知科学の発展 とともに,メタファーは,人間の思考や概念構造 といった観点か ら論 じられ る ようになって きた。本稿 では, ア リス トテ レスの時代 に遡 る伝 統 的 なメ タフ ァー論 と I J ako fa mdJohn s on ( 1 980) に代表 される認知言語学 におけるメタファー論 を比較検討す るこ とによって,メタファーの本質に迫 り,最終的に独 自のメタファーの定義 を捷示する。 さら に,メタファーの 日英比較 を基に,文化 とメタファーの関係 について も解明の糸口を探 る。 Keywor ds:メタファー ( 隠喰),概念 メタファー,イメー ジ ・メタファー, 文化 とメタファー,メタファーの 日英比較 1.は じめに といえる。 どの ような言語において も, 1つの語で複数の意 味 ・概念 を表す現象 は見 られる。 これは,限 られた 語菜 で なるべ く多 くの意味 ・概 念 を表わそ うとす る,いわゆる 「 言語の経済性」 と一般 に呼ばれる原 理 によるもの と思われる。ある語の基本的な意味に 本稿では,メタファーについて,その理論的な枠 組みを明 らかに した後, 日英の比較 を基 に文化 とメ タファーの関係 について論 じる。 基づいて,す なわち基本的な意味 を変化 させ ること によって,新 たな意味が派生 されることは 「 意味拡 s emant i ce xt e ns i on) と呼ばれている。意味拡 張」 ( 張 の 代 表 的 な も の と し て は , 「メ タ フ ァ ー 」 ( met aphor;隠喰 ), 「シ ネ タ ドキー 」 ( s ynec- 2.伝統的 なメタファー論 瀬戸 ( 1 995: 4) は, 「目玉焼 き」や 「メロンパ ン」 の例 をあげて,「メタフ ァー とは ≪見立て≫ と考え れば分か りやす い」 と端 的な言 い方 を してい るが, ここでは, まず メタファーについての伝統的な考え 方について概観 してお く 。 met onymy ;換愉) doche ;授愉), 「メ トニ ミ-」 ( と呼ばれる比倫がある。 の時代か ら今 日に至 るまでのメタファー理論 は,大 これ らの中で も,特 にメタファー と呼ばれる比倫 についての考察は,遇か遠 くアリス トテ レスの 『 詩 学』 に遡 るといわれる。 『 詩学』では,比倫 は (i) compar i sont heor y) の系列 と きく 「 比較理論 」 ( s e ma nt i ci nt e r ac t i on仇eor y) 「 意味的相互作用理論 」( の系列の 2つ に分類で きる。 2) i i )種 で類 , ( i i i )種 で別の種 , ( i v) 比例 類 で種 , ( 関係,の 4種類 に大 きく分 け られてお り, ( i i i )と ( i v) が メタファーにあたるとされる。l)メタファー ob j ec t ) 比較理論 は, 2つあるいはそれ以上の事物 ( を比較 した り,それ らの事物 の間に類似性 ( s i mト sear l e( 1 979:85f f . ) に よれば,ア リス トテ レス ア リス トテ レスや Mi l l e r( 1 993)等 に代表 される は, レ トリックの伝統 として中世 ヨーロ ッパに受け 継 がれ たが,20世紀 に入 る と再 び関心 を集 め るよ うになった。哲学的メタファー論の研究が進み,特 I ar i t y) を見 出す もので あ る。 この理論 によれ ば, ' s̀i sP" とい う比喉的陳述は, 「 SのFに対す る関係 に 80年代以 降は,認知科学の発展 に伴 い,認知言 語学の観点か ら精力的な研究がなされ,認知的な視 点 に立 ったメタファー論は著 しい発展 を遂 げて きた 特性 FとGが存在す る ( The r ei ss omepr oper t yF が,Pの G に対す る関係 と類似 しているようなある a nds omepr oper t yG s uc ht ha tS' sbe i ngFi ss i i l m a r t op' sbei ngG)」 と分析 されることになる。一方, 0 0-8 5 3 0 岡山市北区津島中 3-1-1 岡山大学大学院教育学研究科 社会 ・言語教育学系 7 0nMet aphor Yuki t oSETA Di v i s i onofSoc i a lSt udi e sandLa nguag eEduc a t i on,Gr a dua t eSc hoolofEduc a t i on,Oka y a maUni ve r s i t y,3 1 1 t a ku , Oka ya maCi t y7 00 85 3 0 Ts us hi ma na ka,Ei -4 9- 瀬田 Bl ack ( 1 962) 等に代表 される意味的相互作用理論 は,2つの意味内容,つ まり比倫的に用い られる表 現の意味内容 と文字通 りの文脈での意味内容の問に おける相互作用 を含む とするものである。別の言い t enor )) と 方 をすれば,愉えられるもの (-主意 ( ve hi cl e)) が相互に作用 喰 えとなるもの (-媒体 ( して,共有の特徴 を生み出す ことによって主意の意 味が変化すると主張する理論である。 Gr ady ( 1 999: 87 89) は,下の (1)のような古典的 な比倫表現 を例にあげて,この種の比倫表現は,上 華人 ちなみに,Gr ady ( 同書 :94 96) は,上で見た同 一種類の事物 間お よび概念間の類似 に関係する 「 類 似メタファー」の他 に,違 う種類の事物 同士お よび 概念同士の結びつ きに関係する 「 相関関係 メタファ ー 」 (cor r el at i on met aphor / cor r el at i onbased 相 me t a phor ) と呼ぶメ タファーを設定 している 「 関関係 メタフ ァー」 は,類似メタファーの場合に見 られるような愉えとなる概念 と喰えられる概念の間 。 の 「 比較理論」の枠組みでは説明で きない として, の共通特性 とい うものはな く,下の ( 2a) の hea v y 重 さ」 ( we i g ht )と 「 困 bur de nに見 られるように 「 d i 氏Cu lt y) という 2つの異なった概念が, ( 2 b) 難」 ( r es e mbl ancehypot hes i s) を提案 し 「 類似の仮説」 ( ている。 のような 「 基本メタファー」 ( pr i ma r yme t aphor )と 呼ばれるメタファーによって結びつけられている。 ( 1) Ac hi ue si sal i on. , ( 2) a . car i ngf oranel der l yr el at i vepl acesa he av yb ur de nonaf a il m y. b.DI FFI CULTI ESAREBURDENS Gr adyによると,アキ レス とライオ ンという 2つ の実体の間には比較理論が主張するような客観的な F,G) が元々内在 類似性,あるいは類似 した特性 ( してい る とはいい難 い,つ ま り,例 えば 「勇気」 ( cour a ge) とい う特性が本来的にアキレスに備わっ ているわけではな く,同様 に 「 勇気」がライオンら adyは,そ う しさの本来の特性の 1つで もない。Gr ではな く 「 勇敢な人」 ( アキレス も含 まれる)のス BRAVEPERSON) と 「ライオ ン」のスキ キーマ ( LI ON) に類似 した特性,例 えば 「 勇敢 な人」 ーマ ( と 「ライオン」 は, ともに<恐れないで危険な相手 に立 ち 向か う> とい う振 る舞 いが ` ` 知覚 で きる I mpo r t a ntda y La r geo b j e c t , ( per cei ved)" とし, (1)の ような比倫表現 を 「 類似 メタファー」 ( r es e mbl a nc eme t a phor ) と呼んでい る。類似 メタファーは,一般的に下の図 1のように 表わされ ( 一番下の節点 ( ●)は,その上の事物の 特性 を表わす), (1)は下の図 2の ように表わされる としている。 