各論9.エネルギー対策

各論9.エネルギー対策
① エネルギー対策特別会計の仕組み
エネルギー対策特別会計では、石油等の資源の開発や備蓄、省エネルギーや再生可能エネル
ギーの促進、電源立地対策の推進などに係る事業を実施しています。
② 省エネルギー予算
省エネルギー関係の補助金については、規制的手法との組み合わせや、補助金からの出口戦略
の設定等を通じて、効果的・効率的に措置することが重要です。
省エネ関係の補助金の例(括弧内は28年度予算)
補助金名
エネルギー使用合理化等事業者支援補助金(515億円)
(注)工場等における先進的な省エネ設備等の導入に
対する補助金
エネファーム導入支援補助金(95億円)
28年度予算における主な見直し
深掘りした省エネ投資に補助対象を重点化するため、省エネ
法上のトップランナー制度対象機器を導入する場合、トップランナー基準
を満たす製品に補助対象を限定。
機器の価格低減を促進するため、補助金の終期を設定すると
ともに、事業者が販売する価格に応じて補助率に差を設定
<財政制度等審議会「平成28年度予算の編成等に関する建議(平成27年11月27日)」>
・
省エネルギーに資する投資に対して補助金的手法を用いる場合には、(中略)一定水準以上に深
掘りした省エネ投資に補助対象を限定することが適切である。対象を限定する際には、トップラン
ナー基準やベンチマーク制度と関連付けるなど、規制的手法と組み合わせることが有効である。
・ 高価格が普及の障害となっている特定の省エネ機器について、補助金を通じて購入の際の負担を
軽減することで、初期需要を創出し、量産効果による生産コスト削減を図る場合には、終期の設定
を含む適切な出口戦略や価格低減を促す補助スキームを併せて検討していくことが必要である。
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③ 再生可能エネルギー予算
再生可能エネルギーの導入促進に際しては、「選択と集中」などを通じ、最も効率的な形で取
り組むことで、国民負担の抑制と両立させることが重要です。
【固定価格買取制度における賦課金及び減免補助金※の推移】
20,000
18,000
16,000
14,000
賦課金
12,000
(億円)
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
0
600
賦課金
456
483
500
減免補助金
400
290
18,000
191
70
300
200
13,200
100
6,500
3,300
1,300
0
24年度
25年度
26年度
27年度
減免補助金
(億円)
※電力多消費事業者に
賦課金を減免するための
補助金
28年度
<財政制度等審議会「平成28年度予算の編成等に関する建議(平成27年11月27日)」>
固定価格買取制度については、現行制度を継続する場合には、賦課金負担(国民負担)が右肩上が
りで増加し、これに伴い、「電力多消費産業への賦課金減免制度」に伴う国費負担額も毎年度累増し
ていき、財政を硬直させる要因となる。(中略)固定価格買取制度の抜本的な改革を行うとともに、
その中で、財政を圧迫しつつある賦課金減免制度について、(中略)見直しを行うことを求めたい。
④ 電源立地対策
電源立地地域対策交付金等に関しては、原子力発電所を取り巻く各立地自治体間の違いに即し
た見直しや、PDCAサイクルの強化、透明性向上に向けた取り組みが重要です。
※2
※2
※1 廃炉後も発電所内の附帯施設に使用済燃料が貯蔵されている場合は、その貯蔵量に応じて交付。
※2 停止している原子力発電所に対する「みなし交付金」の対象となっている交付金。これまで、稼働率81%とみな
して算出していたものを平成28年度予算において引き下げ。具体的には、①道県分については、原子炉ごとに震災
前10年間の平均稼働率を採用。ただし、全原子炉の平均値である68%を上限。②市町村分については、一律に5年
間かけて段階的に68%まで引き下げ(28年度は78%)。
<財政制度等審議会「平成28年度予算の編成等に関する建議(平成27年11月27日)」>
電源立地地域対策交付金について、交付金本来の趣旨に鑑みて、廃炉を決定した原発については適切に
交付金支給を停止するとともに、立地地域の実態をより適切に反映させる観点から、過去の稼働実績を踏
まえ、停止している原子力発電所に対する「みなし交付金」を引き下げることを求めたい。
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