CEOとCFO その新しい関係(DIAMOND MANAGEMENT FORUM)

(2015年6月末現在)
株式のアクティブ運用で
集中型ポートフォリオを構築
コムジェスト・グループは、19
85年にフランスのパリで創業した
独立系の運用会社だ。2016年2
ォリオを構築しています﹂と話す。
長期的には、企業のファンダメン
タルズが株価を決定し、株価の成長
性はEPS︵ 一株当たり利益︶に収
れんしていく、との信念に基づいて
調査・分析を行い、確信度の高い
∼ 銘柄程度でポートフォリオを構
買い
運用戦略は、株式のロング︵
持ち︶のみで、債券には投資しない。
ている。
東京や香港など つの地域で活動し
約130名の社員が、パリをはじめ
運用資産残高は241億ドル︵ 20
る顧客から高い評価を受けており、
長期的に継続したリターンを追求す
資家、特に年金基金や金融機関など
築する。その運用実績は、欧米の投
多くのアナリスト、ポートフォリ
ンセント・シュトラウス氏をはじめ、
期間在籍している点だ。CEOのビ
運用チームについて特筆すべきは、
多くのメンバーがコムジェストに長
ロセスの共有﹂だ。一般的な運用会
業を探し出せば、それらが投資対象
自分たちが担当する地域で同様の企
ンストレインドで集中型のポートフ
いう創業者の思いをもとに、アンコ
と確信した銘柄だけに投資したいと
いただく以上は、自分たちがこれだ
とがあります。お客様からフィーを
割高な銘柄に投資せざるをえないこ
合、どうしても成長性の低い銘柄や
同社の日本法人の代表取締役、高
橋庸介氏は﹁ベンチマーク運用の場
特徴がある。
社では、ウオッチ・リストから投資
バイアスがかかります。その点、当
入念に調査をしたつもりでも、必ず
株式市場をカバーする。
ートフォリオ・マネジャーが世界の
2月末現在、 名のアナリストとポ
して成長を遂げてきた。2016年
2つの地域への運用実績を原動力と
場に精通していたことから、これら
業者がアジアとヨーロッパの株式市
グローバルとなっている。2人の創
割、残りが日本やアメリカを含めた
運用資産の投資先は、エマージン
グ市場が約6割、ヨーロッパが約
る。長期集中投資の真骨頂がそこに
提が変わらない限り、投資を継続す
開始してからは、持続的な成長の前
月を要したという。そして、投資を
もう一つ、コムジェストの強さと
して高橋氏が挙げるのは、
﹁投資プ
。
15年 月末現在︶
平均を安定して上回っている︵ 20
資戦略は、ベンチマークである市場
コムジェスト・グループの主要な投
過去5年のいずれの期間を取っても、
は話す。事実、過去1年、過去3年、
実現につながっています﹂と高橋氏
の継続性が不可欠です。創業以来
ォーマンスを上げていくには、組織
﹁長期間にわたり安定して高いパフ
験を積み上げている。
オ・マネジャーがコムジェストで経
基づいて銘柄選択を行うアクティブ
運用だが、指数に囚われないアンコ
ンストレインド投資として純粋にア
社では、運用哲学は共有されていて
となる可能性が高い企業であること
ユニバースに絞り込む段階で、チー
たことは、再現性の高いリターンの
年にわたり組織運用を大切にしてき
も、投資プロセスまで共有している
をスピーディに判断できます﹂と、
ルファ︵ 超過収益︶を追求する点に
ケースは稀で、運用チームや運用担
はある。
率予測に基づいた成長力の評価だ。
は、来期以降の5年間のEPS成長
質の高い成長銘柄を見極めるため
に、独自の調査も行っている。一つ
強みを強調する。
自若と投資を実践していくだけです﹂
も伸びていく企業を探し出し、泰然
クロの環境が悪化しようが、その中で
れからも、当社が見るのは企業の利
当者によって、ばらつきが見られる
*アジア
(除く日本)
株式戦略、
アジア・パシフィック
(除く日本)
株式戦略、
アジア
(日本含む)
株式戦略・合計
データ:Comgest S.A. 換算:三菱東京UFJ銀行中値
(2015年6月30日)
1米ドル=122.45円
︶ へ の 配 慮・ 対 応
統 治︵ Governance
資ユニバースと位置づける。それら
検討する約150銘柄を抽出して投
で詳細な分析を行い、実際に投資を