LI ON BRAVEPERSON = 3.認知言語学におけるメタファー論 メタファーを認知 という観点か ら捉 えようとした fandJohns on ( 1 980) であ 先駆的な研究が Lakof り,後に 「 概念メタファー」( conce pt ua lme t a phor ) として知 られ るようになったメ タファーの導入 な ど,その後のメタファー研究の発展に大 きく寄与 し fandJ ohr L S On ( 同書 :3 4) は,メタファ た。Lakof ーは言葉遣いだけに限られているのではな く,思考 や行動 にいたる日常生活のあらゆる部分に浸透 して いる,言い換 えれば,我々の 日々の活動は,思考 を 支配 しているさまざまな概念 ( conce pt ) によって 規定 されてお り, この我々が 日常用いている概念体 系の大部分が本質的にメタファーによって成 り立っ ていると主張す る。 COURAGE 図 1 類似 メタファー Ac h i u e s< Li o n / o u r a g ^ c , 彼 らは 「メタファーの本質は,ある種の事が ら を別の事が らを通 して理解 し,経験することである」 ( p. 5) と述べ,これについて説明するために下の よ うな例 をあげている。3' ( 3) a . You' r ewa s t i ngmyt i me.( あなたは私の時 間を浪費 している) b. TY l i sg adge twi l l s aveyouhour s .( この機械 図2 -50 - メタファーについて 装置を使えば何時間 も節約できる) C. How doyous pe ndyourt i met he s eda ys ? ( 最近 どんなふ うに時間を使っているの) d. Tha tf la tt i r ec o s tmea nhour .( あのパ ンク したタイヤの修理 に 1時間かかった) l i ht g ng) という概念を用いて,下の図 4で示 される i ように,LakofとJ ohns onの指摘 したメタファーに よる概念の部分的構造化の特性 を説明 している。 I . a kofa ndJ o r L nS O n( 同書 :8 1 9) は,彼 らの文化で は時間は貴重なものであ り,まるで 「 お金」である MEI SMONEY< かの ように扱われる,つ ま り,TI 時は金な り> とい うメタファーによって ,「時間」 を概念化 していると説明する。すなわち,メタファ ーによって,「お金」 とい う概念 ( 一般 に 「 起点領 域」( s o rc u edoma i n)と呼ばれる)に基づ き 「 時間」 t ar ge tdoma i n) とい う概念 ( 一般 に 「目標領域 」 ( と呼ばれる)に構造 を与え,理解 しようとするメタ ファーが TI MEI SMONEYなのである。彼 らは,こ s t mc のようなメタファーを 「 構造のメタファー」 ( - t ur lme a t a phor ) と呼ぶ ( p. 1 4) 。 構造のメタファーの例 として,b kofa ndJ o h r t s o n ( 同書 :5 2 5 3)は,さらに THEORI ESAREBUI LDI NGS<理論は建造物である>4 )を取 り上げて, こ のメタファーは概 念の一部分 に しか構造 を与えな い,すなわち,ある概念 を他の概念の理解 に用いる used) 部分 と 場合 に,概念 の中に 「 使 われ る」 ( 「 使われない」 ( unus e d)部分があると述べている。 THEORI ES<理論 >という概念に構造 を与えるため LDI NGS<建造物 >の部分 は, に 「 使 われる」BUI f ounda t i on ( 基礎) とOut ers he l l( 外郭)で,r oof ( 屋根),r ooms ( 部屋),S t ai r cas e s( 階段),ha l レ o n s u t i l i z e d: hi g hl i ght e d ・c t r u c t i o n ・s t r uc t u r e ・s t r e n g ho t f t hes t r u c t u r e 図4 Lakof fandJohns on ( 同書 :1 4 21,25 32) は, 方向づけのメタファー」 構造のメタファーの他 に,「 ( or i e nt a t i onalme t a phor ) と 「存在のメタファー」 ( ont ol og i c a lme t a phor ) を提案 している。方向づけ のメタファー とは,下の ( 5) の ようなメタファーで, 構造のメタファーの場合 とは異 な り,概念同士が相 互に関係 し合って全体 としてひとつの概念体系 を組 5) では,「 楽 しい」 とい う概念 織す るもの をい う。( に 「 上」 とい う空間的方向性 ( s pa t i lor a ie nt a t i on) 6) が与 え られている。 なお , ( 5)か ら出て くる英語表 現 として, (6)- (7)などがあげ られている。 ( 5) HAPPYI SUP;S ADI SDOWN <楽 しきは上, 悲 しきは下 > 廊下) は 「 使 われない」部分である。従 っ wa ys ( て,c o nst nc t( at he o r y) (( 理論 を)構築する)早 t hefo undat i o n( o fat he o 7 甘) (( 理論の)基礎) と いう表現は,メタファーによって構造 を与え られた 概念 ( <理論 >)の 「 使われる」部分の例であ り, l i t e r a l )言語表現 と 我々が 日常使 う 「 文字通 りの」 ( いうことになる。一方,下に見 るような例 は,<理 論 >とい う概念の 「 使 われない」部分の例であ り, 文字通 りの言語表現 とはいえない。 5) ( 6) C . You' r ei nhi ghs pi it r s .( 上機嫌ですね) ( 7 ) a. Ⅰ ' mf e e l i ngdo wn.( 気持ちが沈んでいる) b. Mys pi i rt ss ank.( 気分が沈んだ) C . He' sr e a l l yL o wt he s eda y s .( 彼 は最近本当 に落ち込んでいる) 5) 以外 に も( 8) 方 向づ けのメ タフ ァー としては,( など多 くの ものがあげ られている。 ( 4) a . ? Thi st he or yhasnoWi ndo ws.( この理論 には墨が付いていない。 ) b. ? Thet e nant sofhert he or yar ebe hi ndi n ( 8) a . CONSCI OUSI SUP;UNCONSCI OUSI S DOWN <意識は上,無意識は下> b, HEALTH ANDLI FEAREUP;SI CKNESS ANDDEATHAREDOWN <健康 と生命は 上,病気 と死は下 > t he i rr e nt .( 彼女の理論のテナ ン トは里里 型が滞 っている。 ) Ta ni g uc hi( 2 0 05 : 21 2 )によると,KO ve c s e s( 2 0 0 2) は,BUI LDI NGSの 「 部分的利用」( pa r t i lut a i l i z a t i on) とTHEORI ESの 「 部分的際立たせ 」 ( par t i a lhi g h- a・I ' mf e e l ngu i p・( 気分圭土 です) b. Mys pi r it sr o s e .( 気分が上がった ( ⇒元気 が出た) ) 5 1 C. MOREI SUP;LESSI SDOWN <よ り多 き は上, より少なきは下 > - 瀬田 華人 d. GOOD I SUP;BAD I SDOWN < よいこと は上,悪いことは下 > である> とい うメタファーによって捉 えることが , で きるとい う。つ ま り 「 視界」 を仕切 られた物理 的な空 間 としての容器 と見倣 している。( l aや( 1 頚で , , , 存在のメタファーは,人間の肉体の ような物理的 な物体 に係わる経験 によって基盤が与 えられるもの 恋愛」 「もめごと」 さえも 「 容器」 は 「レース」 「 として認識 されることになる。 で , 出来事 ,活動 ,感情 , 考 えな どを,存 在 物 . akofa ndJ ohns on ( 同書 :5 9) これに関連 して,I は,概念の基盤形成 に関 して非常 に興味深い指摘 を ( ent i t y) や実体 ( s ubs t ance) として見倣 すメタフ 9) があげ られ, ァーであるとされる。 例 として下の ( ( 9)か ら出て くる英語表現 として( 1 0 ) があげ られてい る。 7) , している。彼 らは,下の( 1 4 ) の 3つの例をあげ 「 我々 は主に,肉体的なものによって非肉体的なものを概 念化する-つ ま り,輪郭が よりはっきりした ものに we よって輪郭が よ り不明瞭な ものを概念化す る ( ( 9) Ⅰ NFLATI ON I SAN ENTI TY <インフレは一 つの存在物である> ( 1 0 )a . I n jl al i o ni sl o wer i ngours t i nda r dofl i ing. v o mb ati n J ht i o n. b. Wenee dt oc li a n おmL SO ft he t ypi c ll a yc onc e pt ua li z et heno nphys i c phys i ca l -t ha ti s ,Weconce pt ual i z et hel e s scl e ar l y de hI e a t e dht e r r t uoft hemor ec l e a r l yde l ne i a t e d) 」と 述べている。 C . I n jl at i o ni sb ac k i ngusi nt oacome r . d. I n j l al i o nmak e smes i c k. ( 1 4 ) a. Har r yi si nt heki t c he n.( ハ リーは台所 にい る) ( l C ? の例か らも分かるように,イ ンフレを一つの存 b. Har r yi si nt heEl ks.( ハ リーはエルクス [ 米国の慈善保護団体]に属 している) 在物 と見倣す ことによって,インフレに言及 し,敬 量化 し,識別することがで きるのである。 存在のメタフ ァーの中に,下の( l l )11 3 )の ような cont ai n英語表現が関係する 「 容器のメタファー」 ( e rme t a phor ) と呼ばれるものをあげている。 8) ( l l ) a . Thes hi pi sc o mi ngi nt ov ie w.( その船は次 第に視界の中に入 って きた) bJ havehi mi ns i ht g .( 私は彼 を視界の旦 邑 持 っている ( ⇒彼 は私の見 えるところにい る) ) C. He' so uto fsi htnow.( g 彼 は今,視界の外 i Lいる ( ⇒ 彼 はもう見えない) ) ( 1 2 )a . Ar eyoui nt her aceonSunda y? ( あなたは 日曜 日の レースの皇旦 い ますか ( ⇒ レー スに参加 しますか)) b. He' so uto ft her ac enow.( 彼は今, レース の生娃 出た ( ⇒ レースか ら脱落 した)) 3 ) a. He' si nl ove.( 彼 は恋愛里 です。 ) ( 1 b. We' r eo uto ft r oubl enow.( 私たちは今, もめ ごとの生邑 出た ( ⇒ もめ ご とが無 く なった) ) C. Ha r Ⅳi si nl ove.( ハ リーは恋愛中です) これ らの表現 は,それぞれ異なった領域の経験 に言 1 4a) は空間的 ( s pa t i a l )経験, ( 1 4 b) 及 している。 ( は社会的 ( soci al )経験, ( 14C) は感情 的 ( emo)経験 を表わ している。 ( 1 4 a) の I N とい う概 t i onal 念は,メタファーによって構造 を与えられた概念で はな く,明瞭な輪郭 を持 った空間の経験か ら直接現 1 4b) と ( 1 4C) の場合 は,メタファーに れるが, ( よって構造化 された概念 ということになる。例 えば, ( 1 4 b) の t heEl ksは,SOCI ALGROUPSARECONTAI NERS <社会団体 は容器である> とい うメタ ファーによって空間的概念 として構造が与えられる ことになる。 , 上で見たような 「 上 一下」 「内一外」 といった空 間的方向性 に基づ くメタファーは,人間の肉体が基 盤 となっていることか ら, §5で述べ るように,文 化 を超 えた普遍的なものだと考えられる。 4. メタファーの構造 と定義 Bko f( 1 9 9 3 : 2 4 5 )が メタファーの構造については,I 認知意味論の観点か ら,以下の 8項 目をあげている。 Lakof fとJohns onは,人間は肉体以外の世界 を外の 世界 として経験するが,その とき自分 自身の持 って いる 「内 一外」 という方向性 を外界の他の物理的物 ( 1 5 )a .メタファーは,ある概念領域か ら別の概念 ma ppi ng) である。 領域への写像 ( b. そのような写像は非対称的で部分的である。 C.それぞれの写像は,起点領域の存在物 と目 標領域の存在物の間の存在論的対応関係の 体 に投影するため,それ らの物体 も内側 と外側 を持 川 の英語表現 は, った容器 と見倣 す と主張す る。( VI SUALFI ELDSARECONTA l NERS<視界は容器 - 52 - メタファーについて った。 不変集合である。 d.それ らの不変対応関係が活性化 される と, 写像 は起点領域の推論パ ター ンを目標領域 の推論パ ター ンに投影する。 e,メタファー的写像は 「 不変性の原則」 ( t he 籾 山 ・深田 ( 同書 :7 4 7 6)は,上の( 1 7 ) のような例 1 7a) は,「( 植物 をあげて,次のように説明する。 ( の)花」の持つ <植物が咲かせる美 しく人目を引 く もの> とい う意味 に対 して,<美 しく人 目を引 く 人> という意味 として比倫的に用いられている。つ ジ ・スキーマ ( i mages chema)構造は, 目 標領域が内在的に持つ構造 と矛盾 しないよ うな形で 目標領域 に投射 される一 に従 う。 まり,「( 植物の)花」 と 「( 職場の)花」の間には <美 しく人 目を引 く ( もの)> という共通点が見 ら f . 写像 は任意ではな く,肉体 と日常の経験知 識の中に確立 されている。 g. 概念体系 には,概念体系の高度 に構造化 さ れた下位組織 を形成する,非常 に多 くの慣 習的なメタファー写像が含 まれる。 h. 写像 には2つの タイプがある。 それ らは, conce pt ualma ppi ng) とイメ 概念的写像 ( ージ写像 ( i magemappi ng) であ り,両方 とも不変性の原則に従 う。 動物 の) ブタ」 の太っている れ る。 (17b) は,「( 17b) の文を発 した人 (と考えられている)体型 と ( の体型の類似性に基づ き,「ブタ」 という語が<太っ た人間>という意味 として比喰的に用い られている。 籾 山と深 田は,さらに,メタファーに基づ く表現 として 「 旦 玉焼 き」 を取 り上 げ ,「 旦玉 焼 き」 は 「 黄身 と自身の配置を含む全体の形が,( 人間などの) 目玉 と類似 していることに基づ き成 り立っている表 現である」 ( p. 76) と述べている。 しか しなが ら,籾 山 と深 田の枠組みでは,( 1 6の 定義の ように 「 類似性」 という観点 に基づ く限 り, メタファーの本質を捉 えるのは難 しい といえる。上 これ らの 8項 目でまとめ られている認知意味論の立 場 は,すでに見た伝統的な 「 比較理論」の流れを汲 む立場 とは,( 「イメージ写像」 というよ り)「 概念 的写像」 とい う点で大 きく異 なっている といえる。 