まれた﹁ウオッチ・リスト﹂の段階
ングを行う。約300銘柄に絞り込
である。
を配置しているほどの力の入れよう
ESG調査を専門に行うアナリスト
を徹底的に分析する。そのために、
環境、社会、企業統治の3つの観点
いった大きなポイントだけでなく、
﹁多くのプロセスはオーソドックス
問からウオッチ・リストへの追加を
行われる。ある企業は、初めての訪
益成長です。相場が荒れようが、マ
では、そのプロセスとはどのよう
なものなのか、グローバル・エマー
もう一つは、投資先企業の、環境
する。
﹁アメリカ株式のチームが、とある
2.06億ドル
収益予想とESG調査で
質の高い成長企業を見極める
ジング市場を例に取ると、同地域に
︵ Environment
︶
、 社 会︵ Society
︶
、企業
リオ・マネジャーが所属するチーム
を分析するESG調査だ。
について、バリュエーション︵ 株価
コムジェストでは、非人道的な活
動をする企業への投資を避ける、と
水準︶などを見ながらさらに絞り込
なものにすぎません。ただ、仮にこ
経て、実際の投資までに約5年の歳
み、最終的に ∼ 銘柄に投資する。
この利益予測とESG評価を含む
調査・分析は時間をかけて徹底して
%以上といった基準でスクリーニ
以 上、 R O E︵ 自 己 資 本 利 益 率︶
10
調査の過程で有望なビジネスモデル
グレーター・チャイナ
1.83億ドル
40
があり、まずは時価総額 億米ドル
17
れを一人で実践した場合、どんなに
日本コムジェスト株式会社
投資比率の決定 30∼50
5 ポートフォリオの構築
約300
投資候補銘柄の詳細分析
2 ウオッチ・リスト
ラテンアメリカ
0.6億ドル
グローバル& EAFE
27億ドル(約3306億円)
15
を持つ企業に遭遇したとします。投
ヨーロッパ
64億ドル(約7837億円)
は、 名のアナリスト、ポートフォ
のが実状だという。
ム全員の合意を必要とします﹂と、
30
そのメリットについて高橋氏は説明
2
﹁これまでも、こ
高橋氏は言う。
組織の継続性と
プロセスの共有が強み
15年6月末現在︶と、着実に規模
代表取締役
指数との連動を目指すベンチマーク
月現在、 カ国以上の国籍から成る
30
を拡大してきた。
50
運用ではなく、独自の調査・分析に
20
髙橋氏はここでも組織力を活かした
フランスのパリに本社を置くコムジェスト・グループ。日本での知名度は高くはないもの
の、欧米では年金基金などの機関投資家から高い評価を得ている。質の高い成長
(クオリティ・グロース)銘柄への集中投資を哲学として、安定的にベンチマークを上回
る運用実績を上げている同社に、投資プロセスと強さの源泉を聞いた。
資のプロセスが会社全体で共有され
グローバル・エマージング市場
128億ドル(約1兆5674億円)
ていることによって、他のチームは、
67億ドル(約8204億円)
12
目的 銘柄数
プロセス
上昇余地の見極め
4 バリュエーション評価
例:グローバル・エマージング市場株式戦略
|図表2|投資プロセス
インド
241億ドル
(約2兆9510億円)
アメリカ
1.22億ドル
ショート・リストの作成
(投資ユニバース) 約150
3 ユニバースへの追加
エマージング市場
147億ドル(約1兆8000億円)
先進国市場
高橋庸介
問い合わせ先
50
アジア*
14億ドル(約1714億円)
運用資産合計
1.94億ドル
投資候補銘柄の発掘
市場の幅広いスクリーニング
1
〒102-0092 東京都千代田区隼町2-13 プライムビル5階
TEL 03-5212-4371 http://www.comgest.co.jp
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第1696号 加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会
質の高い成長銘柄に集中投資
再現性の高いリターンを実現
日本
日本コムジェスト
|図表1|コムジェスト・グループの運用資産残高
7
30
モニ
タリン
グ
PENSION MANAGEMENT