認知意味論の枠組みにおける重要な概念である 「 写 の( 1 5 ) のまとめか らも分かるように,メタファーは, ある概念領域か ら別の概念領域へ概念 またはイメー ジを写像す る,つ まり,いわばある概念領域 におけ る概念または イメージの推論パター ンを別の概念領 域へ転用す ることだと捉 えるべ きである。 これに関 像」 とは,「ある具体的な概念領域の推論パ ター ン を別のより抽象的な概念領域の推論パ ター ンに投射 比較理論」が す る」 ということであ り, 土れは,「 2つ (またはそれ以上)の事物の 主張するような 「 間に類似性 を見出す」 ことを意味 しているわけでは ない。すでに見た Gr ady ( 1999) の 「 比較理論」 -の反論か らも分かるように,2つ ( またはそれ以 上)の事物の問に類似性あるいは類似 した特性が本 来的に内在 している とす る考 え方 には問題がある。 もちろん,ある概念領域か ら別の概念領域-の概念 の写像が行われると,結果的には 2つの領域におい ては類似 した概念構造 (イメージ ・スキーマ構造) が見出されることになる。 連 して,籾 山 ・深 田 ( 同書 :78) は,Langacker ( 1 987,1 999) に基づ き,「 2つの事物 ・概念の類似 性 に基づ く ( 類似性 を見出す) メタファーの基盤 と なる最 も基本的な認知能力は,我々の もつ 2つの対 象を 「 比較する」 という能力である」 と述べている 比較す る能力」ではな く「 推論形式を転用する が,「 能力」として捉 えるべ きであろう。 ここまでの議論 を踏 まえて,以下にメタファーの 定義 として代案 を示 してお く 。 ( 1 8 ) メタファー とは,ある概念領域 における概念 ところで,メタファーについては,すでに上で見 た比較理論の場合のように類似性 に基づ く提案が多 またはイメージと結びつ く推論形式 を,別の 概念領域 に転用する認知能力。 く見 られ る。例 えば,籾 山 ・深 田 ( 2003:76) は, メタファーを「 類似性 に基づ き意味が拡張する比喰」 と捉 え,下の( 1 6 ) のように定義 している 。 q) ( 1 6 ) 2つの事物 ・概念の何 らかの類似性 に基づい て,一方の事物 ・概念 を表す形式 を用いて, 他方の事物 ・概念を表す比噛。 ( 1 7 )a.Aさんは職場の花だ。 b.正月休みに食べす ぎて,Z之 になって しま - ここでいう 「イメージ」 とは,視覚的イメージのよ うな五感に関係す るものを指す。 また,形状などの イメージも概念 と関係す るため,概念領域 に位置づ けられるもの と考える。 5.文化 とメタファー 前節では認知言語学の立場か らのメタファーにつ いて見たが,実際,認知心理学や心理言語学か らの 53 - 瀬田 華人 6.メタファーの 日英比較 多 くの経験的証拠 によって 「 概念 メタファー」 とい う考え方が心理学的に妥当であることが裏づけられ ) すでに見た よう て きた といって もよいであろう。 10 ここでは,メタファーを視覚に関係する 「イメー ジ ・メタファー」 と,概念 に関係する 「 概念メタフ ァー」に大 きく2つに分けて見てい くことにする。13) に,概念メタファーは,具体的な肉体的経験 を通 し て,いわば感覚運動的に精神の中に形成 される経験 的ゲシュタル ト (-イメージ ・スキーマ) を概念基 6. 1 イメージ ・メタファーの場合 , , , 2000) は 「 釘の垂」 「 船昼」 「 魚の旦」 松本 ( のように,身体部位詞 を用いて物体部分 を表わす比 盤 とし,別の領域のより抽象的な概念 を認識する働 きをするもの と考えられている。 しか しなが ら,心 理言語学の枠組みでは,この ( 起点領域の) イメー ジ ・スキーマ構造のメタファー的写像 によって構造 倫表現 について考察 している。彼 は,身体部位詞の 物体部分詞への比倫的拡張は,ほとんどの場合が類 似性 に基づ く拡張であるとし,その類似性 について を与えられる抽象的な概念に対 しては,個人独 自の 心的表示が与えられ,これ らの表示 は人々の精神 に おける長期記憶の体系の一部 として記号化 されると は位置,形状 ( 形,大 きさ),機能か ら定義 してい る。 この中では,視覚的イメージと密接 に関係する 「 位置の類似性 に基づ く拡張」を取 り上げる。14) 考えられている。 Gi bbs ( 1 999:1 53 1 54) は, メタファー研究-の この よ うな心 理 言 語 学 的 ア プ ロ ーチ に対 して, 個 a . 釘の頭,針の頭,鼻の頭,波頭 b.語頭,文頭,年頭 C.船首,機首 C 2 0 ) a.みかんの尻,鍋の尻,列の尻 b.語尾,文尾,船尾 Lakof fandK6vec s e s( 1 9 87)の " anger "( 怒 り)に 関する文化的スキーマの研究 に言及 して,文化への 言及がない点,および文化がメタファー的思考 を具 現する際に重要な働 きをすることについての認識が 欠けている点を批判 し,イメージ ・スキーマは人間 の肉体 によって与えられるだけではな く,文化的な bbs 相互作用 によって も形成 されると主張す る。Gi ( 同書 :1 5 6 1 57) は, さらに,メタファーは我 々が 具体的に再び経験で きる 「肉体 と外界の相互作用」 9)は,( 1 9 ) の 「 頭 ( アタマ,カシラ, 松本 ( 同書 :31 」 は,人間 ( あるいは動物) トウ)」や 「 首 (シュ) の頭の位置に基づいて物体部分への拡張が行われた 例で,物体の<最上部 >,<最前部>,<突 き出た 部分の先端 >の意味 として使 われ る と説明 してい ( bodywor l di nt er ac t i on)か ら生 じる一種の道具で あ り,単に長期記憶か ら呼び起 こされるだけの もの ではない と述べ ている。Gi bbsは,メ タファーを, 必 要 な と きに誰 で も使 うこ との で きる公 的表示 る。一方,銅 の 「 尻 (シリ)」や 「 尾 (ど)」の場 合は,動物の尻や尾の位置に基づ く拡張 と考えるの が 自然で,<最下部 >や<最後部 >を表わすのに使 われると述べている。 ( publ i cr e pr es e nt a t i on) ( 心的表示 ( me nt alr e pr e s e nt a t i on) に対する) として利用可能な一種の道具 であると捉 えている。 これは,メタファーを個人 レ ベルだけでな く,文化的 レベルか らも論 じる必要が 1 1 ' あることを強調 したもの といえる。 では, これ らに対する英語の表現はどうであろう か。( 1 gの 「釘の頭」の場合 は,英語で も同様 に身 体語桑の " head"が用い られる。「 針の頭」の場合 は,針が 「 留め針」 ( pi n) なら " he ad"が用い られ 縫い針」 ( needl e) なら " e ye' 'が用い られ るが 「 , この ように,メタファーは,個人 レベルの もの と 文化的 レベルの ものを分けて考えるべ きであること に関 しては疑いの余地はない。 しか し, さらに文化 。 , , 垂」の場合は,身体語菜は用い られず , 「 語頭/文 も意味す る)が用い られる 「 語垂」 「 文選」 「 年 を超 えた,人類に共通する普遍的なメタファーにも 目を向ける必要があると思われる。すでに § 3で見 た,人間の肉体 を基盤 としたメタファー, とりわけ 人間の直立 した姿勢 と密接 な関係 をもつ 「上 一下」 という空間的方向性 を基盤 とするメタファーや,人 間の身体 を 「 容器」 と見倣 して 「内 一外」 という空 間的方向性 を基盤 とするメタファーは,文化を超 え た普遍的なメタファーだ と考 えられる。12) また,人 t hei ni t i lpos a i t i on ( ofawor d / s e nt e nce)' ' 頭」では " が 「 年頭」では " 仙ebe gi nni ng ( oft heyear )"が 船亘」や 「 機亘」 ( この場合 それぞれ用いられる 「 の 「首」 は<頭 >を指す)の場合 も " head" は用 bow" 「 機首」は興味深 い られない。「 船首」は " , 。 , いことに " t henos e( ofa na i r pl a ne)"の ように別 の身体語嚢が用い られる。 eC 5 の 「 尻」や 「尾」の場合は,不思議 なことに b̀ut t ock( S)", " t ai l "の よ 「 頭」の場合 と違 って,` 間の身体的な形状 を基盤 とした視覚 に関係するイメ ージ ・メタファーなども,この種のメタファーだ と 思われる。 - , る。 しか し 「 鼻の垂」 と 「 波垂」の場合 は,身体 語桑ではな く,それぞれ " t i p", " c r e s t ' '( 悼,頂上 5 4 - メタファーについて 6. 2 概念 メタファーの場合 6. 2. 1 日英 に共通するメタファー うな身体語嚢 は用い られない。 「 徳利の昼」 を " 仙e unde r s ur f ace [ unde r s i de]( ofas akebot t l e)" と表 , SUP;SAD I SDOWN すでに § 3で見 た HAPPYI <楽 しきは上 ,悲 しさは下 > や CONSCI OUSI S 鍋 の昼 」 の 現で きることか ら 「みかんの星」や 「 場令 も " under s ur f ace"や " under s i de' 'を用 いて 。 UP;UNCONSCI OUSI SDOWN <意識は上,無意識 は下 > の ような,起 き上が っている人間の状態 を 基盤概念 とす る 「 上 一下」の ような空間的方向性 に 関係す るメ タフ ァーは,文化 を超 えた普遍的なメタ 「列 の星 」 は 表現 す る こ とは可能 か も しれ な い ` ● mee nd ( ofal i ne)" 「 語尾」 は "t hee ndi ng ( ofa , wor d)",「文昼 」 は " t h e end ( ofasent ence)", t e m"である。 「 船尾」 は "s , フ ァー と考 え られ るため,銅 IC 2 射 こ見 る ように, 日英で も共通 していることが分かる。16) 以上の比較か ら 「 直立 した人 間の身体全体」 を , 概念領域 ( 起点概念領域) とす る場合 は 「釘 」は 目標概念領域 とな りやすいため, 日本語 も英語 も同 様 にイメー ジ概念 の写像 が可 能で あ る こ とが分 か を 2 ) a . Ⅰ ' mf eel i ngup.( 気分上 々です) n hi ghs pi it r s.( 上機嫌ですね) b. You' r ei る。 これは,前節で論 じた ように,立 っている人間 の姿 は文化 を超 えて普遍的に同一の視覚的イメージ を与 えるか らで はないか と思 われ る。 それ以外 の C. I ' mf eel ngd i o wn.( 気持 ちが堕を 竺いる) d. He† sr e ll a yl o wt he s eda ys .( 彼は最近本当 に落ち込んでいる) 「 鼻」や 「 波」 の場合 は,イメー ジ概念 の写像 は 日 本語では可能であるが,英語の場合 は不可能である。 また,動物 の身体 につ いては 「 尻」や 「 尾」 の例 で見た ように, 日本語の場合は概念領域 ( 起点概念 領域) とす ることがで きるが,英語の場合 はそれが で きない。 このことだけか らすれば,人間や動物の 重き なさい) 6 2 3 ) a. Wake / Ge tup.( lr e ady.(もう重きヱ い ます) b. Ⅰ ' m upa C. Hefe l la s l ee p.( 彼 は眠 りに墜主を ) anki nt oacoma・( 彼 は昏睡状態 に些 d. Hes 三を ) 身体 に関す るイメージ概念 に関 しては,英語 よ りも 日本語の方が,基盤 となる起点概念領域 の種類が豊 富であるといえるか もしれない。 同 じく,「 花」 を用いた比倫 は,花が存在す る文 化であれば広 く見 られる と予想 されるが,実際すで , 松本 ( 同書 :3 2 1 3 2 2 )は, さらに,下の( 2 1 ) のよ 7 0 we rof に見た 「職場 の花」 は,英語 で も " t hej うな例 をあげて,形状のみの類似性 に基づ く身体部 位詞の拡張 について考察 している。ユ5- t hewor kpl ace / Of f i ce"の ように ` lowe f̀ r "( 花) を 用いて表わす ことがで きる。 1 7 ) 「 歯」 に関係す る慣用句の場合 も日英で共通する。 0 1 ) a.さい ころの 目 塵 を食い しばる」 (-つ らさ ・くや しさ ・ 例 えば,「 垂 を噛む」 ( -くや しさ ・腹 痛みなどをこらえる) 「 立た しさな どに耐 える) は,英語で も " s e t / cl ench , b.網の 目,裂け 目,割れ 目 C. 魚の 目 e e t h", gr i nd/ gnas hone' st e e t h"の ように one' st 歯) を用いて表 わす。 " t oo血 " ( , 松本 に よれば,( 2 1 a )は 「黒 目の<小 さ く><丸 2 1 b)は 「目の輪郭が顔の皮膚の<穴 い>形状」,( 2 1 C )は 「魚の 目の形状」 ( 切れ 目)>であること」,( に基づ く比倫的拡張である。 これ らの 「目」 は,英 「 面 目を失 う」,「 面 目を保つ」の 「 面 目」 は <人 にあわせ る顔,体 裁 > とい う意味だが,英語では それぞれ " l os ef ac e "( =l os es t at usort her e s pe c tof ot her s ),' ' s a ve ( s b' S)fac e" ( =pr e s er veone' S / s b' s 語の場合 はいずれ も " e ye' 'の ような身体語桑 は用 網の 目」, い られない。ちなみに 「さいころの 目」 「 , , pr ideorr e put at i on)の ように " f ac e" ( 顔)が用い ら れる。 これ も日英でほぼ共通 していると考え られる。 「 裂け 目」,「 割れ 目」,「 魚の 目」 は,それぞれ " t he s pot sont hedi ce"," t hemes hes( ofanet )"," a 「 亘 を縦 に振 る」 (-相手 に同意 ・賛成の意 を表わ す) については,首 を縦 に振 るジェスチ ャーの意味 が 日本文化 と英米 文化 で異 なるため意味 も異 なる r ent( i nacl oud) /ar i p( i nacoat ) /acr ack( i nt he gr ound)"," ac r ack( n pot i t er y) / j oi nt( i nar ock) /a s pl i t( i nwood)",` àc om' 'である。 この ことか ら, 英語 よ りも日本語の方が,顔の部位 に関連 した視覚 的イメージをメタファー として用 いる傾 向が強い と いえるか もしれない。 が,「 亘を ( 横 に)振 る」 (-賛成 しない ;承知 しな い) に関 しては,英米文化で も首 を横 に振 るジェス チ ャーは 「 不賛成」を表わすため,英語で も " he ad" Sheadf r om s i det os i dea sawa y を用 いて " t um one' ofi ndi c a t i ngǹo'"の ような言い方が可能である。 「 手」 に関 しては共通点が多い。例 えば,「 圭 を貸 一 5 5 - 瀬 田 幸人 す」 (-手伝 う)は,英語で も " ives g bahand" と いう表現であるし,「 垂圭 上げ」 (-どうにもならな t hr ow くなって途中でやめること) は,英語で も " =g iveupi nf us r t r a t i on) という upone ' shands" ( 「 宝 を結ぶ」 (-努力の結果が現れる ;成功す る) b̀e a r fni t "( =ha veorbr inga bouta は,英語で も ` r e s lt u , us uas uc c e s s ulone) のように " f f r ui t "( 実) を用いて表わす。 最後 に,表現は同 じで も意味が異 なる例 を見てお 羽 を伸 ばす」 は,< 自由に伸 び伸 び と振 る舞 く。「 う ;くつ ろ ぐ> とい う意 味 で あ るが ,英語 で は 。 s pr e adone' swi ng s"のようにほぼ同 じ表現 を用い るが,意味は < ( 鳥が初めて巣か ら飛び立つ ことか ら) 自分の能力 を試 してみる ;全能力 を発揮する> のようにまった く異なる。 6. 2. 2 日英 で異 なるメタファー 「 作家/芸術家/俳優の卵」に見 られる 「 卵」 は, 日本語で は文字通 りの意味の 「( ニ ワ トリの)卵」 「 星 を洗 う」 とい う比喰表現 は,<悪い所行 をやめ て真面 目になる> とい う意味であるが,英語の場 合は,同 じような意味を表わすのに " l e g( S )' 'の代 わ りに " ha nds"を用いて,"w a s ho ne ' sha ndsof∼" ( ∼か ら手 を引 く) とい う言 い方 をす る。 これ も 「 靴を脱いで家 に入 る」 日本文化 と 「 靴 を脱がない」 英米文化の習慣の違いが,それぞれの比倫表現 に反 映 した例 といえる。 最後 に,「 尻」 に関す る比倫表現 を取 り上 げる。 「 昼 に敷 く」 とい う比倫表現 は,<妻が夫 を支配す る> とい う意味であるが,英語 では " but t ocks" や " bot t om" は用 いず,単 に " domi nat e( one' s hus ba nd)" とい う言い方 をするか," kee p( one' s 夫 を)人 (-秦) hus ba nd)unde rone' st humb" (( の言いな りになった状態にしてお く ; ( 夫を)意の t humb" ( 親指) を用いた ままにす る) の ような " 慣用表現で表わされる。 この例 も 「 星 を伸ばす」 と い う比倫表現 と同様 ,「 畳 に座 る」 とい う日本の習 egg を基盤概念 とす る比倫であるが,英語では " 慣 と深 く関係があるように思われる。 とい うのは, 文字通 りの意味で人 (-夫)の上に座るには,椅子 ではな く,` àbuddi ngwr it e r / a r t i s t / a c t or "のように, … bud" ( つぼみ) と関連 した表現が用い られる。 の上ではな く畳の上でなければ,物理的にその状況 を作 り出す ことはで きないか らである。18' 「頭」 を用 いた 「 塵. を下 げ る」 とい う比喰表現 は,<頼み ごとをする>,<謝 る> とい う 2つの 意味があるが,いずれの意味 も 「 お辞儀 をする」 と いう日本の習慣 と関連があると思われる。そのため, この ような習慣のない英米文化では,「 垂 を下げる」 とい う比倫表現 は " be gs b( t odo)/pl e adwi t hs b a pol og iz e● 'のような ▲ h̀e a d" とは無関 ( t odo)"," 係の表現 を用いることになる。「 垂 が低 い」 とい う 比倫表現 も 「 お辞儀」と深い関係があると思われる。 この場合で も,英語では," he a d' 'は用 いず,単に mode s t ' ' ,● ● unpr e t e nt i o us" などの形容詞 を用いて 表わす。 「 星 を伸 ばす」 とい う比倫表現 は,<楽 な姿勢 に なって くつろ ぐ>,<ある所か らさらに遠 くまで行 7.結語 本稿 では, まず伝統的なメタファー理論の うち, 今で も一般 に広 く支持 されている比較理論 を取 り上 げて検討 した。Gr ady ( 1 99 9) の類似 メタファーに 言及することで,類似性 に基づ く比較理論の問題点 kof fa ndJ o hn son ( 1 9 8 0) を明 らかにした。次に,La に代表 される認知言語学の立場か らのメタファー論 について概観 し,概念メタファー という考え方の妥 当性 について論 じた。続いて,La kof f( 1 9 9 3) に基 づ き,メタファーの構造について検討 し,メタファ ーの本質を明 らかに しようとする試み として,独 自 のメタファーの定義 を示 した。 さらに,文化 とメタファーの関係 について論 じ, く> を意味するが,前者の意味は,「 畳 に座る」 と い う日本文化の伝統 と関係があると思われる。それ メタファーは個人レベル,文化的 レベル,普遍的 レ ベルの観点か ら分析すべ きであると主張 した。最後 に対 して ,「 椅子 に座 る」英米文化 では, " S t r e t c h に, メタファーをイメージ ・メタファー と概念メタ one' sl egs" とい う表現 は, 日本語 の場 合 と異 な り,<( 長 く座 っていた後で)散歩す る> ( =… go f orawa lka se xe r c i s e,e s pa te f rs i t t i ngf orat i me" ) とい うような意味 となる。同 じく,「 足」 に関す る ファーに大別 し,それぞれについて,い くつか例 を あげて, 日英の比較 を行なった。その結果,比倫表 現の中には,文化 を超 えた普遍的と考えられるもの 比倫表現 に 「 星 を引っ張 る」がある。 これは <他 人の成功 や前進 を妨 げる> とい う意味であるが, 英語で " pul lone' sl eg' 'といえば,<人 をか らか う> というまった く違 った意味 となる。 もう一つ 「 足 」 に関す る比 倫表現 を見 てお く。 - ち,文化的要素 と深 く結びついていると考えられる もの もあることが明 らかになった。 この ような メタファーに関す る 日英の比較研 究 は,英語教育の分野, とりわけ日本語 を英語で表わ す英作文の指導において,文化的な視点を取 り入れ ることがいかに重要であるかを示唆 している。実際, 56- メタファーについて メ タフ ァー をめ ぐる英語教育 の問題 につ いて は,輿 メ タフ ァー」 と 「 感性 的メ タフ ァー」 の 2つ に分 味深 い点が多 く,今後 の研 究課題 と したい。 類 してい る。悟 性 的メ タフ ァー は,精神 的認識 に 係 わ る もので, さ らに 「 一般 認識 メ タフ ァー」 と 注 「 個 別認 識 メ タフ ァー」 に分 け られ る。一 方 ,感 1)瀬戸 ( 2 0 0 2:1 7 ) を参照. 2)sear l e(同書 ) は , この 分 類 の 仕 方 を M. C. 性 的 メ タフ ァー は, 身体 的知覚 に係 わ る もので, 「 外 部 感覚 の メ タフ ァー」 と 「内部 感覚 の メ タフ ァー」 に分 け られ ,「視覚 の メ タフ ァー」 に代 表 , " Bear ds l ey( 1 962)" TheMet aphor i calTwi s t Phi l o s o phya ndPhe no me no l o gi c alRe s e ar c h,Vol . 2 2に基づ くとしている。 され る 「 五感 の メ タフ ァー」 は,外部感覚 のメ タ フ ァーの 中に位 置づ け られてい る。 1 4)( 1 9 )-C z o )は,松 本 ( 20 00: 31 9 3 20) か ら部分 的 3)(3)は pp. 7 1 8よ り一部引用0 4)Gr ady( 1 997:46) は, この THEORI ESARE BUI LDI NGSとい うメ タフ ァーの不備 を指摘 して, に引用 した例 であ る 。 1 5) そ の他 に も,「ギ ターの爪」,「くしの歯 」 の よ これ は さらに下の 2つ の基本 メ タフ ァー に還元 さ うな機 能 の類 似性 に基 づ く拡 張 ,「手首」,「瓶 の れ る とす る。 口」 の よ うな複 数 の類似性 が絡 ん だ拡張 ,「 背広 の肩 」,「 手 袋 の指」 の ような関連性 に よる拡 張, ( i )a . ORGANI Z ATI ONI SPHYS I CALSTRUC- TURE b. ⅥABI LI TYI SERECTNESS な ど興 味深 い比 倫 的拡 張 につ い て 考察 して い る が ,本稿 で は紙 幅の関係 で触 れ ない ことにす る。 1 6)㈱ 一脚 は I J l( a 0 fa ndJ o h r t s o n( 1 9 8 0 :1 5 ) よ り引 4)は Gr a dye ta l .( 1 9 9 6:1 7 8) よ り引用。 5)( 6)空 間的方 向性 には,「上 一下 」 ( up-down) の 他 に 「内 一外 」 ( i n-out ),「前 一後 」 ( f r ontba c k) ,「着 一離 」 ( on-of f ),「深 一浅 」 ( de e pc e nt r al-pe r i pher a l ) s hal l ow),「中心 一周辺 」 ( が あげ られ ている。La kof fa ndJ o hs on ( 同書 : 1 4 ) を参照。 7)La kof fa ndJ o hns on ( 同書 :2 6 ) よ り引用。 8)I . a kof fn a dJ o hns on ( 同書 :2 9 1 3 2 ) を参照。 9)彼 らは 用。 1 7) この節 お よび次節 の 日本語表現 の意味や英語 表 ,『日本語大辞典 』 (講談社 ),『広辞 現 につ いて は 7 L eN e wb u柑 Ho us eDi c t i o r z aT y 五版] ( 研 究社), 7 anE ngl i s h,040 7 dAdv an c e dLe a1 7 昭r ' s o fAme r i c na r yo fCurre y uEng l i s h( Bf the d i t io n)な どを Di c t i o 参考 に した。 「 「 類 似性 に基 づ く」 とい うの は, 2つ 1 8) ここで取 り上 げた ような身体語義 を用 いた慣用 の事物 ・概 念 に類似性 が 内在 してい る とい うよ り 句 の例 は, 日本語 においては非常 に多 く見 られる。 も,人 間が 2つの対象 の間 に主体 的 に類似性 を見 1 9 76 :1 5 6)か ら代表 的 な もの をい く 以下,星野 ( 出す こ とを表 して い る と考 え た ほ うが 適切 で あ つ か 引用 して あ げ て お く。 なお ,星 野 ( 同書 : 」( p. 76) と述 べ て い る が , これ は Gr ady る。 r es e mbl a nce ( 1 999: 8 9) の い う 「類似 の仮 説 」 ( 1 72 1 7 6) は,身体語柔 を用 いた表現 を,意味 を基 準 に して 9つ に分類 して,豊富 な例 を碇 示 してい る hypot he s i s ) と考 え られ るが, この点 につ いて は 。 後 ほ ど触 れ る。 身体 を張 る/ 骨 身 に こた え る/ 身の毛 が よだ 1 0) 例 え ば , Gi bbs ( 1 994), お よび Gi bbsand つ/ /しこ りを残 す /筋 を立 て る,筋 を通 す/ O' Br i en ( 1 990),Gi bbsandNayak ( 1 991), Na yaka ndGi bbs ( 1 9 9 0) な どの イデ ィオム をめ 肌 に合 う,肌 に合 わ ない/神 経 が安 まる,神 ぐる一連 の実験 な どを参照 。 もの / 手 か せ 足 か せ /′ 足 並 み / 腔 に傷 もつ 経 が 高 ぶ る/ 肩肘 を張 る/ /手 が か り/ お 手 の l l )K6vec s e s( 2003: 31 9) ち,文化独 自の考 え方 身// 二 股 か け る/尻 ごみ/尻 を ま くる/腰 を の違 いに よって概念 メ タフ ァーの言語表現が左右 す え る / 腹 を 立 て る/ 腹 に お さめ る/ 太 っ され るか もしれ ない と述べ てい る。 腹 / 肺 に落 ち る,肺 に落 ち な い ′ /胸 が す く, 1 2)瀬戸 ( 1 995: 73 7 4) の 「一般 認識 メ タフ ァー」 胸 が 騒 ぐ/ 首 っ丈 / 涼 しい顔 /顔 を立 て る, も, ここでい う文化 を超 えた普遍 的 なメ タフ ァー 顔 をつ ぶす / 面 ( つ ら) の皮 /鼻 つ まみ /歯 として捉 える ことが で きるか も しれ ない。瀬戸 は が 浮 くよ うな / 口上 手 / 口八 丁手 八丁 /抜 け 一般認 識 メ タフ ァーの 中 に 「 擬 人 的 メ タフ ァー」 目が な い / 目 に入 れ て も痛 くな い ′ / /長 い 目 な どを含 めている。瀬戸 の メ タフ ァーの分類 につ ( で 見 る) / 目ざわ り,耳 ざわ り/ 耳 寄 りな いては 注 1 3) を参照。 ( 請) /石頭 /後 ろ髪 をひか れ る/ /血 とな り肉 とな り/身 につ く 1 3)瀬戸 ( 1 9 95 : 6 8 7 4) は, メ タフ ァー を 「悟性 的 - 57 - 瀬田 華人 参考文献 ア リス トテ レス ( 著)/笹 山 隆 ( 訳注) ( 1 968) 『 詩学』,研究社 出版. Bl ack,M.( 1 962 )Mo de l sandMe t a phor s,Cor nel l Ur L i ve r s i t yPr e s s , Ne wYor k. ( 1 9 9 3 )" Mor ea boutMe t a phor , "Me t a pho r andmo ught , 2 nde di t i on,e d. byA.Or t ony,1 9 41 , Ca mbr i dgeUni ve r s i t yPr e s s , Ca mbr i dg e . 1 994 )T hePo e t i c so fMi nd:Fi gur at i ve Gi bbs,R.( T7 z mL ght , Lam e ,a r u l肋 t a di ng, Cm br id g e e s s , Ne wYo r k. Uh i v e r s i t yPr ( 1 9 9 9 )" Taki ngMe t a phorouto fOurHe a d s nt ot heCul t ur l Wor a l d, "Me t a phor a ndPut t ngI i ti i nCo gni t i veLi ngui s t i c s ,e d.bya Gi bbsa ndG. ,1 45 1 66,JohnBen j ami nsPubl i s hi ng ∫.St eeれ Compa ny, m s A t e r dar nnh i l a de l phi a. ,R.a ndI.0' Br ie n( 1 9 9 0 )" I di omsa n dMe nt al Gi bbs I mager y:TheMet aphor i calMot i vat i on f or I di oma t i cMe a n i ng, "Co gni t i o n36, 3 5 6 8. Gi bbs , R. a ndN. Na y a k( 1 9 91 )` h yI Ẁ d i o msMe n Wha a t The yDo, ' ' Jo ur nalo fEx pe r i me nt alPs yc ho l o gy: Ge n e r d1 2 0 , 9 3 1 9 5 . Gr a dy, ∫.( 1 9 9 7 )Fo undat i o nso fMe ani ngIEWmar y a pho r sandPdmar ySc e ne s ,Doc t or l a di s s e r Me t t a t i on, Um iVe r s i t yo fCa li f om i a, Be r ke l e y. ( 1 999)" A Typol ogyofMot i vat i onf or Co nc e pt ua lMe t a phor : Co ue l a t i o nvs . Re s e mbl a nc e , " Me t a pho ri nCo gni t i veLi ngui s t i c s ,e d.byR. W. ( 刀,J ohnBe nj a mi ns Gi bbs , J r .a ndG. J .S t e e n,7 9 1 Publ i s hi ngCompa ny, Ams t e r dam/ mi l a de l phi a . m( 1 9 9 6 )" Pr i mi t i ve Gr a dy,JリS.Ta uba ndP.Mor g a s , "Co nc q) t ua lSt r uc t ur e , a ndCompo n dMe u t a phor Di s c o ur s eandLangua ge,ed.byA.E,Gol dbe r g, 1 7 7 1 8 7, CS LInl bl i c a t i o n s , S t a nf or d. "Synt a x Gr i c e ,H. P.( 1 9 7 5 )` L̀og i ca ndConve r s a t i on, ma nt i c s3:S pe e c hAc t s ,e d.byP.Col ea nd andSe a n, 41 5 8, Ac a de mi cPr e s s , Ne wYor k・ J. Mor g 星野 命 ( 1 976) 「身体語桑 による表現」鈴木孝夫 ( 宿) ( 1 97 6) 『日本語の語桑 と表現』 日本語講座 4,大修館書店. Johns on,M.( 1 987)TheBo dyi nt heMi nd:The Bodi l yBasi so fMe ani ng,I magi nat i on,and ve r s i t yo fChi c a g oPr e s s ,Chi c a g oa nd Re as o n,Uni 菅野盾樹 ・中村雅之 ( 訳)( 1 991 )『 心の Londo n.【 ,紀伊国屋書店, 】 なかの身体 』 Kbve岱eS , Z . ( 2 ( 氾2 )Me hph o r . A APy wt i c a l I nt r o duct i o n, Ox f o r dUdv e mi t yPre s s , 0Ⅹ f o r da ndNe wYo r k. ( 2 0 0 3 )` L̀a ng ua g e,Fig ur a t i veThoug ht ,a nd - Cr oss I Cul t ur alCompar i son, "Met aphorand Symb o l1 8 4, 31 1 3 2 0. Lakof f ,G.( 1 993)" TheCont empor ar yTheor yof , "Me t a pho randT 7 u) ught ,2 nde di t i on, Me t a phor e d.byA.Or t ony,2 0 2 251 ,Ca mbr i dg eUni ve r s i t y Pr e s s , Ca mbr i d ge. Lakof,G・a n dM.Johns on( 1 9 80)Me t a phor sWe Uni ve r s i t yofChi c a g oPr e s s , Chi c a goa nd Li v eBy, 渡部昇一 ・楠 瀬淳三 ・下谷和幸 ( 訳) London.【 ( 1 9 8 6) 『レ トリックと人生』,大修館書店.】 ( 1 999)Phi l oso phyi nt heFl e sh:The Emb odi e dMi ndandI t sChal l e nget oWe st e m 7 7 u ) ught , Ba s i cBook s , Ne wYor k. La kof f ,G・andZ.X6 ve c s e s( 1 9 87 )` T̀heCog ni t i ve Mode lofAnge rI nhe r e nti nAme r i c a nEngl i s h, ' ' l uralMo de l si nLangua geandno ught ,e d. Cul byD・Hol l a nda ndN.Qui nn,1 9 5 2 21 ,Ca mbr i dg e Uni ve r s i t yPr e s s , Ca m br idg e . re T 7 1 anCoo l Lakof f ,G.andM.Tur ner( 1 9 89 )Mo r ,The Re as o n:AFi e l dGui det oPo e t i cMe t a pho Uni ve r s i t yofChi c a goPr e s s ,Chi c a go.【 大堀俊夫 ( 釈) ( 1 9 9 4) 『 詩 と認知』,紀伊囲屋書 風 】 La ng acke r ,R. W.( 1 9 87 )Fo undat i o nso fCo gni t i v e Grammar ,Vol . 1.The or et i c alPr e re qui si t e s, St a nf or dUni ve r s i t yPr e s s , St a nf or d. ( 1 99 9 )Gr ammar andCo nc q) t ual i Zal i o n, Mout o ndeGmy t e r , Be r l i na ndNe wYor k. 松本 曜 ( 200 0) 「日本語 における身体部位詞か ら 物体部分詞への比倫的拡張- その性質 と制約」坂 ひつ じ書房 . ( 2003) 「語 の意味」松本曜 ( 編) ( 20 03) 『 認知意味論』,1 7 72,大修館書店. Mi l l e r ,G. A.( 1 9 9 3 )` Ì ma g e sa ndMode l s ,Si mi l e sa nd Me t a pho r s , "Me t a pho ra nd乃′ o ught ,2 nde di t i on, e d.byA.Or t ony,35 7 1 4 0 0,Ca m br i dgeUni ve r s i t y Pr e s s , Ca mbr i dg e. 籾 山洋介 ・深 田 智 ( 2 003) 「意味の拡張」松本曜 ( 宿) ( 2003) 『認知意味論』,731 34,大修館書 店. Na y a k, N. nd氏. a Gi bbs( 1 9 9 0)" Conc e pt ua l Kn o wl e dg e "Journalo f i nt heI nt er pr et at i onofI di oms, r al1 1 9, 31 5 3 3 0. Ex pe 畑me r ua lPs yc f wl o gy:Gene Ri c har ds ,Ⅰ . A.( 1 936 )T 7 8 ePhi l o s o phyo fRhe t o r i c , Oxf or dUni ve r s i t yPr e s s , Oxf or d. Sear l e,I. A.( 1 979)" Me t a phor , "Expre s s i o nand Me ani ng,Cha pt e r4, 7 6 1 1 6, Ca m br idg eUni ve r s i t y Pr e s s , Ca mbr i dge . 5 8- メタファーについて 轍戸 賢一 ( 1 995) 『メ タフ ァー思考一 意味 と認識の しくみ』講談社現代新書 1 2 47,講談社. ( 2 0 02)「メタファー研究の系譜 」『月刊言 語』vol . 31 , No. 8,1 6 2 3. ( 2005) 『よ くわか る比愉- ことばの根 っ こをもっ と知 ろう』,研究社. 杉本孝司 ( 1 9 9 8) 『 意味論 2- 認知意味論-』, くろ しお出版. ,Cambr i dgeUni ver s i t y o fSe mant i cSt r uc t ur e Pr e s s , Ca mbr i dg e. 高尾享幸 ( 2 0 0 3) 「メタファー表現の意味 と概念化」 松本曜 ( 蘇) ( 20 03) 『認知意味論』,1 87 2 49,大 修館書店. Ta ni g uc hi ,K ( 2 005 )" OnA s pec t sofMe t a phor i c a l "Engl i s hLi ng ui s t i c s2 2, 2 05 2 31. Ma ppi ng, 2003) 『認知言語学へ の招待』,大 辻 幸夫 ( 編) ( Sweet ser ,E. E.( 1 990) Fr om Et ymol o gy l o i c ala ndCuuur alAs pe c t s Pr a gmat i c s :Me t a pho r -5 9- 修館書店.
© Copyright 2024 ExpyDoc